SAO フェイタルバレット 現実世界編   作:玄神

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001 残影の荒野後、喫茶店にて

■残影の荒野、フィールドボスを討伐後(シロ編、18話以降)

 

ーーー現実世界。

 

昨日はイツキのスコードロン《アルファルド》へお邪魔して、彼とフレンド登録をおこなった。

そこにシロの意志があったかどうかは、別として。

 

学校帰りのましろは、学生用鞄とは別に大きな荷物を持って固まっていた。

目の前には母親の勤務場所。そして、その受付ロビー。

今日も母に頼まれ、必要な荷物を持って来ては、不要になった荷物を持って帰る使命を果たさなければならない。

 

しかし、このまま建物に入らずUターンして帰りたい。とましろは考える。

 

原因は受付のお姉さんと楽しそうに会話をしている人間である。

約1週間ほどまえ、「伊月」と名乗る男性から話しかけられた。

その伊月が、またロビーの受付にいるのだ。

 

(えっ、何でお姉さん顔を赤らめながらあの人と会話してるの!?)

2人は仲がよろしいようで、

恋人同士と言われてもおかしくない雰囲気を感じられる。

 

「あら、ましろちゃん。こんにちは」

受付のお姉さんがましろに気付いて、挨拶をした。

「こんにちは。今日もお願いします。」

 

荷物を預ける為に必要事項を書く間も、2人は楽しそうに会話をする。

「はい、こっちは主任から預かった荷物よ。」

「ありがとうございます。」

 

これで、ここでするべき事は終わった。

さっさと帰ろう。

ましろは足早に外へ出ると、ため息をついた。

 

「あれ、ため息をつくほど嫌なことがあった?」

 

ましろが後ろを振り返ると、笑顔で手を振る伊月がいた。

 

*********

「何でついてくるんですかっ!?」

「それは偶然だよ、偶然。」

ましろは憤りもあってか、勢いあまってテーブルから身を乗り出す。

 

場所は研究施設から歩く事、最寄りのカフェ。

とりあえず、ここで話そうか。と提案したのは伊月である。

2人がけのテーブルに座り、

ましろが声を荒げたので、店内にいる人間が痴話ケンカか?と様子を見る。

 

「僕は定期的にあの会社に薬品や機械を搬入したり、営業のお仕事で来てるんだよ。

だから、ましろちゃんをストーキングしてるとかは決してないから。」

「それは理解出来ます!と言うか、どうして私の名前知ってるんですか!」

自ら名乗った覚えはない。

 

「それは、あの受付の女性を買収したというか…ね。」

(どうりで私がいつ来るのか、筒抜けなのか!)

「ねっ、じゃありません。これ以上出るとこ出ますよ!」

「分かってる。ただ、君とちょっとお話がしたいだけなんだ。」

「私は話す事ありません。」

キッパリと断言するましろに、苦笑いをする伊月。

 

「お待たせしました。」

そこへ、2人が入ってすぐに注文した飲み物を店員が運んで来た。

 

伊月の前にブラックコーヒー、ましろの前に紅茶が置かれる。

ましろは落ち着く為に、ひとくち口にする。

 

「君の、お母さんについて…聞きたくてね。」

「母ですか?」

「うん。僕は会社の事情で、少し前からあの研究所を担当する事になったんだ。

神谷主任はとても気難しい人だとは前任者から聞いていた。」

「そうでしょうね。…だから、その娘である私から母の詳しい事を聞きたかったんですか。」

「話が早くて助かるよ。もちろん、お礼はちゃんとする。」

「お礼の内容にもよりますけど。」

 

伊月がここでニヤリ、と笑う。

「なら、決まりだね。」

あれ、このやり取りどこかで…と思うましろだった。

 

 

「母は、他人を仕事が出来るか、出来ないかで判断する人です。」

「なんとなく、それは感じたかな。」

「後は…甘いものに目がないです。」

「甘いもの?」

「そう、甘いもの。」

ましろは小夜子がいつも気に入っている和菓子のお店を教えた。

 

「何かトラブルがあった時に使えるかも。」

「はは。…あとは、どんな事聞きたいですか?」

「そうだね。君と神谷主任はそんなに仲が良くない?」

伊月のこの質問に、ましろは言葉に詰まる。

 

「仲が良いとか、悪いとかの問題じゃないです。」

「と、言うと?」

「んー。簡単には説明できない事が色々あるんですよ。」

「今はこれ以上聞かないよ。…次までに、質問を用意しておくね。」

「次があるのか…。」

「今日のお礼もかねて、美味しいケーキ屋にでも案内するよ。」

 

「あっもちろん、ここも…」

ましろは伝票を伊月の方へ寄せる。

「ははっ。大丈夫だから安心して。」

「ごちそうさまです。」

 

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