戸塚彩加は隠していた。   作:蒼井夕日

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ss投稿者ならわかると思いますが、ちょっとしたコメントでもすごい嬉しいですよね。

僕なんかコメント読みたすぎて一時間置きくらいにチェックしちゃうし。

ごめんなさい嘘つきました割と10分間隔くらいで確認してました。

あ、コメント待ってます!(これが言いたかった)


第11話 ホテル内デート。

聖夜。正確には24日の夜のことを指すらしいが、それは聖夜であって性夜ではない。大事なことだからもう一度言う。聖夜であって性夜ではない、と思うのだ。

 

巨大温水プールを出た後、ホテルでのディナーを済ませ、とつ母ちゃんが予約した最上階の部屋へと入室した。

 

室内に入ると、落ち着いたオレンジのライトが壁を反射しているのがすぐわかる。

 

そして設置されているベッドの数は二つ。つまり、とつ母ちゃんの策略にまんまとはめられたというわけだ。

 

室内を見渡してみれば、まず目に入るのはホテルから見渡せる千葉の夜景だ。

 

大人たちはこういう景色を眺めながらワインとか飲むのかしら。

 

これでもかというくらいにフカフカな窓側のベッドに腰を下ろし、大きなため息をつく。

 

性夜ではない、のだ。例え同じ部屋からシャワーの弾く音が聞こえても性夜ではない。

 

......正直申すと俺の心は今、超性夜ってくらい悶々としている。

 

今はシャワーを浴びている戸塚のベッドの方に視線をやると、その気持ちは一層強まってしまう。

 

クリスマスだし?デートだし?ホテルだし?俺が万が一間違いを犯しても許されるべき言い訳は揃ってるはずだ。うーんこれ完全にギルティですねぇ。

 

俺の中のエロスとタナトスが世界を滅ぼすほどの戦争を勃発していると、やがてシャワーの音が止まる。

 

そして浴室のドアが開き視線をそちらへ移すと、白いバスタオルに身を包んだ戸塚が、なんてことはなく、しっかり部屋着を身に着けた戸塚が出てくる。べっべつに期待してた訳じゃないんだからねっ!

 

「八幡、はいっていいよ」

 

「お、おう」

 

つい声が裏返ったが、俺も着替えをもって浴室へ向かう。

 

入ると、戸塚が使っていただろうシャンプーやらの匂いの強さに一瞬頭がクラっとしてしまう。

 

これは長居してはだめだ。変な気持ちになる。

 

俺の鍛え上げられた上腕二頭筋を駆使し、高速で浴室を出ると、戸塚はベッドでうつ伏せになってなにやらトランプをいじっていた。てかその体勢太ももとかすごい見えちゃうから。ほんと危ないから。

 

「あ、八幡!トランプやらない?」

 

「ん、おおいいぞ。なにやる」

 

現在の時刻は21時を回っているが、いつまで起きているのが普通なのだろうか。

 

念のため昨日はしっかり寝てきているため、徹夜の準備はできている。

 

「真実か挑戦か」

 

今となっては懐かしいその謎ゲーを口にした戸塚は、少しだけいたずらめいた表情を浮かべていた。

 

「...え、アレやるの?」

 

もうほとんどトラウマなんですけど。

 

「うん」

 

「...」

 

「あ、もしかして八幡、負けるの怖いの?」

 

にこやかとしている戸塚は自信があるのか、俺に少し挑発的な態度をとる。

 

そんな戸塚を見返してやろうと、ギャンブラー八幡としての秘めた力が発揮されてしまう。

 

「ふっふっふ、いいだろう。あの日の屈辱を今宵(こよい)晴らしてくれる!」

 

『真実か挑戦か』は、過程においては最大52人までできてしまうが、ゲームをするのは実質2人だけだ。つまり命令する人とされる人だけで成り立つのがこのゲームの特徴だ。

 

戸塚は、ベッドとベッドの間にテーブルを動かすと、その上にトランプを円形状に伏せる。

 

そしてそのテーブルを挟むようにしてお互いベッドに座ると、ゲームは開始される。

 

「「真実か挑戦か」」

 

「俺は、7だ」

 

「じゃあ10の僕が勝ちだね」

 

ギャンブラー八幡ここに敗れり。はや。

 

またもや戸塚はふふっと小悪魔な笑いを見せる。一瞬戸塚の後ろにとつ母ちゃんの影が見えた気がするが絶対に気のせい。戸塚に小悪魔の素質なんてあるはずが...

 

「真実か、挑戦か」

 

この楽しそうな表情、もう小悪魔です。

 

「...真実で」

 

「それじゃあ、質問だね。小町ちゃんとの、一番の思い出は?」

 

案外と軽い質問だなと気が抜けてしまった。小町との思い出なんて星の数ほどあるが、その中でも一番印象的な思い出は、

 

「小町が迷子になったことだな。あん時は父ちゃんが泣いて喚いてうるさかったから仕方なく俺が探しに行ったんだ。そしたら俺も知らん橋の傍で小町が(うずくま)って泣いてたんだよな」

 

「小町ちゃん、きっとすごい嬉しかったと思うよ。僕もお兄ちゃん欲しかったなあ」

 

「やめとけやめとけ、俺みたいなのがお兄ちゃんだったら妹も色々大変だからな...」

 

「そんなことないよ!」

 

「そう言ってくれるのは戸塚だけだ...うるうる。というか、なんか照れくさいから次だ次」

 

妹との思い出話とかこっぱずかしいし。ほんと何年たっても可愛いから不思議だよな。

 

その後も恙無(つつがな)くゲームは続き、戸塚の思い出話や俺のトラウマ話、好きなタイプなどを語り合った。

 

話をしているとき、話を聞いているときの戸塚の表情は心底楽しそうに見え、やっぱ来てよかったなと、小悪魔に心中で感謝する。

 

部屋に入る前にホテルのコンビニで買ったお菓子などをつまみながら時計を見やると、時刻は22時に差し掛かろうとしていた。

 

何がとは決して言わないが、まさにお盛んの時間帯だろうかと考えてしまうのはきっと聖夜のせいだ。

 

クリスマスデートってこんな感じなの?八幡わかんない。楽しいからいいよね。

 

「それじゃ僕、そろそろ本気でいくね」

 

え、手加減してたの?カード透けて見える特殊能力とか持ってるの?

 

どことなく頬が赤らんでいる気がする。そんな戸塚が引いたのはキング。おいおいまじかよ。

 

「真実か、挑戦か」

 

聞きなれたその問いかけに、決まった言葉を返す。未だ、挑戦を選んだことはない。

 

「...真実」

 

室内は先ほどよりも余程静かになった気がした。しかしそれは錯覚なのだと気づかされる。

 

心理的に、人は緊張をすると周りの音が小さく聞こえるらしい。今がその状態なのだと思う。

 

「...八幡は、やっぱり大きいほうが好き、かな」

 

それはきっと、目の前の女の子も同じなのだろう。




Q.みんなは大きいのと小さいの、どっちが好き?

「猫の話かしら。私は猫の存在そのものが好きであって外見性格で判断しないわ。そうね、しいて言うのなら丸いの、かしら」

「けぷこんけぷこん!我は幼き頃からその難題について熟考していたが、剣豪将軍ともなればやはり大きいほうが好みだ。ダブルフレイムダークマスターボール!!!メテオスラッシャアアアァァァッッ!」

「でもその前に、どのラインからを大きいというのかが議論のプライオリティだよね。しかしそうだね、ディティールに言うならソフトでノーマル、かつホワイトなものかな。それとプディングのようなタッチングが...」

彼らの心底くだらない会議を眺めるのが最近の趣味です。
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