ロリ#コンパス   作:乱数調整

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「これで年齢バレしたな…」って言っても、私、前に「文化祭の劇の台本書いた」って言ったから今更じゃないですかもーやだー!!


光と影の

そこは灯りに乏しい部屋だった。

そこにいるのは男ただ一人。

 

「ふふふ……これでカンペキだ…!」

 

男は囁くようにひっそりと言う。

その傍らには粗挽きミンチ。

 

「これでようやく…ははは!!」

 

男は楽しそうにそう言うと、その手に持っていた緑色をした粉末を粗挽きミンチに混ぜた。

 

男はその色が完全に見えなくなるまでミンチを捏ねると、もうここに用はないとばかりに立ち去った。

 

これは孤独者たちの宴(ロンリネス)のメンバーが食事をとる僅か30分前の出来事。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

晩飯の食材を買い終わってホームに帰ってくると俺はすぐに下ごしらえを始めた。

……まぁ当たり前なんだけどな。飯炊いて、おかずとサラダだけじゃ足りないから汁物も作んなきゃいけねぇし、ハンバーグは下ごしらえにも時間がかかるし。

 

とりあえずすまし汁を作り終えてミンチも豆腐とオカラで嵩増ししたところでリビングに戻って尋ねる。

 

「これからハンバーグ焼くけど作りたいって奴いる?」

 

そう、人手の募集だ。そんなに人がいるって訳でもないんだがコクリコとかめぐめぐとか(ちびっこ組)がやりたいって言うかもしれないから聞いてみる。

 

子供がやってみたいっていうならやらせてあげるのが俺の基本スタンス。親は子供を危険から遠ざけるんじゃなくて危険から離れる方法を教えるべきだと思う。

 

閑話休題

 

やりたいと挙手したのは意外や意外、コクリコと波羅だった。

波羅曰く

 

「ボスができることを当たり前のように出来てこその部下でしょう!」

 

って力説された。波羅はいつから俺の部下になったんだろうね?ワカンナイナー。

 

「ほら、こうやって空気を抜くように手でパシパシするんだよ。」

 

とりあえず最初に見本を見せる。

コクリコがそわそわしながら俺の手元を見る。可愛い(確信)

波羅がバトアリさながらの目付きで俺の手元を見る。正直怖い。

 

「まぁ見てるだけってのもつまんねぇだろうからやってみて覚えるか。」

 

俺は洗ってないコクリコの手がミンチに伸びる前にそう言った。

 

ん?波羅?俺が見本を見せるためにミンチを持った時に同じく手を洗わずにミンチを取ろうとしたからエルボーを食らわせたよ。

 

ん、コクリコがすっげぇソワソワし始めたな。今にもミンチを掴みそうだ。

 

「じゃあまずは手を洗おうね。」

 

コクリコに優しく諭すように話す。

……波羅にアイアンクローを決めながら。

 

『うん!コクリコね、おにいちゃんのおてつだいするんだぁ~』

 

ホントにウチの(コクリコ)は可愛いな。世界無形文化財に登録すべきだと《唐突に惚気けるのは辞めてください》キィ、うるさい。

 

「ボ、ボスゥ!離してください!!痛いです、頭が割れるように痛いですぅ!!」

 

波羅、うるさい(笑顔)

 

「な、なるほど…これを乗り越えないようではボスの部下として認められない、と…」

 

うん、誰も言ってねぇけどな?

 

「ならば僕はどれだけでも耐えてみせます!バッチコイです!!」

 

『おにいちゃん、コクリコはやくハンバーグつくりたいよ~』

 

「遊んでねぇでさっさとハンバーグ作り始めるぞ。」

 

《酷い落差ですね》

 

キィ、うるさい。

…ってかパッチとかの作業はもういいのか?

 

《あとはGMがやってくれるそうなので大丈夫だそうです》

 

ほう?バグを初っ端から出すようなGMだから全く期待してなかったがやる時はやるんだな、アイツ。

 

とりあえずコクリコが洗った手を確認して汚れがないことを見ると波羅に手を洗わせた。

……頼んだことには素直なんだよなぁ、波羅って。

 

とりあえず準備が整ったのでハンバーグ調理開始だ。

 

「よっ、ほっ、こんな感じですかね?」

 

……波羅が意外と上手い。なんだコイツ?さっきまであまりにもあんまりな波羅はどこ行った?

 

「うん、よし。波羅はその調子で作っといてくれ。……さてと、コクリコはお兄ちゃんとやろうか。」

 

『わぁい!おにいちゃんといっしょ〜♪』

 

一人でやりたいお年頃のコクリコが、一緒にやると聞いて上機嫌なのは嬉しい誤算だ。

俺はコクリコの手に添えるように自分の手を出す。

 

「こうやって…こんな感じにパタパタしてやるんだよ。」

 

何度かコクリコと一緒にハンバーグをパタパタ作っていた。よし、コクリコ一人で大丈夫そうだし任せてみるか。

 

「どう?コクリコ、一人で出来そう?」

 

『うん!コクリコひとりでできるよ!!』

 

そんな力強いお言葉。じゃあ任せてみるか。

 

「うん、分かった。じゃあコクリコ、一人で頑張ってね。ダメそうだったらお兄ちゃんも手伝うけど。」

 

『うん!コクリコがんばる!!』

 

「……空回りするフラグじゃぁないかなぁ?」

 

楼閣、いらんフラグを建てるな。

 

『えい!!』

 

コクリコはいっしょにやっていたときとおなじりょうをてにとった!

 

「ちょっとまっ───」

 

『それ!』

 

コクリコはさっきとおなじようにみんちのかたちをととのえた!

 

当然手からはみ出たミンチは重力に引かれる。

ミンチがバラバラになって宙を舞った!

 

「めぐめぐ、【クルエル】!!」

 

『おっけーたいちょー!触れたきゃお菓子を持ってきな!』

 

めぐめぐが散らばったミンチを【クルエルダー】で回収した。

が、それもめぐめぐの目の前まで。じゃあ次は…

 

「ジャスティス!」

 

めぐめぐの膝目掛けて俺は金属製のお盆を投げる。

 

『あぁ、了解だロード!!』

 

ジャスティスはその言葉だけで全てを察したのかお盆をガトりんの射出砲の真下で受け止める。

 

ボトボトボト

狙い通りにお盆の上に全てのミンチが落ちる。

 

「『『ふぅ…』』」

 

「いや「ふぅ…」じゃないよ!?何今の一糸乱れぬ連携!?たかだかミンチになんでそこまで情熱を捧げるのさ!?」

 

楼閣がキレた。いやーん、こわーい(棒)

 

「それはだな──」

 

『おにいちゃん……』

 

「ん?なんだコクリコ?上手に出来なかったのか?」

 

「壮絶な勢いで無視ったねぇ!?」

 

楼閣はさっきから何を言ってるんだ?

この世にコクリコより大切なものがあるだろうか、いやない。(反語)

 

『んーん…コクリコね、じょうずにできたの。でもね、ハンバーグがこんなにちっちゃくなっちゃった…』

 

そう言ってコクリコが見せてきたのは俺が作ったのよりも二回りほど小さいハンバーグ。まぁ手の大きさの誤差だな。

 

「コクリコ、大丈夫だよ。小さい方が数が多くなってお得だろ?たくさん食べれた気にもなるし、お兄ちゃんはちっちゃい方が好きだぞ。」

 

こうやってフォローしてあげないと泣いたりしたら嫌だしな。

具体的には罪悪感で俺とセナが死ぬ。

 

『ほんとに…?』

 

「あぁ、本当だとも。」

 

俺はコクリコに大きく頷いて答える。安心させるためには少し大げさなくらいで丁度いい。

 

「まぁそうだね。私も基本血圧低いから小さい方が食べやす──」

 

サクッ

 

「………えっと…ロード君?今、私の耳元にスプーンが飛んできて壁に刺さった気がするんだけど…?」

 

「あ?そりゃスプーン投げたら飛んでくだろ?」

 

「私はなんでスプーンが壁に刺さるのかを聞いてるんだよねぇ!?それ以前になんで私は殺されかけたのかねぇ!?」

 

(コクリコ)の手料理は誰にも渡さんに決まっとろうが。何を言ってるんだ、コイツは。

 

『ならコクリコいっぱいつくるね!』

 

はぁ~、やっぱりコクリコは可愛いな。

守りたい、この笑顔。

 

「なら僕も小さく作ります!僕がもてる全てを賭してでも!!」

 

そう言ってミリ単位でハンバーグを作り始めた波羅にはアイアンクローをキメておいたよ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『できた~!』

 

「出来たね。コクリコ、お手伝いありがとう。」

 

ハンバーグを焼き上げて量が均等になるように分けたので、今から配膳をするところだ。

ちなみにコクリコは焼く時も傍らにいてくれたから、油とか取ってきてもらうのを手伝ってもらった。

 

『コクリコまだまだおてつだいするよ!』

 

ウチの子ええ子すぎる……

 

「もうお皿も出してもらったから大丈夫だよ。あ、じゃあみんなを呼んできてもらえるかな?」

 

『うん!わかった!』

 

ててとて、とコクリコは走ってリビングに行く。

さて、こっちは配膳始めますか。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「「「『いただきます』」」」

 

『『いただきま~~す!!』』

 

ちびっこ組の元気な声で食事が始まった。

二人とも美味しそうに食べるねぇ。

 

『ロード、おいロード。』

 

「ん?どうしたジャスティス?」

 

『ミンチは1kgもなかったはずだ……なのになぜこんなに大ぶりなハンバーグが人数分あるんだっ!?』

 

あぁ、なるほど。買ったミンチは600gなのに対して、全員の皿には200gくらいのハンバーグがあることに驚いている、と?

 

『「あぁ、なるほど。」じゃないぞロード!お前、どうやってウチの調理師が頭を抱えていた問題を解決した!?』

 

ちょっ、ジャスティス!近い近い!とりあえず落ち着け!そして可及的速やかに離れろ!

 

『教えてもらうまで、オレはここにいるぞぉ!!』

 

せっかくのカッコイイセリフをこんな所で使うな!!

 

「は・な・れ・ろ!!……はぁ…これはな、肉と豆腐とオカラを5:3:1で混ぜてるんだよ。」

 

『だが、それをウチの調理師がやったら兵士たちには不評だったぞ!それにこんなに肉汁も出てるじゃないか!!豆腐で水っぽくなるに決まってる!』

 

「そのへんは先にオカラと混ぜとくんだよ。いい感じに水分を吸ってくれるからな。それから牛脂を細かく刻んで入れたんだよ。こっちはどうやっても肉汁が少なくなるからその対策だな。」

 

『なるほど……確かにそれはやってなかったな…クソっ!俺が、俺があの時にそれを知っていれば……っ!!』

 

ちょいとジャスティス、部下が戦死したみたいなテンションで言うのはやめろ。

 

「あのさぁ、ロード君?」

 

楼閣、うるせぇぞ、静かに食え。

 

「なんなの、この落差!?ねぇ、なんなの!?」

 

で、質問はなんだ?

 

「はぁ……毎回こんなことしないと私は話を聞いてもらえないのかねぇ…で、なんだけど、さっき「肉と豆腐とオカラを5:3:1で混ぜてる」って言ってたよね?」

 

あぁ、まぁそうだな。

 

「で、割合を示す時は全部で10、と。」

 

……そうだな。

 

「割合の残りの一、どこいった?」

 

お前みたいな勘のいい奴は嫌いだよ。

 

「えぇ!?単純に量で比較した訳じゃなくてまだなんか混ざってるの!?ねぇロード君!キミはいったい何を混ぜたんだい!?」

 

「それはな──」

 

『コレすっごいおいし~!!』

 

『コクリコもお手伝いしたんだよ!ほめてほめて~!』

 

『コクリコちゃんすっご~い!ねぇたいちょー!コレすっごくおいしいね!』

 

「お?そうか?なら良かった。」

 

「ロード君の中で私は優先順位どんだけ低いのさ!?」

 

楼閣、少し黙ってろ。

 

「ド腐れ外道だねぇ!?」

 

楼閣、うるさい(笑顔)

 

(あっ、これ、ロード君なんか企んでる顔だ……)

 

「ちなみにめぐめぐは食べれないものとかあるのか?」

 

『ピーマン!めぐめぐ苦いの嫌~い。』

 

「なるほど、ピーマンね……コクリコと同じか。好都合だな。」

 

『ん?おにいちゃん、なにかいった?』

 

「いいや、特に何も言ってないよ。……二人とも、それ、おいしい?」

 

俺はこともなげに二人に聞いてみる。返事は、

 

『うん!』『すっごくおいしいよ!!』

 

との事だ。

 

「そうか、それは良かった。」

 

じゃあ、爆弾投下だ。

 

「それ、ピーマン入ってるけどな。」

 

『え?』『え?』

 

「あぁ、それが最後の1かい?なるほどねぇ。」

 

楼閣はなぜか納得したようなかんじで頷いていた。

まぁ、その通りなんだけど。

 

『うえぇ……めぐめぐこれ要らない……こっちのスープだけ飲む……』

 

「あ、そっちにもピーマン入ってるけどな?」

 

『へっ!?……そんなんどこにもないじゃん!!』

 

「ロード君、からかうのはやめといた方が……」

 

おいお前ら、ちょっとは俺を信用しろよ。

 

「ピーマンは圧縮して水分を搾り取ってからミキサーで粉状にしてハンバーグに、搾った水分をすまし汁に入れて煮込んだんだよ。」

 

言っただろ?俺はコクリコの嫌いなものを“目に見える形で”出すつもりは無い、と。

 

『たいちょーの意地悪!めぐめぐを腹ぺこにするつもり?』

 

「でも、ピーマンの味しねぇだろ?」

 

『それとこれとは話が別なの!』

 

「でも、ピーマンの味しねぇだろ?」

 

『け、けど──』

 

「でも、ピーマンの味しねぇだろ?」

 

『むうぅぅ!』

 

「味が嫌だってんならまぁしょうがねぇけど、美味かったなら食えばいいじゃねぇか。な?」

 

『…………ふんだ!今日だけだからね!』

 

そう言ってめぐめぐは再び食べ始めた。

……ん?そう言えばコクリコは何も言ってなかったな……あ、こっち見て黙りこくってる。

 

「コクリコ?どうかしたの?」

 

『……おにいちゃん、』

 

な、なんでしょう?

 

「ロード君、なんで敬語?」

 

「楼閣さん、今いいところなんですから黙っておきましょう。」

 

『コクリコね、ピーマンたべれたよ!ほめてほめて~!』

 

「楼閣、ウチの子が天使なんだがどうしよう?」

 

「知らないよっ!」

 

何この子可愛すぎませんかね?

とりあえず頭を撫でておく。うわっ、髪サラッサラじゃねぇか。

辛い、可愛すぎて辛い。

 

当のコクリコは『えへへ~♡』とすごく嬉しそう。

めぐめぐはやっぱり食欲には勝てなかったのか美味しそうに食べ、ジャスティスはご飯を何杯もおかわりし、波羅はサラダとハンバーグのソースまで綺麗に舐めとっていた。

 

波羅、もう俺、正直お前が怖いわ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

風呂を終え、コクリコを寝かしつけたあと、楼閣と波羅と俺で今日の振り返りやら明日からの立ち回りとかを確認して寝室へ。

 

「そう言えば今日、セナと喋ってねぇな……なんでだろ?」

 

唐突に不思議に思ったその時、

 

「…………!?カフッ!!グッ……ゲホゲホッ!!」

 

俺は吐血した。ビチャビチャと血が足元に散らばる。

しばらくの間、俺は立ち上がることが出来ずに血を吐きながらのたうち回っていた。

 

数分後にそれは収まったが口の中には鉄の味がする。顔を顰めながら洗面所へ行き、口をゆすぐ。

 

《大丈夫ですか?》

 

キィが訊ねてきた。

むしろ大丈夫だと思うか?

 

《いいえ、全く》

 

だよな。だってお前だもん。食あたりか?それならコクリコが危な──

 

《心配はいりません》

 

……原因が分かってるみたいな言い方だな?

 

《はい、マスターの場合はHS(ヒーロースキル)が問題かと思われます》

 

詳しく

 

《マスターのHS、スキル名【過剰読込(オーバー・ロード)】は、その名の通り【人の身に過ぎた負荷(オーバー・ロード)】だったのでしょう》

 

つまり、コレはHSの影響だと?

 

《そうなります》

 

それじゃ、コクリコの心配は要らないな。

 

「こんな時まで、コクリコちゃんの心配かい?」

 

振り返ると、扉の近くに楼閣がいた。

 

「こんな遅くまで何やってんだ?」

 

「それはこっちのセリフだよ。ロード君の部屋で何かが倒れるような音がしたから見に来てみたら、ロード君が血を吐いて倒れてるんだもん。」

 

…………見てたんだな。

 

「まぁね。キィちゃんが心配ないって言ってたから特に何もしなかったけど。」

 

とんだ狸野郎だな。

 

「ロード君には言われたくないよ。それよりも、ホラ、ロード君が吐いた血をどうにかしないと。」

 

はい、と言って楼閣は雑巾を渡してきた。

 

俺はそれを受け取って楼閣と共に床を拭き始める。

 

あぁ、そうだキィ、セナは今どんな状況だ?

 

《かなり弱体化しているようですが、明日までには95%程まで回復していると思われます》

 

なら問題ない。

 

そうして夜はふけていった。




…………あの、ですね?今、私リアルがすっごい修羅場ってるんですよ……
正直そっちにかかりっきりで、全く拙作を書いていないんです……
楽しみにされている方には本当に申し訳ないですし、キリもへったくれもないところで申し訳ないのですが、一月に1回か、それ以下の更新速度になると思われます……本当に申し訳ないのです……

それはそうと、こないだこの作品のオチを思いつきました。
そしてそのオチを実現させようとすると、あとこの章を含めて7章くらいになりそうなんです……(笑)
コンパスがなくなるのが先か、私が書き終えるのが先かのデスレースが幕を開けます笑笑
お楽しみ(?)に!
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