この度も、獅子と歩む邪龍を読みに来て頂き誠にありがとうございます。感謝感激雨あられです。
それでは、第12話どうぞ。
(真面目?な挨拶って疲れるわぁ〜〜〜)
あの夜から、俺と母禮の距離は一気に縮んだ。日々の生活から修行まで様々な面でお互いがお互いを知れるから、一緒に居れるからだと思う。
そして、修行を開始して既に二ヶ月ここでの生活は約二ヶ月半に及んだ。帝都では、きっと既に死亡扱いになっているだろう。だが戻ったらどうなるのだろうか?昇格でもしてるのか?とにかく、生きて帰ってきた生き証人としてクソ大臣の所に連れてかれるな…………帰りたいけど帰りたく無い………………
「ヴァン集中しろ、しないと捨てるぞ」
「それは困る」
俺は、絶賛尻に敷かれている。どうゆうことか?そのままの意味である。腕立て伏せをしてる俺の上に母禮が座っているのだ、鎧まで着ている。きっと重りか何『ゴス!!』……………………痛い。
「何故殴る母禮?」
「今、失礼な事考えただろう…………ヴァン」
今後言葉以外も、気おつけなくてはいけなくなった。
「さぁ、今日はここまでだ。今までの二ヶ月よく頑張ったなヴァン」
長かった…………体力向上の為に遺跡に迷い込んだ危険種との鬼ごっこ。運動神経、動体視力を上げる為に切りかかってくる母禮の攻撃を避ける。反射速度を鍛える為に遺跡のトラップからの攻撃を避ける。その他、剣術や格闘、様々な動植物の知識等など教えて貰った。
「遂に明日か…………いよいよだな」
「あぁ、お前はこの二ヶ月で私と同格になっただろう。荒神に侵食され力が増した私とな」
自分が強くなった手応えは感じる。それは、母禮との模擬戦に勝った事で証明した。だが、俺には気になる事がある。それは、母禮の気持ちだった。
「母禮、最後に聞くがいいのか?本当に……」
俺は、母禮と生きると決めた。覚悟を決めた。しかし、それが本当に母禮の為になるか分からなかった。一緒に荒神を倒し、帝都に行き妹達を見つけ何処かで四人で暮らす。それは、俺の我儘だ。母禮がそう言ってくれた訳では無い。母禮の本心が俺は、聞きたかった。
「ん?何だヴァン、今更だ…………確かに最初は、私自身分からなかった。だけど、お前の話を聞いてお前を知ってお前となら一緒に生きたいと思ったんだ。だから良いんだよヴァン。此処から一緒に外へ行こう。それより、早く寝るぞ。しっかり寝て明日の決戦に備えろヴァン。私は、帝具の手入れをしてから寝るよ」
「あぁ、分かった母禮…………ありがとう」
俺は、母禮に感謝を言い明日に備え水を浴びてから寝た。遂に決まる母禮の因縁も俺の未来も全てだ。
ヴァンが寝たのを確認した母禮は、封印の間に居た。そこで、座りながら『《鬼神炎雷》荒神』の手入れをしていた。
「遂に、決着の時か…………本当に、この二ヶ月半楽しかったな……」
二ヶ月半前、荒神の気配を感じ外に出ればボロボロで今にも死んでしまいそうな人間が目の前で倒れた。あの時、荒神の気配が遠くに行かなければ、きっと見捨てていただろう。あの時の私は荒神の力に侵食され感情が薄くなっていた。だがヴァンのおかげでまだ人としての感情がある事に気づけた。ヴァンに会わなければ、きっと今頃私は、化け物になっていただろう。本当に感謝だな。
「さてと、私も寝るか………っと!?」
立とうと思ったら、前に倒れていた。足に力が入らない。幸い帝具は、鞘に入れている。怪我は無い。直ぐに足に力が入った。私は、こんな時に貧血だろうかと自身も疲れが溜まっていたのかと、早く寝て疲れを取ろうと思いながらヴァンの居る寝室に向かった。
「何だったんだ、あれは?今まであんな事は無かったが……ガハッ!?うっ……ゴホッゴホ…………はぁはぁ………」
私は、咳き込み廊下の壁に背を預け座り込んだ。手を見れば血が着いていた。
「はぁ………はぁ……まさか、……はぁ…………もうなのか?はぁ……はぁ……うがっ!?うぅ!………く………そ……」
胸が焼ける様に熱く痛い、身体が軋む、腕が何かに変わる、身体の中から何かが蠢いて私の中を変えていく。更に頭の中で声が聞こえる。殺せ、喰らえ、燃やせ、貫け、と声が渦巻く。侵食が一気に始まったのだ。この大事な時に。私は、耐えきれずそのまま廊下で気絶してしまった。
朝陽の光が差し込み部屋を照らす。俺は、それで隣に母禮が居ない事に気づいた。
「母禮?既に、起きたのか?」
俺は、顔を洗いに行こうと思い部屋を出た。そして、視界の端に何かが映った。
「何だ?…………!?母禮!どうした!おい!!」
そこには、母禮が廊下の隅で倒れていた。俺は直ぐに近づき、母禮の姿を見て息を呑んだ。右腕が手から肩にかけて異形の腕になっていた。腕全てが黒曜石の様に黒く鎧の様に硬い鱗に包まれ、肩と肘に紅いまるで炎が固まったかの様な棘が生えていた。爪は、鋭利なナイフの様になり紅い色をしていた。
「まさか、侵食が一気に進んだのか?…………ひとまず、ベッドに……」
俺は、母禮を抱き抱え部屋に行きベッドに寝かせた。俺は、横の椅子に座りながら母禮を見守っていた。
「……母禮」
ここ最近は、母禮の調子が良く俺がここまで強くなれたのはその事もある。けれど、初めの頃時折苦しそうにしている姿を見ていた。その時は、気づかれれば大丈夫、心配は要らんと言われ直ぐ修行の続きをした。
だが今は、母禮が苦しんでいるのに汗を布で拭いて傍に居る位しか役に立てない。侵食の痛みが、どれ程の痛みかは分からないが、変わってやれるのなら変わってやりたかった。その苦しみから早く解放してやりたいと思った事を修行の原動力にもした。できるだけ早く強くなり、荒神を倒せば侵食が無くなると思ったからだ。だが、母禮が苦しんでいるのに何も出来ない自分が居る。何も出来ない自分が嫌になる。
「どうしたら…………」
俺は、椅子に座りながら苦しむ母禮を見守るしかなかった。
母禮を見つけ寝かせてから、既に半日以上経つが母禮が起きる気配は無く、既に日も沈み始めている。それどころか、更に苦しそうに時折魘されている。
このまま母禮は目を覚まさないのだろうか、もし目を覚ましても意識が無くなっていて襲ってくるのではないのだろうか、様々な嫌な事が頭を過ぎる。俺は、母禮の頭を優しく撫でた。母禮の痛みが少しでも良くなる様にと、そうすれば自分の不安も少しは、マシになるかもしれないと。
「母禮………………きっとお前は、どんな状況でも一緒に荒神を倒しに行くと言い張るのだろうな…………そう……どんな状況でも…………お前がする様に、俺もするよ……きっと迎えに帰るから…………安心して待っていろ母禮」
俺は、母禮を寝かせたまま部屋を後にした。
軽装で全身が装備も含め黒く、各所に鎧があり、上に黒のロングコートを羽織り、左右の足の外側に三本ずつナイフを装備、左腰に一本右肩側の背中に一本ずつ刀を持つ。その他の装備を整え外に出て、入口に振り返った。
誰が聞く訳でもない、返してくれる訳でもない、それでも、少しの願掛け位……今は、許して欲しい。
「…………行って来る」
今宵の月は、此度の戦いを表す様に紅く輝きを放ち禍々しさを纏っていた。
読んで頂き誠にありがとうございます
よくよく読むと主人公の性格、言動が少し違うことに気づいた人いるかな?今の方がちょっとまだ柔らかいんですよ
過去編と過去編〜本来の帝具〜で少し違う様にしてるんですよ。理由は、いずれ分かるかと…………
後少しで過去編〜本来の帝具〜は、終わるかと思います。そして、過去編に戻る!(過去編が終わって過去編に戻るとは、何とも言えない)
お気に入り120人行きました!新しくお気に入りしてくれた方々ありがとうございます!!
これからも、楽しんで頂ける様に頑張ります。
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誤字脱字は確認していますが、見つけた場合はコメントにて教えてください。
POWERRRR!!!!!
(唐突にヒロアカのミリオのセリフ)