ロリ#コンパス   作:乱数調整

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被害者

『……………………』

 

場所はイベント会場、その中央に私は立っていた。

なぜ私がここに居るのかは分からない。一族の皆はどこへ行ったのだろうか。

 

『ピュイィィィィィィ!!』

 

『すまないマピヤ、今考えても仕方のない事だったな。』

 

いくつもの戦いを経て集中が鈍ったか、これは反省しなければな。

 

とりあえず、私が分かっていなければならないのはこの世界の【創造主】を名乗る者と、その者に言われた、私に挑む者を全て返り討ちにしろとの言を遂行することだけだ。

 

初めは私とて誇り高きティワロロ族の戦士、自称神の言うことなど一笑に伏したさ。

だが、反撃をしようとした途端、私の手から私の得物である【ククリ】が消えたのだ。その上マピヤさえも人質に取られてしまっては私もマピヤのために降伏せざるを得ない。

 

創造主と名乗るものが何もしていないのにマピヤがやられた。

もしや毒か?いや、そうなら私とてタダでは済むまい。

 

ならば奴は本当に……?

 

いや、その考えはよそう。神はワキンヤンだけで十分だ。

 

とりあえず、奴は危険だ。ならば機が来るまではこの馬鹿げた茶番を続けよう。

来る者全てを退ければきっと集落に戻れる。

 

この、薄い膜に閉じ込められた戦友達も、きっと元に戻せるはずだ。

 

『待っていてくれ、ウィネバ、イシュティニケ。』

 

私は決意を込めてそう呟いた。

 

『ピュイィィィィィィ!!』

 

マピヤが一声高く鳴いた。

 

『次の襲撃者か来たのか。』

 

奴らはどうして死を恐れもせず私のところまでやってくるのだ。私には訳が分からない。

 

しかも、戦いが始まる前まではすごく楽しそうじゃないか。

 

──いや、この考えもよそう。全てが終わったあとに、あの自称神にでも聞けばいい事だ。

 

それまで私が生きていれば、だがな。

 

今回の敵が入ってくる。

 

「おー、そこそこ広いトレーニングルームだな。でも、100人規模で戦うにしては手狭じゃないか?囲んでも一斉攻撃が出来なそうだな。」

 

「これを【そこそこ】広いって思っちゃう時点でウチのトレーニングルームの異常な広さを痛感するよねぇ」

 

「まァこれだけ広いと楽死イ死合ができそォじゃねェか!ヒハハハ!!」

 

ふむ……今回も三人組か……

前に来た二人組はこちらに一切の行動をさせない強者だったが、それを聞いて少ない人数で攻めるのが主流になったのか?

 

まぁ、私としては楽でいい。

 

「いや楼閣、ウチのトレーニングルームも結構手狭だろ。最近はどこに遊具を置くかジャスが困ってるんだぞ?」

 

「そもそもそういう用途を想定されてないからねぇ!?ジャスくんも!そんなに作らなくてもいいんだって!」

 

『いや……チビ共が喜ぶ姿を見ると戦時中でも落ち着くんだ。この姿を守らねば、とも思えるしな。それで……つい作りすぎてしまう。』

 

「ボス!痛いです!もう先走ったりしませんからそのコブラツイストをやめてください!」

 

……今回の襲撃者は不思議な者達のようだ。

まさか、私の油断を誘おうとしているのか?

 

「なぁ楼閣、この戦いに勝ったら──」

 

「なに?死亡フラグでも建てるつもり?」

 

「このトレーニングルーム欲しいな。」

 

「まさかの返答!この上さらに増築するつもりなのかい!?」

 

「ボス!折れます!背骨が折れちゃいます!!」

 

『一体何の話をしてるんだ!?』

 

私は叫んだ。今までの者達と決定的に何かが違う。

というか、話している内容がおかしい。

 

今までの者達は皆、どうやって私を倒すかを話していた。

なんだこの緊張感のなさは。

 

『その「なんだ、いたの?」みたいな目を向けるな!私が目当てで来たのではないのか!?』

 

「いや、俺らちょっと物見遊山しようぜくらいの気持ちで来たし……」

 

『ずいぶんと軽いな!?』

 

なんだこの者達は!?何もかもが掴みきれん。

 

「で?お前が強襲する使者(レイドボス)ってやつか?」

 

雰囲気が変わった。

あれは狩りをする者の目だ。

 

『……私はそう言われているのか。』

 

「……ん?自覚なしか?もしかして、あのクソGMに無理やり連れてこられた感じか?」

 

鼓動が跳ねた。

まだ言葉を交わして数秒なのに、私の状況を見抜かれたのだ。

 

『……お前はそちら(・・・)側なのか?』

 

「いや?俺らも無理やり連れてこられた側だ。俺らはこっち(・・・)に対する予備知識があったが、ヒーローのお前にはないんだろ?ドンマイとしか言い様がないな。」

 

『…………何を言っている?』

 

「そうか、急に言われてもわかんねぇよな。」

 

そう言うと先頭の男は地に降りてきた。

鈍重さなど感じさせず、ストン、と。

 

「ま、積もる話はあとだ。ギルドホールに戻ってからしようぜ。」

 

『却下だ。私はこの薄い膜に閉じ込められた戦友達を救い、集落へ帰る。』

 

「それができりゃ、苦労はしないんだけどな。」

 

私と先頭の男が言葉を交わしている間に、後ろにいた二人も降りてきた。

 

「毎回思うんだけどさ、この高さの高台から飛び降りるってもはや狂気の沙汰だよねぇ。」

 

「そうですか?オレはもう慣れたけどなぁ?」

 

「波羅ちゃんはバトル中は頭おかしいからねぇ!」

 

そんな話をしつつ、和やかに降り立つ。

この者達は死を恐れないのか?

 

『………………』

 

「『心底不思議』って顔してるな?」

 

『それはな。私からしたら笑顔で挑んでくるお前達は恐怖でしかない。』

 

「そのカラクリも後で教えてやるよ。」

 

『結構だ。私は死ぬつもりはない。』

 

そうか、と男は呟くと辺りを静寂が包む。

私はいつも通り、向こうから動くのを待っていた。

 

「どうした?いつでもいいぞ?」

 

その静寂を先頭の男が破る。

訳が分からないといった表情で男はこちらに語りかける。

 

男は、私が攻めてくるのを待っていた。

 

今までの襲撃者とは違い、私の力量を測ろうと待っていたのだ。

 

『……私を舐めているのか?』

 

「舐めてねぇよ?カードは全部使える、体力の高いガンナーなんて、舐めプで勝てるわけがない。」

 

『ならば何故?』

 

私は先頭の男に訊ねた。

男は答える。

 

「対策するための(・・・・・)後手は有効だと思うからな。」

 

『そうか……』

 

つまり、私を全て見切ってから攻戦に出ようというのか。

 

『その考えを悔いるといい!畳み掛けるはワキンヤン、死を運ぶはマタンツォ!!』

 

これまでとは違い、私が戦いの火蓋を切った。




なんか、バトルが収まらないけどいつもより短いっていう微妙な量になってしまいました、乱数調整です。

次回予告が盛大にウソついちゃってますね(๑>؂•̀๑)テヘペロ

とりあえず、訳が分からないまま連れてこられたイスタカっていうのを演出したくて、演出したら長くなりすぎたってやつです。

次回:乱数、予告を辞める!

ではでは、今回はこの辺で筆を置かせていただきます。
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