バカと魔法と奇妙な冒険   作:壊れゆく鉄球

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Leeson33 重力の井戸の底で

光輝・ツェペリが〝虚数空間〟に飛び込んで消息不明になり退避しようとしたとき、通路の奥から足音が聞こえてくる。敵が来たのかと思ったクロノは〝S2U〟を構える。

 

「あれ?僕も急いできたんだけどなぁ」

 

「吉井明久!?なぜ生きているんだ!?」

 

「僕は〝理解〟したんだ。あの『矢』の意味を」

 

クロノはわけがわからなかった。明久の胸元の部分の服は破れているが、『矢』が貫通した場所の()()()()()のだ。

 

「『矢』の意味は…〝スタンド使い〟をつくり出す道具だったんだ。でも胸のキズがないのはわからない。でも僕は生きている。それは決して変わらない〝真実〟」

 

ほらね?、と言って明久は爪を回転させた。しかし、明久は少しよろける。クロノは肩を貸して、大丈夫か?と聞いてくる。

 

「あそこで血を流しすぎたかもね。で、光輝は?ようやくくたばった?」

 

「光輝は…〝虚数空間〟にあえて落ちてプレシアを逮捕しようとしたけどそのまま落ちたんだ。しかし君たちはホントに友人なのか?態度が友人のそれじゃあないけど」

 

「友人だよ?お互いマジの殺しあうほどの」

 

それは友人じゃあない、とクロノは返して光輝が向かったほうを見ると何かがコッチに向かってくる。それはプラモだった。光輝が持っているヤツだった。なぜかこっちに向かって動いている。

 

「あれは…光輝のプラモか。うん。後でお墓に添えとくからね♪」

 

「ホントに友人なの!?」

 

「エイミィ。僕たちをアースラに転送してくれ。もうそろそろここもヤバい」

 

《了解です》

 

(ここで光輝を見捨てるクロノもどうかと思うけど……)

 

 

 

 

光輝side

 

ヒューーーーー

 

現在進行形で俺は今落下している。〝シャープ〟の位置が近いようで遠い。つまりはわからない。さて、ここからどうしたものか。少なくとも久遠に『皮膚の硬質化』はやるけど。

 

下を見ると街が見える。しかしどこもかしこも争った跡が見える。あっもうすぐ地表に到達する。

 

ドオンッ

 

爆発したような音が出る。体が…痛い……。いや生きている奇跡に感謝しよう。耳を澄ますと、ほかにも同じような音がいくつか聞こえる。

 

「久遠は…大丈夫か」

 

「……くうん」

 

「大丈夫だって。こんな時ほどウェカピポ先輩や師範代のしごきに感謝したことないけどね」

 

久遠が心配そうな声になるが安心させようとする。体中痛いが、波紋を5分ぐらい流せば走れるようになるだろう。

 

 

 

5分後。とりあえずさっき爆発音がした場所に向かうことにした。もちろん波紋のレーダーを使うけど。

 

「生命反応が2つ。あり得るのはプレシアと…『アリシア』?」

 

こんな廃墟にほかの何かがいるとは思えないが少なくとも、生物はいるのはわかるのでそこに足を進める。道中には『ジュエルシード』が落ちていた。なにそれ怖い。

 

何かがいるのはこの建物の上の階らしい。足音を立てないように慎重に進む。波紋のレーダーでどんどん近づいていくの確認する。波紋のレーダーはこの部屋の中に何者かがいるらしい。部屋の中に向けて耳を澄ます。

 

「―――――まだ生きている。だったら…ここがどこだか調べつくして『アルハザード』へ行き。必ずあなたを生き返らせるわ。その前に…そこにいるあなた、姿を現しなさい」

 

なに!?俺のことがばれている…だと!?化け物化コイツ。でもこのままでなかったら消し炭にされそうなのでおとなしく出る。

 

「あら?あなただったの?私を逮捕しようとして一緒に落ちるなんてマヌケね」

 

「そうかもしれんが…これだけは言っとくぜ。俺は今あんたと敵対するつもりはない。それに、『アリシア・テスタロッサ』は()()()()()

 

「……医者には〝死んでいる〟って言われたわ。なのに何であなたは〝生きている〟って言えるのかしら」

 

「医学には〝仮死状態〟って言われるものがある。これは推測でしかないが…上層部があんたに研究者として働かれては困ることがあったんじゃねえの。それでいろんなとこに根回しして〝死んだ〟と判断させる。その結果こんなことが起きてしまったが」

 

「それで?あなたがアリシアを目覚めさせることができるっていうの?」

 

「そうだ。俺は〝波紋〟と呼ばれる『技術』を習得している。それを使えば楽勝だ」

 

『アリシア・テスタロッサ』が仮死状態なのは確かだ。じゃなきゃ波紋のレーダーに映るなんてありえない。

 

「あんたにはいくつか道がある。1つは俺の波紋でアリシアを目覚めさせることだ。2つ目は俺が今持っている〝ジュエルシード〟を奪って何かをすることだ」

 

「ホントにアリシアを目覚めさせることができるって言うの?」

 

「ああ。しなくてもいいが一応言っとくぜ。〝ネットに引っかかったボール〟はどちらに落ちるか?でもアリシアは違う!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…。ボールはどちらにも落ちない。決めるのはあんただ」

 

「………お願い…します」

 

「祈っててくれ。成功することを」

 

ポッドを割ってアリシアを外に出す。久遠がアリシアをなめているが…まあいいや。

 

「いくぜ……パウッ!」

 

波紋をまとった小指がアリシアの横隔膜をつく。波紋が流れる音が聞こえ、アリシアが少し光る。

 

【ママを止めようとして…ありがとう。それに、私を助けようとして本当に、ありがとう】

 

「!?なんだ…今の声……。プレシアの声じゃあなかった。もっと若い世代n{バシッ}痛ァ!?」

 

「あ。手が滑った」

 

今聞こえた声について考えていたらプレシアに鞭でたたかれた。理不尽だろ…。

 

でも、アリシアが呼吸をし始めたことから成功したといってもいいだろう。脈もちゃんとあるし。

 

「ハア…ハア…ハア…」

 

「服を着せないとな。さすがにババアのヤツは「何か言ったかしら?」なにも言ってませんよ御婦人」

 

プレシアの脅しがマジ怖いんですけど誰か助けて。そう考えつつも俺の上着を着せる。身長差があるためか、アリシアにとってはワンピースのように見える。

 

「プレシアさん」

 

「なに?」

 

「アリシアちゃんと仲良くなれそうなギャグ思いついたんでやっていいっすかね」

 

「…………」

 

「アリシアちゃん、さあご一緒に……さん……しーーー。ハッピーうれピーよろピくねーーー」

 

「「………」」

 

「ハッピーうれピーよろピくねーーー」

 

「……」

 

「ハッピー うれピー よろピくねーーー」

 

「は……うれ………よろピ…ねー」

 

「よーしよしよくできたぞ」

 

そういえばずっとポッドの中にいたんだから声帯がうまく機能しないのが普通か。

 

「アリシア…アリシア!よかった…あなたとまた過ごせるなんて!」

 

「ママ。苦し…いよ」

 

プレシアがアリシアを抱きしめている。あの顔は…娘と会話する…母親のように安らいでいる顔だァ!……まあその通りなんですけど。でももうそろそろ離したほうがいいんじゃあないですかね。ほんとに苦しがってますよ。かなり青い。

 

「あの~そろそろ帰るための探索をしたいな~なんて」

 

「いいでしょう。アリシアも目覚めたしここにこれ以上いる必要もないわ」

 

「そういえばあなた病気もちって聞いたんスけど大丈夫なんスか」

 

「あなたに殴られてからちょっと…というよりかなり楽になったわね。治ったのかしら」

 

波紋で治しちゃったか?俺に危害が出なかったら問題ないけど。

 

 

 

 

 

 

今、俺たちは中央にある建物にいる。理由としては、中央のデカい建物はお偉いさんが使ってんでしょ?ということでいる。帰れそうな装置がなくても、文献をあさればなにかあるんじゃね?という理由もあるのだが。

 

「上は見終わったし今度は地下ですか」

 

「怖いの?」

 

「まっさかーー!楽しくてルンルンしてるようん」

 

アリシアは途中に店とかあったので衣服をもらってきている。今は久遠に抱き着いている。でも途中にジュエルシードがあるのはホント怖い。これで7個目だよ!?

 

扉が開き近くにある地図を見る。そこある文字はわからないがどういう施設があるかを書かれているらしい。

 

(牢獄…研究所……。囚人でも使って人体実験でもやっていたのかしら……?)

 

「とりあえずは研究所で資料でももらいましょうや」

 

「そうね」

 

エレベーターに悪い思い出がさっきできたから上を警戒していたら変ね、ってプレシアに言われた。あんたの作ったやつのせいなんですけど………。

 

エレベーターと研究所は直接つながっていたようですぐに入れたのだが―――――

 

「なんじゃこりゃ」

 

―――――なんかデカい機械が置いてある。さすがに研究所の内部に攻撃用の機械があるとは思えないが慎重に調べる。

 

そこには、ひし形のくぼみがあった。

 

「プレシアさん。これなんだと思います?」

 

「さあ……でも〝ジュエルシード〟に似てなくともない」

 

「入れてみれば?何かわかるかもよ?」

 

アリシアが言うが……。確かに入れなくてはなにもわからないしな。プレシアもそう思ったのか、俺から〝ジュエルシード〟を受け取りくぼみにはめる。するとなんということでしょう!機械が起動し始めたじゃあありませんか。さらにはホログラムも現れる。

 

《この機械を起動することができたということは、私が造った〝もの〟を集めてここに来たということか。君たちが〝これ〟を集めているときにいろいろ不思議なことが起きたんじゃあないかな?今ならそれに答えることができるぞ?》

 

プレシアと目を合わせる。が、先に俺に質問させてもらおう。

 

「じゃあありがたく聞くがよォーー。『何のため』にこれを造ったんだ?」

 

《そんなことか。簡単だ。人は夢や願いを叶えたいと思うだろ?それができるか知りたかったんだ。でも失敗したよ。不完全に、しかも極端に叶えてしまうからな》

 

「〝これ(ジュエルシード)〟を使って人体実験でもしたのはなぜかしら?」

 

《そんなことまで聞いちゃうゥ?このことがこの国の崩壊まで関係するのだが……。まあいい話すぞ。それはある日だ。とある若い研究員が素手でもってしまったのだよ。何が起こるかわからないからやめとけって言ったのに。でもそれが大きな発見だった。君たちになかにも知っている者がいるかもしれんが言っておこう。体の中に入っていったんだよ》

 

「で、その研究員に何かが起こったわけね」

 

《そうだ。その研究員をスキャンしたら魔力量が増加したんだ!私は思ったよ。『これ』にはまだ可能性があるって。そこからだ。人体実験を始めたのは。ここで一般人を使うのはさすがにヤバいから死刑囚や無期懲役の囚人を使ったのだよ。実験を続けると〝これ〟に適応できる人間は何なのかわかるようになってきた。わかっているかもしれないが〝リンカーコア〟を持っている人間だ。そして最後のリンカーコアを持っていない人間の実験をした》

 

「そして〝スタンド使い〟が誕生したと」

 

《そう、最後に実験をした人間が〝これ〟に適応したのだよ。しかしスキャンをしてもなんの反応がなかった。その男が言ったんだよ。『先生…こいつが見ないのか?』ってね。私たちにはその見ない〝力〟に恐怖したよ。でも実験は続行した。適性のある人間とない人間の違いはなんだってね。一応その〝力〟にも名前は付けたのだがね。その男の〝力〟の射程距離が2mだから〝そばに立つもの(Stand by me)〟から『スタンド』と名付けた。でも私たちは研究に集中していたから忘れていたよ。この男が〝死刑囚〟だってことをね》

 

「その男が実験中に脱走したのか」

 

《ああ。〝これ〟を盗んで脱走したんだ。国は躍起になって探した。それもそうだったんだろうな。その『スタンド』にはある能力があったんだ。私たちがその男が画面に映っていても〝認識〟できなくなったんだよ。その間に男は20人の仲間を連れてこの国を襲撃した》

 

「それでこの国は滅んだと……」

 

《そういうことだ。前置きが長くなったな。この装置は〝これ〟の能力を完璧に叶える道具だ。たいていの願いは叶うはずだよ》

 

なるほどね。〝スタンド〟がかなり強力だったのね。

 

「プレシアさん。3つ叶えたいのあるんでやっていいですか?」

 

「いえ…私はアリシアがいるだけでいいの。全部使っていいわ」

 

「ありがとうございます。じゃあ……過去や未来にいくことは?」

 

《その程度ならできるさ。でももし新たに世界を創るのだったら今ある数じゃあ無理だな。全部ないと》

 

「そうか……。ならこの3つの〝これ〟に触れた者を7年前に送る機能をつけてくれ。一回だけの機能だからな?」

 

《りょーかい》

 

『ジュエルシード』が願いを叶えると黒曜石のように黒くなった。もらってもいいよね。使えなくなったってことなんだから。

 

「この3つを2015年4月5日にいる『吉井明久』、『坂本雄二』、『光輝・A・ツェペリ』の元に送ってくれ」

 

過去に送る機能を付けた『ジュエルシード』を未来の俺たちに送った。これで辻褄が合うはずだ。

 

「この『時代』に来てしまった『吉井明久』、『坂本雄二』、『光輝・A・ツェペリ』を明後日に元の『時代』に帰してくれ」

 

《ほう……タイムトラベラーってヤツなのか君は》

 

「そうですよ。とある『俺』のせいでここに送り込まれたんですよ。…プレシアさん、覚悟はいいですね?」

 

「ええ。どんな罰も受けるわ。それだけのことを私はしてきた」

 

「わかりました。じゃあ最後の願いだ。ここにいる全員を〝アースラ〟に送ってくれ!!」

 

《さよならだ!冒険者たちよ!またいつか会おうではないか!!》

 

妙にテンションの高いホログラムだな。それにまたここには来たくない。そう思っていると、俺たち全員が光に包まれるのを感じた。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

明久side

 

「被害報告です。負傷者多数ですが死者はおそらくいません。ですが…『光輝・ツェペリ』が〝虚数空間〟に落ちて行方不明です。残ったのは…これだけです」

 

クロノ君がリンディ提督にそう報告する。周りの空気はズーンとしている。負傷者は大量にいる(大体坂本君のせい)が行方不明は1名、光輝だけだ。

 

なのはちゃんは足を治療して松葉杖をついている。フェイトちゃんは今回の事件の重要な関係者だから、アルフと一緒に護送室にいるからここにはいない。

 

なのはちゃんやユーノ君が今にも泣きそうにしている。知り合いが1人どこともわからない場所に消えたのだからわからなくともないけど……なぜか光輝なら戻ってくるって思う自分がいる。光輝の遺品になるかもしれないプラモを見ていたら、そう思えてくる。

 

だからだろうか、プラモが発光していることに気づけたのは。

 

「クロノ君…光輝のプラモが……!」

 

「発光している!?でも暖かい光だ」

 

【νガンダムは伊達じゃないッ!!】

 

クロノ君も光に気づいている!?どれだけの『スタンドパワー』があるんだ!?光がアースラのブリッジを満たしていく。

 

「戻ってこれたのね……」

 

「再びジオンの理想を掲げるため!星の屑成就のため!ソロモンよ私は帰っt{バキッ}ふげーッ」

 

「どれだけ心配させたと思っているんだ!」

 

人影がでてきて、光輝の声だ、って思った時にはすでに光輝はクロノ君に殴られていた。確かにかなり心配させたんだ。ちょっと殴っても「待て!爪を回転させるなッ!」文句を言われる筋合いはない。

 

「殴られたのは驚いたが…帰ってこれたようだな」

 

「『プレシア・テスタロッサ』、ここにいるということは覚悟ができているってことですよね?」

 

「ええ、できているわ」

 

プレシア・テスタロッサの態度が違う。隣にいる子の影響なのだろうか。でもこれでいいんじゃあないかな。

 

「これで宣言通りに『任務を遂行』したぜ」

 

「お疲れ」

 

ゴンッ、と僕たちは拳を叩きあった。

 

 

TO BE CONTINUED...

 

 

光輝&明久&雄二…なんとか説得して存在の抹消する。明後日帰還予定。

 

プレシア…病気が治るが逮捕される。

 

アリシア…フェイトと仲良くできるか不安。

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