ロリ#コンパス   作:乱数調整

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四章 なんでもゆっくりでいいんだよ
再来


「それじゃドクくん、イスタカさん、バトル行こっか。」

 

イスタカさんのイベントクリアの翌日、私はイスタカさんとドクくんを誘ってバトアリに行こうとしていた。

 

ちなみに波羅ちゃんとロードくんはどっちもいない。

二人とも広くなったトレーニングルームで遊んでくるって今朝から楽しみにしてた。子供かい……

 

ドクくんの部屋の前で声をかけたものの返事がない。キーボードの叩く音が聞こえるからかろうじて【ただのしたいのようだ】とはならないんだけど……ギルマスとしてはちょっと心配だよね。

 

そうなことを考えながらもう一度声をかける。

 

「おーい?ドクくん?」

 

「昨日、宴に出たので嫌です。」

 

「ブレーカー」

 

「喜んでご同行いたします。」

 

ドクくんは直ぐに返事をした。部屋の中から慌ただしく用意をする音が聞こえてくる。どうやら一緒に来てくれるらしい。良かった良かった。

 

ドクくんがかなり焦った様子で部屋から出てくる。

うわぁーそんなに楽しみなのかー(棒)

 

「脅迫ですよ、こんなの……」

 

「ん?なにか言ったかい?」

 

「なんでもないです。」

 

素直な子は嫌いじゃないよ。

 

で、イスタカさんは?

 

『なるほど、狩りの時間か。ここでは確か、互いで殺し合い、陣地を奪い合うげぇむをするのだったな。それでオカネとやらが貰え、物資の購入ができると。』

 

ドクくんとは違って最初から乗り気みたい。

まぁ、ちょっと固く考えすぎな気もするけどねぇ……

 

「うーん、まぁとりあえず認識はそれでいいと思うよ。それから、GM(ゲームマスター)の告知通り、イスタカさんは誰かが操作しないと動いてくれないみたいだから私がやるね。ドクくん、それでいい?」

 

「二人分の操作は僕には無理です。」

 

ドクくんが胸を張り、自信満々でそう答えた。

いや、なんでそんなに誇らしげなのさ……

 

「それじゃ、バトルに行こっか。」

 

私たちはバトルへと向かった。

 

 

────────────────────────

 

……おや、マッチングした。

ぶっつけ本番でイスタカさん操作するの怖いなぁ……カスタムはイスタカさんが選択出来ないし、チャレンジバトルができなくなったからその辺がほんとにきつい。

 

デッキはとりあえず、近距離が早いらしいから【フルカノ】に【ガブリエル】と【全天】。

ギルドメンバー全員のカードを借りたり、合わせたりしてデッキを作るのがイスタカさんの決まりらしい。

 

さっきも言ったように、操作は私が二人分やる。この告知は全体告知だったから敵さんも分かってる。イスタカさんが狙われ続けて、こっちが躍起になってる間にジャスくんがキルされるとか笑えない。

 

二人分の操作ってどんなふうに立ち回ればいいのかな?カードは上下二段になってくれてるらしいから、私がキョロキョロしながらカードを切っていく感じになるのかな?

ジャスくんは最悪テヤしとけばいいから、単純な2端末操作よりは簡単っぽいけど。

 

ステージは【ちゅら島リゾート】

さてさて、敵さんは……っと

 

おや?ヴィオレッタさんだ。こないだ味方に来てくれた子だねぇ。

あの子、支援の仕方が上手いからちょっと心配。

 

でも、ドクくんが滑りワキンヤンで気絶入れてくれれば私も攻撃できるし、遠距離からイスタカさんで攻撃してもいい。

 

あとは……アダムくんとまといちゃん。HAとタレット、自分と相手の属性には要注意。

 

《それでは皆さま、準備はよろしいですかっ?》

 

おっと、そうこうしてるうちに始まる。

って、先頭ドクくんなのにベガちゃんがやるの?

 

《気にしなくていーの!あたしは末っ子だから、お姉ちゃんに《もっと経験を積め》って言われてるとか、そゆんじゃないからねっ!》

 

綺麗な自滅を見させてもらったよベガちゃん……

さて、みんなは準備いい?

 

「三連勝して早く帰りますよ、ボイちゃん!」

 

『ワタシハサイコウケッサクデスカラ。』

 

『行くぞマピヤ。』

 

『ピュイ!』

 

『さぁ、俺に続け!』

 

よしよし、みんな行くよ!

 

《バトルの始まりですっ!》

 

「イスタカさんは一陣取ってボイちゃんの援護ね!行くよジャスくん!」

 

『了解だ。鉄壁!俺が行くまで死ぬなぁ!俺はここにいるぞ!!』

 

『逃げますね。制圧……好きな言葉じゃないわね。』

 

ジャスくんが敵二陣を取る。それと同時にヴィオレッタも二陣に。

 

「イスタカさん!マピヤをヴィオレッタに!!」

 

『承知!マピヤ、呼吸を合わせるぞ!』

 

いい感じ。あとはドクくんがヴィオレッタをスタンで剥がしてキーを取れば……

 

『ココヲセイアツスルノガ、ショウリヘノチカミチデス。』

 

「えっ、ちょっ、え!?」

 

ドクくんがCを取ってた。

 

「……ドクくん?」

 

「え?いえあの、ボイちゃんじゃ火力が足りないのでCに来たんですけど……」

 

あー、なるほどね……こないだまで脳筋だったもんね、ドクくん。

 

「えっとねぇ……タンクが二陣に来たらイスタカさんが向かうから、タンクにスタンかけて援護してね?」

 

「あっ……そうなんですか……分かりました、以後気をつけます。」

 

まぁ、もう1回同じミスされなきゃいいや。

あー……でも結構広がってるねぇ……

 

「イスタカさん、攻撃お願い!」

 

『了解だ。我らの絆の力を、見せてやろう!』

 

よしよし、そっちは任せてだいじょう──

 

「ジャスくん!」

 

『てやぁ!!』

 

『氷柱よいでよ!!』

 

あっぶない……ずっとイスタカさんの動きに集中できてた(・・・・)からアダムくんがなんかしようとしてるのに辛うじて気づけたけど、気づいてなかったら二陣から剥がされて……考えたくもない。

 

『たぁぁ!』

 

敵のまといちゃんが見当違いの所に火球を打ち出す。逃げた先とか狙ってたのかな?

 

『さすがは【不退の不死(カーディナル)】……ですか。あの人はそんなに有名な方なのですか?』

 

『いやー、盛大に外したね!気にせず次いくよ!』

 

アダムくんとまといちゃんはそんなセリフ。

策が一つ通じなかったくらいでへこたれないのは、現実になったコンパスでは珍しいと思う。

 

私なんか、ドクくんがBに行かなかったくらいでかなり動揺してるし、見習わないと。

 

『楼閣!こやつはかなり丈夫だぞ!』

 

イスタカさんが苦戦してるみたい。

でも裏からドクくんも来てるし、スタンかけて貰って【フルーク】打ち込めば、溶かせなくても剥せるし何とかなる……はず!

 

「いきますよボイちゃん!【ワキン──」

 

『静かにお聞きなさい!!』

 

狙いすましたHA。欲しい時に欲しい分だけサイレントをかけて動きを抑制する、この子の常套手段だ。

相手プレイヤーの声が聞こえないのにタイミングを取れるのは素直にすごい。

 

サイレント範囲から抜けて、滑りワキンヤンすればいいと思うんだけどそれは無理。

この世界、射程距離が見えないし、攻撃方向の自動修正もないから滑りHAとか滑りフルークとかがすごい難しいらしい。

代わりと言っちゃなんだけど、その分フェイントHAとか牙突時の方向転換は簡単になってるらしい。

 

どちらにせよ、こないだまで脳筋で、今も名残が残ってるドクくんに、難しいと言われてる滑りワキンヤンを求めるのは厳しい……!

 

《残り二分だよっ!》

 

そうこうしてるうちにもう1分経ってるの!?

なら敵さんもそろそろ片方がCに行くから……

 

「二陣は私が守ってるからドクくんはC守って!イスタカさんは二陣でヴィオレッタを足止め!」

 

向こうにもこっちにも言えることだけど、お互いに二陣を取ってて明確な不利を取ってないし、策があったから結構悠長してた。

 

イスタカさんが圧力をかけてるからヴィオレッタさんも一陣に行けないし、こっちもまといちゃんが残ってるから同じ。

 

Cにドクくんとアダムくんが、Dに私とまといちゃん、Bにイスタカさんとヴィオレッタさんがそれぞれいる。

 

防衛戦ならドクくんを人型防御壁として置いておいてやられたらイスタカさんを配置するのが一番いい。

 

先にイスタカさんに行ってもらったら一陣にイスタカさんが戻るよりも先に一陣を取られそうだからね。

 

「守れば勝ちですよ、ボイちゃん!」

 

『ショウリヘノサイタンキョリヲイキマショウ。』

 

やる気十分、なら私はまといちゃんの対処をしないとね。

 

『ふっ……』

 

まといちゃんが火筒を構えた。

今なら近寄って【メカ反】たたき込める!

 

「行くよジャスくん!」

 

『好機だな!』

 

『たぁ!』

 

そう言ってバリアを解いた途端、まといちゃんが火筒をかなり手前に落とした。

それは、構えてからすぐに落とさないと落ちないくらいの位置だった。

 

『ぬあっ!?』

 

「えっ!?」

 

おかしいおかしい!!タメの時間と落ちた場所がおかしい!!

 

『アンタの言う通り、結構虚を突けるんだねぇ!ドカンと行くよ!!』

 

『ガハッ!!』

 

「ジャスくん!【イェーガー】【アンジュ】!!バリア貼って!!」

 

『鉄壁!これで凌げ!てやぁ!!』

 

ジャスくんが転倒せず、ノックバックだけだったおかげでまといちゃんの通常前に【イェーガー】と【アンジュ】を使えた。

これで一撃63ダメージだからなんとか持ちこたえられる。

 

『オドを集中する……氷柱よいでよ!!』

 

『カピッ!?』

 

ドクくんが氷柱をくらった。イスタカさんの攻撃範囲ギリギリ外だからタメの間にダメージ稼げないし、転倒した時に合わせて【フルーク】とか叩き込まれたらかなりしんどい。だけどそれならイスタカさんの攻撃範囲に入るからダメージを稼げる。

 

そう、思ってたんだ。

 

『たぁぁ!!』

 

『クワッ!?』

 

「えっ!?」

 

まといちゃんが火筒を放つ。放った相手は、ボイちゃんだ。

起き上がった瞬間を狙いすまして再び転倒されていた。

 

『氷柱よいでよ!!』

 

そして再びアダムくんが氷柱で打ち上げる。

 

「くっ……!【イェ──」

 

『たぁぁ!!』

 

空中でドクくんがカードを切ろうとすると、今度はまといちゃんが空中にいるドクくんに火筒タメを当てる。

 

「普通無理でしょ、こんなの!!」

 

『氷柱よいでよ!!』

 

ドクくんが氷柱と火筒で嵌められてる。タイミングが上手すぎて避けるのも回復も出来てない。

 

『スリープモード、ニ……』

 

『ちっとは懲りたかい?』

 

ボイちゃんがやられるが、それは溶けないのがおかしい。しばらくは防御力で耐えてたけどそれもそう長くは続かないからね。

 

『制圧など造作もない』

 

「イスタカさん!」

 

『分かっている!行くぞマピヤ!』

 

『ピュイィィィ!』

 

イスタカさんにCを踏んでもらって制圧阻止。

 

「【フルーク】!」

 

『命の息吹よ!』

 

『クソっ……!』

 

さらに続けてフルークを叩き込んで妨害もする。

体力のかなりの部分を削って遠くに弾き飛ばし、少しの余裕を作ることが出来た。

 

『ふっ……』

 

「まといちゃんが構えた……ジャスくん、今がチャンスだよ!イスタカさん、【全天】!」

 

『了解!』

 

『承知!意思こそが人を生かす!』

 

ジャスくんとまといちゃんの方へ忍び寄る。まといちゃんがイスタカさんを狙ってる間に【メカ反】の範囲内ギリギリで止まって叩き込む!

 

「ジャスくん【メカは──」

 

『見えてるよ!たぁぁ!!』

 

『ぬあっ!?』

 

カードキャンセルされた!?イスタカさんにヘイトが集まってて、そっちに気が行ってると思ってたのに読み違えた!

 

まずいまずいまずい!回復が残ってない!

 

『本当にアンタの言った通りだねぇ!まとめて吹き飛びな!ちっとは懲りたかい?』

 

ジャスくん溶かされたっ!?

 

『カラドボルグ!!』

 

『くっ……!』

 

『オドを集中する……氷柱よいでよ!!』

 

『今宵は私が狩られる番……か……』

 

《味方が倒されちゃったよ?!》

 

やっちゃった!ジャスくんが溶けて焦ったからイスタカさんへの指示忘れてた!

よしんばそれがなかったにしてもまといちゃんとアダムくんの嵌め性能が高すぎるよ!どんな化け物PS(プレイヤー・スキル)してるのさっ!

 

『制圧など造作もない。』

 

《Cを奪われたよっ!!》

 

アダムくんがCを制圧する。

 

《残り30秒だよっ!》

 

まずい、この土壇場で2陣まで取られたらいよいよまずい!

 

「ドクくん!アダムくんCから剥がして制圧!行くよジャスくん!【イェーガー】【ドア】!!」

 

『鉄壁!俺が行くまで死ぬなぁ!!』

 

Dに向かってまといちゃんのポータル制圧を阻止。

あとはドクくんがアダムくん剥がせれば……

 

『リサイタルを始めるわ。ゆっくり耳を傾けなさい。』

 

『クワッ!?』

 

『ぬぅ……!』

 

強制サイレント!?タイミングが上手すぎるよ!

 

ボイちゃんとジャスくんがサイレント状態になる。

ボイちゃんはアダムくん剥がせないし、私は回復出来ない!

 

とりあえず、ドクくんに逃げ回るように指示を……

 

「………………!」

 

声が出ない!?サイレントってそこまで優秀になったの!?

 

『驚いたかい?そぉれ!』

 

『ぐわっ!』

 

まといちゃんが【カノーネ】を持ってた。ジャスくんのダメカが割れ、空中へ。

 

でも、これなら!

 

「ドクくん、サイレントゾーンが無くなるまで走って逃げて!【アンジュ】!」

 

『これで凌げ!くっ!』

 

再びサイレント。味方との連携で声を出せなくなるのは本当に辛い。

 

『楼閣!私はいつまでここにいればいいんだ!?』

 

イスタカさんが一陣から言う。

指示忘れてた時にリス地にいたら一陣を広げるようにって言ってたから一陣にずっといるのか!

 

「でも声出ないからなぁ……アレ?」

 

声がでる……?いや、考えてる場合じゃない。

 

「イスタカさん、HS行ける!?」

 

『あぁ、準備は出来ている!』

 

「なら、アダムくんに向けて撃って!」

 

『承知!畳み掛けるはワキンヤン、弔うは魂の一撃!』

 

その場からイスタカさんがHSを、間にいるヴィオレッタさんを無視して放つ。アダムくんは完全に虚を突かれた様子だった。

 

「えっ!?」

 

『なんだと……!?』

 

ちなみに私も完全に虚を突かれた。イスタカさんが移動せずにHSをアダムくんに向けて撃ったからだ。

 

でも、時間短縮出来ていい!

 

『クズどもがぁぁぁぁぁぁ!!』

 

『大地へ還れ、愚かなる者よ。』

 

《敵を倒したよっ!》

 

完全に虚を突いてたからアダムくんを倒せた。なら次は……

 

『アタイを忘れてもらっちゃあ困るよ!』

 

「私たちのセリフだよ。【メカ反】!」

 

『でりゃあぁぁぁぁあ!打ち砕く!ハンマーの錆にもならんな。』

 

『だめ、か……』

 

《連続で敵を倒したよっ!》

 

これなら!

 

「ドクくん!」

 

「すぐに!ボイちゃん!」

 

『ココヲセイアツスルノガ、ショウリヘノチカミチデス』

 

これなら!

 

『え?しかしそれでは……いえ、分かりました。カランド、和らいで、移動が楽でいいわね。』

 

ヴィオレッタさんがドアでCに飛んできた。ボイちゃん【イェーガー】張ってるしスタンは無理だけど、これならBが取り返せる!

 

「イスタカさん!」

 

『承知した!全ては運命の名の元に……!』

 

《10秒前っ!》

 

カウントが始まった。

お願い、間に合って……!!

 

 

《バトルが終わったよっ!》




最近では早い方の投稿ですね、乱数調整です。
さてさて今章は楼閣章です!(天:競馬か)

そしていつぞやに言っていたキャラクター登場順の変更、アレなくなりました!!(天:おいコラちょっと待て)
何となくアイツ後にいた方が私のモチベになると思ったので……

あ、それとこれでしれっと新章突入とイスタカバトル回やってますねてへぺろ(天:キモイぞ)

次回、勝敗やいかに!?

ではでは、今回はこの辺で筆を置かせていただきます。
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