デスゲームのお食事事情   作:lonrium

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月一更新。最近は色々と忙しすぎて筆をとれんのです。

アニメのUoW編面白いですね。小説版と違い動きがついて見ていて楽しいです。


勉強会&ココア

メイがユウキと一戦交えてから数時間。メイは現在22層のログハウスにいる。このログハウスはキリトとアスナのホームであり、SAO時代からの思い入れのある場所だ。

 

 「んでここが重複してて、二度手間の説明になるから要らんねん」

 

 「うわっ、すっごい分かりやすい」

 

その部屋の中では勉強会が行われている。メイは講師代わりにされ、今はリズベットの英語を見ている。また前々から言語系の教科は得意だったので、数ヶ月後には必要でもあるため引き受けたのだ。

 

 「あんた教師にでもなるの?前に決まりそうって言ってたし」

 

 「もしかして皆のいる学校ですか?」

 

リズベットが呟いた言葉にリーファが反応する。リーファもすぐ横にいるため横からメイの英語がよく聞こえるのだ。

 

 「まぁそんなことは無いねんけどな。職場の環境的に必要になるかなって。ほら、手ぇ止まってんで」

 

メイが二人に課題を続けるように促す。静かな時間が続く中しばらくすると声が聞こえた。

 

 「うーん…」

 

 「ほーら、今寝るとまた夜に寝れなくなっちゃうよ?」

 

シリカが眠そうにしているのをアスナが起こそうとしている。2時間は詰め続けているので疲れたのだろう。

 

 「シノノンは帰省前には全部終わらせたって言ってたよ」

 

大きな伸びをしながらシリカは起きる。そして他にも寝てない人がいないかと探してみれば、キリトが椅子にもたれながら、ユイがピナを枕にして寝ていた。

 

 「GGOから戻ってきてずっと頑張ってるみたい」

 

 「特に昨日はたいへんだったもんね」

 

そう言ってリズとアスナはメイの方を見る。その視線に気づいたメイが顔を上げればそこそこ冷たい目だったのを見てしまった。

 

 「その節は大変申し訳ございませんでした」

 

深々と謝罪するメイ。この下りだけでも今日で何度目かである。

 

 「本当にビックリしたんですからね。朝にはもう解決したことなんだし終わりにしましょう」

 

 「アタシはまだ頭抱えるほどなんだけど」

 

 「でも私もメイさんと戦ってみたかったなー」

 

朝にはみんなの前で大きく反省し、このことは大体解決している。だがまだ昨日の今日なので言われる分には仕方ないと思っていた。

 

だがリーファが戦いたいと言い出すとは思ってなかった。メンバーの中で唯一戦ったことが無いのでまぁまぁ驚いている。

そしてタイミングよくキリトが唸りながら体制を変える。その音に全員の注目が向いた。

 

 「ホントに気持ちよさそうに寝てますね。こっちまで眠くなっちゃう」

 

 「まぁここがホームやから安心するんやろな」

 

メイの言葉にアスナはこのログハウスの入手時のことを思い出す。解放されたばかりの21層攻略では最前線を張ったのだ。ーーアスナは目を閉じて鮮明に思い出そうとした。

 

 そして寝た

 

 「ちょっとアスナさん自分が寝てますよ!リズさんも!」

 

 「起きーやリズ!まだ終わってへんぞ!」

 

 「うにゅ〜…うーん…」

 

ユイを含め7人いる空間ではリーファとメイしか起きてなかった。それを見たメイはこれは勉強どころでは無いなと思っていた。

 

 「なんか淹れるわ。何にする?」

 

 「あ、じゃあ私ホットミルクでお願いします。それから〜」

 

そう言ってリーファは各それぞれの好きそうなものを頼んでいった。

 

リーファには、牛乳に砂糖を入れて温める

 

シリカ、リズにはココアを出そうと決めた。

ココアパウダーをヘラで煎り、水を入れながら混ぜる。

 

きび砂糖を入れて牛乳を少しずつ入れて混ぜる。

 

アスナと自分には適当に紅茶を入れ、キリトにはコーヒーブラックを淹れる。

 

全員がその匂いに釣られて起き上がり、休憩を挟むことにした。家の中では体感的に暖かく感じるので、外の風で目を覚まそうとする。実際メイも気を抜けば寝そうな勢いではあるため助かった。

 

 「そういや二人は知ってる?〈絶剣〉の話」

 

ココアを飲みながらリズはメイとアスナに話を振る。

 

 「絶剣…?」

 

アスナはまるで初めて聞いたというような反応を見せる。恐らく本気で知らないのだろう。

 

 「私は知ってるで。」

 

メイがそう返すと、リズは思い出すように話を続ける。

 

 「聞くようになったのは年末年始だから…」

 

 「アスナたしか帰省かなんかしてたはずやろ?」

 

 「こっちにいる時にそんなこと思い出させないでください」

 

そこから3人はアスナの身の回りの話になる。京都の本家での話を軽く聞いていく。着物を着て挨拶ばかりで大変なこと。泊まっていた離れにはネット環境が無いことなど。そして極め付けは…

 

 「お見合いでもさせられた?」

 

 「無い無い。なんでも無いわよ」

 

この返答である。食い気味に答え、尚且つ普段はしない体を大きく使っての否定だ。リズはアスナの地雷を踏み抜いたのだろう。

 

 「てかメイはどうしたのよ?」

 

 「年末は北海道の親戚の家に行って、大晦日から三ヶ日は実家やな。そこでこっちでの仕事見つかったって話したらOK貰えたから安心やわ」

 

 「アンタ昨日は決まりそうって言ってなかったっけ?」

 

そう。メイが、皐月が親に話したのは就職のことである。その内容を話すと意外とあっさりと飲み込んでくれたのだ。皐月本人があまり知らないだけで篠原家の人間は基本的に自由だ。本人の意思を尊重する。

 

そして昨日段階ではまだ決意を仕切ってなかっただけで、先方に連絡をした。向こうは数日待っていてくれたにも関わらず快諾してくれたため頭が上がらない。

 

 「どこに決まったんですか?」

 

そのアスナの質問にメイは少し唇を噛む。契約先には決まったことをあまり言うなと言われている。特にメイの場合はそれを広めてしまうとどこにどう広がるか分からないのだ。

 

 「まぁそれは4月になってからで。それで絶剣がどないしたん?」

 

そこから何も知らないアスナのためにリズは説明をした。24層での毎日の辻デュエルのこと。初日では誰も3割も削れなかったことを。

 

 「それでもリーファさんとリズさんは一昨日立ち会ったんですけどね。本当チャレンジャーですよね」

 

小さな雪だるまを抱えながらシリカが飛んでくる。明らかな差に分かっていながら絶剣に立ち向かった二人のことに対して感想を述べていた。

 

そうして雪が降り始め、体感的に寒くなってきたので部屋の中に入る。

 

 「対戦相手いなくなりそうだけどね」

 

 「賭けネタはすごいんですよ。」

 

そこまで強いとなると誰も挑まなくなるとアスナは思っていた。シリカが先ほども言っていた通り、本当の意味でのチャレンジャーしかいなくなる。ならばと夢を持たせたのだろう。それでも誰もそのOSSを使わせるまで追い詰めていない。

 

 「ともかく速いんです。動きが目で追えないぐらいでした。」

 

種族の特性上のスピードがあり、尚且つリアルでの剣道経験のあるリーファが言うのだ。昼に立ち会ったメイも途中から簡易的にクセを見抜き、ギリギリ対応できるかできないかのレベルだった。

 

 「動きのスピードと言えばそこで反則級の人が寝てるじゃない。あとそこでお代わりの飲み物を作ってる人も」

 

アスナが向ける二人はキリトとメイだ。とは言え速いの方向性が違うところはある。キリトは反応速度からなる基本的な速度。メイは確殺のためだけの単発の速度だ。

 

 「戦ったんですよお兄ちゃんも。それはカッコよく負けました」

 

 「私も負けてるで。あれやこれや使ってもアカンかったわ。」

 

そこからキリトが何かしら話していたことを聞き、アスナは俄然興味が湧いたらしい。そこからはリズと何か話しているようだが、メイはその場を離れてリーファとシリカとキリトを起こしにいく。

 二人はキリトの顔に落書きをし、それを笑って見ていただけだ。

 

 「じゃ、明日2時半ね。」

 

そう言ってアスナはログアウトをした。そうしてリーファが徐に口を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「メイさん昼間の決闘本当に何やってるんですか」

 

 「ブフゥ」

 

メイは盛大に吹き出した。リーファに見られてたのだろう。

 

 「どうしたのよリーファ」

 

リズがリーファに説明を求める。リーファはメイにのみ話していたので周りからすれば不十分な会話なのだ。

 

 「私は今日も絶剣の戦いが見たくてあのスポットに向かったんですよ。そしたらメイさんが戦っていたんです」

 

 「へー、メイさんも戦ったんですね」

 

シリカが呑気に言う反面、メイの内心は穏やかではない。リーファが絶剣とメイの試合を見ていたということはあれも見られてるということだ。

 

そして全員がその決闘の内容を知ろうとリーファに聞く中、リーファは最大の問題を説明した。

 

 「メイさん…それはちょっと…」

 

 「中々に最悪でしょ?」

 

絶剣に行った毒キスが公にされる。それを聞いたシリカと話した張本人のリーファはドン引きをしている。だがその中で一人だけ違った反応を示すものがいた。

 

 (…そっちの気もあるんだ…)

 

少し赤らめながらリズベットは俯く。その反応に何故か自分にも何かあるのではと思ってしまい、いてもたってもいられなくなる。

 

 「そんなんじゃメイさん彼氏できないですよ」

 

メッ、というような雰囲気でシリカが諭す。だがメイの反応は反省や恥ずかしいというものでなく、また別なものに感じた。

 

 「でもメイさんクラインさんと帰り際に手繋いでませんでした?」

 

 「「ん?」」

 

リーファのたった一言でシリカとリズがフリーズする。そして僅か数秒後にある可能性に、そしてほとんど確信に行き着いた。

 

 「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」




次回はリーファ、シリカ、リズのガールズトーク。シノンは多分入ってない

そして久しぶりの調理シーン。ココアは作者もたまーーに作る

オリ主とより仲良く出来そうな方

  • イスカーン
  • シェータ

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