シンフォギアにオリーシュをぶち込んで最低系小説にする   作:逆に天才

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 シンフォギア事後物販を買ったので初投稿です

-推奨BGM-

人畜(化物語)


奏!奏!奏!奏うぅぅぅわあああああああああああああ!!!

 気がつくと私は白い空間に浮かんでいた。そこには何もなく暑さも寒さも感じず水に浮いているような感覚だった。

 なぜ私はこんな所にいるのか、ここに来る前のことを思い出す。そうすると、何もない空間に様々な風景がぼんやりと浮かび上がる。それは映画のフィルムのようにぎこちないながらもしっかりと動いていた。それが真っ白い空間にいくつか浮かんでおり思い思いに動いていた。

 そのうちの一つが目に入る。それはどこか大きなアリーナで自分が歌っている風景だった。

 

(ああそうか。あたしあの時思いっきり歌を…)

 

 自らが絶唱しようとしたときの景色が蘇る。あの時自分の死を覚悟していた、しかし、実際は銀色の流星が堕ち、憎きあのノイズ共をバッタバッタとなぎ倒していったのだ。その光景に対し僅かな興奮と多大なる憎悪を抱いた。自らが命を削りながら手にした奴らを殺す力をなぜあんな軽薄そうな男が手にしているのか。戦場でなぜあのように振る舞えるのか。一切理解が及ばなかった。

 

(まあいいか。あたしはどうせ死んだんだ。今更気にすることもないか)

 

 気になることといえば翼のことと、あの少女のことだ。翼は彼女自信は気づいていないがとても強い子だ。たとえ自分がいなくとも立派な防人へと成長するだろう。

 あの少女は大丈夫だろうか。胸から大量に出血しておりたとえ助かったとしても長時間のリハビリが必要になるだろう。さらに、少女の柔肌に傷が残ることを考えると申し訳なくなる。

 そんなことを考えながらゆらりと漂っていると空間に黒い点がぽつんと不自然にあることに気づく。その穴は最初意識の端に掠めるかどうかの大きさだったが、時間を経るごとにだんだんと大きくなっていった。

 感じるはずのない寒気が背筋を走るのを感じる。知らず知らずのうちに呼吸を忘れそれを見つめる。一瞬ゴポリと蠢いたかと思うと、突然津波が押し寄せるかのような勢いで白い空間を塗りつぶしていく。

 思わずといった感じで反射的に目を閉じてしまう。恐る恐る目を開くとそこは映画館の劇場のような場所であり、気づくといつの間にか椅子に座っていた。

 その事実にしばし呆然としていると後ろの方でカラカラと何かが回る音がする、そうすると劇場前方にあったスクリーンに何か映像が映し出されていくではないか。何者かの思惑かは計り知ることはできないが、ここで自分が何かできるかと問われると何も答えることができないので大人しくその映像を見ることにした。

 その映像は幸せな家族を映し出しているホームムービーのようなものだった。ものだったというのは、カメラの位置がやけに低くまた、その映像は荒く鮮明さに掛けていたからだ。

 しばらく眺めているとふと違和感に気づく。顔が映らないのだ。これはカメラマンの顔映らないという意味ではないのはもちろんだが、他の人物の顔も写ってないのだ。何故と思い映像に集中するとその意味がわかった。顔が写っていないのではない、自らが無意識的に忌避していたのだ。

 顔は写っていた。いや、正確に述べるのならば顔の部分は写っていた、だ。そこは全員が全員綺麗に剃り落とされたかのようになっており、断面図は黒い何かが覗いているだけだった。瞬時に生理的な嫌悪感が湧き上がる。胃の中身などないはずなのに中身をすべて吐き出しそうになってしまう。

 吐き気に苦しんでいる内に映像は加速していく。

 燃える都市の中で人間の腕だったものを持ち立ち尽くす風景。優しそうな女性に連れられ、何かの施設の前に佇む風景。桃色とブラウンの髪色をした少女たちと、黒髪と金髪の寄り添う少女たち。爆炎に包まれる景色、落ちる瓦礫、消える少女。そして、ちぎれた左腕。

 景色はさらに変わる。白髪の男装の麗人と、大胆に胸部をさらけ出している水色の髪の乙女。カエルの人形をその腕に抱く少女。景色はさらに変わる。

 

(あたしにこんなものを見せて一体どうしたいんだよ!?)

 

 気がつくと映像は見覚えのある場所が映っていた。そう、ツヴァイウィングがライブを行ったアリーナである。まるで早送りのビデオを見せられているかのような映像はナリを潜め、実写と見紛うほどに美しい景色が映っていた。

 そして、そこの三人の少女が映り込む。青髪と茶髪の少女はあいも変わらず顔がそり落とされていたが、ただ一人天羽奏だけは違った。彼女だけは顔があり、人間だということが理解できた。

 

(何故、あたしだけ顔があるんだ! 何故あたしなんだ!)

 

 スクリーンが少しずつ燃えていく。それと同時に建物自体も燃えているようだ。ただ単に椅子に座っているだけなのにいくら身体を揺らしても抜け出せそうにない。火がみるみる近づいており、肌がチリチリと燃えていく感覚が焦燥感をさらに煽る。

 もはやこれまでと覚悟を決めた時すでに焼け落ちたスクリーンの奥で誰かが俯いているのが見えた。不思議なことにその誰かだけは距離があるがはっきりと視認することができた。そいつがゆっくりと顔をあげる。その顔を視線に捉えた時思わず息を呑んだ。

 そいつの顔は俗に言うのっぺらぼうというやつで、弧を描いた真っ赤な口だけが不気味にぽつんと存在していた。そして、そいつはこちらを見て確かに嘲笑っているのだということを何故か理解することができてしまった。

 ゆっくりと体が焼かれていく。熱さは感じない。しかし、倦怠感が徐々に増し眠気が脳を少しずつ支配していった。

 そして意識が落ちる瞬間奴が口にした言葉を耳にした。やつは最後に「みつけた」と言った。

 

 

 ゆっくりと意識が浮上していく。目を開くとそこは清潔感に溢れた天井が目に映る。何故ここにいるのだろうか。とりあえず誰か人を喚ぶため体を起こそうとするが、少し身じろぎしただけで全身に激痛が走ったのでそれを諦めることにした。

 ならば周りの状況だけでも確認しようと顔を動かす。左、異常なし。強いていえば大きな窓があることと、恐らく一人部屋に入院しているということが分かるぐらいだ。右、見知らぬ男がベッドにより掛かるように寝ている。異常あり。

 前髪から中ほどまでは黒髪だが、そこから頭の頂点までは白髪で、何故か左手だけ手袋をしていた。右手はどこにあるのかと思い探そうとした時その男が身じろぎをしたあと目を覚ました。

 

「あれ? もしかして意識が戻りました? え!?早すぎでは、僕の予想だと後一週間はかかるはずだったのに」

 

 その男は突然頓珍漢なことを叫ぶとブツブツと独り言を言い始めてしまった。その男の顔をジッと見つめる。顔立ちこそ悪くないもののいまいちパッとしない。中の中ぐらいの顔立ちといってしまえる顔であった。

 そういえば右手は、そう思い彼の右肩からゆっくりとたどっていく。彼の右手はベッドの上を経由しそして今まさに自分が掛けている布団の中に潜り込んでいた。そして、手の位置を予測するにあたり、彼の手は今恐らく自分の胸部に…。

 顔が真っ赤になっていくのがなんとなく分かる。ゆっくりとヤツの方へ顔を向けるとキョトンとした顔をしていた。何かに気づいたらしく軽く顔を傾げ唸る。

 すると、ようやくナニカに気づいたらしい。

 

「なかなかご立派なものをおも、ブゲラッ!」

 

 気づくと私は奴の顔に全力で拳を突き出していた。防御も回避もできなかったのだろう、間抜けな声を出しながら吹き飛びそのままピクリとも動かなくなった。

 廊下から複数人の足音が聞こえる。果たしてこの状態をどうやって説明したものか。そんなことを体中からアピールしている痛みを無視し考えた。

 

 

 僕の錬金術師としての能力はあまり高くはない。錬金術師にとって大切なものは才能と、費やした時間だ。この2つがあればこそ錬金術師として大成することができる。しかしながら僕の場合は2つとももっていない、そのため現代の科学で再現することができるレベルの術しか行使できない。そのため色々工夫をしなければならないのだ。

 故に、人間の中心部にあり血液を送り出す器官心臓に手を当て術を行使することは何ら不思議な事ではない。

 

「だからあの茶髪の女の子に対しても同じことをしたんですよ。だから僕は無実です」

 

「なるほど、だいたいわかったメルクリウス。では、その頸を切り落としてやろう」

 

「全然わかってないじゃないですか! 不可抗力、不可抗力!」

 

「そうだぞ翼、そんな物騒なこと言っちゃだめだ」

 

「ああ、やっぱり僕の愛おしい人は天使だ! ありがとうございます」

 

「そういうやつは縛り首が一番お似合いだ」

 

「確かにそうね、奏の言う通りにするわ」

 

「ちょっと、全然だめじゃないですか! 僕は無罪です、無罪!」

 

 簀巻きにされ床に横たわっているメルクリウスに対して過激な処罰を提案する少女達。その顔には笑みが浮かんでおり、本気ではなく彼をからかうために言っているのだということがわかる。

 それを見つめる人影が3つ。一つは赤いカッターシャツにピンクのネクタイをした男。2つ目は髪型をアップにしたメガネと白衣を来た研究者。そして、茶髪のスーツの優男。

 

「翼さん、そこまでにしといてください。面会時間も迫っていますので」

 

「ム、すみません緒川さん。メルクリウス、折檻はまた後でだ」

 

「できれば褒めてもらいたいんですけどだめですか。あっ、僕の名前はメルクリウスと言います。どうぞよろしく緒川さん」

 

「緒川慎次です、よろしくおねがいします」

 

 そう言ってニッコリと笑う。彼の名前は緒川慎次という名前らしい。そして、風鳴翼に対して提言をしていたところからお付きかなにかだろうか。これで特異災害対策機動部二課の主な面々の顔と名前が一致した。

 

(あとでサンジェルマンに連絡しないとな。だが、監視の目は厳しいしどうするか)

 

 僕が風鳴翼に足蹴にされながらそんなことを考えていると、風鳴弦十郎の端末に連絡が入る。彼は断りを入れ廊下に出て端末の先の誰かと会話をしているようだ。

 

「で、あんたはどうやって怪我を直したんだ? え~と、メルクリウス?」

 

「ええその名前であっています奏さん。本来なら錬金術を使って悪いところを全部完治! みたいなことができる人もいるんですが、僕が未熟なのと奏さんの体調のことを気遣って起き上がれるぐらいにしました」

 

 そんな折に、僕の愛おしい人がそんな質問を投げかけてきた。その質問にどう答えようか考える。しかし、どのような答えだろうが彼女の心に少なくない衝撃を与えてしまうだろ。さらに、彼女の主治医でもなんでもない僕がどこまで答えていいのか。

 ちらりと櫻井了子の方を盗み見る。それに気づいた彼女はため息を吐くと僕の方を睨みつけてくる。僕はにへらと笑う。正直、僕よりも遥かに彼女の方が天羽奏の体調に詳しいのだ。意図的かそうでないにしろ彼女をモルモットのように扱っていたのだ。ならば、詳しいデータを録っているに決っている。そして、どれほどまでのことなら天羽奏にショックを与えないかを熟知しているはずである。

 

「奏ちゃん、あなたわかっていないかもしれないけれどあなたの体はボロボロなの。メルクリウス君の錬金術で体を治すことは可能かもしれないわ。けど、その際にどのような結果になるかは検討もついてないの。だから今のところは錬金術で大きな怪我だけを直してあとは現代の医術を使用して治療に当たることに決めたのよ」

 

「了子さん、あたしはそれじゃ困るんだ! たとえどんな事になっても!」

「それで、二度と戦えなくなってもですか?」

 

 櫻井了子の回答に対して突っかかる天羽奏に対して横槍を入れる。僕の言い方か答えが癪に障ったのかものすごい形相で睨みつけてきた。ノイズに対して狂的なまでに殺意を抱いている彼女だが、頭の出来は悪くないためリスクとメリットを天秤にかけ正しい選択をすることができるだろう。

 僕の予想通り、彼女は一瞬だけ顔に怒りを浮かべたもののすぐに落ち着いた。感情は納得していないのだろう。しかし、理屈の上では筋が通っているので彼女も冷静にならざるを得ないのである。

 そのまま彼女はふて寝してしまった。そんな彼女を見てオロオロとしている風鳴翼が小動物のようで少し笑ってしまった。

 

「何がおかしいメルクリウス!」

 

「いやいや、おかしくて笑ったわけではなくて。その、可愛らしいなと思ってしまって」

 

 それを聞きまた頸を落とすと言い始める風鳴翼を必死になだめる。少しからかわれただけでこんなに激昂するとは彼女の日常生活が危ぶまれる。

 そんなじゃれ合いをしていると風鳴弦十郎が廊下から戻ってきた。その顔は険しく、ただならぬ事態が起こっていることが予想できた。

 

「今から十分ほど前、行方をくらませていた雪音クリスが確認された。彼女の失踪状況から何らかの異端技術が使われている可能性を吟味し我々にお鉢が回ってきた」

 

「どういうことですか司令。我々特異災害対策機動部はノイズに対しての活動が主なはずだったはずです」

 

「たしかにそうだ、だが、先日の実験の失敗を重く見た上層部が我々の能力を疑い始めたらしい。このままでは突起物自体が解散の危機にある。すまん翼、俺の能力不足だ」

 

「ですが叔父様!」

 

「それ、僕がいくのはだめですか?」

 

 彼らの言い争いは放って置くといつまでも続きそうなのでまた横槍を入れさせてもらう。二人の表情は驚愕に染まり、こちらを見つめてくる。名字からなんとなく察していたがやはり親戚というものは細かな仕草が似るらしい。二人共そっくりだ。

 

「いいのか、メルクリウス君。君の立場は…」

 

「僕の立場なら気にしないでください。それに、早急に僕の有能性を示し少しでも待遇を良くしたいので」

 

 僕はそういいながら立ち上がる。無論簀巻きのままでは格好がつかないので縄抜けをしてからだ。

 さて、異端技術が使われている可能性が高いと聞いたがまあチンケな組織が誘拐したと当たりを付けているのであまり心配はない。僕は鼻歌を歌いながら病室から出ていった。

 




 多分次話はもっと遅れます。新人賞のために小説を書くので。
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