R-TYPE M-Alternative   作:DAY

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三話 落着

 落下するグリトニルを解体する作業は予想以上に難航していた。

 無数の波動砲が巨大な要塞側面に突き刺さるものの、一部の外壁が剥がれ落ちていくだけで、解体するには程遠い。

 これは単純にグリトニルが頑丈というのもあるが、それ以外にも別の要因があった。

 地球の衛星軌道上に張り巡らされた複数の攻撃衛星による核攻撃だ。

 当初は落下するグリトニルのみを照準にしていたその核ミサイルによる攻撃は、いつしかR戦闘機も巻き込むことも厭わない形で行われるようになっていた。

 

 無論、R戦闘機群の能力を持ってすればこの程度の攻撃など迎撃も回避も容易い。攻撃衛星の撃墜もだ。

 だがこの攻撃が何を意図しているか不明なこの状況で、そのような真似をするわけにもいかない。この攻撃衛星群からバイド係数が検出されれば有無を言わさず殲滅できたのだが、バイドに汚染されてない以上、交戦規約がそれを許さなかった。

 

 結果としてR戦闘機は飛来する核ミサイルを回避しつつ、グリトニルの構造的弱点に波動砲を撃ちこむという難易度が高い行動を要求される羽目になった。

 だがそれでもこのペースで行けば、地上に着弾するよりも前にある程度解体することはできるだろう。R戦闘機のパイロットたちがそう思った時だった。

 電子戦機でもあり、部隊の指揮官でもあるR-9ER2"UNCHAINED SILENCE(アンチェインドサイレンス)"コールサイン『エニグマ』から緊急の警告が走る。

 

『全軍に通達! 衛星軌道上の攻撃衛星から戦術級次元兵器の発射を確認した! 目標はグリトニル! 繰り返す! グリトニルに向けて衛星軌道上の攻撃衛星から戦術級次元兵器の発射を確認した! タイプは異常重力場発生型! 攻撃中のRは全て退避しろ!』

 

 その情報にR戦闘機パイロット達はまず情報を疑い、ついで自前のセンサーでその事実を確認した。確かに光学的にも視認できるほど、巨大な重力の歪みがこちらに向かって接近してくる。

 

 先ほどまでは前世紀の遺物のような旧式の核ミサイルを乱射していたというのに、今度は戦術級次元兵器だと? それもあんな旧式の攻撃衛星が発射したというのか?

 歪だ。

 何かがおかしい。

 

 そう思いながらも現実問題として、このままここに留まればあの次元兵器の炸裂に巻き込まれることになる。 そうなればR戦闘機といえど無事ではすまない。

 各機は波動砲の砲撃を中断し、全機がこちらに向かって迫ってくる次元兵器の効果範囲外へと素早く離脱する。

 内部に突入した『マルトー』と『ハウンド・ドッグ』にも『エニグマ』から警告が伝わっているはずだ。後は時間との勝負になる。

 

 だが迫り来る異常重力場を危険と判断をしたのは、R戦闘機群だけではなかった。

 グリトニル――正確にはグリトニルに寄生したバイドもまたこの攻撃に危険を感じ取ったらしい。

 

『不味い……。グリトニルが落下速度を早めた! 回避するつもりだ!』

 

 その『エニグマ』の言葉を裏付けるように、グリトニルが生き残った姿勢制御スラスターから火を吹いて更に加速する。

 凄まじい速度による断熱圧縮効果によって更にグリトニルが燃え上がる。

 並みのコロニーならこれだけで空中分解して燃え尽きているところだが、流石は軍事要塞というだけあって、それでも尚グリトニルは原型を保っていた。

 だが完全に無傷というわけにも行かず、R戦闘機の波動砲の集中攻撃を受けていた一部のブロックが破損し、ブロックごと脱落していく。が、全体としては微々たる損害だ。

 

 そして最悪なことに、あの衛星が放った戦術級次元兵器は誘導機能がないようで、目標が高速移動を開始したにも関わらず、進路を変えることもなくそのまま虚空を突き進んでいく。

 そして――グリトニルは間一髪で、自らに迫り来る可視化できるほど強力な異常重力場をくぐり抜けることに成功した。

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

「目標、再加速! ダメです! この速度ではG弾の効果範囲外に抜けられます!」

 

「くそうっ!」

 

 オペレーターの言葉に司令官は歯噛みした。

 ここは国連軍の管理下にある地球規模でのBETAの落着ユニット迎撃システム、対宇宙全周防衛拠点兵器群『シャドウ』を統括する施設の一つだ。

 その中でもここは地球に対する最終防衛ラインとでも言うべき核投射攻撃衛星群『アーテミシーズ』において、米軍に割り当てられた攻撃衛星を制御するためのコントロールセンターだ。

 定期的にやってくる月からの落着ユニットを、核兵器で効率よく迎撃するこのシステムがなければ、今頃地球はオリジナルハイヴが無数に乱立する死の星となっていたかもしれない。

 当然そこに勤務する人間は軍の中でもトップエリートであり、日々地球を守るという高い使命感を持って任務に当っていた。

 

 だがそんな彼らを持ってしても今回の自体は予測の範疇の外にあった。

 もっともそのことで彼らを責めるのは余りにも酷だ。突如として空間転移してくるであろう軍事要塞に対して警戒しろなどと命令があれば、誰もがまずそんな命令を下した人間の正気を疑う。

 しかしそれでもその正気を疑うような事が、現在進行形で起きつつあるのもまた事実だった。

 あらゆる監視の目をくぐり抜け、突然衛星軌道上に現れた30kmにも及ぶ明らかな巨大人工物は出現と同時に、地球に向かって落下を始めた。

 その際、同時に現れた小型の飛行物体から意味不明の警告が流れたが、その言葉の意味を解析している時間などないため、一旦脇に捨て置き、彼らは自分達の職務を果たすことにした。

 

 この異常とも言える非常事態に司令官は、自分の体面や進退などかなぐり捨てて、使用可能な全ての核ミサイルによる飽和攻撃を指示。

 そしてそれすら通じないとなると――米軍によって密かに攻撃衛星に搭載されていたG弾の使用に踏み切った。

 無論、上の伺いも立てず、各国との調整も行わず現場が勝手にこの様なことをすれば、どう考えても軍法会議ものだ。更迭どころか銃殺刑も充分ありえる。

 だがそれでもこの司令官に躊躇いはなかった。

 彼はあの巨大な火の玉となって落下する巨大なコロニーを見て、あらゆる理性的な判断を塗りつぶす本能的な恐怖を覚えたのだ。

 

 彼の本能が叫んでいる。

 絶対にあれを地球に降ろしてはならないと。

 あれはBETA以上に禍々しい何かだと。

 

 あれを滅ぼすために必要なものが自分の首一つで済むなら安いものだ。

 そう思って虎の子のG弾を発射したにも関わらず、目標は加速による軌道変更という荒業でそれを回避してしまった。

 元々G弾はハイヴを始めとした固定目標に対して発射する兵器だ。今回宇宙で運用する場合にしても、主目標のBETAの落着ユニットは、基本軌道変更を行わない為、軌道さえ計算し予測すれば命中するはずだったため、本来誘導機能がないことなど問題ではなかったのだが、それが裏目に出た。

 

 今回の目標はそこを逆手に取り、軌道を変更し、絶対に抗えぬ破壊をもたらすG弾の一撃を回避するという形で凌いでみせたのだ。

 あれがもし――BETAの新型の落着ユニットだとした場合、もはや既存のSHADOWでは対抗できなくなることを意味する。

 いずれにしても最早G弾まで回避された以上、ここからできることは何もない。

 コントロールセンターを重い沈黙が包む中、司令官はアメリカの上層部につなぐホットラインに手を伸ばした。

 自分達の敗北を告げるために。

 

 

 ◆    ◆    ◆

 

 

 一方でR戦闘機群も混乱の極みにあった。あの突如として放たれた戦術級次元兵器によって、彼らの建てた算段は破綻し、一から作戦を作り直す羽目になったのだ。それも状況に対処しながらだ。

 

『グリトニル! 更に加速! 各機、進路上に回りこんで砲撃を続けろ!』

 

『ハウンド・ドックとマルトーはどうなっている!? 予定ではそろそろグリトニル内部でデルタウェポンを起動してるはずだぞ!』

 

『マルトーは内部で被弾し無力化された! さっき剥がれて落下したブロックの中に閉じ込められている! ハウンド・ドックは30秒前から応答がない、というかIFFそのものが検知できん! 撃墜されたと思え!』

 

『我々だけでやるしかないか……。だが、火力が足りん。駆逐艦フライバー! そちらに搭載したバルムンク核ミサイルは使えるか!』

 

『使用可能だがこの高度で使用した場合、地球への被害が出るぞ。バルムンクの核はクリーンな核だが衝撃波で地球環境に甚大なダメージを与えることになる。なによりも外壁に打ち込んでも波動砲の二の舞いだ。大したダメージは与えられんぞ』

 

 『エニグマ』にナーストレンド級駆逐艦フライバーの艦長が冷静な返答を寄越してくる。確かにこの駆逐艦に搭載された核ミサイル『バルムンク』は、波動砲ユニットを起爆システムとして採用し既存の核兵器とは一線を画する威力をもつ。そのため長距離宙間弾として運用される兵器で、その主な目標は大型の戦艦や宇宙要塞、小惑星と言った代物だ。

 有人惑星上で使用すれば尋常ではない被害が出ることになるだろう。

 しかもそれだけの兵器でも面積あたりの破壊力は波動砲に劣るのだ。

 

『誘導して次元カタパルト内部に打ち込んで炸裂させれば、内部からの爆圧でグリトニルを解体できるかもしれん。バイドに地球が本格的に汚染されたら、最終的には核兵器と波動兵器で消毒する羽目になるから同じことだ。責任は全てこちらがとる』

 

『了解した。ではバルムンクの発射準備に入る。こちらのカウントに合わせてR戦闘機を退避させろ。バルムンクの誘導は―――』

 

『本機がやる。幸いなことに次元カタパルトは開きっぱなしだ。あそこからグリトニルの最深部に誘導できれば、内部の消毒もできるかもしれん』

 

 『エニグマ』のその言葉に強い決意を感じ取ったのか、フレイバーの艦長はもう何も言わなかった。

 

『では、エニグマに最終誘導を任せる。カウントを開始するぞ――』

 

 そして数秒後、衛星軌道上に待機する三角定規のような形状をした軍艦、ナーストレンド級ミサイル駆逐艦フレイバーより、1発の核ミサイルが発射された。

 ちょっとした戦闘機程もあるそれは、ミサイル自体に施された欺瞞システムと防御システムにより、容易く迎撃されないようにできている。

 更にそれに加え、『エニグマ』が駆るR-9ER2"UNCHAINED SILENCE(アンチェインドサイレンス)"がミサイルの護衛に付く。

 ミサイルと並走した"UNCHAINED SILENCE(アンチェインドサイレンス)"は電子及び光学的にも効果を発するジャミングシステムを起動した。グリトニルからの迎撃を防ぐためだ。

 

 同時にグリトニル付近の友軍に避難勧告を出し、自機は核ミサイル『バルムンク』を従えて落下するグリトニルの次元カタパルトを目指した。

 もう既にグリトニルは熱圏を抜けて、中間圏に到達しつつある。

 この高度では作戦が成功しても、地上に被害が出るのは間違いないが、やるしかない。

 そしてついにミサイルと共に次元カタパルトに開いた入り口に到達し、そこで『エニグマ』は驚愕に顔を歪めた。

 

 もはや思考を経由してではなく、脊髄による反射で機体を全速力で左にスライドさせる。

 次の瞬間、次元カタパルトの内部から戦艦の主砲にも匹敵する規模の黄金色の超振動波が撃ちだされ、次元カタパルト内部に撃ち込まれるはずだった核ミサイルを、誘爆すら許さず、素粒子のレベルにまで消し飛ばした。もし回避がコンマ一秒でも遅れていれば『エニグマ』も同じ末路を辿っていただろう。

 こちらのジャミングをも無効化して核ミサイルを探知し、迎撃する。

 そんなことを成し得るバイドなど、あのグリトニル内部には一体しかいない。

 

 ザブトム。

 

 やはり生きていたのだ。

 内部に突入して音沙汰無くなったR-13A "CERBERUS(ケルベロス)" 『ハウンド・ドッグ』とR-9DP3 "KENROKUEN(ケンロクエン)"『マルトー』はこいつにやられたのだろう。

 作戦の失敗を悟った『エニグマ』は全機に大気圏外への避難を命じた。

 まだ僅かばかりの猶予はあるが、ザブトムが生きている以上、積極的な妨害をしてくるのは目に見えている。最早落下を止める方法は手元にはない。

 ならば指揮官としてこの後、グリトニルが地球に着弾した時の衝撃から部下を守るのが彼の役目だった。

 

 最後に彼はグリトニルの落下地点を予測する。また軌道変更でもされたらその限りではないが、このままではあの巨大人工物はかつて中国と呼ばれていた地域、その中でもカシュガルと呼ばれる地点に墜落することになる。

 住民達の避難は間に合うまい。どんなシェルターに隠れても巨大隕石衝突に匹敵する衝撃に耐えられるものではない。

 それでも――最後にグリトニルの落下予測地点をひと目見ようとして『エニグマ』は違和感を覚えた。

 落下予測地点にあったのは――大自然でもなければ街でもない。草木一本生えない荒野に建っている全長数キロはある奇妙な構造物だった。

 そして同時にその構造物から光学兵器と思わしき無数の光が放たれ、グリトニルへと直撃する。

 ではあれは地上に配置された対空システムだろうか?だが、なぜいまさらになって起動したのだろうか?

 

 推測にしかならないが、あの威力と射程なら大気圏外にグリトニルが現れた時も充分射程距離に入っていたはずだ。

 まるでグリトニルが軌道変更して、自分達の真上に落ちてくるとわかったので、慌てて攻撃しているようにも見える。

 もっともそれでもグリトニルの外壁には焼け石に水だ。あの光学兵器は収束させればフォースレーザーにも匹敵する威力を持っているようだが、その程度ではグリトニルの外壁を破るには足りないのだ。

 

 だが、いつまでも観察してるわけにもいかない。違和感を一旦脇に置き、落着の衝撃波から逃れるため、『エニグマ』は先に行った友軍の後を追い、一瞬で大気圏外へと離脱していく。

 

 落下する隕石と対照的に、蒼いスラスターの尾を引いて空へと駆け登って行く流れ星の群れ。

 それは当然地上の人間たちも様々な方法で彼らを観測していた。

 

 

 

 ◆   ◆   ◆

 

 

 

 その戦いを観察していた横浜基地の司令部もまた混乱の極致にあった。 

 

「巨大な落下物に攻撃を仕掛けていた正体不明の飛行物体群が離脱していきます! 嘘……なにこれ……!?」

 

  正体不明の飛行物体を監視していたオペレーターが、飛行物体の余りにも常軌を逸脱した速度に混乱した声を上げる。

 それに対して素早く副司令である香月夕呼が叱責を飛ばした。

 

「報告は明確にしなさい! あんたの感想を聞きたい訳じゃないのよ!」

 

「し、失礼しました。飛行物体群、全て大気圏外へと離脱を完了。その速度は……全機、秒速100kmを超えています」

 

「秒速100kmだと!?」

 

 この言葉に反応したのはこの横浜基地の司令官であるパウル・ラダビノッドである。

 宇宙空間にある低軌道艦隊ならば燃料や加速時にかかるGを度外視すれば可能かもしれないが、そこまでの速度を出すには加速に膨大な時間がかかるはずだ。

 そんな速度を一息で出せるならば最早、光線級の狙撃すら正面から回避しかねない。

 

「どういうことだ……。やはりあれは地球の兵器ではないのか?」

 

 その独り言に彼の隣に控えていた副司令である香月夕呼が応じた。

 

「その飛行物体に関してはわかりません。……ですが、今なお落下中の巨大人工物。あれは間違いなく地球のものかと思われます」

 

「なんだと! そう言い切れる証拠はあるのかね?!」

 

 あれを地球製と断言する香月夕呼にラダビノッドは目を見開いて問い詰めた。それに対して彼女はなんでもないようにこう答えたのだった。

 

「根拠はいくつかありますが、その内の一つは落下地点にあるオリジナルハイヴが、あの落下物に対してレーザー攻撃を仕掛けていること。彼らは同士討ちをしませんので、そうなると消去法で地球のものになります。

 でももっとわかりやすい確証があるんですのよ」

 

 訳がわからないと言った表情の司令官――そしていつの間にか司令室の人間が全員自分を注目してることに気を良くして、彼女は教え子に答えを教える教師のような気持ちで答えを口にした。

 

「あれを私のコンピュータで画像処理して周りを覆ってる炎を消してみたんですけど、あの人工物の側面にデカデカと英語で『Glitnir』って書いてあるのが確認できました」

 

 まあ宇宙の公用語が英語だった場合はその限りではないですけどね。と付け加える。

 その言葉の意味を理解したラダビノッドは今度は別の意味で顔を真っ青にした。

 

「では……まさか……あれは第五計画の移民船か!?」

 

「それも違うかと。例の船は常に国連とアメリカが徹底的に監視管理しています。先ほどこちらの伝手で確認した所、船団はすべて無事。何よりもあの移民船とは大きさも形状も全く違います。ついでに言えば核兵器の飽和攻撃に耐えられるほど頑丈じゃないでしょうし」

 

「ならば……あれは、何だというのだ?」

 

「現状の所すべて不明。とりあえずあれが地上に落ちた後、改めて調べるしかありませんわ。もっともあれほどの質量が地上に激突して、その後発生するだろう衝撃波やら地殻津波やらから人類が生き延びることができれば、の話になりますが」

 

 そこでラダビノッドは気がついた。この横浜の魔女と恐れられる香月夕呼から諦観の空気が漂っていることに。

 つまるところ、これは本当にどうしようもない状況なのだ。

 

「……そうか。座して待つしかないというわけか」

 

「そういうことになりますね」

 

 沈痛な空気が司令部を包む。

 そこに司令室のドアが開いて慌てた様子の青年――白銀武が飛び込んできた。

 

「夕呼先生! 上の隕石一体どーなってるんです!? あれ、あのまま地上に落ちたらマジヤバいことになるんじゃないですか!? ねえ先生!?」

 

 突如現れて今までの空気をぶち壊しにしたその青年に対して、香月夕呼も含めた司令部の全員のじっとりした視線が突き刺さる。

 これには無神経と言われる白銀もさすがにたじろぐことになった。

 その場にいる全員を代表して香月夕呼が大きく溜息をつく。

 

「白銀……あんたってほんと空気読まないわね……」

 

「ええっと、俺なんか不味いことしましたか?」

 

「いいえ、別に何も。ただこれが人類最後の光景になるかもしれないから、しっかり目に焼き付けときなさいってことよ」

 

「……え? ちょっと待ってくださいよ!? これが人類最後ってどういうことですか?」

 

 更に混乱した自らの自称教え子に彼女は目の前の大型ディスプレイに指を向けてやる。

 それを見た白銀は流石に言葉を失った。

 

 そこに映しだされているのは今まさに、全長30kmの炎に包まれた巨大人工物が僅か数kmのオリジナルハイヴのモニュメントを押しつぶそうとしている瞬間だった。

 

 

 

 

 




後書き
何も考えずにプロットを適当にあらすじにしたせいで、まだ書いてなかった話の流れがもうあらすじでバレてたという悲劇

あと誤字脱字報告ありがとうございます

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