面白すぎたのが悪いんだ…
クエスト開始から1時間半。既にパーティは3分の1にまで減ってしまい、俗に言う壊滅状態にまで持ってかれた。
部屋の前に残されたのは僅か3人。最初は仲間が1人1人と減っていくにつれ辛い思いをしていたがここはALO。相手は旧SAOボスだが死ぬことはなく、みんなの仇討ちを果たして朗報を持って帰ると決めてモチベーションを取り戻した。
「エギルも負けるのほどの強さか…。底が見えないな」
「でもボスの火力の上限も見えたはずよ。となると火力での撃ち合いが一番効率がいいのかも知れないわ」
「残ったの脳筋だけだもんな」
残ったメンバーはキリト、アスナ、クライン。挑んだ9人の中でもトップクラスの脳筋であり、また実力も上からの3人だ。エギルとクラインは同じぐらいだが最近のログイン率ではクラインの方が高く、今2人が戦えばクラインに軍配が上がるだろう。
「さて、次は順番通り俺でいいよな?」
次の順番はキリトだ。戦闘能力が一番高く本来なら最後に回ってきてもおかしくはない。だが順番を決めたのはくじ引きなので関係ないのだ。
「モンスター情報はどこにも出回ってません。私でも中には干渉できなくて本当に1発勝負ですよパパ」
キリトのポケットの中からユイが飛び出す。キリト達の前で挑んで負けた3人の間、ユイもどうにかしようと頑張ってはみたが本当にどうしようもなかった。その上ユイも中に入れないようなので直接分析することも不可能だった。
「任せろ。倒してくるよ。」
そう言いながらキリトは扉に触れる。その瞬間にユイは消えてしまいキリトのアイテム欄に入る。
「頑張ってねキリト君」
「頼むぞキリト!」
同じ部屋に入ることはできないが後ろから応援があるだけで勝てるような気がする。部屋に入ると勢いよく扉は閉まった。
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キリトは部屋の中に入り、それに反応するかのように壁に設置された松明が次々と明かりを灯していく。中にはキリトにとってみたこともないようなボスがいた。人型で全身にノイズが走っていた。
「■っ、も■■ン■■。そ■■っ■ら」
ボスがキリトを目視すると話しかける。何を言ってるのかは理解できなかった。そしてボスはその場でいきなり手を叩き出した。
するとキリトは青白い光に包まれる。いきなりのことで目を瞑ってしまったが、まだボスの体力ゲージが出てなかったので襲われることはないと判断した。
光が収まると目を開く。するとキリトの装備は変わっていた。黒のコートは種類が変わっており、懐かしさを感じる。ALO妖精特徴の尖った耳も普通になっている。武器もエクスキャリバーは消えてエリシュデータとダークリパルサーになっていた。つまりSAO装備になっていた。
更に目の前のにはウインドウが開いていた。そこに書かれていた内容はこの世界には普通ないものだった。
【 :限定: 二刀流スキル習得】
更に詳細を開くとキリトが習得していた全スキルがそこにはあった。相手が旧SAOボスであることもあり、サーバーがSAOからの改変であるため限定的に合わせられたのか。
それと同時にキリトはふと考えた。今SAOの時に合わせられたということはクエスト制作者は恐らくキリトのことを詳しく知っている。そしてこんな芸当ができるのは知ってる人で1人しかいない。
「茅場晶彦か…」
「■■え■か?」
ポツリと呟いたことに反応される。キリトが武器を構えるとボスにも体力ゲージが現れ、ボスはノイズの走った武器を逆手に持つ。
久しぶりに戻ってきた二刀流スキルを慣らしたい気持ちはキリトにはあるが、ここはボス戦。実戦で使いながら感覚を取り戻すしかない。
そう決めたらキリトは早い。先手を取られるより先にボスに向かって走り出す。キリトが剣を突き出すために腕を引くとボスが一歩詰める。それにより剣が前に向かって突き出される時にはすでに刃の中心より手前にいた。
キリトの攻撃を流されボスは武器を振り上げる。交差した剣で防いでバックステップで距離を取る。そしてもう一度近づき右、左、左、右でスキルを使わず攻撃を繋げる。その手数の多さにボスは責められない。
(まだだ、まだ上がる!)
久しぶりの感覚であの時のような速度はまだ出ない。今目の前の相手に勝つにはまだ速さが足りないと判断した。その証拠に慣れられたので今降ってる剣は何回か避けられてる。その間にもボスは斬り払い斬り上げ振り下ろしで攻撃をしている。
「はぁっ!」
体のギアが入れ替わるような感覚がする。時間が経てばキリトも感覚を取り戻し更に速度が上がる。受けきれなくなってい突き出しが胴体に当たる。
その隙を流さないように二刀流15連撃スキル『シャイン・サーキュラー』を放つ。スキルの補正により更に速くなる。ボスは避けようと試みるが全てを避けきれない。最初の2発と8発目と11発目は避けられ、何回か流されたが半分は食らった。14発目で武器を上に払い15発目の斬りおろしは当たる。
15連撃目の終わりに更にキリトの剣は光る。終撃モーションからスキルを繋げ5連撃スキル『デプス・インパクト』を放つ。
「■■や■れ!?」
今キリトが行ったのはシステム外スキルのスキルコネクトだ。スキルからスキルに繋げ攻撃を続けるという技だ。振り向き斬りからの5連撃を全て攻撃を与えゲージを削りきる。
一本目のゲージを全て削り、ボスのノイズの走った体からローブが現れる。ボスは一度距離を取ってから体制を立て直した。
一本目を削りきったキリトの感想としてはボスにはそこまでの迫力がない。今までみたいに威圧感のあるボスではなく、少しやりにくい感じはあるが二刀流のおかげで気落ちはしてない。なによりやっと完全に感覚を取り戻した。
ボスが体を前に傾けると一気に走り出す。一直線にキリトに向かわずにずっと走り続ける。少しずつ近づき偶に遠のく。動きがバラバラであり狙いもつけにくいが対応はできるほどだ。
ボスの武器が光る。短剣スキル3連撃『トライ・ピアース』を放ちキリトはそれを4連撃の『カウントレス・スパイク』で撃ち返す。3撃全てを斬撃で防いで4発目で斬りつける。
「く■■!」
時折ボスの言葉に耳を傾けてみるが統一性がない。おそらく何かしらの情報かも知れないと睨んだが確証性もないので無視することにした。
そこから撃ち合いが始まるがやはりキリトが有利だ。武器の手数で確実に削っていく。ボスは体力を削っていくがここで闇雲に走った。9連撃スキルの『アクセル・レイド』を放つ。ゼロ距離からの攻撃なので避けられない。キリトもダメージ覚悟で16連撃の『スターバースト・ストリーム』を放つ。互いの攻撃は何回か撃ち合いかき消されたが命中する。
手数から先に攻撃が終わったのはボスだ。そこから6連撃をまともにくらい2本目の体力を残り1割まで減らす。
そこでボスがありえない行動をとった。硬直が襲うはずのその体がまだ動く。投擲スキルを発動し、ノイズの走った細いものを投げる。キリトはスターバースト・ストリームからのスキルコネクトへの動きを持ってないので食らってしまう。そうすればダメージ毒状態になった。
ボスの足音が響くと同時に硬直が溶ける。振り向きざまに剣を交差状に振る。その2発でボスの2ゲージ目を削りきった。
彼には分からなかった。なぜそこにいるのか
彼には分からなかった。なぜこんなことをしているのか
彼には理解できなかった。ただ意味がわからなかった。
ボスのノイズが全て剥がれ落ち、その顔が、その髪が、その装備が明らかになる。
銀色の長い髪をポニーテールにまとめ、その装備は黄色系の軽金属の鎧。そして水色の鉈包丁。何よりその顔には見覚えがある。
「何やってんだよ……メイ…。」
そこにはボスとして立ってるSAOの時の姿のメイがいた。
「やっぱ強いなアンタ。もうボロボロやわ。まぁもう気にすることもないし」
メイが軽い調子で返す。そして武器を構えキリトに斬りかかる。咄嗟にキリトは防ぐ。
「どういうことだよ!おい!」
「見たまんまのことやろ。そういうことや」
状況が理解できないキリトは今メイを倒すことができない。こうして確認することしかできないがメイには説明する気もない。
キリトは武器を持ち上げメイを上に弾き、メイは飛ばされ空中に放り出される。その状態のままローブの中に手を入れた。
ドシュ
メイのローブを突き破りながらキリトの脇腹に衝撃が走る。そこにはクロスボウの矢が刺さっていた。
体が倦怠感に襲われる。足も震え立てなくなりその場に倒れ込む。体力バーを見れば麻痺状態のアイコンが付与されていた。
「なんで…だよ…」
倒れているキリトの首をメイは持ち上げる。喉に鉈包丁を当ててキリトに話しかける。
「理由は説明できひん」
メイはそのままキリトの首を掻き切った
予想ついてた人が多いと思いますけどボスの正体はメイです。ここからが本番だ!
オリ主とより仲良く出来そうな方
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イスカーン
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シェータ