久しぶりすぎて文風変わってるかもしれません。ご容赦ください!
??「受験と執筆を両立できないとは…怠惰ですねー」
作者「あ、やめ…」
ALOのメンテナンスが終わり、皐月は再びログインをする。メンテナンス中は家事や勉強等をして時間を過ごしたため、入れたのはメンテナンスが開けてからしばらく経っていた。
セーブ地点であるアルンの宿屋から外に出る。宿屋の周りは多くのプレイヤーで賑わっていたが、グランドクエスト場所である世界樹に近づくにつれ、人通りは少なくなっていく。どうやら常に誰かが挑んで混雑してるということは無いらしい。
だがそれはおかしいとメイは思った。昨日のメンテ前に出発したはずの火妖精がの集団がいないのだ。60人もいれば世界樹攻略体制だ。それが見当たらないということは既に負けた後かまだ準備中なのだ。だがどこにも火妖精が見つからず、攻略したという噂も無さそうなので、攻略に失敗したのだろう。
事実は分からないが大体の予想を立てながらメイは階段を登っていく。その途中で奥から声が微かに聞こえてきた。
「……これ以上………ない。俺は……だから。もう一度行くよ。」
もう一度行く。つまり連続で挑もうとしてるプレイヤーがいるということだ。このままでは順番待ちになってしまうのでメイは走り出す。
「…いつもの……君に戻っ…。私……君の…。」
まだ声は聞こえるがこの際どうでもいい。メイは翅も使い、世界樹の前にたどり着く。
「お二人さん。私は今すぐここに挑みたいんやけどええか?」
メイは気持ちが急いでいるため、いつもの敬語が消える。目の前にいる二人はいつか見た影妖精と風妖精だった。二人はメイの方を見ているが、影妖精の方は睨むような見方だ。
「一人で挑むのか?だったらそんなことはさせられない。」
「そっちも一人でやろうとしてたやろ。大方サッサと光妖精になりたいだけなんやろ。装備も私と同じ初期装備やし、飛ぶ楽しさを知って制限を無くしたいんやろ」
メイの言葉に影妖精は歯を噛みしめる。
「それはお前のことじゃないのか?でも俺は違う。あそこで会わなきゃいけない人がいるんだ。だから譲れない」
今度はメイが歯を噛みしめる。事情がほとんど同じだからだ。その会う人が
「私も同じような事情や。私が絶対に上に着かんとあかんねん。あの子に会うために…。やから譲れない」
影妖精が唖然とする。あの子という言い方でメイがどちらかに会うために動いているのを理解したのだ。だが自分だけがその目的でこのゲームをしていると思いきっていた影妖精はメイを怪しく思う。
「なぜお前が彼女のことを知っている?」
「一言で言えば仲間や。友達や。やから私はあの子を助けたいんや。これ以上は言えることは何も無いで」
SAOの名前を出せば色々と面倒になるので伏せる。だが影妖精の目的もアスナということが分かった。
「お前もあの子のことを知っているみたいやな。なにが目的で会うんや?」
「俺もお前と同じような理由だ。俺は彼女が好きだから助けたい。」
やはり目的までほぼ一致している。故に二人は相手に同じことを問う。
「どうして…」
「なんで…」
「「お前がアスナを知っている!?」」
二人の言葉がハモる。今すぐ助けたい気持ちがいっぱいで大事なことにはお互い気が回らない。そんな中二人の言葉に反応する者もいた。
「今、何て?」
反応したのはずっとその場にいた風妖精だ。彼女はアスナという言葉に反応した。
「でも…だって…その人は…」
風妖精は後ずさりながら思考をする。そうして確信を得た。
「キリト君……。お兄ちゃん…なの?」
「えっ…?スグ…直葉なのか?」
「ひどいよ…あんまりだよ。こんなの…」
そう言って風妖精はログアウトをする。だが二人のやり取りで得られた情報もあった。キリトと呼ばれた影妖精。そしてその目的。そこからメイはあのSAOのキリトだと確信する。
「お前、キリトやったんか。やったら納得いくわ。」
「その関西弁にアスナを知っているということは…メイか…?」
こうしてメイとキリトはお互いを認識する。色々と話したいこともあるのだが、今はそういう訳にもいかない。
「俺も今すぐログアウトする。妹を放っておけない。」
「やろな。今すぐ行ってき。私はここで待っとくわ。」
キリトは風妖精を、リーファのリアルを追うためにログアウトする。
「やっぱキリトもアスナを助けに来たんか。」
たった一人残されたメイは呟いた。
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しばらく待てば、キリトが再ログインしてきた。
「おかえり。どうやった?」
妹を追った結果をメイは聞く。
「俺たちはアルンの北側のテラスに行く。お前もついてきてくれないか?」
だが詳しいことを知らないメイは迂闊についていけるわけもない。これは二人の問題だ。ならば二人で解決するのが筋というものだ。
「いや、変に関わってもこじれるだけやから行かれへんわ。でもその代わり、しっかり説得して来てな。」
メイはキリトの背中を叩く。キリトはそれに驚き、メイの方に向きなおる。
「行ってき!」
メイの力強い言葉にキリトは応える。
「おう!」
そうしてメイは北側のテラスに向かうキリトを見送った。
キリトを見送った後、キリトの妹について考える。おそらくあの二人はお互いの正体を知らないまま行動していたのだろう。そしてログアウトする直前のセリフから察するに、彼女はキリトに好意を抱いているはずだ。
だがお互い初対面なため、メイは掛ける言葉を見つけられなかった。キリトがどうにかすることを願うだけだ。
「…………」
しばらくすれば無言のまま再ログインするキリトの妹の姿があった。落ち込んでいるように見えるが、上からの人物に目を向けていた。
「おーい!リーファちゃーん!」
向かってきてるのは風妖精の男のプレイヤーだった。メイは二人から死角になる位置にいるので、邪魔にならないようにする。
二人は何やら話をしているようだが、メイの位置からは聞き取り辛い。最初にまともに聞こえたのはリーファの声だった。
「変なこと言っちゃってごめんね。帰ろ、スイルベーンに。」
どうやらリーファはキリトに会うつもりはないらしい。それを知ったメイはキリトに伝えに行くことにする。
「リーファちゃんは泣いちゃダメだよ。いつも笑ってなきゃリーファちゃんじゃないよ」
だが横からその男がリーファを励ましにいく。
「リアルでもここでも、絶対に一人にしないから!」
声のトーンからしてただの励ましではなく、本気だろう。
「リーファちゃん…直葉ちゃんのことが好きだ!」
メイは後ろで苦笑いを浮かべる。このドサクサで告白するなんて大胆な人だと思う。ここまで良い人がリーファを励ましているならきっと大丈夫だろう。
その直後に殴られた音が響き渡ったのはきっと聞き間違いだろう。だがリーファの顔は清々しいものになっており、心配も無さそうだ。
そのままリーファは北側のテラスに向かって飛びたった。後はキリトとリーファの問題なので、無事に解決することを祈るだけだ。
「そこに誰かいるんですか?」
不意に声を掛けられた。その声は先程の風妖精である。
「ごめんなぁ…つい聞いてもたわ。」
「サ、サラマンダー!?それに聞いてたって…まさか!?」
彼の顔は今は真っ赤だった。
そこからお互いに敵意は無いことを話し合って理解し、自己紹介をする。彼の名前はレコン。どうやらリーファとリアルでの友人らしい。
「にしてもレコン君やるやん。あそこで大胆にも告白するなんてなぁ…」
メイはニヤニヤしながらレコンに言う。レコンは人生で最大の告白を聞かれてたことに対してオーバーヒートしそうなほどに恥ずかしがっている。
「やめてくださいよぉ…」
「ま!あそこまで男魅せたら大したもんやで。反応も悪くなかったしこれからリーファも意識するんちゃうん?」
「からかわないで下さいよぉ…」
レコンとメイは世界樹の前で座りながら話している。話題は先程の告白のことであり、レコンは恥ずかしさの限界だった。だがメイから見ても、先程の告白はリーファにとっても好感触に思えるので、脈はあると思っている。
メイがレコンをイジり続けてしばらくすれば、キリトとリーファが戻ってくるのが見えた。
3000超えたからスタミナ切れて中途半端な所。次は世界樹攻略です
オリ主とより仲良く出来そうな方
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ロニエ
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ティーゼ