デスゲームのお食事事情   作:lonrium

23 / 76
三戸晴真さん初評価ありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!


決闘&唐揚げ

74層ボス攻略の翌日。案の定キリトの二刀流の存在は新聞にて公になった。家の前にまでスキルの詳細を聞きに来る人達がいっぱいいたので、キリトはエギルの家に逃げ込んだ。

 

「なんでこうなるんだよ!」

 

まだ1日も経っていないのにここまで広がるのは誤算のようだったみたいだ。SAOにはアルゴがいるのだから情報の拡散スピードはすごいものだ。

 

「そりゃキリトが派手に使ったからでしょ。俺たちの秘密だーとか言いながらも。」

 

「私も知らんかったけどユニークスキルの存在は大きいからな。そらこうなっても変じゃないやろ。」

 

バターの買い出しに来たメイは偶々居合わせただけである。特に呼ばれたとかはない。

 

キリトがゴネていると裏口の方向から人が走ってくる音が聞こえた。ものすごいスピードで迫って来たため、裏口の扉はすぐに開いた。

 

「どうしよう、キリト君。メイさん。大変なことになっちゃった。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

55層グランザムにあるkob本部に呼ばれたキリトとメイ。それぞれ別々に話があるようで、先にヒースクリフと話すのはキリトだ。

 

少し待つとキリトは話し終わったらしく、ヒースクリフの部屋から出てきた。その表情は少し厳しいものだった。待たせては悪いのでドアをノックする。

 

 「入りたまえ。」

 

 「失礼します。」

 

先程キリトと話した内容はあまり聞かれたくなかったのだろう。部屋にはアスナとヒースクリフ以外誰もいなかった。

 

 「それで、私には何の御用でしょうか?」

 

 「先日君はアスナ君たちと74層のボスに挑んだそうだね。報告書を見た時には驚いたよ。」

 

 「まぁそうですね。」

 

 「以前アスナ君や私からの勧誘を断った時には覚悟ができてないと言っていたが遂にできたようだね。」

 

 「あの時はただレベリングしてただけですし…。軍の人も助けなきゃと…。店も忙しいので断らせて頂きます。」

 

二人は「入ってくれ」「嫌だ」の会話になり、どちらかが折れなければ話に終わりが見えなくなるのはすぐに分かった。

 

 「ならば剣で、デュエルで決めようじゃないか。私が勝てば君にはkobに入ってもらう。君が勝てばこちらからは無理に誘わないし、店のスポンサーになろう。」

 

 「団長!また決闘ですか!?」

 

 「うっ…。kobがスポンサー…?」

 

メイは悩んだ。SAO内最大のギルドがスポンサーになってくれれば、試作の数も増やせ、品数は増えるだろう。だが相手はヒースクリフだ。ユニークスキル持ちのトッププレイヤーに攻略組平均レベルが勝てる訳がない。

 

 「流石にユニーク持ちトップの団長さんが相手は無理ですね。この話は白紙でお願いします。」

 

 「ふむ…。そう言われればそうだな。ではアスナ君ならどうだろうか?」

 

 「なんで私がメイさんと戦わなければならないんですか!?嫌ですよ!」

 

メイはアスナに慈しみの顔をしてから肩に手を乗せ、ヒースクリフの方を向いた。

 

 「わかりました。その勝負受けます!」

 

 「アスナ君。これは命令だ。」

 

 「もぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

アスナの嘆きは止まらない

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

75層にはコロシアムがあり、そこで試合が行われることになった。キリトは今日の観戦はkobの人達位だろうと思っていた。しかしコロシアムはお祭り騒ぎだった。

 

 「嘘だろ…」

 

kobの人が入場チケットを販売しており、更には商人プレイヤーが露店を開いていた。それにも驚いたが、もっと驚くことがあった。露店の中でも1番長蛇の列を作ってる店がある。それは今日は勝負があるはずのメイだった。

 

「いらっしゃいませー!」

 

「なんでお前も商売してんだよ!」

 

「ダイゼンさんからスペース貰ったからに決まってるやろ」

 

キリトが文句を言っていると横からkobの人がやってくる。

 

「おおきにおおきに。キリトさんのお陰でえろう儲けさせてもろてます。あれですなぁ、毎月一回ぐらいやってくれると嬉しいですわ〜」

 

陽気な関西弁の口調で話すのはダイゼンだ。kobの会計でもしているのだろう。商売魂は十分にあるようだ。

 

「あ、メイさん。コロシアム内でも売る用の唐揚げを頂けまへんか?」

 

「了解しましたー。」

 

鶏肉を一口大に切る。

 

醤油、みりん、酒、ニンニク、ショウガを混ぜ、鶏肉をこれに揉み込み、15分程漬ける。

 

片栗粉をまぶし、余計な粉をはたいて中温で香ばしく揚げれば完成だ。だがメイは温度を少し変え、2度揚げをした。

 

これで自信のあるサクサク唐揚げの完成だ。

 

「はい、これお願いします。」

 

「おおきにおおきに。」

 

キリトとアスナはダイゼンに連れられ控室に向かった。

 

それからもメイは入り口前の露店で唐揚げを作り続けた。しばらくすると外にも聞こえるアナウンスが流れた。それはキリトとヒースクリフの呼び出しであったので、メイも店を閉め控室に向かう

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「す、すまないキリト君。ここまでの騒ぎになっているとは思わなかったよ。」

 

「ギャラは貰いますよ。観客の殆どが食べ物片手で完全に見せ物だからな。」

 

「いや、この試合が終われば君も団員だ。任務扱いにさせてもらう。それと食べ物のことは彼女に言ってくれ。」

 

ヒースクリフは自分の入ってきた方向の入り口に指をさす。そこには笑顔で手を小さく振るメイの姿があった。

 

キリトとヒースクリフはウインドウを操作してデュエルの準備を整える。60秒のカウントダウンが表示され、コロシアム全体が静寂に包まれる。

 

カウントダウンが0になった瞬間キリトは走り出しヒースクリフに斬りかかる。それは防がれたが、もう片方の剣で攻撃する。ヒースクリフはそれも防ぎきり、盾の先端で突きを放つ。キリトは剣を交差に構えて突きを受けきったが弾き飛ばされた。

 

そこからヒースクリフは距離を詰め、攻撃をしかける。見ている全員にとって見たことのないスキルを発動しながら攻撃をする。キリトも負けじとスキルで応戦する。ユニークスキル同士の斬り合いにはとても熱く感じた。

 

2人は一度離れ、再び距離を詰める。キリトの攻撃は更にスピードを増していき、ヒースクリフは苦しくなる。

 

ついにキリトが大きく動く。二刀流16連撃スキル《スターバースト・ストリーム》を発動する。次々と斬撃が繰り出されるがヒースクリフはそれを防いでいく。が、スピードはキリトが上回り次第に追いつかなくなっていっていた。

 

15撃目でヒースクリフの盾が弾かれ、キリトの左の剣がヒースクリフを捉えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思われた。

 

ヒースクリフの盾は弾かれたはずだが確かにそこにあった。キリトの攻撃を防ぎ、スキル後の硬直による間にヒースクリフは剣でキリトを突く。

 

ヒースクリフvsキリトの勝負はヒースクリフの勝ちで終わった。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

(弾かれた直後の盾があんなスピードで戻るんか?いやスキルならありえるんか…。でもライトエフェクトなんて出ていたか?いや出てなかったはずや。じゃあ一体あのスピードはなんや?)

 

この試合唯一ヒースクリフの背を見ていたのはメイだけだ。アスナやリズはキリトの背中が見える位置であり、ヒースクリフはあまりよく見えない。観客たちは上から、その上距離もあるので、2人の距離はわからない。

 

故に違和感に気づけたのはメイだけだ。違和感の正体を見破るためにありとあらゆる可能性を思考する。

 

『続いては第2試合です!』

 

ここでアナウンスが入る。メイはヒースクリフのことを後で考えることを決める。

 

(これからアスナとの試合や。そっちに集中せんと。)

 

コロシアムの舞台に上がる前にメイは口にある物を含んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もう決闘の話まで来たのか…

オリ主とより仲良く出来そうな方

  • ロニエ
  • ティーゼ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。