今日も今日とて。   作:不皿雨鮮

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火薬庫に、火花が落ちる。

 玉藻前。別名、白面金毛九尾の狐。権力者を誑かし、多くの人間の虐殺を愉しみ、しかし、最後には陰陽師、安倍晴明にその正体を看破され、封印された、三大悪妖怪の一体。豊穣の神、御結神を祀る稲荷神社の中には、玉藻前が最後の抵抗として成った殺生石の欠片を封印し、それを崇めることで無毒化している場所もある。狐を使者とする御結神は、つまり狐を従える、従わすことができる。それ故の発展であり、確かにその効果は覿面だ。

 但し、そのほとんどの場所の、殺生石は現在、偽物だ。何故ならば、殺生石は現在、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだから。

 少年の名前は、土御門明俊。土御門家の分家の一人である明俊は、死者だ。土御門家繁栄の犠牲の一人。但し、その死体を利用し、殺生石を加工、埋め込み、いわば一体の怪異を蘇らせた。

 そう、つまり、土御門明俊とは、玉藻前だ。そして、彼は今現在。

 

 ――高校生活を送っていた

 

「明俊。お前、どうしたんだ? そんな風にぼぅっとしてさ」

「あー、いや、ううん。何か、ちょっと嫌な予感がしたんだ」

「? なんだそれ、変な奴だな」

「いや、逆立ちしてる君言われてもね」

「修行だからな」

「何の?」

「サッカーの」

「足使ってないのに?」

「逆に、だ」

「そうか。逆に、か。うん、逆なら仕方ないね」

「んな訳ねぇだろ!? バカなのかお前は!」

「理不尽にキレないでくれるかな!? バカなのはそっちでしょ? 赤点連続記録を更新し続けてる訳だし」

「ぐっ。お前な、何正論で論破してくれてんだよ! 腹立つな!」

「また理不尽にキレる! 凄いね、悠斗!」

「いやぁ、それほどでも」

「褒めてないからね!?」

 やいのやいの、と、朝から、教室で、明俊と悠斗はハイテンションだった。

 高校に入ってできた友人である、今野悠斗。彼は随分と、面白い性格をしていて明俊としては退屈しない日々の糧になっていた。そしてもう一人、明俊の日々に欠かせないのは――。

「またアンタらは、漫才してんの? 本当に、漫才師目指したら? いい線言ってると思うよ?」

「京子……。いや、遠慮しとくよ。それに僕らは、漫才師じゃないしね」

「あー、まぁ、そうだけどさ」

 笑って、京子――伊達京子は教室の中を視る。明俊、悠斗、京子の三人以外は、きちっ、とまるで軍隊の如く姿勢の良さで着席する、生気のない生徒達の姿。いや、死んだ少年少女の姿があった。

「僕らは漫才師じゃない。死霊傀儡師だ」

「よっと」

 逆立ちを、ようやくになって止めて、悠斗はパンパンと手を払う。

「んで、久しぶりにお前さんをご招集とは、上の方は何をやらかしたのかねぇ」

「さぁね。だけど、今回は、なんでもござれ、だってさ。つまり、()()()()()()()()()ってこと」

「ふぅん。じゃあ、暴れますかぁ。相手は、ふぅん、西条雅、か。吸血鬼、西洋怪異かぁ、これは初めてだね。ん、決めた、彼は、僕の駒にする。それ以外は、うん、君達にあげるよ」

「んー、じゃあ、私はこの晴香って子かな」

「じゃあ、俺はアビーって奴で。こりゃ、いい、人形(ドール)になる」

「狙いは決まった。じゃあ、行こうか。日程は、一ヶ月後。タイミングは各々の、方法で」

「「了解」」

 

 こうして、メンツは揃った。最強にして、最凶の、西洋呪術師と東洋呪術師。彼らの戦いは、真の意味で、火蓋を切った。




また、しばらく更新しないかも。まぁ、カクヨムに移動するかもしれないので、これが最後かもしれないし。
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