では、10話目をどうぞ…
流石に2週間も経ったためアルゴの新聞による爆発的なブームも収まり、連日人が押し寄せてくることが少なくなった《食事処メイ》。開店間近の時間に唯一の店員はつぶやいた。
「もう…あそこまで動き回るのは嫌やで…」
新聞が出てから最初の一週間は店内を駆け回り、左右で違う料理を同時にこなしていたこともあった。ブラック企業を通り越してダークネス企業の働き方であった。
それでも新規の人は来るものであるし、リピーターだっている
今日は日曜日のため、比較的仕事は楽である。
「チョコと飴食べよ…」
働き詰めで糖分が足りないんだ。いいから寄越せ。
そう言わんばかりにチョコを食べ、飴をなめ始めるメイ。
やはり土曜日の閉店時間と日曜日の開店時間の間が短い。見直すべきか……。そう考える。実際夜をメインに開く呑処と夕方までゆえに開店時間が早いスイーツ店。ここをどうにかすべきと考えながらメイは店の鍵を開ける。
開店してから結構時間が経ち現在は午後2時半。日曜日は3時に混む傾向にある。スイーツ=お菓子=おやつ=3時。こういうことである。
チリンチリン
「いらっしゃいませー。」
「こんにちはー。ほらピナも!」
「ピィ!」
フェザーリドラを肩に載せた茶髪ツインテの少女が入ってきた。メイは少女に見覚えがあった。直接見たわけではないが新聞でみたのである。
「《竜使い》のシリカちゃん?」
「そんな大層なものではないのですが…なんで知っているんですか?」
「タイタンズハント崩壊事件のときに知り合いから聞いたのでね…。それはそうと!店主のメイです。ご注文はなんですか?」
「スフレチーズケーキをお願いします!」
「少々お待ちを〜」
クリームチーズに砂糖を半量入れて混ぜる。
卵を入れて混ぜる。塊が出たら潰すように混ぜる。
生クリームを入れて混ぜ、レモン汁も入れて混ぜる。(生地)
薄力粉をふるいながら入れる。
卵白に砂糖を2〜3回にわけて加えながら角が経つまで混ぜ合わせる。(メレンゲ)
生地にメレンゲを加えて混ぜ合わせる。
型を整えてから、60分焼き上げる(時短)
最後に粉砂糖をふりかけて完成。
「お待たせしました〜スフレチーズケーキです〜。」
「わぁ、ありがとうございます!」
そう言ってシリカはフォークを持ち食べ始める。
「ん〜甘くてフワフワでおいしいです〜。」
「それはよかったです。実はこれ、35層の名物のチーズケーキをスフレにしてみたんです。」
実際これは事実であり35層で食べたチーズケーキをスフレ化したものである。
「そうなんですか!あのチーズケーキ美味しいですよね!」
その横ではフェザーリドラもチーズケーキをつついている。
「どう、ピナ?美味しい?」
「キュイ!」
「とても喜んで食べてます!」
「モンスターのお客さんは初めてです……。」
シリカはチーズケーキを食べ終わり、不意に聞いてきた。
「そう言えば私のことは知り合いから聞いたと言ってましたが誰から聞いたのですか?」
「あぁ、《黒の剣士》から聞きました。あのオレンジギルドリーダーとも知り合いだったので解決者本人に聞いたんです。」
「えぇ!?ロザリアさんと知り合いだったんですか!?」
シリカはひどく驚いている。それもそうだ。目の前にいる女性プレイヤーがオレンジプレイヤーの知り合いなら彼女もオレンジではないかと思ったからだ。
「あ、知り合いっていっても向こうは滅多に見ない女性プレイヤーのお客さんってことでしたし…。安心してください。私はオレンジではないですし、この店から滅多に出ないので。」
そう言うとシリカはなんとも言えない表情で笑っていた。
「チーズケーキ、ごちそうさまでした。また来ます!」
「ん、ありがとうございましたー。また来てくださいねー」
軽い感じで返事を返し、シリカは店を出た。
フワフワスフレチーズケーキ
オリ主とより仲良く出来そうな方
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ロニエ
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ティーゼ