インフィニット・ストラトス〜Hell Brothers〜 ver Re: 作:アスティオン
夜の路地裏の隅
うずくまっている俺の目の前に、1人の男が立っていた。
「お前、こんなところで何をしている?」
「なにって…、さぁ、俺もわかんないよ。俺はなにもかも失ったんだ…。気がついたらここにいた。ていうか、アンタこそ誰なんだよ?」
今の俺には人を信じることはできない。今までなら年上の人にもちゃんと敬語を使って話をしていた。でも今の俺にはそんなことはできない。誰も信じられないからだ。
「俺か?俺の名前は『矢車想』だ。ーーー闇の世界の住民とでも言っておこうか。」
男、矢車想はそう名乗った。闇の世界の住民か…
「闇の世界?なにそれ?それってーーー」
「ーーーお前、いい顔をしているな、地獄に落ちた顔だ」
俺が闇の世界のことを聞こうとしたら、俺の胸ぐらを掴み言葉を遮るかのように矢車想は言った。
「地獄か…、確かにそうかもな。なにもかも失った俺は地獄に落ちたと同じか…。でもなんでわかるんだ?アンタもそうなのか?」
「ああ、俺も地獄に落ちた。地獄に落ちて光を求めず、暗闇の中を歩き続けた。俺だけじゃない、俺には相棒がいた、今はもういない。俺は相棒と一緒に暗闇の中を歩き続けた。そして俺たちは白夜の世界を掴もうとした。だが相棒はそれも叶わずこの世を去った。そして俺は1人で旅を続け、いまお前の前にいる」
そうか…、この人も誰かに裏切られて、失ったんだな。
俺だけじゃないんだ。俺以外にもいるんだなそういう人って…
「そうなんだ…。それでアンタは俺に何の用なんだよ、アンタも俺のこと馬鹿にしにきたのか」
この人だって俺のことを馬鹿にするに決まってる。そう思った。
けど……
「お前、俺の…、弟になれ」
「え?」
弟?俺が?いきなり言われてもパニックなんだけど…
「弟って…、でもなんで俺なんだよ…」
「お前は俺と似ている。俺は闇を持つ人間には甘いみたいだからな。お前のことを弟にしようと思ってな。俺と一緒に暗闇の中を歩こう。だからーーー
ーーーーーーーー俺と一緒に、地獄に落ちよう」
この言葉を聞いた時、俺は思った。
この人なら、信じられる。この人なら俺は…
「ーーー行くよ。俺はアンタと…、いや…、『兄貴』と一緒に行く!」
「その答え、待っていたぞ。お前、名前は?」
名前…、そうだった。確か名前言ってなかったっけ。でも…
「ねぇ、兄貴…」
「どうした?」
「矢車って名字、俺も名乗っていい?」
「ーーー好きにしろ」
好きにしろってことはいいってことだよね。だったら…
「俺の…、俺の名前は、ーーー『矢車翔《やぐるましょう》』だ」
もう昔の俺は今ここで死んだ。俺はこれから矢車翔として生きて行く。
「相棒…、2人で歩いていこう、ゴールのない…、暗闇の中を」
「うん、兄貴となら、俺は何処までも付いていくよ…」
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次回予告
「もう兄貴に出会って1年経つんだ…」
「そろそろZECTに顔出すか」
「俺に行かせてくれ兄貴」
「お前にこれを託す」
次回、『Prologue 3』
「お前、俺と一緒に来るか?」
どうもアスティオンです
頑張ってリタイアしないようにしていきたいとおもっております。
そして今回のお話
前作同様に想の弟というのは変更なしです。
そして次回、もう1人の主人公登場