デスゲームのお食事事情   作:lonrium

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若干原作に入りました。





ソフトドリンク&秘密者

第2回BoBが終わったため、GGO内では大会前ほどの活気さは無くなった。それでも完全にその熱は失われることはなく、近いうちに決定した第3回大会に向けて張り切るプレイヤーもいる。それは生産系のプレイヤーも例外ではない。今より良いものを他プレイヤーに売るためにダンジョンに潜る者もいる。

 

だがそういったことに関係ないプレイヤーもいる。そろそろ認知されると思っていても、今までに来た人はおそらくフィールドに出てる時間の方が長いため、知り合いにこの店を伝える機会がないのだろう。またわざわざ伝える気がないのかもしれない。なので相変わらずシキは暇である。今日もカウンターの内側で愛用のGAU-22の手入れをしている。

 

「やっぱ場所選択ミスったなぁ…」

 

シキはポツリと呟く。SAOはとにかく人が集まる街で店を構えていたが、ここでは人が集まる場所と集まらない場所がある。裏路地1本ぐらいならまだ人は来るが、ここは裏路地が5本入ったような場所だ。でもシキ本人はここをかなり気に入ってるので、手放すのはもったいない。

 

ギィ…バタン

 

扉の開いた音がする。扉の方に目を向けてみるとそこには2人のプレイヤーがいた。1人は迷彩服を着ており、その上から胸当てをしている男性アバターとしては長い銀髪が特徴的だ。

 

もう1人のプレイヤーは黒く、すこしボロボロのマントをしていた。マントもその下の装備も黒いので装備の詳細は分からない。そして顔には鉄で出来たようなマスクをしており、少々不気味である。

 

そして、ボロマントの方のプレイヤーの眼が赤く光ったように見えた。

 

シキとしては少し気になる部分があったが、折角来てくれた客なので出迎える。

 

「いらっしゃいませー」

 

「あ、すみません。ここって個室とかありますか?」

 

銀髪の方の人が確認をする。個室を使うということはあまり人に聞かれたくないような話なのだろう。となると予想されるのは現実に関係があるような相談ということだ。

 

「2階になります。注文は送信式になっていますのでご了承ください」

 

「分かりました」

 

そう言って2人のプレイヤーは上に上がっていく。だがこの間に話していたのは銀髪の方だけであり、ボロマントの方は口を開いていない。

 

2人が上に上がってしばらくすれば、横から飲み物を書いた紙が印刷されてくる。注文されたのはオレンジとサイダーなので、瓶を開けてすぐに横のリフトに入れる。そしてそのリフトを上に上げるだけだ。

 

ちなみにつまみ系の注文はなかった。

 

だがそれよりも先程のボロマントのプレイヤーには少し思い当たるとこがある。シキは、いやメイは彼とよく似た格好をした人物を知っている。

 

体を覆いつくすような装備

道具を使ったとはいえ赤い眼

 

だがこのGGOでは当たり前の装備だ。ピトフーイにしろ戦闘時にはプロテクターを装着するので、そこから目の色をいじればそれだけで同じようになる。なのでただの思い過ごしだろう。

 

 

 

 

 

結構重要な話なのだろうか。1時間以上は経ったが、あの2人はまだ部屋から出てこない。だが一杯で粘るのも悪いと思っているのか追加の注文はあった。この店は暇を極めているのでそんな気を使わなくていいとは思うが、それは本人の気持ち次第だろう。

 

客は来ているのに今までと違い、シキと面と向かって話すタイプの人達ではなかったので、余計に暇だ。なんてことを思っていると2階からドアが開く音が聞こえた。

 

「あ、ご馳走さまでした」

 

「……………」

 

部屋から出てきた銀髪のプレイヤーはそう言う。だがボロマントの方は相変わらず無言だ。

 

だが銀髪の方はこれから出る客としての反応ではあったが、ボロマントの方はやたらシキの方を見る。それは目がしっかりと合う程にだ。彼がなぜシキを見るのかは知る由もない。

 

2秒ぐらい目を合わせてからボロマントは銀髪の後ろをついていく。おそらくGGOでこんな商売をしていることがおかしので、珍獣を見るような感じだと思うことにした

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やっほー。シキちゃんいるー?」

 

2人の客が出てしばらくすればピトフーイが入ってきた。最近ピトフーイはよく出入りしているシキにとっては貴重な常連だ。

 

「何のようやピト。」

 

ピトフーイはいつもシキに何かしらの誘いを持ちかける。それは日によって変わるがフィールドに出ようという誘いが多い。今回もきっとそうだろう。

 

「シキちゃん。BoB一緒に出ようよ」

 

今回の誘いはGGO最大レベルの大会のお誘いだった。第2回の時も代わりに出てと言われたので少し耐性はついたがやはり驚く。

 

「一緒に…ってことはピトも出るんか」

 

「今回は予定が空いててね。出ることにしたの。それで、出ない?」

 

第2回大会は見ていたが、あれはとても面白そうに思う。興味がないという訳ではない。それに今回はピトフーイも出るので1人で出るよりは気持ち的に楽である。

 

「OK。私も出る」

 

シキはこの誘いを了承した。ゼクシードや闇風、ピトフーイが出るので優勝は厳しいと思うが、やはりゲームをしに来ているので楽しみたい。

 

「やっとやる気になってくれたね。」

 

カウンターを挟んで2人のプレイヤーは笑う。それはこれから戦うことを楽しみにしている目だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

ピトフーイと約束をしてから数日が経ち、シキは現在は店の中で1人でモニターを映している。チャンネルの内容はMMOトゥデイというものだ。そこには司会とゼクシードと闇風がいる。

 

『AGI型万能論なんて幻想なんですよ。確かにAGIは重要でしたが、これが吐出していれば強者たりえたのは過去の話です。8ヶ月かけてガン上げした廃プレイヤーの皆様にはご愁傷様です』

 

第2回大会前日にゼクシードがシキの店で言っていたことを言う。よほどツボにはまっているのだろう。話が進んでもゼクシードは過激な発言を止めることなく、それは煽りにも思える。

 

『そりゃ優勝を目指しますよ』

 

そして次の大会に出る意思表示と優勝宣言をした。闇風がステータスだけで勝てるほど甘くないと言うが、ゼクシードはそれを否定する。そして立ち上がった。

 

『つまりですね……。ガッ……』

 

ゼクシードが急に苦しみだすような反応をする。喉に手を当て上を見上げ、回線が切れた。

 

『すぐ復帰すると思うのでチャンネルはそのままでお待ち下さいね』

 

だがゼクシードは復帰することはなく、死亡したとの噂が流れた

 

 

 

 




またオリ主と仲良くなった人が死んでる


オリ主とより仲良く出来そうな方

  • ロニエ
  • ティーゼ

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