ダンガンロンパ 絶望クロスゲーム   作:ニタ

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プロローグ 2話

 門扉の向こうにあったのは、薄らぐらい雰囲気の廊下だった。

 エントランスの明るさから一気に暗い気分にさせられた。

 

暦「雰囲気が、さっきと全然違うな……」

ミ「ここはどこなの……?」

 

 少し不安になっている二人だった。勿論僕もだった。

 こんなに不気味な場所に来たのは、生まれて初めてだ。気分が悪くなる。

 僕らはどこにいるんだろう……そんな感情をよそに、突然廊下にあった引き扉が開く。

 

?「あら。他にも人いたのね……って何をしてんのよ」

 

 僕らは驚愕のあまり、いつの間にか抱き合っていた。僕の右に阿良々木君、左にミカサという風に。なんだか、今思うと凄く良い位置に居たと思う。

 

霊「博麗霊夢よ。とりあえずよろしく」

 

 博麗は部屋から出て、僕らに自己紹介をする。

 さっきと同じ下りになるので、僕らの自己紹介は省略。

 

霊「それより、あんたらはこの場所の関係者?」

充「え、違うけど……」

霊「そう……やっぱりどこかに隠れてるのかな……」

充「あの、博麗さんは、一体どうしてこんなところに……?」

霊「ん? ああ、別に霊夢で良いわよ」

 

 軽くそう言うと、霊夢は思い出したかのように言う。

 

霊「そういえば、説明しなくちゃね。私達は今探索中なの」

充「探索中?」

暦「それって、この場所を?」

霊「当たり前よ。」

ミ「達ってことは、他にも誰かいるの?」

霊「ええ、そうね。一度玄関らしきところで5人ほど集まってたけど、探索でもしないと、ここがどこだかわからないということで、皆で散策中なの」

 

 どうやら僕らが会った人以外にも、人は沢山いるらしい。だとすると、少なくとも、今で十一人いるってことか。しかも、どの人物もみな、ここがどこだか分かってないし……僕らは、閉じ込められているのか?

 

暦「玄関らしきところってのは……?」

 

 僕もそれに疑問に思っていた。何で玄関じゃなくて、玄関らしきところなんだろうって。

 

霊「私もよくわかんないのよ。眼鏡を掛けた女の子がそんな気がするって言っただけで、しかも鉄の塊で封じられてるし」

充「鉄の塊?」

霊「うん、結構でかかった。どんなことをしても傷一つ付かないのよ……」

暦「やっぱり僕らは、監禁されているのか……?」

霊「まだわからない。皆さっき探索し始めたばっかだし──」

?「うわあああああああ!!」

 

 その博麗の言葉の矢先、突然霊夢が居た部屋と違う、隣の部屋から悲鳴が上がる。

 

霊「なにっ!?」

暦「何だ一体!」

霊「──!!」

 

 僕らが慌てふためいてる中、霊夢は真っ先に悲鳴がした扉へ一直進に向かう。

 霊夢が扉に手を掛けて、扉を開けると、教室に入る。

 

霊「どうしたの!」

?「ああ、それが……」

 

 僕らも意識を取り戻して慌てて教室に入るが、そこに居たのは、円筒のでかいロボットと尻餅をついた少年だった。

 

?「いやぁ、こいつがここで寝てたんで、起こそうと思ったら滅茶苦茶ビックリされてな……」

 

 いや、そりゃビックリするさ……。

 誰でも目が覚めたらロボットが起こしに来る状況なんて、想定できない。幼馴染の女の子に起こされる男の子もビックリだ。

 

霊「もう……寿命縮むじゃないの」

?「悪い悪い。おい、立てるか少年」

?「は、はい……」

 

 ロボットが手を差し出すが、一瞬どうすれば良いのか躊躇って手をグーパーさせるが、結局その手に(つか)まり、起き上がる。

 

?「ありがとう……」

 

 まだ状況が処理できてないのか、少しだんまりを決め込む。

 そしてロボットは少年から少し下がって、右手を大きく上げて、お辞儀をしながら右手を体の前に潜らせるという、西洋貴族がやってそうなお辞儀をした。

 

メ「俺は、メカ沢新一だ」

 

 それに続き、少年以外も皆自己紹介をする。

 

苗「僕は、苗木誠。これからよろしく……で、いいのかな?」

 

 躊躇った様子だったが、この状況、どうやら彼は状況をまとめ切れていないらしい。

 

霊「突然で悪いんだけど、訊きたい事があるの。貴方は何者?」

苗「え……普通に高校生だけど……」

霊「……それじゃ、別の質問。貴方は何故ここにいるの?」

苗「…………わからない。目が覚めたらここにいたから……」

 

 苗木君はメカ沢君の方を横目で見たが、すぐに僕らの方へ視線を返す。

 

苗「僕、()()()()()()に朝早い時間に来たんだけど……突然目の前が真っ暗になって……」

ミ「え?」

充「どうしたの?」

ミ「場所は違うけど、私と私の友達で希望ヶ峰学園に遊びに行こうとしていた時に、突然景色がおかしくなって、目の前が真っ暗になって……」

暦「僕も同じだ。気付いたらベッドで寝かされてたんだ」

霊「あら、私もそうよ」

メ「俺は玄関で目を覚ましたがな」

充「つまり、皆同じように目の前を真っ暗にして、皆所々で眠っていたというわけだね……」

暦「そういうことになるな。」

充「…………」

 

 それを気に、皆は黙りこくってしまう。自分の置かれた状況に、恐怖を感じ始めたのだ。

 皆同じ状況。

 計画的に練られた監禁。

 壁にある鉄板。

 まるでここに閉じ込められているようだ。

 しかし、どうして僕だけはそんな状況じゃないんだ? 僕は気付いたらそこにいた。その部屋にいた。

 ……なんでだろう?

 

充「集団誘拐って奴かな……」

暦「なあ霊夢。外へと連絡手段とかはないのか?」

霊「調べたばっかりだからわからないわ。玄関らしきところにもそれっぽいのもなかったし……」

暦「ごめん、少し退室する」

 

 突然阿良々木君は部屋から出て行く。

 

メ「どうしたんだ、あの小僧は?」

充「う、うん……なんだろうね」

 

 僕は何となく察しはついていたが、この状況にあの()()()は応じるのだろうか。僕にはわからない。

 まあ、そこまで察しが良い訳じゃないからね。

 世の中では、女の子は女の子同士でしか言えない話があるように、吸血鬼は吸血鬼同士でしか言えない話もあるだろう。

 しかし、この絶望的な状況を打破することができるのだろうか? こんな状況を作った人物が、そこまで想定しているかはわからないけど、しかし、もし閉じ込めるのが目的なら徹底的にしているだろうし……考えすぎかな。

 

 

霊「これじゃ、他の人を見つけても同じかもね」

充「少なくとも、ここの教室にいる皆と阿良々木君が全員同じ状況だからね……」

メ「八方塞か……」

ミ「…………」

苗「と、とりあえずさ、他に誰がいるか探そう! 動かないと何も進展しないよ」

充「そうだね……動かないよりはマシか」

ミ「それならば、早くしよう」

 

 僕らは探索することに決めて、教室から出る。そしたら阿良々木君が目の前に立っていた。

 

充「あれ、どうしたの?」

暦「ああ、実はさっき人が通ってさ。食堂に向かったみたいだから、それを教えようとしたんだ」

充「どんな人たちかわかる?」

暦「……ああ。人数は四人だった。僕が知っていたのは、()()()()ぐらいだったけど……」

充「…………」

 

 何であいつまで……と低い声で呟く阿良々木君。

 友達が、同じく監禁されている状況。嫌過ぎる。誰が好き好んで友達と一緒に監禁されて喜ぶ奴がいるんだ。

 

霊「とりあえず、食堂に行ったのね」

暦「ああ。そう言っていた」

霊「わかったわ。それじゃ、私は他の連中も連れていくから、あんた達は先に食堂に行っておいて」

充「……わかったよ」

 

 そこで霊夢と僕らは分かれて、もう一度食堂へと戻る。

 そして驚いた。その食堂に置かれていた状況に。

 

?「こんなうまいもん、初めて食べたぞ!」

?「私もだぜ!」

?「ふん……意地汚いな……」

?「そういうこと言っちゃダメだよ、十神君」

 

 そこには、とある四人がカレーを食べている姿だった。

 

ア「いっぱいあるからお変わり自由だよー!」

?「アルミン! おかわりだ!」

?「私もおかわりだ!」

?「二人とも食欲旺盛だね~」

 

 何だかその雰囲気は、とても元気があった。僕達も元気になるようで、安心する。

 

暦「相変わらず委員長だな、お前は」

?「あ、阿良々木君じゃない。さっき振りだね」

 

 阿良々木君の声に反応して、委員長さんはこちらへ振り向いた。

 

?「なるほど。貴方達が阿良々木君の言ってた人たちね」

 

 そして彼女は椅子から立ち上がり、身形(みなり)を整えて自己紹介をする。

 

翼「初めまして。羽川翼です。これからヨロシクってのも変だけど、よろしくお願いしま──」

ミ「エレンッ!!」

翼「──す!?」

 

 と突然ミカサが声を張り上げて、カレーを食べている、ミカサと同じ服装の人に一直線に近づいた。

 

?「ん──んわぁ!? な、なんだ!?」

 

 あまりの出来事で動揺する、エレン・イェーガーだった。

 

エ「ミ、ミカサか?」

ミ「エレンエレンエレン……」

 

 ミカサはエレンの胸板に頬擦りをしている。とても心配していたんだろう。

 

エ「やめろって……恥ずかしいだろ……」

ミ「うん……ごめんなさい……」

 

 そのごめんなさいは、僕には何だか嬉しそうに聞こえた。

 

ア「本当に良かった……二人とも無事で」

エ「ああ、本当にな」

ミ「うん。良かった。本当に良かった」

 

 何だかそこの雰囲気だけは誰にも壊し難い、特殊な結界でもあるようだった。これが絆という奴だろうか。不思議な感じだった。

 

ア「それよりもさ、皆に自己紹介しないと」

エ「ああ、そうだった……えーっと、普通の挨拶でいいんだよな」

ア「うん、大丈夫だよ」

 

 アルミンが言うと、エレンは僕達の方へ体を向ける。

 

エ「俺はエレン・イェーガーだ。これからよろしく頼む」

 

 次に、エレンの横にいた白黒の魔法使いが立ち上がった。

 

魔「私は霧雨魔理沙だ! よろしくな!」

 

 意気揚々とした元気のある聞きやすい声だった。

 バラエティー豊かにも程があった。

 最後に、羽川さんの反対側に座っていた眼鏡に皆が視線を向ける。

 

十「……十神白夜だ」

 

 先ほどの三人とは違い、十神君はきつそうな人だった。

 後は僕、阿良々木君・ミカサ・メカ沢君・苗木の順番で自己紹介をした。

 そしてその後に、厨房の三人も自己紹介を終えた。

 

ア「そうだ。皆もカレー食べる? さっき出来たばかりなんだ」

翼「皆で食べたほうが美味しいと思うし、どうする?」

充「それじゃ、いただこうかな」

ミ「エレンと食べれるなら、何でも食べる」

暦「お腹が空くと気分悪くなるし、僕も食べようかな」

苗「じゃあ僕もいただくよ」

メ「皆には悪いが、俺はカレーが昔から苦手でな……俺は遠慮しておくよ」

 

 メカ沢君以外は全員食べるということになり、アルミンが厨房に入り、御盆にカレーを乗っけて、

アルミンがフレディと一緒に戻ってきた。フレディの登場に羽川さん率いる四人は驚いてはいたが、すぐに打ち解けた。フレディは結構無口だけど、凄く優しく気が利く高校生だった。……高校生か悩むほどの外見だけど。

 

霊「あら、えらく賑やかね」

 

 和気藹々と仲良くカレーを食べている時、霊夢がさっき言っていた人を連れてきていた。

 

霊「にしても、キャラクター豊かねぇ……」

?「私はこの雰囲気は嫌いじゃないぞ」

?「…………」

 

 霊夢が連れてきたのは、無駄におっぱいを強調をしている、容姿端麗な美人生徒会長さんとクールな印象を持つ女の子だった。

 この二つだけで、ご飯5杯はいけるんじゃなかろうか。

 

霊「まあ、あんたらも大概キャラ濃いけど……」

?「そうか? 普通だと思うが」

?「そうね……」

霊「まあいいわ。それより、自己紹介しましょう」

黒「うむ! 私は黒神めだかだ! 箱庭学園で生徒会長を務めている! 以後、よろしく頼む!」

 

 その自己紹介は、誰よりも凛としていて、一見するだけで物凄い人物だとわかった。

 

霧「…………霧切響子よ」

 

 その後に、霧切さんの自己紹介をする。

 いや、うん。あの人の後に自己紹介は、何だか少しきつい気がする。

 例えて言うなら、大黒柱の芸人による漫才のあとに、素人芸人による漫才披露をやらされている気分だ。一緒に居る分はいいだろうけど、職として考えると、少し憂鬱になる。

 僕らも軽く自己紹介をする。

 

暦「……全員で15人か。人数としては切りがいいが……」

翼「うん、一様隈なく探したつもりだけど、向こう側にはもう誰も居ないと思うよ」

ア「さっきフレディに個室の部屋の数を数えてもらったんだけど──確か15室あったんだよね?」

 

 そう言うと、フレディは首を縦に振る。

 

暦「じゃあ、コレで全員な訳か……」

ア「でも、どうしてこれだけの人間がこんな場所に一集してるんだろ。何かあるのかな……」

霊「──もしかして、希望ヶ峰学園に行く途中だったりする?」

ア「え、うん。そうだけど……」

翼「私もそうだったよ」

魔「私も散歩がてらに行こうと思ったんだけど、いきなり視点がおかしくなってな。気付いたら変な個室で目を覚ましたんだ」

苗「もしかして、皆同じ理由で、希望ヶ峰学園に来る途中で、意識を失ったの?」

 

 皆首を縦に振る。

 

霊「やっぱり……」

ア「その話が本当なら、この建物の中は希望ヶ峰学園の可能性が高いかもね」

エ「え、そうなのか?」

ミ「エレン。食べながら喋るのは行儀が悪い」

 

 そう言われるとエレンは、すぐにカレーを飲みこんで、すぐに話を戻す。

 

エ「でもさ、どうして希望ヶ峰学園なんかに誘拐する必要あるんだよ。

  閉じ込めるのが目的なら、最初から誘拐なんてせずに、皆を学園に入れてから閉じ込めればいいじゃないか」

ア「多分、そうできなかった事情があるかもしれない。建物の外見を見られたくないとか……」

苗「僕は来る時に見たよ。地図をちゃんと確認したし、凄くでかかったから印象に残ってるよ」

ア「うーん……だとしたら、時間がなかったからなのかな……」

黒「何だかよくわからんが、つまり私達はどういう状況なのだ?」

霊「あの玄関らしき所の鉄板を見て思わなかったの? 私達は閉じ込められてるのよ……」

黒「ふむ……しかし、どこかに窓があるんじゃないのか? そこから出れば良いだろう」

暦「窓は基本的に鉄板が打ち付けられてたんだ。だから外に出るどころか、景色さえ見ることもままならないんだ」

黒「成る程な。ならば壊せばよかろう」

暦「……それは僕が試した。だけどダメだったよ」

黒「八方塞という訳か……」

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 そんな皆が悩んでいる最中、それは突然始まった。

 

『あー、あー。マイクテス。マイクテス。校内放送、校内放送

 ねー皆聞こえてる? 聞こえてるよね?』

 

 そんな声が、食堂の壁にあったモニターから流れた。

 そこから流れた声はとても不気味で、まるで殺人現場を陽気に走り回る子供のような、そんな不快感を感じてしまう。

 そんな声は、まだまだ続いた。

 

『えー、ではでは。これより、希望ヶ峰学園入学式を執り行いたいと思いますので、

 みなさん至急、体育館までお集まりくださーい!

 呑気にカレー食べてないで、さっさと来るようにね!』

 

 そして唐突に、モニター画面から音声がなくなり、電源が切れた。

 

魔「何だ今の?」

霊「……何だか、嫌な雰囲気ね……」

上「あの……上条さん少し怖いんですが……」

 

 みんなの雰囲気は最悪とまではいかなかったが、少し陰鬱な雰囲気になった。

 何だあれ。体育館? 入学式? 何のことなんだ? さっぱり、わからない……。

 僕は小さく足を震わせていた。只ならぬ、見えない恐怖に。

 

十「俺は行くぞ……」

 

 十神君は立ち上がり、食堂から出て行く。

 

黒「ふむ。入学式か……しかし入学手続きを出した記憶はないが、話は聞いておくべきかもしれんな」

 

 そういうと、黒神さんも立ち去る。

 

メ「何だか良い雰囲気じゃねぇな……行くっきゃねぇか……」

魔「それじゃ、私も行こうかな……」

 

 メカ沢君、魔理沙と続いて、フレディも食堂から消えていく。

 

エ「俺達も……行ったほうがいいのか?」

ア「わからない……でも、行かないよりはマシかもしれない」

ミ「大丈夫。二人は絶対に私が守るから」

エ「……それじゃ俺達も先に行っておくぞ」

 

 エレン・アルミン・ミカサと続いて出て行った。

 食堂に残ったのは、僕、阿良々木君、羽川さん、上条君、苗木君、霧切さんが残っていた。

 

上「だ、大丈夫なのか……? 何だか、凄く不穏なんだが……」

暦「でもここで立ち往生してるわけにもいかないだろうし……」

翼「行ったほうが、賢明かもしれないね」

霧「そうね。ここで待っているより、ずっと良い選択だわ……」

苗「そう……だよね……」

 

 皆陰鬱な雰囲気の中で、しかしここに居ても仕方なさからか、行くために決心を固めていた。

 

上「行かないと……ここがどこだかも、どういう状況なのかもわかんねぇしな!」

暦「よし、皆で行こう。そしたらまだ安心できるだろ?」

充「赤信号、皆で渡れば怖くないって奴だね」

 

 僕らは一緒になって、食堂から足を踏み出した。

 

 

 

 




 次回、モノクマ学園長のありがたいお話です。
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