デスゲームのお食事事情   作:lonrium

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3日連続投稿です。
テスト10日前だからもう明日とかは無理です。
2000字はギリギリ超えませんでした。


ラーメン&《神聖剣》

 「できた……ついに…ついに…」

 

メイは感激していた。料理スキルを極め、SAO内では自分で作ることの多い調味料の一つが完璧にできたからだ。

 

 「完成した……ついに…味噌が!」

 

完成したのは味噌である。それも黄土色の完璧な。醤油の自作にも成功し《麻婆豆腐》でも使ったができた形状はすごいものであった。具体的に言えば緑色のスライムである。これが醤油の味そのままなのは結構笑えない。

 

 「これで味噌系のメニューが増やせる。」

 

今日は火曜日。開店前のこの時間にメイは一枚の紙にペンを走らせる。

 

 『新調味料完成!メニュー増加!』

 

ーーーーーーーーーーー

 

店が開いてからは走り回るメイ。新メニューの味噌中華料理の注文があとを絶えなかった。特に多かったのは回鍋肉(ホイコーロー)であった。今日作られたばかりの味噌もあと3食分しか残らず、休みの翌日に生産するつもりである。

 

 「あと30分で今日は終わりかー」

 

時刻は閉店30分前。客は残っておらず、時間も時間なのでテーブルを拭くなどをして軽く後片付けに入る。しかしこの時間でも来る人は来るのだ。

 

チリンチリン

 

 「いらっしゃいませー……うっそぉ…」

 

 「ふむ、ここが…」

 

入ってきたのは白をベースに赤のラインが入った鎧。kobの鎧だ。しかし普通のkobメンバーならまだよかった。銀の髪をオールバックにし、盾と一緒になった剣を持っている。SAO内唯一の《ユニークスキル》を持ち、トップギルドのリーダー。最強と名高いプレイヤー。

 

ヒースクリフその人だった。

 

 「いらっしゃいませー。トッププレイヤーさんに来てもらえるのは光栄ですけどどうしていらっしてくれたのですか?」

 

メイには分からなかった。《攻略の鬼》の唯一の上司も攻略効率厨だと思っており、来た理由が分からなかった。心当たりがあるとすればアスナの時と同様に勧誘だと思っている。

 

 「そう固くならないでくれたまえ。いやなに、この店の料理が絶品だと団員達が話していてね、私も食べたくなったのだよ。」

 

 「そうでしたか。ではメニューをどうぞ。」

 

 「いや、もう決まってある。味噌ラーメンはあるだろうか?」

 

 「味噌ラーメンですね、少々お待ちを〜。」

 

鍋を2つ用意しそれぞれにお湯を用意する。

 

もやしを水に浸し、あげたら水切りをする。

 

ニラと豚肉を切っていき、豚肉を塩コショウで味付けする。

 

ニンニク、生姜、味噌、上新粉、カツオ、七味唐辛子をよく混ぜる。それを一つの鍋に入れて溶かす。

 

中華鍋で肉を炒め、色がついたらもやしを入れ30秒ほど炒める。

 

中華麺を取り出し、茹でる

 

味噌スープをフライパンで加熱し、沸騰したらすぐに止める。

 

フライパンのスープを半分麺にかけ、麺をほぐし具材を盛り付ける。

 

 「お待たせしました〜。味噌ラーメンです。」

 

 「ふむ、では頂こう。」

 

ヒースクリフは手を合わせてから麺をすする。味噌が麺に染み込んである。しかし、しつこくなくてとても美味しい。

 

 「これは…美味いな…」

 

 「そう言ってもらってありがたいです。普段は何を食べてたんです?」

 

 素朴な質問にもヒースクリフはしっかり答える。こういった真面目さ、堅実さがギルドを支えているのだろう。

 

 「なに、たまにNPCレストランで食べることもある。この前も醤油ラーメンを提供している店があったが醤油の風味のない偽ラーメンだったよ。」

 

 「あらぁ…。それはそれは」

 

ラーメンを食べ終えたヒースクリフは満足そうであった。

 

 「ごちそうさま。この世界で好物がしっかり食べられたのはこれが初めてだよ。」

 

 「また、来て下さい。ここでならラーメンは各種ありますよ。」

 

そう言ってヒースクリフは店を出ようとした。が立ち止まり口を開く。

 

 「少し、聞いてほしい話があるのだが。大事な話だ。」

 

 「え?勧誘ですか?」

メイはある程度予想していたがやっぱりその手の話が本題かと思った。しかしヒースクリフからはもっと違う話が出てきた。

 

 「近々《笑う棺桶》の討伐戦がある。聞いたところ君はクラディール君に引けをとらない実力があるそうじゃないか。こちらも戦略的にも心もとないところがあってね。参加してくれないか?」

 

ギルド《笑う棺桶》。通称ラフコフ。SAO内で人殺しを目的に活動する最悪のギルド。犯罪行為を行えばオレンジと呼ばれるようになり、それを通り越す質の悪さ。攻略組がついに見過ごせなくはなり、捕縛作戦に出るのであった。

 

 「そんなんに参加したくはないですね。死にたくないですし。」

 

 「そうか。すまないね。命あってこそだ。」

 

 「でも、姐さん…《鼠のアルゴ》と協力はしてラフコフの情報は集めますよ。」

 

 「そうか。ありがとう。よろしく頼むよ。」

 

ラフコフ討伐の話を聞いたメイは少し困惑した。隠しているつもりでも感情表現のオーバーなこの世界ではどうしても微妙な顔が出てしまう。

 

その様子に違和感を感じながらもう話すことはないためヒースクリフは店を出た。

 




お気に入りの増加と感想を見るととてもテンションが上がります。

あと特殊効果難しいです。太字とか使いたいけどやり方が分からないです。
ホイコーローのルビ振りはできましたが

オリ主とより仲良く出来そうな方

  • ロニエ
  • ティーゼ

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