彼らの青春には確かに夕日があった   作:桶狭間

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土日に投稿しようと思っていたのですが、3日も遅れてしまいました。

前回に比べたら、文字数少ないです……。


1話「始まる高校生活」

 この日、俺の運命は変わった。

 

  いや、元からこうなると決まっていたのかもしれない。

 

 だけど一つ言わせてくれ。

 

「「なんでこんな奴と!」」

 

 嫌なことに、美竹蘭とハモってしまう。

 

「美竹さん、それって本当ですか⁉︎冗談でも笑えませんよ!」

「もちろん本気だよ、和人君」

「父さん、今すぐ考え直して!こんなのと結婚なんて吐き気がする!」

「ちょっ、言い方を考えろ!それでも華道の跡取りか⁉︎」

 

 俺が美竹の口汚さに文句を言う。

 

「そんな事言われてもな、既に決まったことだが」

「なら、俺が親父に聞くまで!……もしもし、親父か!」

 

 素早くスマホを取り出して、この縁談の首謀者であろう父親に電話をかける。その背景で美竹親子も何やら言い合っている。

 

 ーーおお和人か。昨日家を出たばかりなのにもう寂しくなったか?

 

「ちげーよ親父!俺が聞きたいのは美竹蘭との縁談についてだ!」

 

 ーーああ、昨日勢いで決めちまったあれか。どうかしたか?

 

「どうしたもクソもねーよクソ親父!俺はこの婚約はお断りだ!」

 

 ーーなんでだ?美竹蘭ちゃん可愛いだろう。それにお前のタイプじゃ無いのか?

 

「息子の理想を勝手に設定するな!」

 

 ーーま、決まったことだから、せいぜい楽しめよ。

 

「は?っちょ親父!……切れられた」

 

 よし、今度帰省したときには、親父のコレクションの美少女フィギュアを燃やしてやろう。

 俺が親父との通話が終わったとき、美竹さんと美竹蘭の会話は終わっていたようで、彼女は怒りを抱えたまま、自室に戻っていた。ここで逃げても何の意味もないのに。

 

「和人君、すまないがそういう訳だから」

 

 と、美竹さんは居間から去っていく。

 

「いや、どういう訳だよ」

 

 

 

 

 

 その後、何度も美竹さんに話を伺ったが、大したことは教えてもらえなかった。まだ何か隠している気もするが、いつもはぐらかされる。

 

 

 

 

 

 そして、あっという間に入学式当日だ。と言ったも、式自体は終わっている。

 入学式といえば、クラス割だよな。同じ中学校の人と一緒のクラスになれるかというアレだ。しかし羽丘学園は中高一貫。よって俺のような編入生はボッチになりやすい。

 

 だけど一つ言わせてくれ。

 

「何であいつと同じクラスなんだ!」

「何であいつと同じクラスなの!」

 

 その声は真横から聞こえた。そうなると反射的に首を左90度に曲げてしまう。そこにいたのは憎き赤メッシュの少女。が俺と同じタイミングで睨む。

 

「何でお前とクラスまで一緒なんだよ」

「それはこっちのセリフ。というか、なんであたしの隣にいんの?ストーカー?」

「お前をストーキングする暇があったら実家で畳の目の数を数える方がマシだ」

 

 うちは家広いからなー。洋室なんて少ないし、目を数えるのに数日はかかるだろうな。

 そんな事を考えながらも睨み合いは続行している。

 

「「最悪だ……」」

 

 同じ事を言った事に、また最悪な気分に見舞われる。そのまま互いにプイっとそっぽを向く。

 

 最悪なのは俺と美竹が同じクラスになった事だけではない。『美竹蘭』と『深山和人』だぞ?出席番号は前後なのだ。なんの偶然だろう。神様はとことん俺を突き放したいらしい。

 

「お願いだから、学校では話しかけないでよ!」

「こっちから願い下げだ。つか、家でも話しかけてくんな」

「あんたの家じゃないでしょ!」

「ああ、お前と家族だなんてゴメンだね!」

 

 すると、美竹蘭を呼ぶ声がした。こいつ、ちゃんと友達いるんだな、俺には関係ないが。

 

「ついて来ないでよ!」

「行かねーよ!」

 

 俺の声など彼女には聴こていなかった。

 

 俺は編入生という不安よりも美竹蘭への不満で頭がいっぱいになりながら自分の教室へ向かった。

 クラスに着くと、俺のアウェイ感はハンパなかった。7割近くの生徒が中等部からの進学者なので、編入生は圧倒的に友達を作りづらい。中学の頃、俺に話しかけてくるのは殆ど深山家(ウチ)の分家の人間だったからな。

 

「おいお前らー、席につけー」

 

 担任教師のお出ましだ。クラスメイトの皆さんは大人しく席に座り、次の指示を待つ。

 

「それじゃあ、今から出席番号順に自己紹介をしてもらう。名前以外に何か言いたいことがあれば、言っても構わないぞ」

 

 先生、そういう事言ったらどういう自己紹介が正解なのかわからないです。

 先生の言葉に悪ノリする生徒(主に男子だが)は続出した。例えば、「彼女募集中です」とか「部活は野球部です」とか言う人は、まあ普通だろう。でも、ダークフレイムなんたら。闇の炎がほにゃらら言ってる人もいたんだよな。あれが厨二病ってやつか。

 俺の番もそろそろなので内容を考えておくか。とりあえず、深山流のことは絶対言わない。あれのせいで中学はクラスメイトから近づき難い存在にされたからな。

 

 そうしていたら、俺の前、つまり美竹蘭に回ってきた。

 

「美竹蘭です。1年間よろしくお願いします」

 

 着席。

 いや待て。それで良かったのか?よくないだろ。だって、次の人が何も考えてないからな。

 だが立つしかなかった。立った瞬間に女子から騒めきが生まれる。なるほど、もう嫌われたか。

 

「あー、えーっと。深山和人です。京都から来ました編入生です。と言っても。親の躾の甲斐があり、この通り訛っていません。部活は入りませんが、剣道を始め武道をかじっています。目標は……そうですね、行事とか色々頑張るって事で。1年間よろしくお願いします」

 

 拍手が起こったので座る。

 

 それにしても、美竹蘭は何であんな自己紹介をしたんだ?自己紹介しなくても友達いますアピールか?だとしたら腹たつ。

 そういえばさっき、美竹のことを呼んでた奴がいたな。声からして女子だろうけど、どうやら美竹蘭にもちゃんと友人がいるようだ。だけどこの教室には友達はいなさそうだ。なぜならこいつはまだクラスメイトとは喋っていないからだ。

 因みに、なんで俺がこんなに美竹蘭をよく見ているかというと、弱みを握りたいからだ。変な誤解はするなよ。

 

 その後、3人足らずで自己紹介は終わり放課になった。

 

「ともあれ、俺も友達作んなきゃな」

 

 そう思い、男子の集まるグループに話しかけてみる。自己紹介の何万倍も緊張したが、それでも友人を作ることに成功した。

 

 その時、美竹蘭の姿は教室になかった。

 

 

 

 

 




和人「さて、桶狭間さん」

桶狭間「?な、なんスカ、怖い顔して…」

蘭「あたし達が何を言いたいかわかってるよね?」

桶狭間「い、いやー。何のことだけサッパリ(汗)」

和人「はあ、言わなきゃわかりませんか」

蘭「はあ、ここまで馬鹿だったとは…」

桶狭間(あれ?僕、罵倒されてる?)

和人&蘭「「何であらすじが変わってないんだ(の)!!」」

桶狭間(君たち……ほんとは仲良いでしょ)

和人&蘭「「仲良くなんかない!!!」」

桶狭間「うん、仲良いね。あと、何で心読めたの?」
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