ルーンファクトリー3 シアレンスのマーメイド 作:アセンブル
あれから数日が経った。まず、村長のウェルズと金色のモコモコについて一悶着あった。
「村にモンスターを置いてはおけない。もし観光客や住民から怪我人でも出たらどうする」と至極真っ当なことを言ってこの子をシアレンスの村に置いておくことに反対した。でもその時おかみさん-しののめ-はペルシャをかばうようにこう言った。
「そんなこと起こさせまへん。万が一モンスターはんが暴れはってもペルちゃんが責任を持って始末します。それに…いざという時は私が斬ります」
その時のしののめの目はとても悍(おぞ)ましいものだった。というのもおかみさんは武術の心得があり双剣と手裏剣を使いこなす戦闘のプロと言っても過言ではないほどの実力者だった。
シアレンスの村はモンスターの棲む場所から近いこともあり戦える者は多いが、しののめと肩を並べられるほどの実力者は雑貨屋の店主の斧使いのヘーゼルくらいだ。
そのため、しののめの説得力は凄まじくウェルズも「こやつが目を覚ますまでは許そう」と許可してくれた。
あまりにも傷がひどかったのもあり、シアに治療魔法を頼んだものの完治までは至らずマージョリーに治療を頼んだ。村長のウェルズにバレないようにとマージョリーは避けていたのだがこの際仕方がなかった。
案の定ウェルズに伝わり先ほどの一悶着が起こってしまったが、幸いこの子の身体の傷はほぼ完治していた。
ただ、目を覚まさない。
「なかなか目を覚まさんなあこの子」
もう夜も遅く就寝の準備に取り掛かかっていたさくやが看病してるペルシャに声をかけた。
「もう傷は治ったからそろそろ目を覚ますはずなんだけどね…」
ペルシャはモコモコの頭を撫でつつ少し不安げに答えた。
「大丈夫やって!長くてもあと数日経てば元気に走り回れるくらいに元気になってるて」
「ううん、それもあるけどね…」
首を振り、少し間を開けて言葉を紡いだ。
「もしこの子の目が覚めて突然暴れ出したりしたらちゃんとはじまりの森に送り返せるのかなって…」
そう話しているうちに後ろからさくやに抱きしめられた。
「大丈夫やて、モンスターだって助けてもらった恩を感じないわけがないやん。万が一暴れ回るなんて恩知らずなことしたらうちが炎の魔法で燃やしたるわ」
彼女なら本当にやりかねないな、と思いつつも頼もしい言葉に救われた気持ちになる。
「ありがとう、さくちゃん。でも、燃やしたら金のモコ毛回収できないんじゃない?」
「あかん!?そうやった、それは困るなぁ…。でも、燃やす前に刈れば大丈夫や!きっと高く売れるで…!」
抱きしめてた状態から瞬時にいつものそろばん持って舌をぺろりと横に出す友人に苦笑しつつ眠り続けているモコモコを見る。
「早く元気になってね」
そう言ってペルシャも就寝準備を始めた。
その翌朝、まだみんなが寝静まっている頃、モンスターの体が光に包まれた。
光は大きくなり、光が収まった頃にはそこにモンスターの姿はなかった。
代わりに髪が黄金色に輝く青年が横たわっていた。
「…?ここは…どこだ?」
目を覚ました青年は辺りを見回してみるが当然心当たりはない。
「一体ここはどこなんだろう…とりあえず外に出てみよう」
青年はここがどこなのかを確認するために部屋を抜け出して旅館の外へ出たのだった。
「…?なにか物音がしたような気がするけどなんだろう…?…あ、もしかしたら目が覚めたのかも…!」
物音で目が覚めたペルシャは眠気を吹き飛ばしてモンスターの元へ行こうとするが
「あ、万が一の時のために装備しておいた方がいいのかな…」
もしあのモコモコが暴れてたら自分の手ではじまりの森に返さなければいけない。
しののめと約束したこともあり愛用のデカッシュ(まぐろの姿を模った両手剣)を装備して万が一の時にでも対応できるようにしてからモコモコが寝ている部屋に行く。
しかし、そこにモコモコの姿はなかった。
「やっぱり目が覚めたんだ…!でもどこに行ったんだろう…。まさか外で暴れ回ってるんじゃ…!?」
ペルシャは急いで旅館の外に駆け出した。
外に出ると不思議そうに辺りを見回している黄金色に輝く髪をした青年がいた。
この辺りでは見ない顔だったが、今はそれどころではない。
「あの!この辺りで金色のモコモコ見かけませんでしたか?」
なにか手がかりがないかその青年に尋ねる。
青年は突然声をかけられてびくっと肩を震わせペルシャの方へと振り返る。
「えっ…!?金色の…モコモコ?」
少年はしばし考えこみ
「モコモコがなにかはわかりませんけど、それらしきものは見ませんでしたよ」
と親切に答える。
「そう、ですか…」
少し落ち込んだがすぐに気を取り直して
「ありがとうございます!もし金色のモコモコ見かけたらここの旅館の人に教えてください!あ、あとお風呂屋さんやってるのでぜひ浸かりに来てくださいね!」
そう口早に言ってペルシャは青年のもとを去り、金色のモコモコを探しに駆けて行った。
「あっ、ここがどこか聞きそびれちゃったな…」
目が覚めて建物から飛び出したはいいものの、外の景色に見覚えはない。
ましてや、その前の記憶も思い出せない。
覚えていることはただ一つ。
「-マイス-僕の名前のみ、か。」
これからどうしようかと少し悩んだ結果、とりあえず村の中を見て回ることにした。
もしかしたらなにか思い出すかもしれない、そんな淡い期待を込めて青年は大樹の見える方角へ歩きだした。
シアレンスって村で合ってるのかな…?(苦笑)
お久しぶりです、アセンブルです。
小説の書き方、みたいな本を読んでお試しに書いてみた小説をハーメルンに載せたところ意外と続きを待ってくれてる人がいるみたいでびっくりしました(笑)
これからも亀の歩みのようなのんびり投稿になるとは思いますが、温かい目で見守ってもらえればと思います。
そして2話になってもゲームだとチュートリアルすら始まってない状態、先が長そうですね(遠い目)
拙い文章で申し訳ないですが、次回も読んでもらえるとありがたいです。
(ペルシャってもうちょっと天然な子だった気がするけど、気にしない。)