三ノ輪銀になって勇者となりました!   作:レフェル

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はじまり!

おかしい、朝起きていつもどおりに起きているのに。

 なんでよりもよって困ってるいる人が多いんだろう。

あ、銀の体質につられたのかな?

 

もしそうだったら悲しいというかなんというか‥‥。

道路を渡れずに困っているおばあさんをつれて行ったり、迷子の子供を家まで送り届けたり。

 犬に逃げられた人のために代わりに捕まえたり。

他にも数えきれないほどのえとせとらをしてきましたよ、えぇ。

 

まあ、そのせいで遅刻なんですがね?

 

「うおおおおおおおお! 間に合え~~~~!!」

 

わたしは走りながらそう叫んでいた。

 そんなことしても間に合うわけないのにね‥‥。

 

慌てて教室に滑りこむと‥‥。

 

「せ、セーフ?」

 

「間に合ってません」

 

おずおずと尋ねると、出席簿で頭をたたかれた。

 ああ、やっぱしそうなるよね。

 

「いったぁ!? 痛いって先生!」

 

そんな抗議も焼け石に水なわけですごすごと教室の席に着席する。

 あ~、朝から疲れた。

と、教科書教科書。

ランドセルから教科書を取り出す、わたし。

 原作なら忘れているんだろうけどね~‥‥。

それにしても小学生からやりなおしとか勘弁してほしいよなぁ‥‥。

あ。視線を感じるけど、これって鷲尾須美さんだよね。

 まあ、生真面目な子だからそうなるよね、うん。

でも、これだけはどうしようもないのさ。 ずっとつづいていく運命みたいなもんだからね。

 

「あれ、銀ちゃん。 目が悪くなったの?」

 

「ん? まあ、ちょっとね」

 

女子生徒の一人に聞かれて苦笑いしながらあいまいに答える。

そう、わたしは眼鏡をしているのだ。

 これはとある贈り物によるものだからいまのうちに制御できるようにしないといけない。

 

「起立」

 

「礼」

 

「拝」

 

と、いつもどおりの言葉。

 こんなこというのもなんですがね。

これからさき、やってゆけるか不安にもなるんだよね。

 わたしというイレギュラーがいるからなにか変化あるかもしれないからね。

 

「――――あれ」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「あれれ~?」

 

急に時が止まったように見えるけど、これはあのシーンで間違いないんだろうなぁ。

 須美は驚いているみたいだし、園子も不思議そうにしている。

さて、初陣となるわけだけど、ここはなんとかしないといけませんにゃあ。

 

「つ。まぶし!」

 

視界が光で覆いつくされていく。

 これが樹海化というものなのだろう‥‥。

そして気が付いたら周りはテレビでみたあの光景が広がっていた。

 怖いと思った、でも、逃げたくはなかった。

世界が壊れるのはすごく嫌だから、それだけはすごく嫌だから。

 

「ひゅ~‥‥。 これが樹海化ってやつか」

 

内心は恐怖を覚えつつも平静につぶやいてみた。

とりあえず、記念に撮っておこ。

 

パシャリというシャッター音を鳴らしておいた。

 


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