デスゲームのお食事事情   作:lonrium

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イタリアン「久しぶりだな!」








パスタ&恋愛相談

メイは怒っていた。目の前にいる人が一体なにをしたいのかが分からないからだ。

時刻は夜8時半。メイの目の前にいるプレイヤーは以前の教訓を活かし、この時間に来たのであろう。店の営業時間外という教訓を。

 

「なぁ…うちがなんの店かわかる?レストランやで?相談所じゃないねんで?」

 

「その節は本当に申し訳ありません…。でもどうしても相談にのって欲しいことが」

 

目の前にいるのはアスナだ。店にくるのは3度目であり、今日は客として来たわけではない。

 

「んなもんギルドの人にしてきてや。上司の団長さんなり護衛の人なりに」

 

「男の人には相談できないことです!特にギルドの人には!」

 

この勢いにメイは驚いた。こんな副団長を見たことがないからだ。それにここまでの反応ならばそれなりに重要な相談だと思い、のることにした。

 

「分かった…。で?なんや?」

 

アスナは顔を赤くしながら呟くように言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「実は…気になる人がい「よっしゃ!出て行け!」ごめんなさい!でも本当に助けてください!」

 

「ふざけんな!」

 

メイは完全にキレていた。人々との触れ合い、出会いを求めてこの店を始めたので他人の恋愛相談なんてもってのほかだった。

 

「しかも相手は絶対にキリトやろ!?結構前に一緒に食べてたことは知ってるんやぞ!」

 

「それストーカーじゃないですか!?」

 

こんな感じの下らない喧嘩がしばらく経ったが、2人はなんとか落ち着き、メイは相談にのることにした。

 

「で?まずはキリトとどうなりたいんや?」

 

メイはまず軽くアスナに質問する。

 

「そ、それはまず友達というか…気軽に話したいというか…」

 

「圏内事件の時は普通に話してたやろ…それはどうしたんや?」

 

「あの時は事件のことで頭がいっぱいだったし…解決しなきゃって…」

 

それから2人は考えたが特にいい案はでることなく時間だけが過ぎていき…

 

グゥ

グゥ

 

デジャブを感じた

 

「なぁ…アスナはご飯食べてないの?」

 

「そうなんです…。そもそもメイさんもいつ食べてるんですか?前もそうでしたし…」

 

「店を閉めてからや。今日は突撃されたからまだ食べてないけど」

 

「本当にすみません…。」

 

メイは立ち上がり厨房へ向かいながら言った。

 

「何食べる?メニューの中からお願いね。」

 

アスナはメニューを取り出し、じっくりと目を通す。

 

「今日はイタリアンかー。じゃあパスタをお願いします。」

 

「種類は?」

 

「カルボナーラでお願いします。」

 

ベーコンを炒め、炒まってきたらニンニクを入れる。

 

色が付いてきたら牛乳と生クリームを入れ、煮立たせる。

 

ソースに塩と昆布茶で味付けしてから冷ます。

 

ソースが冷めたら卵、チーズを入れてソースを完成させる。

 

麺が茹でたらソースが入ったフライパンに入れ、火をつける。

 

卵が固まらないように火を入れてながら濃度を調節し、全体にソースが絡めば黒コショウを振って完成。

 

「はい、お待たせ。」

 

「ありがとうございます。」

 

メイとアスナは向かい合いながらパスタを食べ始める。

 

「やっぱりメイさんの料理は美味しいですね。私じゃとても敵わないですよ。」

 

「そういや聞いたんやけどアスナも料理スキルを取ってるんやろ?」

 

「はい。そうです。」

 

これを聞きメイはニヤつきながら比較的小さな声で言った。

 

「家に招待して手料理を振る舞えば?」

 

「無理です!無理です!」

 

アスナは顔を赤くしながら慌てるように言う。その様子をメイは可愛いと思いながら追い討ちをかける。

 

「なんで無理やと思うねん。」

 

「だって…家に呼ぶなんて恥ずかしいし、キリト君はここの料理を食べ慣れてるからまだ完全習得してない私じゃ満足してくれないだろうし…」

 

キリトは二週間に一回の割合でこの店に来ている。常連となっているため確かに舌は中々に肥えている(辛いものに限る)。アスナはそれを気にかけ、料理を作るにしても完全習得してからにするつもりのようだ。

 

メイが案を出してもアスナは大体恥ずかしがるか口籠るかで話が中々進まなかった。しかし話をすれば色々案は出てくる。

 

「2人とも攻略組なんやから武器系統の話でもすれば?どっかの武具店に行くなりして。」

 

「それなら良いかもしれない…。キリト君もこの前武器のことで言ってたし…。」

 

「いけそうか?」

 

「ありがとうございます!来週までには知りあいの武具店を紹介したいと思います!」

 

結果としては攻略組だからこそできる武具店の話のことで距離を縮めていこうということになった。

 

アスナはメイにお礼を言い、意気込みながら店を出た。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

後日、メイは1人で厨房で試作品を試していた。

 

トントントントン…トントン…

 

ボキッ!

 

包丁の耐久値が切れたのか、包丁が真ん中から折れた。

 

「あぁ〜…折れたか〜。予備がなくなってきたらまた買わんとな〜。」

 

なんてボヤいているとメイは先日のアスナとの話を思い出した。

 

「武具店か…。オーダーメイドの包丁なんていいかも知れない。どこの武具店にしようかな?」

 

メイはアルゴに情報を貰おうとしたが、フと思い出した。

 

「リズや…。せや!リズに頼も!」

 

メイは予定をスケジュール表を開き、リズベット武具店に行くことを決めた。

 




呑所「俺のこと忘れてない?」

オリ主とより仲良く出来そうな方

  • ロニエ
  • ティーゼ

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