アースラに戻り最初に出迎えたのはリンディ艦長だった。
「お疲れ様。それから…フェイトさん?初めまして」
「ホントにお疲れさんだよ。…なのは様」
「なのは様!?気色悪いですよツェペリさん!?」
あれを見た後は誰だって〝様〟をつけたくなるだろ。(保身で)
「それはそうとリンディ艦長。フェイト・テスタロッサ容疑者は先ほどの魔砲で複数個所の捻挫や打撲があるので医務室に連れてっていいでしょうか」
「……許可します。なのはさん、フェイトさんをよろしくね?」
「あっ…は、はい」
なのはがフェイトを医務室に連れて行こうとするがフェイトは動かない。ちなみに、フェイトの傷は波紋である程度癒している。
モニターを見るが、玉座の間に到達したらしい。しかし抵抗らしい抵抗をしないのはなぜだ?っておいおい……他の部屋を見るならプレシア・テスタロッサを逮捕してからにしろよ。いくら数で優っているからって…『勝ち誇った時、そいつはすでに負けている』って言葉を知らないのか?
「え?」
モニターを見ていたなのはが驚いている。それはそうだろう。なぜなら、
いつの間にか武装局員を倒したプレシアがポッドの前に立つ。
《私のアリシアに…近寄らないで!》
プレシアは今完全にプッツン状態だ。武装局員の攻撃も効かない。リフレクターでも張ってんのか?やはり武装局員は返り討ちにあっている。
俺は別のモニターを見ると、武装局員のほかに何かが映っていた。嫌な予感がした俺は、エイミィに連絡を取る。
「エイミィ…今やられた武装局員をコッチに送らないでくれ」
《なんで!?仲間がどうなるかわからないの!?》
「おそらくだが、アイツらは『スタンド攻撃』を受けている。アースラに帰ってきたらそれが感染する可能性がある」
《おそらくだなんて……。そんな確証もないことを……!》
「かかってからでは遅いんだぞ!それすらもわからないか!」
《……提督に確認を取ります。…………了解です》
何とかなったようだな。向こうで安全の確保でもしときゃあいいでしょ。しかしなんか見たことあるような………。
《もう駄目ね…時間がないわ。たった7個のロストロギアでは…『アルハザード』にたどり着けるかどうかわからないけど………》
『アルハザード』って確か存在するかどうかわからない世界だった気がする。確かに、7個では無理な可能性が高い。でも0%のわけじゃあないからな。こんな状況じゃあ試すしかないんだろう。させないけど。
《でも、もういいわ。終わりにする。この子を亡くしてからの暗鬱な時間を…この子の身代わりの人形を娘扱いすることを》
やはりフェイトはクローンだったか……。だからといって、差別するわけでもないけどな。しかしこれ以上これをフェイトに見せるのは危険な気がするのだが……。
《聞いていて?あなたのことよ。フェイト。せっかくアリシアの記憶をあげたのに、そっくりなのは見た目だけ。役立たずでちっとも使えないお人形》
ヤバいね。何がヤバいかって…あのババアがこれ以上フェイトを侮辱すると俺がプッツンしそうでヤバいね。
《最初の事故の時にね…プレシアは
なるほど…その研究もダメだったからこんなことに……。しかしエイミィ…なぜそれを今カミングアウトするのかな?君はフェイトを追い詰めてそんなに楽しいかな?君が良かれと思ったことは実は本人を傷つけていることをわかっているのかな?かなかな?…ヤバいな。もうそろそろアウトかもしんない。
《よく調べたわね。そうよその通り。だけどダメね。ちっともうまくいかなかった。作り物の命は所詮作り物。失った者の代わりにはならないわ。アリシアはもっと優しく笑っていてくれたわ。アリシアは時々わがままも言ったけど、あたしの言ったことをとてもよく聞いてくれたわ》
「くうん」
「………大丈夫だ。安心しろ」
「くそっ……!」
「落ち着くんだ…坂本」
「くう……!」
「明久、きもい」
「!?」
《アリシアは…私にいつでも優しかった。フェイト、やっぱりあなたはアリシアの偽物よ。せっかくあげたアリシアの記憶も、あなたじゃダメだった》
そりゃあ違うだろ。記憶があったって、生まれてからの育った環境が全く違うんだしな。
《アリシアを蘇らせるまでの間に、私が慰みに使うだけのお人形。だからあなたはもういらないわ。どこえなりとも…消えなさいッ!》
フェイトはギリギリだが耐えている。いや、混乱しているといったほうが正しいか……。
「お願いだよ…もうやめてッ!」
《あっはっはははは……!いいことを教えてあげるわフェイト。あなたを造り出してからずっとね…》
期待をするな。答えはわかっているだろ……!
《私はあなたのことが……大嫌いだったのよ!!》
プッツーーーーン
俺の中の決定的な何かが切れた。俺はテメーを必ずぶちのめす……!
フェイトが倒れる。心の支えだった人に否定されたからだろう。
「なのは。フェイトをさっさと医務室に連れてけ」
「ひっ…は、はい」
「光輝。お前も落ち着け。殺気がダダ漏れだぞ」
《大変大変!ちょっと見てください!屋敷内に魔力反応を多数》
坂本に諭され、少しは落ち着きを取り戻す。モニターを見ると、何か機械に騎士といった感じのヤツが大量生産していた。新たな突入隊の時間稼ぎか。とすると…あそこで〝ジュエルシード〟を暴走させる気か!
「吐き気を催すほどの邪悪とはッ!何も知らぬ無知なる者を利用することだ……!自分の利益だけのために利用する者のことだ…。母親が何も知らぬ『娘』を!!てめーだけの都合でッ!許さねえッ!」
《私たちの旅を…誰にも邪魔されたくないのよ。私たちは旅たつの!忘れられた都、『アルハザード』へ!この力で飛びだって…取り戻すのよ…すべてを!》
「そいつはよかったな。だが耳をかっぽじってよーく聞いとけよ。テメーはこの光輝・A・ツェペリが直々にぶちのめす」
《ふふ……。やってみなさい。あなたじゃあ私のところまでたどり着けないと思うけどね》
アースラは多くの指示が飛び交っている。あそこに飛び込むのはもう少し時間がいるだろう。
「明久…これをお前に渡しておく」
「え?これって……」
「お前に貸しといてやる。返しに来いよ。レッスン3『回転を信じろ』…だ」
「……高額にならないうちに返しに行くよ。そこまでお金持っていないからね」
聞こえないように明久に〝鉄球〟のあるベルトを渡す。明久は俺の意図を察したようで素直に受け取る。『ジュエルシード』を渡したら〝スタンド〟が使えなくなるからな。
「光輝君、明久君、雄二君。これから『プレシア・テスタロッサ』の逮捕をします。いいですね?」
「こちとらかまいませんが…これ、お願いします。奪われたら困るんでね」
そう言って俺と明久は体内からジュエルシードを取り出す。それをリンディ艦長に渡し、転送ポートの前に立つ。
「私も後から現地に向かいます。先にお願いしますね」
「来るのは秀才君、なのは、ユーノか……。そして俺たち3人で合計6。『七人の侍』にもならんとはな」
「御託を言ってもしたがたねえ。さっさと行って逮捕しようぜ」
「すまない。遅れた」
やっと秀才君の御登場か。でもまだ問題ない範囲だろう。あのババアをとっとと捕まえれば問題ない。
「じゃあ行きますか!」
TO BE CONTINUED...