ソード・オラトリアーanother story-   作:ロクでなし白

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 今回少し短めです。すいませんでした~。

 次は頑張ります。


母の思い

 

 

 

 エイナさんから簡単な講習をうけたアーシェは待っていてくれたリヴェリアと合流してギルドを後にした。ちなみに講習の内容は冒険者としての心構えだったり、ダンジョンがどういった場所かというものだった。だが今まで世界中の様々な遺跡にもぐったり、オラリオ以外にもある他のダンジョン(原作ではオラリオ以外に迷宮はなかったが本作では迷宮都市オラリオには世界一を誇るダンジョンがあるだけで、数は少ないが他にもダンジョンがある。なお規模はオラリオにあるダンジョンの25階層ぐらいまで)に挑んだことのあるアーシェにとっては一度は聞いたことのあることばかりだった。けれどオラリオのダンジョンで出てくるモンスターやオラリオの迷宮ならではの特徴などギルドが管理している情報を聞けたのはよかった。しかもエイナさん自身が世話焼きの気質なのかアーシェのことをとてもよくしてくれた。自分の母親もそうだけどもしかしてエルフって世話焼き気質の人しかいないんじゃないかなとついつい思ってしまったほどだ。

 

 ギルドを出た後アーシェはこの後どうするかをリヴェリアに尋ねた。時刻はまだ10時を過ぎたばかりでお昼ご飯にはまだ早い。余談であるが【ロキ・ファミリア】では団長であるフィンの意向でどうしても外せない用事がない限り、ファミリ全員で食事をすることになっている。なんでも食事を全員でとることで互いの結束力が深まるとか何とか。そういうわけで全員で食事を取り始めるのが1時からなのでそれまですることがない。そのためリヴェリアに昼食の時間までどうするか聞いてみたところ彼女の行きつけの本屋に行こうということになった。なんでもこの後アーシェにみっちりする予定の雑学の授業ための本を買いに行くのだとか。ちなみにアーシェはまだリヴェリアと一緒に暮らしていた頃彼女の授業を受けて逃走した経歴を持っている。

 

 本屋に行きたい理由を聞いたアーシェはすぐさまリヴェリアに、

 

「やっぱり本屋に行くのはやめにしない?俺私服が全然持ってないからさ服屋に行こうよ」

 

「なんだ、お前まで私の授業を受けたくないと言うのか。まさかそんなことお前が言うまい」

 

 と全然笑ってない顔で言われたので

 

「そんな滅相もございません、お母さま。すぐに行きましょう」

 

 あっさりと手のひらを返した。いや、だって母親には勝てないよ・・・。

 

 リヴェリアの脅し?もあって二人はそれから行きつけだという本屋に向かった。その日、ある本屋にとても綺麗なエルフに連れられ入る絶望した少年がいたとかいなかったとか・・・。それはさておき。

 

 リヴェリアの買い物が終わり、店から出ると丁度いい時間になった。

 

「そろそろ【黄昏の館】に戻るか、アーシェ」

 

「そうだね、遅れるとロキとかがうるさそうだし」

 

 そう言って二人は【黄昏の館】に向けて歩き出した。二人の間に先ほどのような会話はない。二人とも特に会話もないまま数分歩いているとリヴェリアが突然、

 

「すまないな。結局私の用事に付き合わせてしまって」

 

「そんなことないよ、母さん。俺の方こそ今日は付いてきてくれてありがとう。なんだかんだ言ってたけど心配してくれてたんでしょ。俺少し抜けているとこあるしね。だから俺もありがとう、お母さん」

 

 それを聞いてリヴェリアは何か今まで我慢していたものが外れたのか目に涙をためながら声を振り絞って、

「私はお前の母親でいてもいいのか。これからもずっと・・・」

 

 それはリヴェリアが10年ぶりにあった息子に対して抱えていた悩みだった。自分に十年たってもちゃんと約束を守って会いに来てくれてきたことからアーシェがリヴェリアのことを大切に思っているのはわかる。しかし10年と言う歳月がリヴェリア自身の心を迷わせた。アーシェはただ約束を果たしただけで今でも自分のことを母親と思っているわけではないのではないかと。考え出してから不安になって仕方がなかった。だからこそ無意識に朝早くからアーシェの部屋を訪れてしまったのかもしれない。普段他人に弱みを見せないリヴェリアにしては珍しい光景だった。それぐらいアーシェのことを大切に思っているのがわかる。だからこそもしアーシェから拒絶されてしまったらと思うと一歩踏み出すことができなかったのだろう。アーシェもリヴェリアの表情から彼女が何に悩んでいたのかがわかった。だからアーシェは余計なことは言わずリヴェリアに抱きついて、

 

「母さんはいつまでたっても俺の母さんだよ。例え種族が違っていて、血のつながった母と子じゃなかったとしても俺の母さんはリヴェリアだけだ。だから・・さ、そんな悲しいこと言わないでくれ」

 

 そう言ってアーシェは目に涙をあふれさせながらリヴェリアのことをぎゅっと抱きしめた。リヴェリアもそれを聞いて安心したのかアーシェのことを強く抱きしめながら、

 

「すまなかった・・・愛してるよ、アーシェ」

 

「俺もだよ、母さん。これからもよろしくね」

 

 互いに抱き合い、笑いあう姿は誰が見ても仲のいい本当の親子にしか見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ほな、みなちゅうも~く」

 

 今日の昼食にアーシェの大好物のスパゲッティがあったので夢中で食べているとロキの声が聞こえてきた。余談だがロキファミリアの昼食はバイキング形式をとっている。話を戻そう。仕方ないので食べるのを中断していた声がした方を見るとロキの隣にはフィンがいた。

 

「みんな聞いてほしい。今日から一週間後に『遠征』が決定した。今回の目標は未到達階層への進出、つまり59階層の突破だ。各々準備を進めておいてくれ。なお今回はいつものメンバーにアーシェを加えて行く。何か質問はないかい」

 

 『遠征』と聞いて新参者の自分は関係ないなと思い、昼食を再開しようとしていたアーシェだったがフィンのこの発言でむせてしまった。他の団員たちも入団試験の模擬戦を見ていた連中は特にアーシェが選ばれたことに不思議そうな顔をせず、どちらかというとアーシェが驚いている姿を見てなんでお前が選ばれないと思っていたんだという顔をしている。模擬戦を見ていなかった連中もアーシェのレベルか模擬戦の内容を聞いて特に異論をはさまなかった。つまりフィンに対して異論を挟むものがいなかった。これにはアーシェ自身もあっせた。てっきり周りから「お前にはまだ早い」などと言われ早々に辞退できると思っていたのでこれには予想外だった。誤解がないように言っておくが別にアーシェは『遠征』に行きたくないわけではない。むしろ冒険、探索は大好きなので進んで参加したいぐらいだった。しかし新参者の自分がいきなり『遠征』のメンバーに選ばれるのはファミリアに雰囲気を悪くしてしまう。何よりリヴェリアのコネで選ばれたと思われるんじゃないか。そういう不安があった。しかしロキはアーシェのそんな考えを見透かしたように、

 

「変な心配はいらんで、アーシェたん。ここにおるみんなアーシェたんのこと認めてるし、そもそもそんな心が狭い連中やあらへん。それにフィンがそんなくだらん理由で『遠征』のメンバー決めるわけないやん」

 

「ロキの言う通り、僕は君の力が未到達階層への進出に役に立つと思ったから君をメンバーに加えたんだ。それとも僕の言葉だけでは足りないかい?」

 

 そう言ってフィンは君の取り越し苦労だとでもいいたげな笑みを浮かべた。他の団員たちもアーシェのことをフィンと同じ意見だというまなざしで見ている。

 

 それを見てアーシェは少し笑った後、みんなの方をむいて

 

「よろしくお願いします」

 

 こうしてアーシェの『遠征』のメンバー入りが決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 次回からやっと原作スタートです。長かった~!

 これから戦闘シーンとか増えてくると思うんで楽しみにしておいて下さい。
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