ルーンファクトリー3 シアレンスのマーメイド   作:アセンブル

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第3話 挨拶回り

あれから色々なことがあった。

 

金色のモンスターを探していたピンクの髪の女性と別れてから大樹を目指した自分は、そこでとある女性に出会った。

 

花を模した髪飾りに花嫁を思わせるベールのようなものを身につけた女性。

 

セミロングに切り揃えたオレンジの髪をなびかせ、道行く男性がつい振り返るほどの端正な顔立ち。

 

大樹の圧倒的存在感を前に呆然としていた自分に彼女は声をかけ、行く当てがない自分を大樹に住まわせてくれることになった。

 

大樹に住む、という表現に首をかしげる人もいるだろう。

 

自分もこの大樹が家であると聞いたときには耳を疑ったものだ。

 

中は意外としっかりした部屋になっており、1人で住むぶんには十分すぎる広さである。

 

自分みたいな見ず知らずの人間を大樹に住まわせていいのかと彼女に問いかけると

 

「困ってる人を見過ごすことはできません。それに私、村長の孫娘なのでおじいちゃんに頼めばこれくらい朝飯前です♪私と妹のモニカには甘々ですから」

 

おじいさんが孫娘に甘いことをうまく利用する狡猾さが垣間見えた気はしたが聞かなかったことにした。

 

彼女と話していく中で僕が名前以外記憶喪失だったこともあり、彼女の厚意におとなしく甘えることにした。

 

この日から僕-マイス-はシアレンスの住人となったのだった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「この村に引っ越してきたということは、村の皆さんに挨拶しなければいけませんね」

 

大樹の家の前に設置されたポストに投函された一通の手紙を受け取り、差出人のいる花屋さんに向かった自分は、彼女-シア-から開口一番にそう言われた。

 

この彼女こそ大樹の家を譲ってくれた張本人。

 

さらに大樹の下にある畑の耕し方から野菜、花の育て方も教えてくれたあまりにも親切すぎる彼女は、このようなことまで気にかけてくれる。

 

シアレンスは小さな村ということもあり、村の住民同士の関わりも親密なようで、引っ越しの挨拶はとても大事なようだ。

 

シアさんに「引っ越しの挨拶をしてきてください」と頼まれた以上挨拶をしていくしかない。

 

こうして僕は色々なお店を回って個性豊かな住人に挨拶をしていった。

 

おっとりとしたシアさんに嚙みつこうとしてくるシアさんの妹とその祖父でもあり村長のウェルズの3人で営む花屋、

 

無口な女性トゥーナと商売のことは任せてただひたすら武器を作るドワーフのガジが営む鍛冶屋、

 

めんどくさがりでボソッと本音を漏らす女性カリンとその娘に手を焼く母親のヘーゼルが営む雑貨屋、

 

「レインボー!」が口癖のエルフの芸術家ダリア、

 

妹想いのカルロスと小麦色に焼けた活発な女性イオンが営む釣堀、

 

異常もないのに大きな注射を構えて刺そうとしてくる女性マリオンとその祖母であり魔女と呼ばれた女性マージョリーが営む病院、

 

思ったことと反対の発言をする女性ソフィアと独特な反対言葉を使う父ドンチャコスと奇抜なファッションデザインをする姉エリザ3人で住んでいる豪邸、

 

大食いで少女のような幼い見た目に反して主人公より年上の女性ショコラ、食べ物の好き嫌いの激しい弟ラスク、料理人グルテンの家族3人で営む飲食店。

 

そして最後となる旅館の前まで来た。

 

「ふぅ、ここで最後か」

 

そういえばピンクの髪の女性と出会ったところもこの辺だったな、と思いつつ旅館に入る。

 

「おいでやす、ようこそ旅館『都』へ」

 

旅館に足を踏み入れると旅館のカウンターから長い黒髪に白い頭巾のような布を被り、着物を動きやすいようにカットしたような服装を身につけた女将らしき女性が声をかけた。

 

カウンターに行くと「あいにくお部屋は埋まってはりますけど、お風呂なら空いてますえ。どないしはります?」と聞かれたが引っ越しの挨拶に来たと説明する。

 

「あれま、堪忍しとくれやすな。うちはしののめ言います。今後ともよろしゅう」

 

「シアレンスの大樹の家に住ませてもらうことになりました、マイスっていいます。よろしくお願いします」

 

お互い挨拶を終えたあとに「他にも2人の女の子がおりましてな」とまず奥の部屋から1人呼び出す。

 

すると鞠のような髪飾りを左右対称につけた着物(といってもしののめさんと同じように動きやすいようにしている)の女性が出てくる。

 

「新しい住人さん?うち、さくやっていうねん。もし儲け話あったら教えてな」

 

と突如そろばんを出して目をキラキラ輝かせながら言う。

 

いかにも和風美人といった大和撫子を思わせる風体であったが、たくましい商売魂に思わず苦笑してしまう。

 

こちらも挨拶を済ませると一人の女性が女湯の暖簾(のれん)がかかった脱衣所から出てくる。

 

「あれあれ?もしかしてお客さん!ようこそ露天風呂『ごくらく』へ!」

 

その女性は僕がこの村で初めて出会った人だった。

 

「きみは、昨日の…!」

 

うまく言葉が繋げられなかったけど、彼女は少し悩んだあと察してくれた。

 

「うーんと…あっ!もしかして昨日旅館の前で声かけた人かな?」

 

「そう!で、金色のモコモコは見つかったの?」

 

そう質問すると少し悲しげに目を伏せたが、すぐに笑顔を取り戻し

 

「ううん、いっぱい探したけど見つからなかった!でも、見つからないってことはきっと元気になって故郷に帰ったってことだと思うから大丈夫!」

 

気丈に振る舞う彼女に対してさくやは

 

「ペルちゃんえらいな、見つからない見つからないって昨日はあんなに涙で枕濡らしてたのに」

 

「ちょっとさくちゃん!わたし泣いてないし誇張表現にもほどがあるよ!」

 

頰を膨らまして怒る彼女につい笑ってしまう。するとそれに気づいた彼女は

 

「あー!笑ってる!?もう…!」

 

とさらに頰を膨らます、かわいい。

 

「はいはい2人とも、わざわざ挨拶に来てくれはったのに困らしたらあきまへんえ。マイスはん、今日はおおきにな。」

 

と、しののめさんが2人を抑えて締めに入る。

 

すると突如ペルシャが

 

「あ、そうだ!帰る前にお風呂入っていきなよ!気持ちいいよ〜」

 

と、有無を言わせぬ満面の笑みで言う。

 

なんだろう、この圧力…

 

抗えない、この笑顔。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

しっかり300ゴールド回収されて湯船に浸かる。

 

ちなみにシアさんから支給されたのは500ゴールド、現在所持金200ゴールドと軽く頭を抱えるが気にしないことにする。

 

湯船に浸かって今日あったことを思い出す。

 

「色々な人がいたなあ…変わった人もいるけどみんないい人そうで安心した」

 

露天風呂ということで綺麗な月がよく見える。

 

身体の疲れが汚れとともに取り払われていく感覚に心地よさを覚えついつい長風呂をしてしまったのだった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「お風呂気持ちよかったです」

 

長風呂から出た自分はカウンターに座る彼女に声をかける。

 

「でしょー!自慢の露天風呂なんだ♪」

 

と胸を張る彼女。

 

「だから、毎日来てね!」

 

「…!?…うん、また来るよ」

 

またも抗えないこの笑顔の前になすすべも無くただ頷くしかなかったのだった…

 

「あ、ところで…名前なんだっけ?」

 

「あっ」

 

お互いにちゃんと自己紹介してなかったことに今さら気づいた2人だった。

 




ペルシャ、前話とキャラ違くね?って言われるのがこわい。

どうも、アセンブルです。感想コメントに「早くて今週中にupできるかも…!」と言いつつ2週間ちょっとも待たせちゃいました、ごめんなさい。

まあ前回の投稿から2ヶ月近く経ってるんですが…(-。-*)ボソッ

バイトやらなんやらで色々バタバタしてたのと、本を読むので忙しかったです(おい)

あと、だいたい1日でやっつけ仕事みたいな感じで書き上げてしまうことが多いのですが今回は4日に分けて書いたりとなかなかに難産でした…

こうして3話まで続いているのも応援コメントをくれた方々のおかげです、ありがとうございます。

次回はどんな話にするかはゲームを進めつつ考えます、ネタがなければもうプリベラの森に行っちゃうかもしれません。

毎回自分の文章の拙さにくじけそうになりますがなんとか完結まで走り抜きたいと思いますので温かく見守っていただけると嬉しいです。
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