メイはイライラしていた。
狩りの約束を取り付けた方のキリトが遅刻しているからだ。待ち合わせ時間は9時だ。しかし現在は9時15分。
「遅いなぁ。」
そんなことをボヤいているうちにキリトはやってきた。
「ごめんごめん。」
「遅いでぇ。」
理由は寝坊だった。くだらない理由だ。さてそんなことより聞かなくてはならないことがある。
「今日はどこでレベリングすんの?」
「そのためにも聞きたいことがある。メイのレベルはいくつだ?」
「62やけど。キリトは?」
「俺は75だ。」
……このゲームの安全マージンって階層+10くらいだよね。どんなレベリングしてるのこの人…。
「じゃあ、54層でいいよな?」
「いいわけ無いやろ!殺す気か!?」
いくらキリトがついているとは言え層+8少し危ない。
「じゃあメイはどんなステ振りしてるんだ?」
「AGI最優先次点でSTRちょっとVITやけど?」
「モンスターハウスの経験はあるか?」
「あることはあるけど最前線は嫌やで。」
話し合いの結果昼食後にモンスターハウスの結果になった。死にそう()
迷宮区にこもって3時間、時刻は12時30分。ここいらで昼食をとることにした。
持ってきたのはおにぎりと焼き芋だ。と言っても作り方は簡単だ。
おにぎりは好きな形に握り、好みの量の塩をつける。
中には梅や昆布や鮭なども入れておくと尚おいしい。
保存も効くので長持ちするしとても便利だ。
焼き芋はさつまいもにアルミを巻いて火にくべるだけでできる。そして砂糖を使っていないのに甘い。
さて昼食は終わりだ。ここからが狩りの本番、モンスターハウスだ。
「さて、いくぞ。」
キリトがそう合図をし目の前の宝箱を開けた。
次の瞬間部屋中に警報音が鳴り響き大量のモンスターが現れる。
キリトは片手剣をメイは短剣を手に持ち次々と現れるモンスターの群れに飛び込んだ。
キリトがリザードマンをなぎ倒し、メイがゴブリン達の喉をかき切る。
30分ほどたってもモンスターが消えないので宝箱の方に仕掛けがあると二人は気づいた。
「メイ、武器の耐久値とポーションはまだあるか?」
「まだまだ十分にあるで。」
それから2時間、二人は無限に現れるモンスター達を狩りまくった。
モンスターハウスが終わり、二人は帰路についていた。
この時の二人のレベルはメイが68、キリトが78まで上がっていた。
「なぁ、そのレベルならメイも攻略組になれるんじゃないか?」
「覚悟が決まって整理がついたらな。」
メイは攻略組になる気はなかった。そもそもピリピリしているこの世界を落ち着かせるために店を開いたのだ。勝手にやめたら手伝ってもらったエギルに悪い。
「今日はレベリング手伝ってくれてありがとな。」
「いいって、お互い生きてクリアしよう。」
そう言って二人は解散した。
メイは帰る途中に35層に寄っていた。焼き芋の消化とこの層で人気のチーズケーキを食べるためだ。
宿屋に入りメイはすぐにチーズケーキを頼んだ。素材の配合が絶妙でとても美味しかった。
メイはこれをメニューに入れようと考えていた。
あとは焼き芋の消化だ。メイはアイテムストレージからでかい木製の荷車とスピーカーを出し、電源をいれ…
い〜しや〜〜〜きいも〜〜おいも〜〜
石焼き芋を始めた。
すると近くにいたのか一人のプレイヤーが近づいてきた。
「あら、懐かしい。」
そのプレイヤーは赤髪で片目が隠れていた。背中には大きな槍を背負っている。
「はい、まいど〜。ありがとうございます!」
焼き芋を買ったのはロザリアというプレイヤーだった。
「あなたこんなとこで商売してるの?」
「狩りの帰りだったんでその寄り道です。お姉さんは?」
「私はパーティーと色々…ね…」
メイは久々の女同士の会話だったので盛り上がっていた。
「いやぁ、ありがとうございます!お姉さんもパーティーの人達と上手く行ってくださいね!」
こうしてメイは35層を去った。
シリカがしばらく出せなくなった。
感想、評価お待ちしてます。
オリ主とより仲良く出来そうな方
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ロニエ
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ティーゼ