皆の者!我が来たぞ!!
さぁ、我の美声に聞き惚れるが…………む?何を不思議そうな顔をしておる?この我、荒れ狂う天空竜ぶれいずどらごんが現れたことがそんなにも不服か?
やはり語り手は我が盟友の方が自然、とでも思うておるのか?
……何?そうではない?ではなんなのだ?
……ふむ、我が語りをすること自体が不自然だと、貴殿らはそう言いたいわけか。
カードである我が語り手をすることが不自然だと、貴殿らはそう言いたいわけか。
しかしながら、我は貴殿らに伝えたはずぞ、【この我が戦況を逐一実況していくのでな】とな。
なれば我が語りをすることは至極当然な話ではないかの?
まぁよい。ここでこのような問答をしたとて、我が語りをするという事実は変わらぬ。
無駄な問答は避けるのが吉であろ?
うむ、それが良い。では我が盟友の話を始めようかの。
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作戦会議後、我らはすぐに広場へと移動をした。
「うわ……ひっでぇな、こりゃ……」
三バカと呼ばれていた者のうち、リーダー格の者がそう呟いた。
その目の前にあったのは、もはや瓦礫の山と化した中央広場のモニターである。
「結構ズタズタにされてんな……」
「ま、無差別攻撃みたいだし、理性が吹っ飛んでんだろ。ヘイト稼げば虫みたいに
三バカの名も無き者が呟くが、我が盟友はそこを冷静に分析する。
この分析能力、もしこやつが勇者かなにかで我を殺しに来ておったらと思うと、背筋が凍るのぉ。
「まぁ、それを至近距離で受けるのは私がやるしかないんだよねぇ……」
楼閣殿が死んだ魚の目で呟いた。
まだ周りに気を使わんだけ楽だろうに。勇者共に囲まれた時など、勇者を抑えても他の連中が襲いかかってくるゆえ気を使ったものじゃ。
あの戦いよりはマシじゃろうて。
蛆虫を連想させるあの戦いよりは。
「キィ、【メカ犯】まであとどのくらいだ?」
《【家庭用メカ】は現在、商業施設エリアへと移動をしていますので、私たちの現在地からだと推定あと5分程度かと》
ふむ、案内人殿は有能だのぉ。移動する敵と我らの速度を計上し、
このような有能な者が、なぜ一個人の案内人なぞしておるのだ?
……まぁ、盟友だからとしか言いようがなき。
だってめいゆうだもの ぶれどら
「ぶれどら、初撃は頼んだぞ。そのまま倒してもいいんだぞ?」
盟友がニッコリと笑顔で聞いてくる。
やめるのだ盟友、我にそのような期待に満ち溢れためを向けるのをやめてくれ。
【盟友よ、無理を言わんでくれ……我は管理者殿に出力を制限されておるのだ。それゆえに彼奴を一撃で倒せるほどの出力は出ぬよ。制限なしなれば、全力でなくともあの忌々しい飛行船くらいは一撃で落とせるがな。】
本当にあの紅き飛行船は……!
「……なぁぶれどら、その【飛行船】ってのは……」
【ん?あぁ、盟友は知らんのだっけか?【ツォイク】という名をしておるのだが。】
と、いうか盟友、我を呼び出す前にツォイクの話をしておらんかったかの?
「あー……そっかぁ……うんうん、まぁそっちのが主流だもんなぁ……普通は竜が兵器ひとつに負けないよなぁ……」
む、盟友が頭を抱えておる。一体どうしたというのだ。訳が分からぬ。
《そろそろです、皆様ご準備を》
……案内人殿はいつも冷静だのぉ。
《慣れておりますので》
まぁ、盟友の案内人をしておるならばそれも頷けるな。盟友の案内人を勤めるのは、
《それはまぁ……ロリコンなので仕方がありません》
左様か。まぁ盟友だものな。いつもいつも我らの予想の遥か斜め上を行く盟友の案内人なれば、それも仕方がなき。
「何二人で盛り上がってんだ?キィもぶれどらも、もうすぐ敵が来るんだから気を引き締めろ。」
盟友が我らを
それはすまぬことを──
『おにいちゃん、かっこいいね!』
「ふふふ、そうかな、コクリコ?」
…………………………
【案内人殿】
《なんでしょうか?》
【盟友ってこんな残念キャラじゃっけか?ワシはバトル中かトレーニングルームのことしか見とらんでな、盟友はもっと格好良いイメージなのじゃが……】
《バトル以外ではこんなものです》
なんということでしょう、あんなに凛々しかった盟友が、こんなにも残念属性になってしまったではないか。
《ロリコンの皆様、もうすぐ【家庭用メカ】に到達ですよ》
「「「「凄い風評被害(だねぇ)!!」」」」
「ボスと……おそろい……!?」
案内人殿、その言い方はなかろうに……三バカ屈指の自主規制殿も否定しとるではないか……
そして波羅渡殿はなぜ少し嬉しそうなのだ……
《ぶれいずどらごん様、ロリコンというのは褒め言葉なのです》
む、そうなのか?
《えぇ、それはそれは素晴らしい褒め言葉でして、あとの方々はご謙遜なさっているのです》
そうだったのか、それは失礼をした。
「ぶれどらさん!?それウソだからね!?キィちゃんのジョークだからね!?」
はっはっはっ。楼閣殿、同族を疑るものではないぞ。ましてや案内人殿だ、嘘をつく理由も利点もなかろうに。
「ぶれどらさん……」
む、楼閣殿の目が死んでおる。そこまで【家庭用メカ】の攻撃を受けたくないのか?
小声で「常識人がまた減っちゃったよ……」とか呟いておるが、本当にどうしたのかの?
《皆様、【家庭用メカ】遭遇まであと200メートルですので、ご準備を》
【もうすぐそこではないか。皆の衆、今すぐ構えよ。】
今回我は盟友の策で、【家庭用メカ】から100m地点より攻撃を仕掛けるように言われておる。
なんでも、敵の機動力を見たいそうな。流石は我が盟友、よく考えておるな。
「じゃ、最終確認でもしといてよ。私はジャスくんと150くらいまで近づいとくから、開始の時にギルドチャットで教えてねぇ。」
そうか、ジャスティス殿は鎧を来ておる故に移動速度が遅いものな。
『俺の場合、あんたと同じようなもんだ。軍にいた頃はもう少し速く動けていたんだが、こちらに呼ばれてからかなり動きが鈍くなったきがするぞ。』
む、ジャスティス殿も同類であったか。初めはイメージと動きが異なる故、よく転けたりしなかったかの?
『そうだな……初めはよくあったが、慣れるのは早かったな。それに──』
「ちょっとジャスくん!先に進んどかないとまずいんだから早く行くよ!」
『あぁ、そうだったな。すまない、また後で話そう。』
そう言ってジャスティス殿と楼閣殿は先に行った。
「それで、ぶれどらが攻撃したあとのポジションが……ん?どうしたぶれどら?ニヤけてるぞ?」
む、いかんいかん、つい頬が緩んでしまっておったわ。
ジャスティス殿が『また後で』などと言うからだ。
我に『また後』があるのか、疑問であろうに。
【家庭用メカ】の件を解決したら、【ぱっち】とやらが出来上がって、我はカードに戻るだろうに。
【天空竜さん、とりあえずは目の前のことに集中、だろ。】
【そうであるな狩人殿。我らは異質なのだからな。】
すまぬ、盟友よ。続けてくれ。
我がそう言うと、盟友は首をかしげながらも説明を続行する。
それでいい。我らのことなど、気にせんで良いのだ。
さて、では【ばとる】とやらを、始めようぞ。
今回は少し短かったですね、乱数調整です。
なんかねぇ……バトル回になる予定だったんですけど、始めの数行でメカ犯までの道のり回になっちゃいました。
ぶれどらがあんなネタじみたことを言うから悪いんだ、私は悪くない。全部全部ぶれどらのせいだ!
そしてなかなか出てこない本作ヒロイン。乱数はヒロインを描くのが苦手です。
さらに最後のセリフまで忘れ去られていたレオン!皆様、レオンの存在覚えてました?乱数は忘れてました。
ではでは、今回はこの辺で筆を置かせていただきます。