ダンガンロンパ 絶望クロスゲーム   作:ニタ

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プロローグ 3話

 僕らは体育館前に来ていた。

 そこには、賞状や置物などがあり、高価なものだとすぐに判断できた。

 その先のドアが体育館の入り口らしく、先ほど体育館前にいたメカ沢君が教えてくれた。

 

充「それじゃ、行くよ……」

 

 僕は声を出してからドアの取っ手に手をかけ、少々重たい扉を開ける。

 開けたら、そこには先に来ていた人たちと、どこからどう見ても、どこにでもある、普通の体育館だった。

 

上「ほ、本当に大丈夫なのか……?」

?「うぷぷぷぷ! 皆よく集まってくれましたー!」

 

 全員に向けて発せられた、モニターの時と同じ声の主は、舞台の真ん中の演台から聞こえた。

 みんな一斉に演台の方へ見ると、突然、演台から何かが飛び出す。

 それは、シロクロのクマのヌイグルミだった。

 

メ「な、なんだありゃぁ!?」

上「いきなりなんだよ!?」

 

 皆動揺を隠せずどよめき始める。

 

?「うぷぷ。皆戸惑いすぎだよ」

 

 そんな声が、そのヌイグルミから発せられる。

 

暦「ぬ、ヌイグルミが喋ったぁ!?」

?「失礼な! 僕はヌイグルミじゃないぞ!」

 

 そう言うとヌイグルミは立ち上がる。

 

エ「な……あいつ立ったぞ!」

ミ「エレン落ち着いて。あれは生き物じゃない」

?「生物としての否定!? ガーン!」

 

 ヌイグルミは肩を落とす。

 

?「もう……現実に見た想像以上のモノを見るとすぐに現実逃避なんて……まったく、ユニークな人の集まりだよ……」

魔「お前も大概ユニークだと思うぜ」

?「わかったよ。自己紹介でしょ? 君達は好きそうだもんね、自己紹介!」

 

 そしてヌイグルミは右足を少し斜めにして、右腕をまげて腰に当てる。

 

モ「ボクはモノクマ! この学園の……学園長なのだぁ!」

霊「学園長?」

モ「そ。学園長。希望ヶ峰学園の一番エラい人だよ。えへん!」

 

 そう言うと、そのモノクマと言われる生物はふんぞり返る。

 そんな中、冷静に霊夢は対応する。

 

霊「あんたの目的はなんなの?」

モ「んもう! そんな急かさないでよ。ボクだって順を追って説明しさ」

霊「じゃあさっさと説明してよ。めんどくさいのはお断りしたいの」

モ「もー、淡白な子だな……では、これから入学式を執り行いたいと思います。オマエラ、きをつけ! れい! おはようございます!」

黒・翼「おはようございます!」

暦「いや、律儀に礼をしなくても……」

モ「それでは、これからモノクマ学園長より、学園の説明を致します!」

 

 モノクマは演台から降りて、舞台の上に立ち、歩き始める。

 

モ「オマエラ、入学おめでとうございます。君達は光栄なことに希望ヶ峰学園に選ばれた生徒達なのです」

ア「え、学園に選ばれたって……?」

モ「もう……質問すると説明が滞っちゃうでしょ! でも生徒の為に疑問を解いて上げるのが学園長の役目だからね。教えてあげるよ。

  君達は希望ヶ峰学園からの手紙を貰ったはずだよね」

充「え、僕貰ってないけど……」

モ「君は忘れてたの。ごめんに!」

充「え、ちょ──」

モ「でね、その用紙は学園の入学届けであったんだ」

黒「そうだったのか。だから入学届けを書いた覚えが無かったのか……」

モ「そういうこと。君達全員は、未来の希望に選ばれた生徒なんだ」

ミ「でも、私達はそんな旨の説明なかった」

モ「それも謝罪しておかないとね。入学届けとして送ったんだけど、間違えて友達用のを送っちゃったんだ!」

 

 そうするとモノクマは歩みをやめて、僕たちに指を指す。

 

モ「そういう訳で、そんな君達は学園の生徒であり、君達はここで一生を共同生活してもらうことになるのです!」

暦「え、ちょ……え?」

 

 いきなりの宣言に戸惑う。え、一生ここで共同生活……?

 

メ「どういうことだ、おい……調子乗ってんじゃねぇぞゴルァ!」

モ「うぷぷ……それが学園の方針だからね。君達が来たということは、それを認めたということなんだよ? それに歯向かうのはおかしいと思うなぁ」

メ「こんのやろぅ……!」

 

 そうすると、メカ沢君は足を一つ踏み入れたと思った矢先、フレディが止めに入った。

 

メ「…………お前がそう言うなら、わかったよ……」

 

 どうやら落ち着いたみたいだったが、一体メカ沢君とフレディの間に何があったのかは、誰もわからないが、必死の止めだったのだろうとは、わかった。

 

モ「ふぅ……収まったようだね。それじゃ話を続けるけど……何を話してたんだっけ?」

霊「一生ここで暮らせって言ったのよ」

モ「そうだったね。君達には、この学園で一生暮らしてもらいます! これは世界の希望の為でもあるのです。しかし、そんな生活は嫌だという人もいるでしょう。そんな人の為に、学園長自らが新たなルールを設けました!」

ア「ルール……?」

モ「その新たなルールとは……()()です! ある規則にクリアすれば、なんと君達は卒業できるのです!」

エ「なんだよその規則ってのは!」

モ「殺すことだよ」

エ「え……」

 

 モノクマの言葉は、皆を一瞬で黙らすことになった。

 その自然な口調から出された、殺すという、ワード。

 

モ「殴殺撲殺刺殺絞殺惨殺銃殺暗殺撲殺虐殺毒殺射殺圧殺悩殺……殺し方は問いません! とにかく殺せばいいのです!」

上「な、なにを言っているんだ……?」

モ「そのまんまだよ。人を殺せば良いんだよ。そしたら君達は晴れて卒業。君達は晴れて希望ヶ峰学園の生徒として社会に進出するんだ!」

 

 そう言うと、モノクマの真横が突如爆発する。

 

魔「殺す殺すって、物騒なやつだな。霊夢だってそんなこと言わないぜ?」

霊「どういう意味よ、それ」

暦「な、なんだ一体……?」

魔「私の魔法だよ。なんたって私は、普通の魔法使いだからな」

 

 そんな頓珍漢なことを言い出す。は? 魔法使い? もう何が何だかわからない。頭が付いていけない。何なんだ……何なんだこれ……?

 

モ「うぷぷ……流石普通の魔法使いさんだね。僕も帽子を脱ぐ程尊敬するよ」

魔「私は帽子は脱がないぜ。なんせ尊敬してないからな」

モ「でも霧雨さん。無闇にボクに攻撃するのは校則違反だよ?」

魔「私はルールに縛られない人間だぜ?」

モ「のんのん! ボクが言いたいのは、校則違反を犯すと、それ相応の体罰を与えるってことだよ!」

 

 ドゴォォォォォン!!

 

 そんな爆発音が、魔理沙の真後ろから鳴り響く。

 

魔「うわぁ、なんだぁ!?」

 

 火薬と焦げ臭いにおいが充満し始める。

 僕は生まれて初めて爆発なんてものを体験した。そんなの、テレビだけでしか見たことがなかったから。

 

モ「どう? 僕の爆発の威力は……興奮して、ドキドキしちゃうよねぇ……ハァハァ」

エ「な、なんなんだよ今のは……」

暦「今ので殺そうとしたのか……」

モ「僕が体罰を下すのは、あくまで校則違反者だけだよ。今のは予行ってやつだよ」

暦「それで怪我なんかしたらどうすんだよッ!」

モ「は? 何を言ってるの? 校則違反者が罰則を受けるのは当然のことだよ」

暦「だからって、爆発までするのかよ!」

モ「だから予行だって言ってるじゃないか。聞き分けが悪いなぁ、阿良々木君は……」

暦「……くッ!」

 

 阿良々木君は悔しそうな顔で一歩引き下がる。

 

モ「というわけで、話を戻すと、もし校則違反を犯せば、先ほどとは違い、確実に当てますので、気をつけてくださいね。そして皆さんお待ちかね、電子生徒手帳ー!」

充「電子生徒手帳……?」

モ「この手帳、すごい優れものでね、なんと、10トンまでならどんなに負荷を掛けようが絶対壊れません! しかも完全防水という、今の時代ではとても珍しい機械なのです! ここにさっき言っていた校則と、そのほかの校則が載ってるから、ちゃんと目を通すようにね。ルールを知らなかったってのは許さないからね。そんなのが許されるのは、小学生までだよ!」

 

 そういうとモノクマは、皆に一人ずつ、電子生徒手帳を配る。

 配り終えると、モノクマは舞台の上に再び登る。

 

モ「ちゃんと皆に配ったからね。それは、学園を過す上で必需品となるので、決してなくさないように。なくしても、再発行するのに時間がかかるからね。そして最後に──校則違反は絶対に許されざる行為はしないようにね。社会でも法律がないと平和は成立しないのと一緒! だから、校則を破ったものには厳重な罰を与えることになるからね。それじゃ、入学式をこれにて終了いたします!」

 

 そういうとモノクマは演台の奥に入って、それ以降、モノクマは姿を見せなかった。

 

魔「……なんだって言うんだ、ありゃ……」

霊「わからないわ。私たちには到底理解できない者ではあるんだろうけど」

エ「一生……ここで暮らせって言ってたな……」

ア「そして、卒業したくば誰かを殺すこと……」

上「そ、そんな馬鹿げた話があるか! そんな奇怪なことをするやつなんて……」

十「嘘か本当かの話ではない。それを信じる奴がいるかどうかだ……」

 

 僕らはその言葉に、背筋を凍らした。

 モノクマが言っていた、本当の意味について……。

 

 僕らはこの学園で生活していかなければならない。しかし、この生活が嫌ならば、殺人をしろと言った。その殺人を、誰か犯すのだろうか。

 みんなは全員を警戒し合い、中には敵意さえも感じ取れた。

 僕らは、互いに、一人一人見渡した。

 これから起きるんじゃないか、そんな未来予想図を。

 

 

 ダンガンロンパ プロローグ「絶望ミステリー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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