ロリ#コンパス   作:乱数調整

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困惑、そして想定外

「クソっ!もう遠距離対処できねぇぞ!」

 

13殿がやられてしもうたことに対して、盟友が苛立ちを顕に叫ぶ。盟友がここまで取り乱すなぞ、これまで一度しかなかったろうに。

 

「とりあえず私が耐えるから、ロードくんは対策考えて!行くよジャスくん!」

 

『了解だ!テヤァ!!』

 

「僕らもやるよ、ジャンヌちゃん!」

 

『分かりました!いざ!』

 

「あぁ、そっち任せたぞ!……ノホがやられたらいよいよ戦線が崩壊する……カード使えなきゃコクリコはデバフ撒くだけになるし……」

 

楼閣殿も盟友もやりおるな。

状況を把握しその時の最善を尽くさんとするのは、心がけてはおってもなかなか難しかろうに。

 

「めぐめぐも通常は強くはないしDPSも秘めたるかデキレ差なきゃ微妙……ジャス、ジャンヌのタンク組は論外……」

 

盟友がブツブツと独りごちながら対策を考える。

一つずつ可能性を上げていくのは効率としては良くはないが、緊急時に落ち着きを取り戻す意味では有効である。

 

が、かような思惑も全て超えてゆくのが現実というものであり、

 

【ギュギギ!!ギュイエンヌ!!】

 

『あぁっ!』

 

この【家庭用メカ】であるのだ。

 

【家庭用メカ】は双挽殿を掴むと体制を傾け、下部にある噴出機より火を噴かせて双挽殿を焦がす。

 

噴出機の出力が高かったのか、双挽殿の上体が仰け反る。

双挽殿が上体を起こす頃には、【家庭用メカ】も体制を整え攻撃態勢が済んでおるわけで。

 

【ギュイーン!ギュギギギ!!】

 

【家庭用メカ】が一撃を入れようと振りかぶっておる所であった。

 

『間に合わん!』

 

「避けて!」

 

「クルエルが使えりゃ……!」

 

悲鳴にも似た叫びが各々から発せられる。双挽殿は体制を崩しておる故避けられぬのだから双挽殿もダウンかと思われた。

 

【ギュギギ!?】

 

【おいおい、オレを忘れねぇでくれよ?】

 

が、そこに銃弾が飛来し【家庭用メカ】に少なくはないダメージを与え、そのの動きを止めさせた。

その弾を打ち出したのは誰であろう、ここにいる最後のカードキャラ【レオン】である。

やつは皆の認識の外より【家庭用メカ】を狙っておったのだ。なんというむっつり助平であろうか。さすがは護衛騎士だ。

 

「すまんレオン、助かった!あと忘れてた!」

 

【ひでぇなオイ!keyの抜けた穴はオレがカバーするから、陣形組み直させろ。】

 

「あぁ、分かった。とりあえずノホはジャンヌまで撤退しろ!」

 

『分かった。』

 

【レオン】が作り出した隙を使い、双挽殿が撤退をする。その間にも【レオン】は攻撃を続け、双挽殿の撤退の時間をしかと稼いでおる。かような判断が早いのも護衛騎士という役職故か。

 

双挽殿が撤退をする頃には、援軍が届いておるわけで、

 

「一旦時間稼ぐよ!ジャスくん、景気良くやっちゃって!」

 

『任せろ!負けんっ!』

 

【ギュイギギ!?】

 

その援軍である楼閣殿とジャスティス殿が【家庭用メカ】を弾き飛ばす。

家庭用メカはかなり遠くまで吹き飛び、自身の壊した建物の瓦礫に突っ込んだ。

 

「今のうちに体制立て直して!ごめん【レオン】さん、助かったよ!」

 

【気にするな。ま、こんなオッサンでも一応は護衛騎士やってんだ、遠距離は任せてくれや。】

 

『傷を治しますね?』

 

『……ありがと。』

 

その間にテキパキと面々は体制を立て直す。さすがの判断力であるな。

 

「回復終わったか?陣形変えるぞ、【レオン】に楼閣、ノホにジャンヌが付け。多分こっからまた【レオン】が狙われる。」

 

盟友が落ち着きを取り戻し、即興で陣形を立て直させる。

思惑としては、一番狙われそうな【レオン(むっつり助平)】を楼閣殿でカバーし、万一双挽殿の方へ【家庭用メカ】が行ってしまった際にはヘルプまでの時間を稼ぐためにジャンヌ殿を付けているのだと我は思う。

 

つまり、思惑通り【レオン】が狙われればジャンヌ殿と双挽殿が近寄り、態勢が安定するわけであるな。

 

【ギ……ギ……ギュギギギ!!】

 

そこまで終えてからやっと瓦礫を跳ね除け、【家庭用メカ】がこちらに向かってくる。

 

「焼き払え!!」

 

【合点!】

 

それを鑑みて盟友は我に指示をしておったのだがな。

 

まぁ、それでも読み切れんなんてことが今までにも沢山あった訳で、今回もそうであった。

 

【ギュイギギ!!ギッギ!!】

 

「チッ!ノホの方か……楼閣!俺とセナでカイティングするからいい感じに位置取れ!」

 

「全く!どれだけ私にアドリブ求めるのさ!やるけどねっ!!」

 

『連れてくるのは任せたぞ、ロード!』

 

「おいセナ、今まで1回も動いてないお前の汚名返上だぞ。攻撃してヘイトトップ、からの楼閣のところまで【メカ犯】を連れてく。できるよな?」

 

『僕ともあろう者が、負けるわけがない。』

 

悪魔殿は随分と自信ありげであるな。

 

「うし、お前はそれでいい。行くぞ!」

 

そう言って盟友と悪魔殿は駆け出した。

 

【ギュイギギ!!】

 

「ノホ!ジャンヌ!こっち来い!!」

 

『分かった。』

 

そのまま双挽殿の元へと行ったのでは【家庭用メカ】が先に双挽殿に危害を加えると判断した盟友は、双挽殿とジャンヌ殿を呼びつけ【家庭用メカ】から離しつつ自らの方へと奴を引きつける判断をした。

 

そしてそれは、結果として上手くいく。

 

「セナ!」

 

『どけェ!!』

 

【ギュギッ?!】

 

今まで盟友は後衛におったのだから【家庭用メカ】にとっては想定外だったのであろう、思わぬ伏兵に奴は戸惑っておった。

コクリコ殿が愛らしい姿をしておることも奴の困惑に拍車をかけておったのかもしれぬが。

 

「よし、とりあえずノホは離れて回復!カイティングするから、PRHS、ノホ、ジャンヌはジャスが安定したらこっちに来い!」

 

『分かった。』『分かりました!』「了解!」「なぁ、俺忘れられて(ry」

 

盟友がそこにいた三人に素早く指示を出した。

【家庭用メカ】は先に闖入者である悪魔殿を排除しようと動いていた。

 

【ギ、ギ、ギュギ!?】

 

しかし、奴にとっても想定外であったことが一つだけある。

奴が未だに取り乱しておる最大の理由でもあった。

 

「【眠り姫の微睡み】」

 

そのわけを盟友がポツリと呟く。

 

【眠り姫の微睡み】

ダッシュ攻撃を当てた相手の攻撃力を一定期間55%ダウンさせる、コクリコ殿のあびりてぃというものらしい。

それによって攻撃力が下がった【家庭用メカ】は、後衛におって見た目で判断しても戦闘能力がない、あってもそこまでであろうと踏んでおったコクリコ殿になんの痛痒も与えられず、困惑していたのだ。

 

【ギギュイ……ギギ!】

 

「やれ、セナ。」

 

『どけェ!!』

 

【ギ……!ギュイギギ!!】

 

一度その戦線から退き、双挽殿から潰してゆこうと考えた【家庭用メカ】を盟友と悪魔殿は何度も追い回し、じわじわと奴を苦しめてゆく。

 

逃げられぬと悟った【家庭用メカ】は遂に盟友に狙いを変えた。

 

「よし釣れた!セナ、走るぞついてこい!」

 

『わかっている!僕に指図するなァ!』

 

その瞬間、盟友と悪魔殿はこちらへと戻ってくる。

……【家庭用メカ】が真後ろを隙間なくピッタリとついてきておるが大丈夫なのか?

 

『クッ……!』

 

「セナ、焦るなよ?」

 

『わかっている!』

 

悪魔殿の背中を【家庭用メカ】の攻撃が掠めた。

かなり不味くはないかと我は思うのだが、盟友は何故か余裕を持っていた。

 

【ギュギッ!ギギギ!!】

 

「今だ!」

 

『ぱたん……』

 

【家庭用メカ】が今にも盟友と悪魔殿に飛びつかんという時に、盟友は左に飛び、コクリコ殿が伏せ、その体制で悪魔殿が右にコクリコ殿を連れていった。

 

「ロードくんありがとっ!ジャスくん!」

 

『ナイスだロード!うりゃあ!』

 

そこには、なんということだろうか、ジャスティス殿と楼閣殿が待ち構えておったのだ。

 

なんと、盟友と悪魔殿はジャスティス殿が見えないように速度を調整しておったというのか!

 

【ギィ……!ピシュッ!】

 

『させん!テヤァ!!』

 

ジャスティス殿が得物を叩きつけるように【家庭用メカ】に振り下ろし、それを受けて一旦距離を取ろうとして光線を奴は出しおったが、それはジャスティス殿の光の壁に阻まれる。

 

「殺れ、めぐめぐ!」

 

『腸をぶちまけろ!』

 

そこに波羅渡殿とめぐめぐ殿も加勢し局面は振り出しに戻った。

とはいえ、一方的にダメージを与えておるが故に振り出しではないのだが。

 

「ロードくん……敵さん、いくらなんでも体力おかしくないかい?」

 

「あぁ……確かにな。とはいえ体力無限バグとかじゃねぇだろ。それならダメージは気にしないだろうからな。」

 

盟友と楼閣殿が何やら話しておるが、それは我にも分からぬな。

……もしや奴は、呪縛を引きちぎったとでもいうのか?

 

まぁ、なんにせよそろそろ奴のエネルギーも尽きる頃よ。

 

そう思っていた時であった。

 

【ギギギ……カチッ。ギュイギギ!!】

 

「…………!!波羅とめぐめぐは避けろ!ジャスティス、死ぬ気で踏ん張れ!特大エネルギー砲撃来るぞ!」

 

『分かった!テヤァァァァ!!』

 

【家庭用メカ】の元ネタに一定の知識のある盟友が何かを察知し激を飛ばす。それを受けて各々素早く行動をした。

 

【ギギギ……カチッ!ギュイイイイイイイイイイイイン!!】

 

が、その想像は覆される。

【家庭用メカ】は光線を放つ直前、首を別方向へと巡らせた。

 

その先にいたのは

 

『あぁっ!』『きゃぁぁ!!』

 

離れていた双挽殿とジャンヌ殿の2人であった。

 

「なっ!?」「うそっ!?」

 

盟友と楼閣殿が驚愕に目を見開くがもう遅い。極大の光線は二人をすっぽりと包み、焼いた。

 

光線が晴れる頃、二人とその使い手の姿はもうなかった。

 

「くそっ……!もうなんでもありかよ!」

 

「こんなの……どうしろっていうのさ……!」

 

盟友が無力に頭を掻き毟り、楼閣殿は絶望にくずおれた。

 

【モウ諦メルノデスカ?楼閣サンラシクモナイ。】

 

そこに誰かの声が響いた。




お久しぶりです、乱数調整です。

長らくお待たせ致しました……本当に申し訳ないです。
書いてて、「あれ?メカ犯強すぎません?この強さはおかしくありませんか乱数さん!?」とセルフツッコミを炸裂させていて、展開を強い理由がこじつけられるように考え続けた結果、話が進まなくなりました。

しかし、次の話から私がこの章で書きたかったシーンが始まるのでもう少し早くなると思います。早くなったらいいなぁ……

ではでは、今回はこの辺で筆を置かせていただきます。
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