ここは横須賀。1本の矢が放たれ、何故かF14に似た戦闘機が現れ上空へと飛び去って行った。
「た〜まや〜」
のんびりとした口調で上空を飛ぶ戦闘機を見上げている人間がいた、提督とかいう人種の人間である。
「それは花火でしょうに…」
呆れ気味で提督に話しかける和服(?)を着て弓を構えた美人。
「いや〜見事に飛ぶもんでね〜。流石は加賀さん」
「この程度、誰にでもできます」
「僕でも?」
「空母ならば、です」
「ですよね〜」
日常的な会話をしているようで、ここに居る2人は重要な事をしている。
平たく言えば新兵器のテストである。
数年前、突如として南太平洋に謎の軍勢が現れた。深海棲艦と呼ばれたそれは、次々と世界各国の軍勢を壊滅させ、ついには1部のシーレーンを断絶させてしまった。
もちろん、人間もただされるがままにしていたわけではない。艦娘と呼ばれる、軍艦を擬人化した女性(あるいは少女)を建造(というよりは召喚)し、深海棲艦に対抗した。
しかし、それでも人類はジワジワと撤退を続け、今に至る。一応、日本沿岸は平和であるため、提督がのんびりしていられるのだ。
そして、人類は一大反攻作戦を開始しようとしている。
まずは、「艦載機が弱いんだったらアニメとかからテキトーな機体を開発してしまえ!」という半ばヤケクソな発想の元、新型艦載機の開発を開始した。
上空を飛び去った戦闘機の正式名称はVF-25、またの名をメサイアという。
メサイアの性能は抜群で、現在世界各国の空母娘に搭載されているF22と模擬戦をして無敗を誇った。
発着艦訓練も終わり、提督と加賀は工廠へとメサイアを持っていく。これから本格的に量産するのだ。数が揃うまでまだまだ時間はかかりそうだが…
「これからはこっちのターンだZEEEEE!」
提督は手を振り上げてそう叫んだ。
* * *
「加賀さん、お疲れ様です。一緒にメシでもどうですか?」
「赤城さんと食べるので遠慮しておきます」
「あら〜、フられちった」
提督は同じタイミングで食べに行くのが気まずいとでも思ったのか、書類の整理をしてから昼食を食べることにした。
「ふ〜、早くYF-30を作らないと…」
そう呟きながら、提督はメサイアに関してのレポートを書く。
「速度、旋回性能、上昇力の全てにおいてラプターに勝る性能を持つ…っとこれでいいかね、相変わらずの語彙力…」
ドアがノックされ、大和が部屋に入ってきた。
「提督、1つ質問が」
「うい何〜?」
「あの〜、空母の艦載機以外にも新兵器はないんでしょうか?」
「例えば?」
「例えば…波動砲とか!」
大和は目を輝かせながらそう答えた。
「無茶言いなさんな」
「空母ばっかりズルいですよ〜」
「ダダこねないでよ〜、悲しいことに時代は航空機なのサ」
時に、午後1時である。
「じゃ、僕はここで。メシ食いに行く」
こんな日常が続けばいいと思いながら食堂に向かう提督であった。