「ボス、今少しお時間よろしいでしょうか?」
波羅が俺の部屋をノックしてドア越しに訊ねた。お前はいつの時代の従者だ。
「あぁ、今コクリコが昼寝を始めたから別に構わねぇぞ。部屋変えても構わんか?」
「御心の通りに。」
うん、波羅の中では俺は王族かなにかかな?
とりあえず俺達は二人でリビングに移動した。
楼閣は引きこもってたドクを無理やり引っ張ってバトアリに出かけた。多分そろそろ帰ってくるんじゃないかな。
座って飲み物を出したところで波羅が切り出した。
「ボス、ボスは今回のイベントの【
「ん?なんだそれ?」
え、なにそのイベント?俺聞いてねぇぞ?
《聞かれませんでしたので》
おいキィ、お前の仕業か。普通はとりあえず通知しておくもんだろうが。
《ロリコンに【普通】を求めるのは酷かと考えました》
自由かよ。
「おや、ボスはお聞きになっていなかったのですね。まぁ、キィさんの考えも少しわかります。ボスが出てしまってはイベントそのものが終わってしまいますから。」
「いやいや、そりゃねぇだろ。たいてい、そういうイベントはボスのリスポンあるだろ」
波羅、ついに狂信じゃない所までおかしくなったか。
《いえ、今回はヒーロー獲得イベントですので
「ん、そうなのか?」
まぁ、運営側の
「えぇ、ですからどこのギルドも血眼ですよ。小さいところも大手もこぞって挑戦して、敗北してるみたいですよ。」
確か【
【
《三バカのギルドです》
おぉ!あそこか!
「……ボス、彼らは僕らをライバル視してるので一応覚えといてあげましょう?」
いやだって、一回きりの使い捨てキャラが準レギュラーヅラしてるってなんかムカつくじゃん?
『ロード……頼むからそういうメタ発言は控えてくれ……』
お、ジャスティスか。おかえり。二固定だけどどうだったよ?
『まぁ、良かった方だな。味方にもう一人タンクが来たから少し心配だったが、動きがいい。むしろドクが邪魔だったくらいだ。』
そうか……ってドクはどうした?
「今部屋でグロッキーだよぉ〜。自分がほとんどいらなくて落ち込んでるみたいだねぇ。」
へぇ。じゃあ、ジャスティスが『まぁ良かった方』って言ったのはタンクのせいじゃなくてドクのせいだったのか。
「うん。まぁ、長いこと使ってたデッキの使用感をすぐに変えるのは無理でしょ。……それにしてもほんとにいい子と当たったよ。タンク二人だった時はどうしようかと思ったけど、カバーが上手い子だったねぇ。」
『全くだ。ウチに呼びたいくらいだったな。』
ほう?勧誘したのか?
「いや、見つけた時には別の人たちに勧誘されてたからやめといたよ。二つ名もついてた子だから引く手あまただろうねぇ。」
ま、そういう奴はたいていどこが一番いい条件を出せるかで迷ってるんだろ。
「……で、何の話をしてたんだい?」
「あぁ、【
あぁ〜、と楼閣は嘆息を漏らす。
「ウチは人数少ないから、ロードくんはきっと不参加だと思ってたよ。やるの?」
「いや?今聞いたばっかで全然決めてねぇ。やるのはいいとしても、もうちょい情報が欲しいな。キィ、情報頼めるか?」
《かしこまりました》
─────────────────────
参加対象:ギルド所属者
参加上限:100名
攻略可能回数:ひとつのギルドにつき一度のみ
攻略対象:
制限時間:20分
基本ルール
一度デスした者は復活できない
HSが自動蓄積しない
ボスはHS自動蓄積
リスポーン地点から降りたらバトル開始
チームレベルはアリーナ準拠
ポータルキーは存在しない
ボスをキルできればチャレンジ成功
時間切れか全滅でチャレンジ失敗
成功すればボスが味方になる
バトルで得た情報を他者に与えることはできない
バトルで勝利すればモチーフカードが手に入る(枚数制限有り)
─────────────────────
キィが宙に情報を提示した。
「ふーん……ん?なぁキィ、『バトルで得た情報を他者に与えることはできない』ってのはどういうことだ?」
《そちらにつきましては、既に挑戦に失敗したギルドの方がバトルで得た正しい情報については伏字処理が行われるという処置です》
ほんと、俺の案内人は聞かなきゃ答えねぇけど聞いたらすぐ答えるな。
「なるほどな。……ん?それ、逆算すれば答えが出てきそうじゃね?」
《その通りです》
なるほどな。
「納得してるけどねロードくん、それ、情報源になる人がいないと成立しないよ?」
「おぉ!盲点だった!」
「いやそこ忘れる?普通?」
楼閣が苦笑いをしてそう言う。
「では、その情報源をどうするか、ですね……向こうから来てくれれば楽なのですが……」
ピンポーン
呼び鈴が鳴った。
「キィ、誰だ?」
《……おめでとうございます、【
「「「すぐ通せ(通して)!!」」」
───────────────────
「いや、こないだは俺たちが出しちまった【メカ犯】のことで迷惑かけた。これ、少ないが詫びだ。ケーキ買ってきたぞ。」
「いやいや、俺だってコクリコの新しい服が買いたかったし別にいいぞ?まぁ、とりあえず上がれや。」
keyがかなりデカい箱でケーキを買ってきた。
これ、中身は普通に10個は越えてんな……
「いやいや、悪ぃって!俺たちは迷惑かけた側なんだからよ。」
「それこそ気にすんなっての。それに
「ロリコンの王……すまねぇ、そういうことならお邪魔させてもらう。PR、レイア、上がらせてもらおうぜ。」
「まぁ、そっちがいいなら上がらせてもらうか。」
「なんかすみませんねぇ。」
三バカがギルドホールに上がってきた。
全員が靴を脱いだのを確認して俺はドアの鍵を閉める。
『……?なんで今チェーンまで閉めたの?』
ノホタン……君みたいな勘のいいガキは嫌いだよ
「ウチにはコクリコがいるからな。お前らとケーキ食ってるうちに攫われたら、また
『……そう。大事にしてるのね』
とりあえず気づかれながらもなんとか誤魔化した。
実際に誤魔化せたかどうかは分からんが。
そのまま進んで全員がリビングに入る。
俺は後ろ手でドアを閉めて──
「キィ、やれ!」
《全扉をロックします……完了しました》
「「「はぁ!?」」」
『wwwwwwや、約束されたwww結末www』
『何をするんですか!?』
『……あぁ、そういうこと。』
全ての部屋の扉の鍵を閉めた。
これでもうこの扉が開くのは俺が指示した時か、コクリコが起きてドアを開けようとした時だけだ!
《……その辺が本当にロリコンですよね》
キィ、うるさい♡
「さぁ……話してもらうぜぇ!洗いざらいなぁ!!」
『ロード……それもうどう見てもお前が悪役だぞ……あぁPR、そのケーキはこちらで預かろう。痛むといけないからな。あと、補給助かる。ありがとうな。』
「え、あ、はい。」
そう言いつつもジャスティスが奴らのケーキを冷蔵庫に入れた。
「おいPR!
「あ!ホントだ!!ジャスティスだったからつい油断した……!」
『いや、俺はそんなつもりはないんだがなぁ……それに考えてもみろ、ロードの話がケーキを食いながら和やかに進むとは思わんだろ?』
「「「確かに」」」
おいそこハモるな。
「んで?結局俺たちに何が聞きたいんだ?」
「物わかりが良くて助かるぞ、えっと……誰だっけ?」
「またかよ!いい加減覚えろ!レイアだよ!」
「レイダー?」
「レ・イ・ア!!」
なんだコイツ?
「なぁkey、」
「諦めやがった!」
「なんだ?ロリコンの王」
「key……お前もか……」
レイダー……いや、違ったんだっけ?レイヤーがうるさい。
「【
「……は?」
「だから、今回のイベントについて知ってることを全部教えろって言ってんだ。」
keyの野郎、なにポカンとしてやがる
「え、いや、だって掲示板にまとめサイト的なのがあるじゃねぇか。」
「ん?そうなのか?」
え、なにその情報?俺知らね。
「…………ま、いいか。そんなとこ行っても俺らはここで放置だろ?教えてやるよ。」
「おう、助かる。」
keyはこういうとこで思い切りがいいんだよな。
「まず初めに挑戦した【
「長い。30字以内で簡潔にまとめろ。」
「お、おう。とりあえず【近距離の発動速度は早め】だ。」
25文字……まぁいい、続けろ。
「あぁ、そうする。それで、次に情報を持ち帰ったのが【
なるほど……とりあえず把握だ。
「そんで、一番重要なのが【
ここまでで質問いいか?とkeyが聞いてくる。
そのタイミングで波羅が挙手をした。
「ん?なんだ【
「敵は強いんですか?」
「あぁ、強いさ。」
keyは即答した。
「くひひ!いいないいなァ!血湧き肉躍る死合ができるときちゃあオレはもう止まれねぇよォ!!」
「おら、波羅落ち着け。」
keyの返答を聞いて荒ぶる波羅に俺はチョップをかます。
「あてっ!すみません、ボス!!」
「どうして【
「俺に聞くな、俺に。」
keyとレイダーがなんか言ってる。なんだコイツら?波羅はいつもこんな感じだろうが。
「いや、世間一般が思ってる【
マジか。
「はいはーい。とりあえずロードくん、質問があるんじゃないの?」
おぉ、そうだった。サンキュー楼閣。
「んで?ロリコンの王、質問ってのは?」
「まぁ、質問ってか確認っていうかなんだが、とりあえず、俺は質問をするけど全部に【手持ち花火】って答えてくれ。」
「「「は?」」」
三バカがハモった。俺そんなにおかしいこと言ったか?
《意図が分からなければおかしいことしか貴方は言わないじゃないですか》
それはそれでどうなんだよ。
「とりあえずいいな?全部に【手持ち花火】だぞ?」
「…………分かった。お前が何を言ってるのか理解していないことを理解した。」
なんだそりゃ
「じゃ、質問一つ目だ。お前らがよくやる花火ってなんだ?」
「………………なぁロリコンの王、お前ふざけてる?」
俺はいたって真面目だぞ。いいからはよ答えろ。
「これもう訳わかんねぇな。とりあえずよくやるのは【手持ち花火】だ。【打ち上げ花火】なんて個人では出来ねぇだろ。」
ふむふむ……
「いやなんでそこで考え込むんだよ!?」
「波羅」
「仰せのままに。」
「ムグッ!?」
考え事をレイヤーに邪魔されたからとりあえず波羅を派遣して口を塞がせる。狂信者波羅の動きは今日も素早い。
「ふぅん……ロードくんってば策士だねぇ。」
「言ってろ楼閣。じゃ、次の質問な。」
「もうワケわかんねぇけどいいぞ。今度はなんだ?」
俺は自信満々にkeyに言い放つ。
「敵の使ってたカードの名前、ひとつ言え。」
「ハイハイ、分かってんよ。【嘅fr/@?哪」@eyc詉gcj,!4!、嬭njf.?!」】……はぁ!?」
文字化けが起こった。
早めに、とか言いつつも電波の届かない場所に6日ほどいて全く書けなくて投稿が遅くなった乱数調整です。
さぁ、今回はロードくんがイベントに気づく回でした!
キィさんはかなり自由です。自由じゃなかったらキィじゃない。
とりあえず困ったら全てを三バカに任せているので、三バカの登場頻度がめちゃくちゃ高いです。正直、このままだと困ります。
何が困るって、【レイヤーレイア】の一連の流れがもうネタ切れです。
この二次創作では、【レイヤーレイア】のネタを随時募集しています。いいのが思いついたら感想で教えてください。
ではでは、今回はこの辺で筆を置かせていただきます。