「……ん?……あぁ久しぶりだな。まさか前回と同じ挨拶になるとわな…………何気にするな。単なる拷問だ」
─ドスッ!
「…………第22話……どうぞ……お、遅れて…………もう、申し訳……ございません……でした…………もう……や、止め……!」
帝国より東南、海辺に近い街『スイウン』
此処は大河とその支流が合流し、古くから商業都市として発展を続けている。帝国の暗黒期でも此処は人々が笑って生気に溢れていた。
俺はオールベルグに助けられた後、革命軍の命令でメンバーの1人、チェルシーと共に行動していた。行動を開始して数日、スイウンの街を2人歩きながら、一般人に紛れ込んでいる帝国の者を探していた。
「そう言えばヴァンさん」
「何だ、唐突に」
「…………何でその格好なんですか?」
「……変……だったか?俺は顔が回っている。特に帝国に所属している奴にはな。だから変装したんだが…………」
今のヴァンの服装は、黒のTシャツにショートパンツ、更にシャツの上に、着崩して白のパーカーを着てる。何処からどう見ても若い女性である。声も高さを変えている。口調もいつもより話している方だ。
「……変……って訳ではないんですけど……(え、何この人……普通のそこら辺の女の人より、美しいし可愛い……着崩してるのがなんとも……って違う違う……)どうして女性に変装してるのかな〜と」
「あぁ、そう言う事か。この方が今のご時世、情報を集め易い。……変だったかと思った。出る際もメラルドに部屋に連れ込まれかけたからな」
「…………(知ってても間違えられる位……もうその域まで行ってるんですね…………)……もう時間ですし、一旦合流して見ましょう。もしかしたら向こうが、情報を入手したかも知れません」
「……分かった」
「…………(何か、もう……私もヤバいな……それに、この敗北感)あぁ……」
途中、男がよってきたが無事棄ててメラルド達と合流出来た。意外とチェルシーの攻撃は、男の俺から見たら凶悪に等しかった。
〜アジト〜
合流し、敵の拠点を知った俺達は、その拠点にしてる店の従業員の裏も既に確認し、全て帝国の者…………つまり標的だと結果が出た。それから3週間は帝国の者も警戒を高めたのか、表立って活動はしていなかった。
〜夜、帝国の拠点の屋根〜
「…………始めるか」
俺はメラルド達と別に動き、先に敵拠点に来ていた。メラルド達は捕虜を捕らえてから来るらしく、まだ来ていない。待ってから攻めるのも良いが、相手は暗殺部隊。足の速い奴に逃げられても困る為、先に潰し始める。途中直ぐに来るだろう。待つ必要性も無い以上、始めよう。
ヴァンは帝具を抜き、『鎧形・雷虎』を纏い気配を完全に遮断し屋根から、誰も居ない部屋に侵入した。
そのまま廊下に出て、前方にいる2人の背後に立ち1人の首を折り、続け様にもう1人の首も折る。実にここまで1秒程、更にそこから、向かいの部屋の中に音も無く入り座って休んでいる2人の首を飛ばす、立っている1人の心臓を貫き、最後の1人の頭と四肢を引き裂く。音も立たず気配も無いヴァンだからこその完璧な暗殺である。
「…………この程度か、…………気配から1人だけ実力者がいるな」
その時、銃声が家に響いた。どうやら、メラルド達が着いて始めたらしい。
「始まったのか……来たか」
通路の曲がり角の向こうから、気配がしたため即座に隠れた。
「チッ!この攻め方、暗殺者か!…………おい、隠れて無いで出てこいよ」
やはり予想は当たってしまっていた。標的の暗殺部隊はアカメ達か…………此奴がここに居るのが何よりの証拠。此処は多少負傷して貰うだけにするか。
「……僅かに出した気配に気づく、出さなかったらこのまま素通りしてたな」
「てめぇ、オールベルグか」
ゴズキは帝具『《一斬必殺》村雨』を抜き、即座に切りかかってきた。俺はその刃を、あえて鎧の纏った右手で掴み抑えた。
「……中々の速さだ。だが踏み込みが甘かったな」
「此奴を掴むのかよ、だがな隙ありだぜ!」
ゴズキの靴を突き破り、足の爪が伸びヴァンを襲った。ヴァンはそれを後ろに飛ぶことで回避するが、その隙を逃しまいとゴズキが超高速の斬撃を繰り出し、ヴァンはそれを両手を使い捌いている。
「てめぇ、やっぱり帝具使いか。(ついてねぇ……ここで殺り合うのは最悪だ。見た感じ、タイプは鎧型……相性もそうだが剣戟を止めた実力、確実に俺と同等かそれ以上)」
「…………そろそろ終いだな」
「なに?……それはどう言うッ!?!」
急激な爆発がヴァンとゴズキを襲った。それは、蒼白いスパークを僅かに纏っていた。
今のは、ヴァンが行った物だった。鎧形・雷虎の雷を扱う能力で、ゴズキと自分の間に雷を凝縮した球体を落としたのだ。球体は床にぶつかった衝撃で弾け中の雷が一気に解き放たれ爆発したのだった。
「…………集合するか」
この戦闘でゴズキにとって、今後謎の強敵の存在が頭にチラつくことになる。
すんげぇ不定期更新なのに、読んで待ってたくださる読者の人達は神だと思う。
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それではまた次回!!