ダンガンロンパ 絶望クロスゲーム   作:ニタ

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始まりの物語

 物語の始めというのは、希望に満ちた説明から始まるのが掟だと僕は思っている。

 新しい始まりは、新しい世界へ行く事。

 その高揚感は、どんな事に関しても捨てがたいし、何より楽しみなものだ。学校へ入学する時、かなり嬉しがっていた記憶もある。

 例えば、何も知らない新たな学校。不安で一杯の登校だ。だけど、僕は不安と一緒に、期待を胸に秘めながら、家から学校へ出発する。

 その道中は、これでもかと言うほどの晴れ晴れとした青い空が広がり、そして僕らを歓迎するかのように咲き乱れる桜の並木道。

 目的地にたどり着くために、多くの生徒は並木道を渡り、意気揚々とした気持ちで学校へ向かう。

 僕らの新しい世界は、僕らを新しい気持ちへと変わる。

 新しい気持ちは、新しい出会いが待っている。

 いつも始まりは、楽しみに満ちて、希望に満ちて。

 しかし、この物語の始まりは、青い空も無いし、歓迎どころか、桜さえない、鬱蒼とした樹海の中から物語でも始まるようだった。

 物語は唐突に始まる。

 唐突に始まらない物語はない。

 いつも、突然なのだ。

 そんな唐突な物語でも、物語は当然終わりも迎える。

 物語が終焉を迎えるのは、僕が思っていたより、凄く鬱展開なのだと知ったのは、恐らく誰しもが、その時に感じる事が出来ただろう。

 天下の学園、希望ヶ峰学園。

 超高校級の才能の持ち主を集めた学園。どうやら学園側が偉大なる才能の持ち主をスカウトしているらしい。学園を卒業できれば、人生を成功したも同然とも言われている。そりゃ、才能が凄いのだから、成功するのも当然の話だろう。

 多くの人は、希望ヶ峰学園に入れば成功すると思われているが、実際は才能があるからこそ、社会にでて成功するのだという事に気付いていない。いや、気付いてはいるが、気付かない振りをしているのかもしれない。

 そんな由緒ある学園に、僕らは存在している。その存在は、僕らの人生を大きく左右させた。殺人なんていう非現実的なことで。

 その非現実を現実なのだと気付いた時には、既に何もかも遅かった。

 人一人が死ぬような状況、まず生活する上では経験しないだろう。

 そんな始まり方で、僕らの期待を胸に乗せていた時なんて物は一気に奈落へ叩き伏せた。いや、僕自身は期待を胸に乗せていた記憶はない。絶望的な状況から始まったのだから。

 樹海から始まる物語。

 その唐突さはおぞましい程、様になっているかもしれない。この状況に関して言うならば。

 正直、経験したくない様な経験だ。

 僕はこれから、そんな期待を胸に抱く前に始まった物語を経験を記すことになる。

 希望と絶望が入り混じる、絶望と絶望の嵐を呼ぶ、絶望による絶望だかけの絶望シーズン真っ只中な、絶望の物語を。

 絶望的な始まりは、安眠から目を覚ました所からだ。

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