ガラスが割れるような音とともに【メカ犯】が消滅した。
「終わった……かな?」
「やりましたね、ボス。」
「ひぃぃぃぃぃぃやっほぉぉぉぉぉぉぉぉい!!これで!コクリコの!服が買い放題だぜ!!いぇぇぇぇぇぇい!!」
《もう少し落ち着いてください》
キィ、うるさい♡
コクリコの服が買えるんだぞ!?これでテンションが上がらずにいつテンションを上げろってんだ!!
「さしあたっての危機も去ったわけだし、とっとと買い物に行くぞぶれどら!」
【………………】
俺がぶれどらに話しかけても、ぶれどらは黙るばかりだった。
【銀河防衛ロボ】と【秘めたる力の覚醒】も目を伏せて、こっちを見ようともしない。
嫌な予感がする。
「ぶれどら、こっからまだまだいろいろとあるぜ?コクリコの写真撮って、写真集も作りたいし、」
【………………】
ぶれどらは何も語らない。
「水着があったら海に行くのもいいな。夏イベあったら海もあるだろうし、」
【………………】
ぶれどらは何も語らない。
「慰謝料とか言って【
【………………】
ぶれどらは何も語らない。
「それから────」
【すまぬ盟友、我はそこには行けぬ。】
俺がなんとか言葉をつなごうとした時、ぶれどらはなぜか首を横に振る。
これ以上聞くなと頭の中で警鐘が鳴り響く。
ぶれどらは何も騙らない。
「あぁ、確かにその大きさじゃブティックとか飯屋のドアくぐれねぇよな。心配すんな、試着してからお前にも見せるし、外で食える店にするから。」
【そういうことではないのだ、盟友。】
俺は嫌な予感を押し殺して言葉を続けるが、ぶれどらは慈しむような目をこちらに向けてそう言う。
「…………どういうことだ?お前、子供好きだっただろ?」
【あぁ、盟友が溺愛する娘子なだけあって、我も少なからず愛おしく思っておる。】
「なら、別の理由か?」
【察しが良いな、我が盟友よ。貴殿は忘れておるかもしれぬが、我は【カードキャラ】ぞ。【家庭用メカ】がバグの修正ぱっちとやらで沈静化された以上、我も消えるのが筋であろう。】
ぶれどらは冷静にそう言い放つ。
【ソウデスヨ。シカモ今回ハ【トアル家庭用メカノ反乱】ト【荒レ狂ウ天空竜ブレイズドラゴン】ノ両名ノミノ修正ナノデス。ソウ時間ハカカラナイハズナノデス。】
【そーだぜ。管理者権限で呼び出されたオレと違って、天空竜サマはかなりムリしてここにいるんだ。】
そのぶれどらの言葉を肯定するように【銀河防衛ロボ】と【秘めたる力の覚醒】が無慈悲に言い放つ。
その言葉に嘘が含まれているはずもないだろう。
「そう、か。」
こんな予感ばかりよく当たる。
当たって欲しくないと願うほど、よく当たる。
「なぁ、ぶれどら──」
【聞けぬ。】
ぶれどらは聞かずに即答した。
そして静かに続ける。
【盟友、我は貴殿の左様な姿なぞ見たくはないぞ。貴殿はいつも傲慢不遜で、コクリコ殿のことばかり考えておって、すぐに我を忘れて、変なところで思い切りがよく、悪魔的に頭が回り、奇天烈な策を弄して道を切り開き、我らの想像なぞ軽く超えてゆく、我が誇れる盟友ではないか。】
そのような弱気でどうするのだ、と言って俺の盟友は続ける。
【盟友よ、貴殿はちゃんと我が誇れる盟友だ、そこは誰がなんと言おうと心配せんで良い。盟友はコクリコ殿のことを考えて行動しておる時が、一番強い。コクリコ殿がおらんくなれば、貴殿はどのようなことをしでかすか分からぬ程にな。我はそのような貴殿に着いてゆこうと誓ったのだ。】
そこで一度言葉を切って、少し時間を開けてからぶれどらは言う。
【盟友は盟友のままでいい。我が保証する。】
そう遺してぶれどらは消えた。
空気に溶けるようにしてぶれどらは、消えた。
【銀河防衛ロボ】と【秘めたる力の覚醒】は、いつの間にかいなくなっていた。
──────────────────
「珍しいね、ロードくんがコクリコちゃんのために動かないなんてさ。」
【
今はリビングの机にヒーローを含む6人で座って飲み物を飲んでいる。
その中で茶化すように楼閣がロードに言った。
「うっせぇ、俺にだって考えがあるんだよ。それに、ぶれどらにあそこまで言われたんだ。なら俺だって、あの後コクリコの服を買う訳にはいかねぇだろ。」
「ジャスくん、ロードくんがおかしいよ。体温計持ってきて。」
【大丈夫だ、既にここに用意してある。】
ロードがごく真剣にそう答えたが、返ってきたのは[コイツ、頭がおかしくなったのか?いや、おかしくなった。]と言わんばかりの返答だった。
「お前らは俺をなんだと思ってんだ!」
「ロリコンの王」
「コクリコさんのこととなると容赦ないボス」
『コクリコのことになると見境がなくなるやつ』
『コクリコちゃんが大好きなたいちょー』
『同類だなァ』
《どう足掻いてもロリコンです》
《そっち系の趣味の危ない人かなぁ……》
《ロリコンです》
『大好きなお兄ちゃんだよ!』
「マジかよ……コクリコだけだよ、俺を分かってくれるのは……」
ギルメンとヒーロー、機械音声全員が遠慮なしにストレートに思ったことを口にする。
ロードは少なくないダメージを受けたようでコクリコを抱いて固まっている。
そこに客が来た。
『ミナサマ、コノタビハホントウニ──』
「来た!やれ、セナ!!」
『僕らの愛の強さ、見せてやろう!!』
『カピッ!?』
その客──voidoll──は入ってくると同時にロードとセナによる【インフェルノ・シュリーカー】によって足を止めさせられ、その隙にロードに頭を鷲掴みにされていた。
『ナ、ナニヲスルノデスカ!?』
「なぁオイ、voidoll?お前、分かってんだろうな?」
ロードの目はマジだった。
『ナ、ナニヲデスカ!?』
「まず、俺たちに無償で解決を図ったつもりは無い。そして、お前らが【警備ロボ】を退却させたおかげで計画が大幅に狂った。ここまでいいか?」
ロードはvoidollを鷲掴みにしながら、貼り付けたような笑顔を浮かべてそう言った。
『ワ、ワカッテイマス。シカシハカセガ──』
「御託はいい。俺が言いたいのはな?何か特別手当があってもいいんじゃねぇかってことだ。」
『……ト、イイマスト?』
voidollは首をかしげながらロードに聞き返す。
するとロードは笑顔を絶やさずに一言。
「そんくらい分かるだろ?」
『スグニジュンビヲシマス!』
そう言うとvoidollはギルドホールから出ていった。
「……あぁ、いつも通りだねぇ」
「いつも通りですね。」
『いつも通りだな。』
『いつものたいちょーだ!』
『いつものお前だなァ。』
その日の暮れ、【
どうもお久しぶりの早更新です。乱数調整です。
今回で【カンショウ】系統の話はとりあえず完結まで終わりです。
間章、閑章、二つともどうだったでしょうか?
とりあえずバグ扱いにはしているものの、乱数の描きたい欲が爆発し、暴走したものです。面白かったらいいなぁと。
ここから完結に向けて新キャラてんこ盛りの大暴走です。
完結に向けるとか言いつつもあと4章くらい残ってるんですけどね。
そして私は気づいたのです……私はちょっと狂ってるキャラが好きなことに!
ということで、プロットの4章と5章が丸々入れ替わって乱数のモチベをなんとか上げて、完結まで!早い更新スピードで!行けましたら!それはとっても素敵だなぁって……(おいコラ逃げるな)
ではでは、今回はこの辺で筆を置かせていただきます。