ロリ#コンパス   作:乱数調整

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五章 分かったから一旦黙れ!
面倒ごとは突然に


カロネが加入した数日後、俺は波羅と二人で商業区のインテリア店に行っていた。コクリコとめぐめぐはトレーニングルームで遊んでる。引率はジャスティスに頼んだから問題ないだろう。

 

なんで商業区になんて来たかと言うと、カロネの入団祝いを何かしら用意するためだ。

一応、ウチのギルドに入ったんだ、いくらアイツが人見知りっつっても、宴をしねぇのは歓迎せんのと違ぇから。

 

購入したのは楼閣大好き【人をダメにするクッション】

楼閣の奴、かなり気に入ってたからな。いいもんなんだろ。とりあえずハズレではないはずだ。

 

ちなみに購入した時波羅に

 

「……ボス、それはカロネさんに対する皮肉か何かですか?」

 

って聞かれたが、良いもんやるのになんの皮肉があるんだろうな?

そう言ってやったら波羅は苦笑いを返すだけだった。わけわかんねぇ。

 

とりあえずギルドホールに配送頼んで広場に戻ってくる。いやまぁ、そろそろ【掲示板】ってやつの所在地を確認せんとな。そろそろあいつらにキレられそうだからな。あのバカ3人組に。

 

「おいキィ、【掲示板】ってどこだ?」

 

《広場の情報提供区画の中央です》

 

キィに訊ねるが、やっぱお前、詳しく聞かねぇ限りかなり雑だな。GM(ゲームマスター)はなんでこんなん野放しにしてんだ、こいつこそ修正すべきバグだろうに。

案内人として終わってるだろ、コイツ。

 

「……距離と方角を詳しく教えろ?」

 

《……チッ、二時の方向200mです》

 

舌打ちしやがったよ、コイツ。

 

《マップを見ろと言っているのです》

 

「あ?そんなんあんのか?」

 

さっきから波羅と辺りを見渡してるけど一向に見えねぇぞ、マップ。

 

《メニュー画面の右上、ピンの模様をしたバナーがマップです》

 

キィがこころなしかため息をついたような声音で言う。ちょっと待て、なんで俺が文句言われてんだ?

 

えぇと、とりあえず……これか。おぉ、ほんとだ現在地とマップ出てきた。行きたい場所の検索機能までついてるわ。便利だな。

つうかこれ、生活の上で必須だろ。今まで商業区を彷徨いながら目当ての店探してた俺はなんなんだ。

ホント、最初に説明しといてくれよ。

 

《聞かれませんでしたので》

 

お前は大概自由だな。

 

ともあれ場所は分かったからどんなもんか見に行く。200mならそんなにかからねぇな、せいぜい3分とかか。

 

波羅と晩メシについて話し合いながら歩くと、だんだんと四角いパネルみたいのが結構沢山見えてきた。

アレのどれが掲示板なんだ?

 

《全てです》

 

そうか、アレ全部が掲示板か。

 

それの近くまで寄って内容を見てみる。

 

「……ふむ、某ヤホーのトップページみたいなもんか。時事ネタがいろいろ出てる。」

 

「……おや?ボス、カロネさんの加入情報も出てますよ。」

 

マジか……マジだ。おい個人情報どうなってんだGM(ゲームマスター)。ゲーム内とはいえその管理はしっかりしとけや。

 

他は……お?なんか2つ名の一覧とかあるじゃねぇか。もしかして【掲示板】って某Wikipediaさんみたいなもんなのか?分からん。

まずGM(ゲームマスター)が書き込み、更新してるのか、プレイヤーが書き込みしてるのかから分からん。誰か詳しく教えてくれ。

 

「お?おい波羅、ドクの2つ名もあるぞ。【死神の盾(スプリンタンク)】だってよ。あの脳筋のどこがタンクなんだよ。」

 

「あはは。でも面白いのもありますね。この忠臣使いの【ブンブン丸】とかリリカ使いの【肉弾列車】とか。どんなプレイスタイルなんでしょうね?」

 

臣使いの方はよく分からんが、とりあえずリリカ使いはあの筋肉だろうな。

いつかのバグの時にノリノリでリリカの衣装着て「ウォォォォ!キミの心臓(ハート)安らかに眠れ(ドリィィミングゥゥゥゥ)!!」って叫んでたあのガチムチだろうな。

 

「あーーーーーー!!」

 

それを見てたら別のところから大声が上がる。甲高いキンキンと頭に響いてくる声だ。

 

声のした方向を見ると、そこにはグスタフを連れた女子がいた。【掲示板】を凝視してどうしたんだろうな?

 

「見て見てグスくん!あたしたちの2つ名あるよ!【腐乱の不死(オーバーフロー)】だって!かぁっくいい〜。」

 

『ふん、俺はアイツらに絶望を見せてやっただけだ。それよりも、慢心するなよカフカ。まだ上を目指せることを忘れた奴から死んでいく。』

 

なるほど、自分たちの名前があって喜んでたわけか。まぁ、認められてるってのは充足感があるんだろうよ。2つ名が気に入るものなら嬉しさも倍増だろう。

 

俺?【ロリコンの王】だぞ?充足感も嬉しさもある訳がねぇ。付けたやつは許さんぞ。じわじわとなぶり殺しにしてくれる。

 

そんな俺の心中を知ってか知らずか、そのカフカとかいう女子は喜び、グスタフに絡み続ける。

 

「やったよグスくん!いぇーい!」

 

『おい!触るな、死ぬぞ!』

 

「えー?腹筋に顔を埋めたくらいでは死なないよ〜!」

 

『お前は……!そう言って何回やらかしたと思ってるんだ!』

 

「グスくんグスくん!愚腐腐……ウボゲシャァ!!」

 

そしてそいつは、グスタフの腹筋にかなりやばい表情の顔を埋めたかと思えば吐血して倒れた。ぷるぷる震えてるところを見るとまだ生きてるが、アホとしか言いようがないな。

 

『おまっ、バッ、カフカァー!!』

 

グスタフが叫んだ。そこには少しの諦観が滲んでいた。

いや、どんだけそのやり取り繰り返してんだよお前ら。諦観滲ませるくらいなら止めろよ。あと使い手は学習しろよ。いい加減バカだろ、どっちも。

 

「大丈、夫。」

 

血反吐を吐きながらもそいつは晴れやかな笑顔でグスタフにサムズアップ。そして続ける。

 

「グスくんがお嫁に行くのを見届けるまで、あたしは死なない、から。」

 

『おいしっかりしろ、俺は嫁には行かん。』

 

……うん、アイツ本気でバカだ。

いやしかし、俺には関係ない話だな。危ない奴からは遠ざかるのが1番だって偉い人が言ってた。

 

「波羅、帰るぞ。」

 

「はい。帰りましょう。」

 

そそくさとその場を後にする俺たち。やっぱり危ない奴には関わらん方がいいな、ろくなことがな──

 

「あぁぁぁぁぁーーーー!!」

 

……なんかアイツがこっちの方向指さしながら大声で叫んでる。

 

「波羅、逃げるぞ。」

 

「Sir. Yes,Sir.」

 

「あっ!逃げた!待ってー!!」

 

全力の逃走。俺の足は今この場で逃げるためにあったんだ。

 

カフカとかいう奴もなかなかの脚力だがそこは男女差、じわじわと距離を開けていく。

 

「グスくん!スピード上げて捕まえてきてよ!」

 

『無茶を言うな。そもそもアイツらが逃げているのはお前のせいだろうが。』

 

グスタフが正論を言った。いいぞ、諦めろ。

 

「むぅぅぅ!……はっ!その人痴漢です!捕まえてください!」

 

「バッ──!おま、やめろ!俺が社会的に死ぬだろうが!?」

 

痴漢呼ばわりされて無視できるわけが無い。冤罪、ダメ、ゼッタイ。

振り向くとそこには晴れやかな笑顔でこっちに来るカフカ。お前、あとで一発殴らせろ。

 

「やっと止まってくれましたね!どうして逃げたんですか?」

 

いや、お前みたいなやべーやつからなら誰でも逃げるわ。

 

「あはは〜。それは手厳しい。」

 

「いいからさっさと本題に入れ。そしてすぐに帰らせろ。」

 

早く帰らんとカロネのクッションが届くから渡せんくなるだろうが。

そう思ってるとカフカもその雰囲気を感じ取ったのか、すぐに口を開いた。

 

「では……改めまして初めまして!あたし、カフカっていいます!突然ですけど【孤独者達の宴(ロンリネス)】に入れてください!」




いやはや、章の初めは入りがなかなか決まらなくて困ります。乱数調整です。

いつかにリクエストを頂いた(と乱数が勝手に思い込んだ)グスタフが!ここで!やっと!出せました!

それぞれのヒーローに「相棒として出すのはこんなキャラ」みたいなのを作ってたんですが、グスタフ使いのカフカちゃんはPRHS(ヘンタイ)と一二を争うやべーやつだと思っていましてね。メインでは出さないなと思っていたんです。

ですが、ネタが溢れに溢れてきまして。「このネタ量……メインじゃないと消化しきれんな……」と思っていたところにリクエストだったので出してきました!

吹っ切れてからはもうネタがどんどん湧いてきて大変なんてもんじゃないですよ、えぇ。

次回、鬼ごっこ

ではでは、今回はこの辺で筆を置かせていただきます。
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