デスゲームのお食事事情   作:lonrium

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またテスト期間です。赤点がギリギリなので死にそう

今回は前半は蜘蛛VSグリームアイズです。


化物&化物

リーファと捕虜の火妖精は絶句した。目の前で起こっている化物同士の戦いに理解が追いつかなかった。

 

最初に動いたのは蜘蛛の方だった。その前脚には関節が二本あり、変身したキリトの腕よりも長くいため、キリトのリーチ外から、横に薙ぎ払うように攻撃をしかける。

 

流石のキリトもこれは初見で避けきることができず、鎌の先端部だけだが少し喰らってしまう。だがキリトはその一撃で少し蜘蛛への対策を練ることができた。それはリーチ外から攻撃されるなら、距離を詰めれば良いというものであった。距離を置かれ続け、ちまちま攻撃を喰らい続けると負けるのはこちらだ。とりあえずの方針は定まった。

 

蜘蛛は同じようにもう一度攻撃をしようと動き始める。キリトはそれを相手のアームの部分でうけ、ダメージを最小限に抑える。距離を詰めたところでその脳天に拳を振り下ろす。距離を詰められた蜘蛛は離れようとするが、キリトはそれを許さず、追撃にかかる。

 

蜘蛛は腕の振り上げを腹で喰らい、何を思ったのか離れることを諦め、その場でキリトと殴り合いを始めた。

 

殴り合いの中で、見ているだけのリーファでもキリトが有利なのは分かった。蜘蛛の攻撃はキリトの腹や腕にしか当たっておらず、逆にキリトの攻撃はほとんど蜘蛛の頭に入っている。実際攻撃力もキリトの方が高く、この状態が続けば勝つのはキリトだ。

 

逃げようにも逃げられない蜘蛛は奇策に走った。その行動は橋から飛び降りるというものである。だがその水中には水妖精がいないとどうにもならないレベルのモンスターがおり、自殺行為に思われた。

 

だが蜘蛛は水面に向けて勢いよく糸を吐き、表面張力で一瞬固まったところで橋の下にもう一度糸を吐く。振り子のような動きになり、最高点に辿りついたところで橋の上にもう一度糸を吐き、糸の方を戻していく。

 

そうすれば重力と戻すスピードがあわさり、キリトを遥かに上回るスピードになった。すれ違いさまの一瞬にキリトは鎌の攻撃を思いっきり食らってしまった。

 

キリトは蜘蛛を追いかけようとするが、蜘蛛はまた橋の下に居座る。もう一度同じような攻撃がきたが、やはりそのスピードは捉えきれない。

 

キリトは三撃を急所に食らってしまい、体力はレッドゾーンまで来てしまった。モンスターの姿をしていようが、元の体力はプレイヤーのものだ。頑丈ではない。だが蜘蛛も同じであり、殴り合いを続けたのが原因でレッドゾーンだった。

 

キリトの体力がレッドゾーンになったこともあり、蜘蛛はトドメにかかる準備をする。同じように橋の下に糸を張り、振り子運動を始める。だが先程までとは運動量が違い、高さがあった。その高さからは先程よりも早い攻撃が来るのは誰の目にも明らかだった。

 

最高点に到達した蜘蛛は橋の横側に糸を吐き、先程よりも早いスピードで攻撃をしかけた。そのスピードはリーファの目で追えるか追えないかのスピードであり、避けようがないかと思われた。

 

「キリト君!!」

 

リーファは相棒が負けてしまうのを嫌がり、目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かを殴りつけるような鈍い音が響き渡った。リーファは恐る恐る目を開けてみれば、そこには空中にいる蜘蛛の顔面に拳をいれているキリトがいた。

 

何度も同じ攻撃をうけたキリトはカウンターをしかけることを決めていた。スピードが上がっても、キリトの持つその反射神経は対応でき、見事カウンターに成功した。

 

蜘蛛は力なく水の方へと落ちていき、水の中に落ちる前に赤い命火と化した。

 

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「あいつまだ帰ってこないな。」

 

ガタンのデスポーンの場所で11人の火妖精が残りの1人の帰りを待つ。今回だけのメンバーとは言え、同種族なのでやはり心配になるのだ。まだかまだかと待っていると、門が光だし、新たな死に戻りの人が現れた。

 

「あーー。ギリギリで負けてしもたかぁ。」

 

出て来たのは今回の作戦メンバーではなく、見知らぬ女性の火妖精だった。その装備は初心者のものであり、死に戻りしたということは大方どこかで初心者狩りにでもあったのだろう。

 

「あ、急ぎがあるのでどいてもらっていいですか?」

 

そう言ってその火妖精はその場を立ち去った。

 

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メイはガタンまで死に戻りをしてしまったが、どうやら60人を超える火妖精が作戦行動に出てるという情報を仕入れることができ、再び世界樹を目指すことに決めた。先程の12人は偵察隊だったと判断し、本隊のであろう方について行かなかったことは失敗したと思うがこの際は仕方ない。時間としてはかなり前のようなので、あそこまで削り切った化物は倒してくれるはずと予想した。

 

道は覚えているので、メイはトップスピードでもう一度ルグルーを目指す。道中の戦闘と翅を休めるべき時間もできるだけ短縮したいので、幻惑魔法を使って歩幅を上げるのと、雑魚モンスターへの威圧を重ねる。こうして使ってみると幻惑魔法は割と便利だ。

 

最速で洞窟まで再びたどり着き、中にいるモンスターともできるだけ戦わずに進んでいく。先程メイが負けた橋までもう一度たどり着くと、あの化物はもう既にいなかった。

 

「よし!誰かがなんとかしてくれたみたいや。」

 

メイはルグルー回廊を突破し、そのままルグルーを突き抜け、アルンへと向かった。

 

アルンへと到着したメイは街並みを見て回る。流石ALOで最大の中立都市というだけあり、全種族のプレイヤーを見ることができた。中には土妖精と水妖精がイチャついてるところも目撃し、ここには種族間の隔たりがないように思えた。

 

「賑わってんねんなぁ。」

 

街並みを見た感想をポロリとこぼす。時間を見ればそろそろ定期メンテナンスの時間のようだ。メイは近くの宿屋を探し、セーブしてからログアウトをした

 

 




オリ主の原作キャラとの戦績
VSジョニー 敗北
VSアスナ 勝利(不意打ち)
VSキリト 敗北

負け越し

オリ主とより仲良く出来そうな方

  • ロニエ
  • ティーゼ

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