デスゲームのお食事事情   作:lonrium

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エタッテはいませんが、AGGOやUWに突入したい欲が出て駆け足にはなってしまいました。

追記
執筆途中の仮タイトルのまま投稿していたのを編集しました


見舞い&経験

皐月が入院してから容態が安定し、見舞いに来てくれる人も増えた。叔父はもちろんのこと、ゲームで深いつながりがある仲間たちもそうである。だが場所が場所でもあり、来てくれる頻度は少ないがそれでも文明が進んだ現代では話す機会を設けることは難しくない。ビデオ通話を使えばいつでも顔を見て会話を行うことはできるのだ。

 

まず一番最初にお見舞いに来てくれたのは意外にも篠崎里香と綾野珪子だった。更に里香の提案により通話などではなく病室にまで来てくれた。やはり皐月としては人と面と向き合って話をできるのは楽しいし、何よりそれを分かってくれて気遣ってくれたのが嬉しいのである。

 

 「お体の方は大丈夫ですか?」

 

 「無茶するんじゃ無いわよ。これ以上悪化したら皆も悲しくなるんだから。治る見込みもあるんでしょ?」

 

 「ありがとな。まぁ体の方は今は大丈夫やで。治る見込みってか取れる手段はないわけじゃないって私も聞いてるから多分大丈夫やろ」

 

だがそれでも言いにくいことというのはある。余命宣告を受けたことなど言えるわけもなく、またメデュキュボイドのことも公にはできない。

 

それに「取れる手段」はもっと言いにくいものであり、皐月ですらその概要は把握しきれていない。先日聞いた説明だけでは要点を抑えることができても詳細までは知り得ないのだ。

 

だからこそ皐月は二人にその希望を持たせることを選択した。この方が心配もされないし、連絡が途絶えてもこの身体の問題で言い訳は成り立つ。

 

 「メイさんってこれからもALOできるんです?できない病院もあるって聞いたこともありますし…」

 

 「だーいじょうぶよシリカ。メイがそんな環境選ぶと思う?んなもん無理よ無理!」

 

 「アッハッハ!よう分かってるやん!安心しシリカ。ログインもできるで!」

 

取り繕った笑顔で返す。確かに今はログインなどは問題なくできるがいずれは音声不信になった後の謝罪を考えると苦しくもなる。だがSAOやALOの感情システムを押し返せるか押し返さないかギリギリにいる皐月には2人にはバレないようにできる。

 

しばらく話していて時間が来る。時計を見た二人は帰ることとなった。

 

 「それじゃメイさん、お大事に」

 

 「無茶しないでよねー」

 

手を振る二人を見送れば部屋の扉が閉まった。その後に残されたのは皐月だけであり寂しさがやってくる。

 

だが僅か15秒後に再び扉が開く。開けた先には里香が居た。

 

 「なんや、忘れ物か?」

 

 「そ。アンタには言わないといけないこともあるしね」

 

里香は皐月のすぐ隣に立つ。そして腰を屈めて周りに注意を払うように耳打ちをした。

 

 

 

 

 

 「なんか隠してるのかも知れないけど、私は信じてるからね」

 

そう言って里香は部屋を後にする。ただ部屋には取り繕っていたことがバレたという事実が残された。

 

 「やっぱ…敵わんな…」

 

ーーーーーーーーーー

 

リズとシリカの見舞いから数日後、またもや部屋の扉がノックされる。「どうぞ」と言い中へ促すと、入ってきたのは和人と明日奈だ。

 

 「おー、いらっしゃい」

 

 「どうも」

 

 「お邪魔します」

 

皐月は椅子の位置を教えて二人に座ってもらう。この二人の顔を見るとついゲームの中だと勘違いしてしまい、足に力を入れようとはしたがもちろん立てない。とはいえピクリとも動かない上、布団の中での動作なので気づかれることはなかった。

 

 「別に無理して来んでもいいのに。遠いやろ?ここ」

 

この病院の場所は和人や明日奈の家からは本当に遠い。軽々しく枯れる様な場所ではないはずだ。

 

 「アスナが行こうって言ったからな。俺に反対意見はないよ」

 

 「お見舞いはキチンとした方がいいと思うからね。それにメイさんもこっちの方が好みでしょ?」

 

やはりSAO生還者には特に性格の方は割れているようで特に言い返せることはない。

 

 「んで?ここまで来てでも話したいことが何かあるんちゃうん?」

 

だが性格が割れているのは皐月だけでもない。キリトやアスナを通し皐月は二人の性格もわかっているのだ。この二人、特にアスナは大事な話をするときは最初から顔を合わせようとする傾向が強い。BoBイベントの後の話し合いや、kobへの勧誘などがそうだったようにだ。

 

 「やっぱりお前は分かるんだな。流石は全プレイヤーに分け隔てなく料理を作っただけはある。」

 

 「隠す前に指摘されるのはもう慣れてますから」

 

2人は息を吐いてから顔を上げる。皐月から見れば真面目な顔をしているのが分かる。

 

 「先日、私はユウキに会いました。」

 

 「知ってる。ちょっと前にここでそのことについても話し合った」

 

皐月は木綿季とこの病院で偶にとは言え話す仲である。アスナと話をしたという報告も先日本人から受け、また彼女はその時のことを嬉々として語っていた。

 

 「俺もその時のことをアスナに教えてもらったよ。今では小型の機械をなんとか調整してて大忙しだ」

 

意外にも和人が口を挟む。ユイの為にと身につけた技術が役立っている今は充実してそうだ。

 

 「お前…なんでユウキに()()()…?」

 

 「えっ…?」

 

和人の唐突な発言。明日奈はそれに困惑し、皐月は顔色を変えない。

 

アスナは気付くことはなかったが和人は気づいた。ユウキの現在状況は意図的に秘匿されたものである。無関係なものが接触するのは無理なのだ。だがその環境を知り、その上本人の口から「ユウキと関わりがある」と聞かされ和人は気づいた。明日奈の反応的にも今初めて和人の考察を聞くのだろう。

 

 「あー2人ともちょっとベッドの方に寄ってくれん…?」

 

ちょいちょいと手を招くと2人は椅子を引いて近寄る。その瞬間に皐月は上半身を前に傾け、手を2人の首に回してベッドに沈み込ませた。

 

 「よ〜〜〜〜気づいたなお前!すっごいわ!」

 

 「ン〜〜!?」

 

 「ム〜〜!?」

 

顔面をシーツに押し付けられ2人はくぐもった声を出す。3秒ほどで皐月は2人を解放し、明日奈と和人は顔を上げる。

 

 「「一体何を!?」」

 

 「いや〜反応が面白くて。悪かったな?」

 

だが2人は皐月の顔を見てその表情が普段とは違っていた。本当に反省をしているような、申し訳なさそうな顔をしていた。

 

だが和人は察した。察せられてしまった。

 

 これ以上アスナに感潜らせるなと

 

 「ま、前々から2人とも下の兄弟のような可愛さもあったし?病人のヤンチャにぐらい付き合っても堪忍してや。大丈夫、死なへん死なへん」

 

 な?っというように明るい笑顔を浮かべる。会話を握りつぶす行動に出るメイは厄介だと分かっている2人は諦めた。

 

 「あぁ。分かったよ。お前は商人気質だから嘘は吐かないと信じているぞ」

 

 「…絶対ですよメイさん」

 

 「任せぇ任せぇ」

 

そうして2人は病室を後にした。

 

ーーーーー

 

後日、メイは病室の中に誰も入れることはなかった。外出許可での買い物やALOでは普段通りであるが、今回の4人の来訪で人前では精神的に弱っているのを人に見せたくなかった。

 

クラインもその例外には含まれなかった。それ自身彼も説明された時に理解してくれたのでメイとしてはありがたい。

 

だが身内の叔父や医師、看護師は別である。VR絡みのことを深く知らない彼らにはリアル関係のこともあり入室は拒めない。

 

 「おーい皐月。これ家のポストに入っていたぞ〜」

 

部屋に入ったのは叔父である。封筒を渡され、荷物の交換をしてから部屋を後にした。

 

皐月は受け取った封筒を切る。中には完全に意識の外に追いやっていたものだった。

それは親戚のゲーム仲間に水増しのために頼まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎エルザのライブチケット2枚だった。




次回からAGGO(SJ)編です。

UWに向けてアンケートを取りたいと思います。
ALO編からGGO編までに一つ
それ以降に一つです。

オリ主とより仲良く出来そうな方

  • イスカーン
  • シェータ
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