Fate/brave & courage   作:ugis

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ごめんなさい。
競技プログラミングしてたので3日間間隔投稿を乱してしまいました。(楽しいので仕方ない)
@drken1215さんのQiita記事を見ながらだとすぐにコンテストに出られるくらいになりますよ!パソコンから見てる方がいたら是非触ってみてほしい。


幕間:約束

   聖杯戦争が開始する、およそ1月前。もう一人のマスターの物語。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 紫の少女は血を求める。

生きたまま首を折り、腹を裂く。ハラワタを抉り出してそのまま釜に放り込む。爪は砕いて粉にして、羽は綺麗に一枚一枚剥いでいく。肉は餌に、瞳は触媒用に漬けておく。

生贄を余すことなく使い切る。それが彼女の流儀だった。

 灯りは祭壇に揺れる炎だけ。光の届かぬ壁際には闇が張り付き、底からは冷気が這い上がる。

しかし、この家の主はそんなものは存在しないも同然なのか。

にただひたすら精密に、赤いインクで模様を描く。消去の中に退去、退去の陣を四つ刻んで召喚の陣で囲む。

 祭壇の両脇には魔力を高めるお香が焚かれ、彼女の波も最高潮。

中心にそこだけが異界であるかのように、赤く艶めく"聖骸布"。

外界から決して目の届かぬ地下室に、今これから神秘を映す。

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公」

召喚陣が淡く輝き、魔術が起動したことが知らされる。

「降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

集中するためか、彼女は瞳を閉じて呪文を続ける。

 「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。(みたせ。みたせ。みたせ。みたせ。みたせ。)繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」

少女は苦悶に顔を歪めたか。

 「――――告げる」

実体のない風が吹く。

 「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

吹き荒れる風にただ一つの灯りはかき消され、お香はただの埃と化していた。しかし――――

 「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。」

新たな明かりは一層明るく、光のない祭壇を照らしている。

 「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

空間が明滅する。

「っ―――」

漏れた声は一体どちらのものだったか。

「サーヴァント、アーチャー。選定の声に応じ参上した。君が、私のマスターか?」

 

 

 

少女と男はリビングのテーブルに向かい合って座っていた。

前は目元にかかるほど、後ろは腰の上あたりまで伸びた黒髪。

水晶のように透き通る白い肌に青みのかかった紫の衣装。

すらり、と荘重に伸びた長身はさながら高貴な花よう。

対するは、褐色の肌に、短く揃った白い髪。

不遜に構えた、がっしりとした長身に赤い外套を羽織ったサーヴァント。

事情を知らなければ、男の方が家の主に見えるだろう。

「確認だけど、あなたが私のサーヴァント。アーチャーで間違いない?」

紫の花は真っ直ぐに、対面の瞳を見据えて口を開く。

「ああ、私はアーチャーだ。だが」

赤い騎士は視線だけを合わせて続ける。

「私はまだ、君のサーヴァントになったつもりは無い」

それは、不遜というよりは横暴だった。

呼び出しには応じたくせに、気に入る仕事で無いなら帰るとこの男は言っている。

「そんな顔をするな、せっかくの肌が台無しだ」

冗談めかして言われた台詞に少女はムッとして。

はぁー、と一呼吸を置いて、表情を戻した。

「それで、どうすれば私をマスターだと認めてくれる?」

返答を待つように、もう一度赤い騎士を強く見つめる。

「君が、私が仕えるに足る人間であるかどうかを見せてほしい」

今までの態度とは裏腹に、きっちりと少女に向き合う。

「まず、君に願いを聞かせてもらいたい」

少女は騎士の言葉に少し逡巡した素振りを見せて、ゆっくりと口を開いた。

 

 

 

 

「いいだろう。君を私のマスターとして認めよう」

語り終えた少女は赤い紅茶を味わいながら騎士の言葉を聞いていた。

紅茶は騎士がなぜ願うのかと聞いてきた時、お茶でも飲みながら聞こう。ポットはあるか、と言って騎士が淹れたものだ。彼なりに彼女に気を使ったのだろう。

「じゃあ今度は貴方の願いを聞かせてもらいましょうか。」

少女の顔を晴れやかだ。そこにいたずらな笑みを浮かべている。が、しかし。

「期待しているところに悪いが、私に聖杯に託す望みは無い。つまらない男だと思ってくれ」

騎士の返答は、少女に期待を木っ端微塵に打ち砕くものだった。

「え、じゃあ、願いも無いのに出てきたの?」

「餌もないのに寄ってきた犬みたいに言うのはやめろ。呼ばれたのなら相手が悪人でなければ手を貸すさ」

赤い騎士はバツが悪そうに紅茶をすすっている。

「フフ」

「なんだ。別に笑うほどのことでもないだろう」

少女は笑う。きっと、この人は根は良い人そうだとでも思ったのだろう。

「ともかく。これからよろしく頼むぞ、マスター―――っと大事なことを忘れていたな」

少女が何を、という前に赤い騎士は真面目な顔でこう言った。

「名前だよ。私たちはお互いの名前を知らないだろう」

言ってしまえば行きずりの関係。人一人の人生から考えればほんの刹那の間だけの関係なのに。

当たり前のことだろうと、名前を交換しようと言っている。

それが、少女に何をもたらしたのか、尊いものを見たように呆気にとられて。

私は貴方のことを知っているとは言えないようだった。

「アーチャーのサーヴァント。エミヤだ。改めてよろしく頼む」

「橘 快依(ケイ)よ。よろしく。アーチャー」

互いが互いの名を告げる。

「君に、勝利を約束しよう」

「後悔させないでよね。アーチャー」

 

 

此処に契約は完了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




時々ほかマスターサイドの話も入れていく予定です。
台詞を間隔空けずに書いたのですがどっちが読みやすいですかね?
要望があれば見やすいように変えますので意見をください
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