chapter1 絶望全席 part1
この学校の卒業条件。それは『誰かを殺す』こと。
そんな異常極まりない条件で、皆の意識は警戒する事に変わった。
誰かが私を、僕を殺すのでは?
それを考えるだけで、僕の背筋は凍るように固まった。
嫌だ……こんなところで死にたくない。僕はまだ……死にたくない。
そんな疑心暗鬼が、僕の全身を支配していくようだった。
霊「……ちょっとアンタら、いつまでいがみ合ってのよ……正直、飽きるわよ」
そんな一言で、周りの空気が少し変わった。
上「んなこと言われてもよ……」
霧「あいつが言っていた事を真に受ける気?」
上「…………」
メ「で、でもよぉ……これからどうすればいいんだよ……?」
翼「うーん……とりあえず、生徒手帳確認しよっか。さっきの爆発もそうだけど、ルールをいつの間にか破って気付いたら死んでたってのは、絶対避けたい事だし」
黒「しかし、この電子生徒手帳は、どうやって動かすのだ?」
霊「あ、動いた」
霊夢は電子生徒手帳に指を置いていたが、つまりタッチすれば起動するのか?
黒「そういうことか。画面タッチすれば良いのだな」
そういって黒神さんは電子生徒手帳を起動させた。
その時、ピローン、という効果音が流れた。どうやらそれが起動音らしい。
気付いたら、どこもかしこも起動音が鳴っていたけど。
魔「結構煩いな、これ」
メ「何だかよく分からんが、起動できたぞ」
ア「……校則って項目があるから、多分これじゃないかな……?」
そうしたら、アルミンは首と傾げた。
ミ「……なんで私はこの字が読めるの?」
エ「は? 何言ってんだ──あれ? どうしてだ?」
二人もどうやら読めているようだった。
ア「……?」
十「……お前らが何者かはわからんが、取り敢えず校則に目を通すのが先だ」
ア「そ、そうだね……」
何か釈然としていない様子だった。
その後、みんなは電子生徒手帳の校則に目を通す。
1条…生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。
共同生活の機嫌はありません。
2条…夜10時から朝7時までを
夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。
3条…就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。
他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。
4条…希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。
特に行動に制限は課せられません。
5条…学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。
監視カメラの破壊を禁じます。
6条…仲間の誰かを殺したクロは
自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
7条…なお、校則は順次増えていく場合があります。
魔「手間隙かけてよくやるなぁ……」
霊「基本的に私たちにできる事って、『学園での共同生活』か、『誰かを殺す事』しかないわね」
エ「しかも殺したらこの学園から脱出できるって……バカげてる」
翼「でも、この学園の準備や、食堂の食料からみて、とても並大抵の事じゃなさそうなんだよね……組織として働いてるのかな……?」
上「世の中の組織はどこもかしこも大働きだな……」
暦「上条は一体どんな世の中を送ってきたんだ……?」
それはもう、口では言えないだろう。
いや、僕が言っても仕方ないけど。
ア「この『自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません』ってのが気になるね」
翼「うーん……暗殺しろって、事なのかな……」
十「知る由も無いものを考えても仕方ないだろう。ルールに順じて動けばいいだけだ」
エ「そ、そうだけどさ……でも、こんなん納得出きる訳ねぇじゃんかよ」
十「ルールは何のためにあるんだ。守るためにあるのだろう? それに反対すると言う事は、死をも意味する。そうあいつは言っていた筈だが、お前の単細胞な脳味噌では理解が追いつかないか?」
エ「なっ……!! んだとこの野郎ッ!」
ミ「エレンやめて! あんなかませ犬に構ってる状況じゃないの分かってるでしょ!」
十「かまっ……!?」
何だか分からないが、十神君のこれからのキャラが崩れて行く予感を感じさせた。どうしてだろう?
十「ふん……まあいい。俺は一人で学園を捜索する」
そう言って、十神は体育館から姿を消した。
翼「ミカサさん。あんまりきつい事言っちゃダメだよ。凄く傷ついてたよ、十神君」
そういう事後フォローを行えるのは、やっぱり羽川さんだからだろうか?
ミ「ご、ごめんなさい……エレンの悪口を言ってきたから……」
翼「確かに、十神君が悪いよ? でも、それで相手を傷つけて良い訳じゃない。自尊心が傷つくのは、凄くダメなことなんだから」
ミ「……気をつける」
エ「お、おお……あのミカサが押し黙った……」
意外そうにその状況を眺めるエレンであったが、
翼「エレン君もだよ」
エ「え……俺?」
翼「あんな酷い事言われたからって、すぐに突っかかったらダメじゃない」
エ「は、はい……」
翼「あんな事しても、何の意味もないのよ? やるだけ無駄だし、挑発に乗るってことは、それを認めているってことになっちゃうの。あんな悪口言われて、自分はそんな奴だと思う?」
エ「い、いや……俺……ただあいつの言ってる事に凄いむかついて……」
翼「なら、もうあんな挑発に乗らない?」
エ「はい……」
翼「もう、大丈夫そうだね」
凄い……あのエレンが萎縮してる……。
その言葉を最後に、羽川さんはエレンらの目を離し、新たな提案を掲げる。
翼「それじゃ、私たちもそろそろ探索に行こうか」
暦「相変わらずの委員長っぷりだな……」
翼「今は違うわよ」
黒「そういえば、先程の電子手帳に『マップ』が載ってあったな。これを見ながら、班別に別れ調査するのはどうだ?」
ア「いいんじゃないかな? 3人4人4チームに別れよう」
翼「そうだね。それと、友達同士で組むより、お互い知らない同士で組んだほうが良いと思うの」
暦「つまり、見知らぬ他人同士で話し合う方が友好的になるからとか、そんな感じか?」
翼「う、うん……言い方が少し冷たいけど、まあそんな感じ」
阿良々木君はあんまり集団行動になれてなさそうだった。
ア「それじゃ、班分けするね」
アルミンが班分けをして、僕らはこんな風に班分けされた。
阿良々木君、ミカサ、僕の1班もとい阿良々木班
アルミン、メカ沢君、魔理沙の2班もといアルミン班
エレン、霧切さん、苗木君、上条君の3班もといエレン班
霊夢、黒神さん、フレディ、羽川さんの4班もとい霊夢班
で構成された。
暦「どうやらまた一緒になったな」
充「よろしく、ミカサ、阿良々木君」
ミ「よろしく」
僕らの班は、アルミンがさっき見ていた時に、この三人はそうした方が良いと判断したらしい。
他の班は、その場で決めたようだけど……
ア「よろしくね、えーと……魔理沙に、メカ沢君」
魔「ほどほどにそれなりにじゃなく、結構なほどよろしくな」
メ「ああ。俺は手を中々貸せねぇかもしれねぇが、手伝いは出来る。よろしくな」
アルミン班は大丈夫みたいだ。
エ「何か、そわそわするな。初対面ってのは……」
苗「そうだね」
上「ま、これからよろしくな」
霧「…………」
エレン班は少し打ち解けるのに時間が掛かりそうな気がしたけど、でも何となくやっていけそうな気がする、という感じはした。
最後の班は霊夢班だけど……
霊「何だか、あたしの班だけ凄くキャラきつい気がするんだけど……」
フ「…………」
フレディは顔を縦にふる。
何気に、今の初台詞じゃないか? いや、何も言ってないけど。
黒「これからヨロシク頼む。巫女霊夢にフレディに羽川委員長」
翼「ヨロシクね、霊夢さんにフレディさんに黒神さん」
確かに、少し異質な連中な集まりだった。
みんなが自己紹介を終えた頃、アルミンは皆に指示を出す。
ア「先ずは1班と3班……名前で呼んだほうが分かりやすいかな?」
暦「良いんじゃないか? 番号で呼ばれるより、名前の方が覚えやすいし」
ア「じゃあ、阿良々木班と、エレン班は寄宿舎エリアを調べてほしい」
霧「寄宿舎エリアと言うと、あのエントランスの方ね」
ア「それで、阿良々木班は寄宿舎エリアにある部屋とかを調べて。エレン班は寄宿舎エリアで出入り口を探してほしい」
エ「わかったぜアルミン!」
上「俺たちは寄宿舎エリアで脱出口か。わかった」
ア「後残ったアルミン班と霊夢班は学校エリア──つまりここだね。霊夢班は、学校エリアの脱出口や、鉄板、玄関の大扉の調査をしてほしい」
霊「なるほどね。だからこんなにキャラ濃かった訳ね」
黒「どういうことだ?」
羽「力強いってことだよ。私はあんまりお力添え出来るかわからないけど……」
ア「そして、僕らの班は学校エリアの部屋の捜索だ。一様、これで良いかな?」
アルミンの問いかけに、いの一番に答えたのはエレンだった。
エ「当たり前だろ。アルミンの考えが間違った事はないぜ」
ア「いや、そう言われると少しプレッシャーになるよ……」
ミ「大丈夫。もし皆納得いかなければ……実力行使で納得させる」
暦「やめろ! 僕らは既に納得してるからやめろ!」
阿良々木君は必死にミカサを止めていた。
まあ、多分ミカサなりの冗談だろう。冗談ぽく聞こえなかったけど。
ア「それじゃ、そろそろ探索を開始しようか。時間は……7時ぐらいになったら食堂に集合でどうかな?」
霊「いいんじゃない? 探す時間としては十分あるわ」
メ「俺達も精を出しまくって頑張るぜ!」
ア「それじゃ、解散!」
そして僕らは、希望ヶ峰学園の探索を開始することいなった。