ロリ#コンパス   作:乱数調整

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クッキングロード

「いや〜ヴィオレッタ、買い出し手伝いサンキュー。人数増えて買い出し量も増えたからマジで助かったわ。」

 

『ふふふ、これくらいなんでもありませんわ。』

 

俺は楼閣主催の歓迎会の買い出しにコクリコとヴィオレッタと3人で行っていた。

 

ちなみに波羅はカフカと楼閣と組ませてアリーナに行かせたから居ない。さすがに3タンクはガンナー相手に薄くなるって話になって戦いは苦手だというカロネはパスしたからガンナーに白羽の矢がたった訳だ。

だから楼閣はあの波羅専用変態デッキを使ってるわけなんだが……ぶっちゃけ波羅の戦い方にカフカは困惑しねぇかな?

 

…………今なんか波羅×楼だって叫ぶカフカの声が聞こえた気がする。

 

「ま、いいか。気にしたら負けだろ。それよりそろそろ作り始めんと時間がやべぇし。」

 

マピヤ含めれば13人分もメシを作るのは正直かなりキツいし時間がかかる。

よくアニメとかドラマとかで弁当を作る時「一人分作るのも二人分作るのも一緒だ」とか言ってるが、一人分作るより二人分作る方が手間がかかるし大変だ。人数が増えればその分大変になる。まぁこれ、当たり前の話なんだが。

 

つまり何が言いたいかって、結構しっかり食う奴が沢山いるこのギルドに関しては、調理の苦労は加速度的に増えるってこった。

 

そんなことを考えながら食材をシンクに並べていると、いつの間にかヴィオレッタが調理器具を並べ終えていた。

こいつわざわざ用意まで済ませてくれたのか。ありがてぇ。

 

「ヴィオレッタ、何から何まですまん。」

 

『構いません。それで次は何をいたしましょうか?』

 

ヴィオレッタはごく自然にそう訊ねた。

 

「……?なんで急に?」

 

『買ったものを見る限り、リクエスト全てに応えるつもりなのでしょう?おひとりで作るには多すぎますわ。』

 

「や、まぁだから早くから準備してるのであってだな……」

 

『それに、朝の会議の最後の話題はそのお話でしょう?作るのが大変だから手伝って欲しい、なんてあの雰囲気では言い出せませんしね。ですからわたくしにも手伝わせてください。』

 

ヴィオレッタは俺の言いかけたことを汲み取った上でそう言う。

ヴィオレッタの考えはほぼあってる。最後の話題は料理についての話だ。少し違うのは「全員別で作るの大変だから大皿料理にさせてくれ」って話だったんだが、それと今晩の話を一緒にされちゃ困るから黙ってた。

 

ちくしょう、なんだよこの気遣いできるイケメンは。

いやヴィオレッタは男じゃないし【men】は複数形なんだが。

 

『コクリコもおてつだいするよ!』

 

天使が満面の笑みでそう言う。この笑顔を守る為なら俺はあの魔王(カフカ)にだって喧嘩を売れる。

 

「うん。ありがとね、コクリコ。」

 

『えへへ〜。』

 

わしわしとコクリコの頭を撫でてからエプロンを着せる。コクリコが手伝いたがるのが増えたから今日買ってきた。

 

俺は女の子が喜ぶような色合いがわからんから、ヴィオレッタがいてすげぇ助かった。ヴィオレッタは機能性を重視しつつコクリコが喜ぶだろうものを選んでくれた。そのにらみ通りにコクリコは俺が食材を冷蔵庫に入れてる時からエプロンを着ようとして、結局着れずにエプロンがぐちゃぐちゃになっていた。ワクワクしてたコクリコはとても可愛かった。

 

『ではやっていきましょう。』

 

『はーい!』

 

コクリコは片手を上げて元気にお返事。守りたい、この笑顔。

 

とりあえず先に、今日のメニューを出しておこう。

 

────────────────

・天ぷら

・唐揚げ

・麻婆豆腐

・シーザーサラダ

・チーズフォンデュ

────────────────

 

おぅ……こう見るとやっぱ作る量が半端じゃねぇな……全部を温かい時に食おうと思ったら……

 

「唐揚げの仕込み→天ぷら準備→揚げ油準備から……」

 

『ではその後、わたくしが揚げますのでロードさんは麻婆豆腐を作っていただけますか?』

 

スっとヴィオレッタはそう提案する。ぶっちゃけそうしてくれると俺も助かるし、油が飛んでコクリコが火傷することも無いから心配もいらないんだが……

 

「いや、逆にしよう。」

 

『どうしてです?』

 

「音楽家は手が資本、だろ?火傷したらどうすんだ?」

 

ヴィオレッタはしばしキョトンとした後、クスクスと笑っていう。

 

『お優しいのですね。』

 

「言ってろ。早くやるぞ。」

 

そう言いながら俺はジップロックに一口サイズにした鶏肉を入れて下味を付ける。混ぜた調味料を適当にぶっ掛けてあとは揉むだけ。

 

「はい、じゃあこのお肉揉みたい人!」

 

『はいはい!コクリコやりたい!』

 

ぴょんぴょんと跳ねながらコクリコは自己主張する。可愛い。

 

「じゃあお願いしようかな?」

 

『やったー!』

 

両手を天高く挙げ、コクリコは喜ぶ。そんなコクリコにジップロックを渡すとコクリコは一生懸命に小さな手でもみもみする。真剣な表情で頑張るコクリコは最高です。

 

「そんじゃ、こっちもやってくか。」

 

『野菜の下準備は終わりましたわ。次は何をいたしましょうか?』

 

ヤバい、ヴィオレッタの手際が良すぎる。今からやらんといかんことを下準備の間に終わらせてる……

 

「正直めっちゃ助かる。天ぷら衣作ってくれるか?材料は冷蔵庫に冷やしてあるから混ぜといてくれ。その間に唐揚げ粉と油用意しとくから。」

 

『承知しました。』

 

ヤバい、これもうほぼ揚げるだけになってんじゃん。ヴィオレッタ最高。一家に一台ヴィオレッタ。

 

そんなことを思いつつ唐揚げ粉と油を用意すると、服の裾をくいくいと引っ張られる。そちらをちろっと見るとコクリコが涙目で立っていた。

 

「……コクリコ、どうしたんだ?」

 

『おにいちゃん……おててがじんじんするの……』

 

おっと、心配してかなりトーンがマジになっちまったが、一生懸命にやりすぎで手が冷えたのか。肉冷たいし、温める物を用意するの忘れてたから悪いことしたな……そんなになる前に変わってあげるつもりだったんだが、そんなことを言ってももう遅い。

 

霜焼け……にはなってないな。

 

「ホントだ、めちゃくちゃ冷たい。一生懸命頑張ってくれたんだね。コクリコありがとう。」

 

コクリコの手を握り、目を合わせてコクリコにそう言うとコクリコはふにゃりと笑って言った。

 

『おにいちゃんのて、あったかいね。』

 

天使って実在したんだなぁ……

 

『ロードさん?大丈夫ですか?よろしければこちらをお使いください。』

 

そう言うとヴィオレッタはレンジで温めた濡れタオルを渡してくる。触ってみるとぬるい感じで、冷えきった手に優しい熱さになっていた。

 

「重ね重ねすまんな。」

 

『いえ、ギルドの一員ですから。お気になさらず。わたくしはホットプレートを出しておきますわね。』

 

演奏は力仕事ですからこのくらいは造作もありません。とヴィオレッタは言ってホットプレートを宴会場に持って行った。

 

……あいつも楼閣と同じでむっつりだな。

 

「よし、じゃあ揚げてくか。コクリコは──」

 

『コクリコもやりたい!』

 

ホットタオルで元気を取り戻したコクリコはまたも元気に挙手する。まぁ、粉を付けるくらいならいいだろう。

 

コクリコが揉んだ鶏肉を冷蔵庫に入れて、コクリコと一緒に天ぷら用の具材に爪楊枝を刺す。

爪楊枝を刺しとけばコクリコも衣が付けやすい。正直それ以外に爪楊枝をつける理由はない。

 

「んじゃ、俺はサラダを──」

 

「もう出来てますよ。」

 

「おぉ、波羅さんきゅ……」

 

って波羅!?お前なんでここに!?

 

「も、申し訳ありません!そろそろボスが支度を始める頃かと思って急いで5-0にし、帰ってきたのですが間に合いませんでした……!」

 

怖い。いやもう端的に言って怖いこの子。

 

「いやぁ……大変だったんだよロードくん。もう一戦で終わりって言ってるのに波羅ちゃんってば「ボスが支度を始めるんです!早く帰らないと!」って騒ぎ出すからさ……」

 

おぉ楼閣。そうか、こいつはマッチしてから騒ぎ出したのか……はた迷惑だなおい。

 

「波羅ちゃんは無茶な特攻するし、カフカちゃんはそれを見て暴走するし……まぁ、その暴走で勝ったからよかったんだけどさ……」

 

またアイツか。今回はいったいどんなふうに暴走したんだ?

 

「なんか、「ロー×波羅を邪魔する輩!死すべし!死すべしぃ!!」って叫びながら【オールレンジ】ぶっぱなしたり通常攻撃したりでこっちも無茶な特攻してくれたよ……」

 

楼閣の顔が死んでる……

 

『もういい楼閣……お前はあの場で正しい判断をしたんだ……二人の体力管理を一人でするのは辛かったろ、どうだ?クッションで少し休んでいいんだぞ?』

 

あのクッション完全否定派のジャスティスが楼閣にクッションを勧める……だと……!?どれだけの修羅場が最後の一試合で行われたんだ……

 

そう言われてみれば楼閣の表情は、本人が隠してはいるがグロッキーなのが伺える。

 

「楼閣、とりあえずお前は休んでろ。準備が出来たら呼んでやるよ。」

 

「あはは〜……ごめんねぇ……」

 

そう言うと楼閣はあっちへフラフラ、こっちへフラフラと頼りない足取りで部屋に戻った。よし、あいつはギリギリまで寝かせといてやろう。

 

「ボス、もう揚げ始めてよろしいでしょうか?」

 

波羅が俺にそう訊ねてきた。まさかこの短時間で具材全てに衣を付けたのかと思って見てみると、3分の1程の分量が残っていた。

しっかりコクリコのやる分を残してるのが素晴らしい。

 

《だんだんとあなた(ロリコン)に侵食されていますね?由々しき事態です》

 

キィ、黙れ。

 

「おう始めてくれ。ただし、コクリコに油跳ねがつかないようにな。」

 

「離れているので大丈夫かとは思いますが……細心の注意を払います。」

 

それでいい。

 

さて、じゃあ俺は唐揚げの準備でもしますか。

 

『ただいま戻りましたわ。あとは宴会場に出してあるホットプレートの上にチーズソースの元を置いて溶かせば完成する状態にしておきました。わたくしもそちらをお手伝いいたします。』

 

ヴィオレッタが戻ってきた。少し遅かったが大丈夫だったか?

 

『えぇ、具材も一緒に持って行ったのでそちらも準備していたのです。それに少し手間取ってしまいまして……』

 

「いや、そこまでやってくれたのはぶっちゃけ予想外だった。じゃ、早く揚げて持ってくか。」

 

「はい。」『えぇ。』

 

そうして宴の準備は着々と進んでいった。




調理回で一話が終わるのはもはや風物詩、乱数調整です。

ぶっちゃけ、調理回の方がバトル回より多くて長いんじゃないですかね?いいのかそれで。

今回は少しだけではあるものの、可愛いコクリコが出てこれたんじゃないでしょうか?どうやって可愛いコクリコを出そうかと考えて考えて書き上げました。話の流れを守りつつ自然にコクリコを出すのは難しい。

次回、面倒なやつが大暴れ

ではでは、今回はこの辺で筆を置かせていただきます。
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