ソード・オラトリアーanother story-   作:ロクでなし白

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恩恵

 

 

 

 アーシェの歓迎会もお開きになり、参加していた団員たちは各々目的の場所に向かった。【黄昏の館】に戻って休むもの、飲み足りないので別の場所で飲みなおすもの、怪しい夜の店に直行するもの様々だ。飲みなおす派のメンバーはガレスに率いられて別の店に。怪しい店に行く派メンバーは他の団員にばれないようにこっそり歓楽街の方へ。それ以外の団員たちはリヴェリアに連れられて【黄昏の館】に向かった。ちなみにアーシェは【黄昏の館】に戻る派である。アーシェ自身お酒はかなり好きなのでガレスに誘われた時はついていこうと思っていたのだが、リヴェリアに見つかってしまい無理やり戻る派に加えられてしまった。

 

 リヴェリア曰く、「子どもが遅い時間まで遊び歩くものではない。それに帰ったらロキに自室に来るよう言われているだろう。まさか忘れていたわけではあるまいな」と怖い顔で言われてしまったので二次会についていくのはあきらめた。そのやり取りを見ていたガレスは「まるで口うるさい母親じゃな」と言ってリヴェリアに割と本気で睨まれたので「冗談じゃよ」と言ってアーシェを助けずにそそくさと行ってしまった。

 

 まぁ、ロキからは宴会の最中に

「なぁ~アーシェたん。このバカ騒ぎが終わったらうちの自室に来て~な~。遅れたらあかんで」と言われていたのをすっかり忘れていたのが悪いのだが・・・。

 

「それにしても母さんのあの顔久しぶりに見たな。あの顔には昔から逆らえないんだよなー」などと思いだしながらアーシェはリヴェリアに連れられて急いで【黄昏の館】に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 アーシェはホームである【黄昏の館】に戻った後、すぐにロキの自室を訪れた。

 

「お!来たなアーシェたん。待っとったで~」

 

 リヴェリアに言われて急いで帰ってきたつもりだったがロキはもうすでに部屋にいた。

 

「待たせてごめん、ロキ」

 

 アーシェはロキに遅れたことを謝罪しておいた。ただし、すっかりロキとの約束してを忘れていたことは言わないが・・・。

 

「うちも今帰ってきたばかりやから全然待っとらんよ。それじゃあ夜も遅いことやしさっさと始めよか。まず上半身の服脱いでベットに寝転がってくれるか~。あ、うちが脱ぐの手伝ってあげてもええんやで」

 

 ロキが怪しい笑み浮かべながらアーシェに近づいてきた。その様子はさながら中年オヤジのそれである。

 

「はいはい、そういうのはまた今度な」

 

 ロキを華麗にスルーしてアーシェはさっさと服を脱いでベットに寝転がった。

 

「つれへんな~。まぁそんなツンデレなアーシェたんも可愛いけど」

 

 雑に扱われてもこの切り返しの速さだ。ロキどんだけメンタルタフなんだよ・・。まぁそれはさておき

 

「一応確認やけどアーシェたん、他の神様にすでに【恩恵】もろとるんやんな?」

 

「あぁ、もらってるよ。だから【恩恵】に刻まれている付与者の変更でいいと思うよ」

 

 通常【恩恵】はその神のファミリアに加わったときに始めて与えられる。しかしアーシェの場合すでに一度他のファミリアに所属していてそこのファミリアの主神から【恩恵】をもらっているためロキからは新しく【恩恵】をもらうのではなく、【恩恵】に刻まれた付与者の変更ということになる。では何故新しい【恩恵】を授けないのかというと、もしそうした場合、先に刻まれていた【恩恵】をリセットしてしまうからである。もちろんレベルは1からに戻ってしまう。そのため他のファミリアからの移籍者には新たに【恩恵】を授けるのではなく、付与者の変更のみを行うのである。ちなみに変更とは言ってもやることはあまり変わらない。

 

「了解や、ほな始めるで」

 

 ロキはそう言ってアーシェの背に跨って背中に自分の血を垂らした後、背中に現れたステイタスを見て付与者の項目の変更を行った。そしてロキがアーシェのステイタスを見て、

「アーシェたん、フィンとやりあえるぐらいやからけっこう強いとは思おてたけどレベル4やってんな~。しかもこのステイタスはな~」

 

 そういいながら神聖文字で書かれたステイタスを共通語に書き写した後、アーシェの背中から降りて書かれた紙をアーシェに見せてきた。

 

 

 

【アーシェ・クルスニク】

 

 Lv.4

 

 力:E455

 

 耐久:F320

 

 器用:B621

 

 敏捷:A900

 

 魔力:A823

 

《魔法》

【インスタント・ウェポン】

 ・生産魔法(武器のみ)

 ・詠唱式【セット、作り出したい武器の種類】

 ・記憶領域に保存されているつまり、自分のイメージした武器を瞬時に作りだすことができる魔法

 ・作れ出した武器は使用者のその武器の構造把握とイメージ力に左右される。

 ・作り出す武器のランクによって消費魔力が変わり、生み出した武器のランクはすべてオリジナルから一つ下がる。

 

 

【アイス・ルーラー】

 ・無形魔法

 ・氷属性

 ・氷魔法であれば無から作り出すことができる。

 ・他人の魔法も氷魔法であれば使用可能。ただし以下のプロセスをすべてクリアしなければならない。

 ・プロセス1:その魔法が使われているところを一度は見ている。

 ・プロセス2:その魔法の効果と詠唱式の把握

 

 

《スキル》

【解析者】

 ・構造解析力の向上、処理能力の強化

 

 

【狩人の魔眼】

 ・敵の弱点部分を見ることができる。

 ・弱点部分に攻撃が通ればダメージ大幅補正

 

 

【■♦■▲♦】

 ・■■■・・・・・・・・。

 

 

《発展アビリティ》

【魔導】

 ・威力強化、効果範囲拡大、精神力効率化。魔法を使用する上で様々な補助をもたらす魔法円(マジックサークル)を作り出すことができる

 

 

 

 

「アーシェたん、能力チートすぎるやろ!?しかもうちが見たことないレアマジックやスキルばかりやし・・・」

 

 ロキはアーシェのステイタスを見て唖然としていた。これでもロキはオラリオトップを争うファミリアの主神である。見てきた子供たちのステイタスの数で言えばオラリオ一の自信がある。そんなロキでもアーシェの《魔法》や《スキル》は見たことがなかった。しかも一人の子どもに対してレアマジックやスキルが一つあるのはまだわかる。しかしアーシェはその全てがレアに分類されるものばかりである。驚かずにはいられんかった。

 

「しかも神聖文字で書かれたステイタスが文字化けしとるなんて・・・。アーシェたんどないなっとんねん!!」

 

 ロキがとうとう我慢できずにキレてしまった。ロキの様子を見てアーシェは苦笑いしかできない。おおよそ自分のステイタスを見せたらこういう反応になるだろうとは思ってはいたがいざ目の前でその光景を見ると何とも言えないものだ。

 

「まぁ、確かに俺の魔法やスキルはレアだとは思うけどロキが思っているほど使い勝手がいいものでもないよ。それゆえの弊害も多いし」

 

「いやいや、そうやとしてもうちは十分アーシェたんは規格外やで」

 

 ロキのその反応にアーシェは心底不思議そうにしていた。

 

「まさかのアーシェたん無自覚かいな。アーシェたん以外に天然なとこあるねんな」

 

「別に天然じゃないと思うけどな」

 

 アーシェがむきになってロキに言い返したが、

「そういうところが天然なんや。ほんまアーシェたんかわええわ。いじりがいあるわ~」

 

 ロキはアーシェの可愛い姿が見れてとても満足そうである。アーシェはというといいようにロキに遊ばれてしまい少し頬を膨らませている。この見た目ゆえに可愛いと言われることは多いが面と向かって言われるとなんかむかつく。

 

 ロキもアーシェの態度を見て遊び過ぎたと思ったのかすぐに

「いや~、すまんすまん。もう言わんから許して~な~。な!な!!」

 

 そういいながらアーシェに詰め寄ってきた。

 

「わかったから、よってくるな」

 

 ロキに向って強く言おうとした時先ほどとは打って変わって真面目な表情で、

「なぁ、アーシェたん。ステイタスなんで文字化けしとるか自分知っとるんちゃうか」と聞いてきた。

 

 アーシェがロキの顔を改めて見るとそこには神の威厳を放つ女神がいた。それを見てごまかすことはできないなと悟り、

「あぁ、知っているよ。でも聞いたら戻れなくなるよ。それでもいいのか?」

 

 そう言ったアーシェの表情は真剣そのものだった。それを見て神の感が警笛を鳴らす。今はまだ知るべきではないと・・・。

 

「ほな、まぁ今はやめておくわ」

 

 以外に粘ると思っていたがロキは思いのほかあっさり引き下がった。

 

「そうだな。今はまだ知るべきではないと思うよ。それに男は少しぐらいミステリアスな方がいいだろ」

 

 アーシェが真顔で冗談ぶっこんできた。ロキはアーシェの顔を見て一通り爆笑した後、お腹を抱えながら

「なんかしらけてもうたな~。なぁ、アーシェたん。その時がきたら話してくれるんやんな」

 

「もちろん。だから今は触れてほしくないかな」

 

「そんな顔されたら断れへんやん!この件はもうええわ。ほな、アーシェたん。これからよろしくな」

 

「よろしく、ロキ」

 そう言って互いに握手した。

 

「それじゃあ【恩恵】も刻んでもらったし、俺はもう行くな」

 

 ロキにそう告げて、アーシェは部屋を後にした。アーシェが完全に部屋を去ったことを確認した後ロキは大きなため息をついた。あまりの『未知』を前に興奮させられたが、それにも限度がある。

 

「一応フィンたちにもこのことはなしとかなあかんなー」

 そう言いつつこれからのことを考えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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