IS インフィニット・ストラトス ~クロガネを宿し者~   作:Granteed

37 / 69
第三十六話 ~三者三様~

つい昨日には学生達の笑顔が飛び交っていた砂浜では、各国の代表候補生達と千冬が空を見つめていた。国家代表達は各々のISを展開しているが、千冬は黒いスーツだけで仁王立ちのまま、身じろぎ一つしない。

 

「教官、接近してきます!」

 

「各自、陣形を維持。ラインバレルが降りてくるまで動くな」

 

指示を下す千冬の視線は大空に固定されていた。そして五つのISと一人の人間が待つ浜辺に、ラインバレル達が降り立つ。

 

『グッ!!』

 

落下の衝撃でラインバレルに抱えられていた一夏と箒が砂浜の上に投げ出される。箒は地面から起き上がると一夏を片腕に抱いたまま、ISを解除した。

 

「ラ、ラインバレル!」

 

「動くな!!」

 

「っ!!」

 

一歩を踏み出そうとした簪だったが、千冬の怒声に止められる。体中に槍を突き刺したまま、ラインバレルは地面に両手と両膝をついて動きを止める。

 

「お前達、ISを解除して織斑と篠ノ之を運べ。ラインバレルは私が請け負う」

 

淀みなく一夏に近づいていく千冬に続く様に、五人もISを解除して一夏達に殺到する。箒の腕に抱かれた一夏は無事な所が見つからない位、全身が傷ついていた。一番軽傷なのは首から上の部分くらいで、着ているISスーツには赤い円形の染みがあちこちに出来ている。

 

「一夏、しっかりしなさいよ!!」

 

鈴が言葉を投げかけても、一夏はぴくりとも動きはしなかった。学友の余りにも酷い惨状に、彼女達は息を呑むことしか出来ない。

 

「酷い、こんなのって……」

 

「とにかく今は一夏を運ぶ事が最優先だ。セシリアと鈴は箒を頼む。シャルロット、更識、私で一夏を運ぶぞ」

 

一番早く我に返ったラウラがテキパキと指示を下して、一夏達と一緒になってラインバレルから離れていく。浜辺に残されたのは傷だらけのラインバレルと、それを睨む千冬だけになった。

 

「……ようやくご対面か」

 

小さく言葉を漏らすと、両手を地面について固まっているラインバレルの下へと歩み寄る。ラインバレルは千冬が近づいてくる事すら気づいていないようで、顔を上げることすらしない。

 

「貴様、顔を上げろ」

 

片膝を砂浜について、千冬が声をかける。しかしその声すらも耳に届いていないようで、ラインバレルは顔を俯かせたまま微動だにしない。

 

「……私の質問に答えろ」

 

何を考えたのか、千冬はラインバレルの角を片方掴むと無理矢理顔を上げさせた。鉄に包まれたその顔からは、何を考えているかを推し量る事は出来ない。

 

『織斑、千冬……』

 

「何故、貴様は織斑達を助ける?」

 

『……』

 

「何故今更姿を現した?貴様はあの敵と関わりがあるのか?」

 

『……教えてくれ』

 

「……何をだ?」

 

『お、俺は……化物なのか?』

 

辛うじて言葉を捻り出すラインバレルの瞳は、頼りなく揺れていた。その声音はまるで、迷子の子供の鳴き声だった。しばし、ラインバレルの体から流れ落ちるオイルの雫が地面に当たる小さな音が、二人を包み込む。ラインバレルの目を正面から見つめた千冬は、ゆっくりと口を開いた。

 

「……そうだな。寧ろそれ以外にお前を形容する言葉を、私は知らん」

 

『……そう、か』

 

千冬の一言でラインバレルの瞳が色を失ったかと思うと、再び顔を下げる。もう一度千冬が角を掴んだ手に力を込めて顔を上げさせようとしたその瞬間、ラインバレルの姿が掻き消えた。

 

「ふん、肝心な事は言わずじまいか」

 

獲物を掴み損なった手を目の前で握り締める。しばし目の前に拳をかざしていたが、唇を噛み締めるといきなり拳を砂浜に打ち付けた。

 

「……」

 

振り下ろした腕は行き場の無い感情の余りぶるぶると震え、噛み締めた唇からはどろりと血が流れ出す。そして綺麗な顔立ちからは考えられない程重苦しく、醜い感情に支配された言葉が口から漏れ出た。

 

「許さんぞ、下衆どもが……」

 

その一言を吐き出すと、ゆっくりと立ち上がる。潮の匂いを含んだ海辺特有の風が千冬の頬を撫でた。

 

「もう二度と……二度と、一夏をやらせはせん……」

 

 

 

 

 

 

「しっかし、意外と簡単なミッションだったな」

 

「そうか、それは良かった。それでは報告を頼む」

 

仄暗い照明が照らす室内には、一組の男女が互いの顔を見合わせる様に座っていた。勿論、二人きりと言っても男女の情事など二人の頭にはない。両者の間にあるのはただ部下と上司という、単純な関係だけだった。

 

「つってももう報告書は出したろ?他に何が聞きてえんだ?」

 

「何、当事者の口から聞く事が一番重要だと私が考えているだけだ。文章だけだとどうしても、見落としてしまう事があるからね」

 

「アンタの下について結構長いけど、まだ私はアンタって人間がわからねえよ」

 

「別に構いはしない。さて、私もこの報告書には目を通させてもらったよ」

 

男は装飾も何もなされていない簡易なスチール製の机の引き出しを開けて、一通の封筒を取り出す。淀みない手つきで封を開けると、机の上に中身を並べた。

 

「オータム、今回の内容を聞かせてもらおう」

 

「あーはいはい、分かりましたよ。アタシは六機の迅雷を連れて海上の船にて待機。ターゲットが来たらイダテンを装備して奴らに奇襲をかけた」

 

「奇襲の結果は?」

 

「見事大成功。こっちが仕掛けた罠に気を取られてたのもあったんだろうな。織斑 一夏の方は一斉攻撃で落とせた。あ、そういや片方のISって何だ?作戦前に目を通した資料には無かったんだけどよ」

 

「君が撮ってきてくれた映像データを解析した結果、あれは世界に現存するどのISにも当てはまらなかった」

 

再び机の引き出しを開けると、中から幾つかの紙の束を取り出す。それらを封筒から取り出した資料の上に重ねるようにして、机の上に並べた。

 

「つまり、あのISは何処かの国が開発したISと言う事になる。IS学園で新型のテストなどしていれば我々の情報網に引っかかるだろう。だがしかし、今までそんな情報は伝わって来なかった、つまり──」

 

「あのISは今日が初の顔見せ、しかもどっかの国が開発したもんじゃない」

 

男の言葉を引き継いで、女性が答えを導き出す。男は少しだけ笑いながら、椅子に深く体を沈めた。

 

「察しの良い部下で助かる。さて、ここで質問だ。君から見てあのISはどう思う?」

 

「ああ、ヤバかったぜ。真正面からぶち当たったらまず勝てねぇ。見る限り、既存のISとは出力が段違いだったな」

 

女の脳裏に映し出されるのは、男を抱えたまま六機の迅雷から逃げ続けるISだった。あの紅いISはいくら追い詰めても全く捕まえる事が出来なかった。もう少しラインバレルが来るのが遅ければ自分が戦列に加わって相手をしていただろう。

 

「そう、そこなんだよ。既存のISとは桁違い、つまりあれ程のISを作り出すのは現在の技術力では不可能。そして例外はただ一人、篠ノ之 束だ」

 

「あの糞ウサギか……」

 

女性がギリッと奥歯を鳴らす。束が家族の敵だ、と言わんばかりの激情が女性の体から溢れ出した。男は辟易しながら、言葉を続ける。

 

「どうやらあのISの搭乗者は彼女の妹らしい。その筋から入手したのだろうな」

 

「ああ。そんで迅雷達にあいつを追っかけさせてたら、白鬼が来たんだ。そうそう、もしかしたらアンタの予想が当たってるぜ、司令」

 

「ほう、理由を聞かせてもらえるか?」

 

司令と呼ばれた男は女性の言葉に貪欲に反応した。目の色を変えて机の上に両手を突くと、視線で女性に“早く話せ”と訴え掛ける。

 

「感情が丸見えだったんだよ。少しばかり話しかけただけで動揺するわ、戦闘の最中に相手を意識から外すわ。職業軍人だったらそんな事ありえねえし、戦いに慣れた奴でももうちょっとマシな反応をするぜ」

 

「ふむ……」

 

男は左手を顎の部分に当てて、考え込む様な仕草を見せた。オータムは右の人差し指に、長い毛先を巻きつけて弄んでいる。しばし沈黙が流れる室内だったが、男が大きく息を吐くことで均衡は破られた。

 

「これで少しは確率が高くなった、と言うことか」

 

「ああ、そう言えばあのISと操縦者はどうすんだ?こっちで始末してもいいぜ」

 

「いや、その必要は無い。次の作戦での捨て駒に使おう」

 

「もうあのISのシステム解析は終わってるぜ?こっちの損害はゼロなんだ。あんなもん使わなくても──」

 

「すまない、我慢してくれ」

 

短い言葉と共に、男の真摯な眼差しがオータムに向けられる。オータムは頭をがしがしと掻きながら、不貞腐れた様に天を扇いだ。

 

「あーあー分かった、分かりましたよ。アンタには恩もあるし借りもある。今回はアンタの顔を立ててやるさ」

 

「ありがとう、感謝する」

 

「けっ、そんなおべっか嬉しかねえよ」

 

靴を鳴らしながら椅子から立ち上がると、背後の扉へと歩いていく。男は机の上に並べた書類を元に戻そうと紙の束を取り上げるが、女性の声でその手が止まった。

 

「そうそう司令、一つ質問なんだがよ」

 

「何だい?」

 

「次の出撃で、アタシの他に誰が行くんだ?スコールとマサキの野郎は別口の任務で居ねえし、流石にあのブリュンヒルデ(世界最強)相手にアタシと無人の迅雷だけじゃ勝ち目薄だぜ」

 

「それについては心配いらない。余っているイダテンにR335を乗せて連れていけ」

 

「ハァ?」

 

部屋から出ていこうとしていたオータムが踵を返して男に詰め寄る。驚愕しているオータムが机に手をついて身を乗り出してきても、男はどこ吹く風とばかりに書類の片付けを再開した。

 

「あれ、使い物になるのかよ。つい最近まで寝てた様な奴だぞ?」

 

「大丈夫だろう。もしも動かなかったら弾除けにでも使えばいい。そんな事は無いと思うがな」

 

「……了解。あと何かあるか?」

 

「いや、大丈夫だ。再出撃までゆっくり体を休めてくれ」

 

「それわざと言ってんのか?次まで五時間も無いってのによ」

 

汚い口調で言葉を残していくとオータムは出ていった。残された男は書類を綺麗に纏めると、封筒にしまいこんで引き出しに入れる。こめかみに片手を当てながら机に肘を突くと、虚空に向かって言葉を零す。

 

「ラインバレル……お前はその鬼神の如き力を、一体何の為に振るうのだ?」

 

 

 

 

 

 

目の前の扉を叩く手が、直前で止まる。簪はそんな簡単な動作が出来ずに、廊下に佇んでいた。

 

「……」

 

簪は一夏と箒を救護班に預けた後、急いで統夜の部屋へとやってきた。箒には外傷が無かったので問題は無いが、大変なのは一夏の方だった。ISの絶対防御を突き抜けた弾丸は、そのまま一夏に消えない傷を残した。今も一夏は救護用に割り当てられた部屋で昏睡状態に陥っている。

 

(……統夜)

 

一夏も心配だが、簪にはそれ以上に統夜の事が気になった。あの時、一夏と箒を抱えてきたラインバレルの目が、簪には妙に気になったのだ。去り際に後ろを振り返って見た、千冬に詰問されているにも関わらずまるで生気を失った何かに成り果ててしまった様なラインバレルの姿が、どうしても頭から離れなかった。

 

「……すぅ」

 

しかし、いつまでも扉の前でこうしている訳にもいかなかった。代表候補生達は次の襲撃に備えて何時でも動ける状態でいろ、との指示が教師陣から下っているからである。正直言って、今この場でこうしている事もそれなりに問題だった。意を決して息を吸うと、目の前の扉を控えめに叩く。

 

「と、統夜?」

 

こんこん、と扉を叩いて中にいるはずの生徒の名を呼ぶ。彼女の声は確かに部屋の中に届いているはず、そしてラインバレルがあの場から撤退した以上統夜もここに戻っている。ということは彼に簪の声は届いているはずだ。しかしながら、簪の呼びかけに対する返事は一向に帰ってこない。

 

(もしかして……いないの?)

 

考えにくい事だが、統夜がこの部屋の中にいない事も考えられた。もしかしたらラインバレルになったまま、旅館の警護でもしているのかもしれない。だがどうしても気になった簪は、目線を少し下に下げて銀色に光るドアノブを見つめた。

 

(確かめる、だけ……)

 

半ば祈りの様な思いを抱きながら、右手でドアノブを握りしめてゆっくりと捻る。何の抵抗も無く回ったドアノブは扉を開き、簪を部屋の中へと誘った。

 

「……統夜?」

 

そろりそろりと顔だけを覗かせて中を見る。部屋の間取りは自分が使っている部屋と大差無く、寧ろ二人しか使っていないためか妙に広く見えた。

 

「統夜、いるの?」

 

一歩足を踏み入れる。太陽が窓から差し込んでいるにも関わらず、部屋の中は何故か暗く見えた。部屋の中に入って畳を踏みしめながら顔を左右に振ると、部屋の角にうずくまっている男がいた。瞬間、意中の人物を見つけた事で簪の表情が晴れるも、すぐさま青く変色する。

 

「な、何やってるの!?」

 

必死の形相で、彼の右手首を掴む。脱力して座っていた統夜は右手で太刀の柄を握り締め、左手で刃の部分を掴んでいた。勿論左手を何かで覆っていると言う事も無く、左の掌は赤黒い血液でぬらぬらと光っている。右手を掴まれて初めて気づいた、と言った様子で統夜が顔を上げる。

 

「……簪、か」

 

「統夜!?一体何をし、て……」

 

きつい言葉を浴びせるつもりだった。彼が何をしているのか理解出来ずに、詰問するために声を荒げるつもりだった。慣れない口調で彼を弾劾するつもりだった。何故自分の体を傷つけるのか、何故あんな目をしていたのか。聞きたい事は山ほどあった。しかし、その全ては彼の瞳を見た瞬間、霧散してしまった。

 

「何が……あったの?」

 

「……傷つかないんだ。何度やっても、何度やっても、勝手に治ってく」

 

簪の握っている右手首に力が入る。簪が止める暇も無いまま、統夜は左手を躊躇なく握りこんだ。新たな刀傷が統夜の左手に刻まれ、新しい血が溢れ出す。

 

「やめて!」

 

金切り声を上げると、簪は統夜の手から太刀を奪い取る。思いのほかあっさりと手から外れた太刀を抱えて、簪は統夜と距離を取った。

 

「な、んで……?」

 

「普通だったら……治らないよな。普通だったら、こんなにはならないんだ。じゃあ……これは何なんだよ」

 

顔を俯かせたまま、統夜が左手を傾ける。鮮血は統夜の左手から零れ落ち、統夜の着ているジャージに赤い染みを作っていく。だが、いつまでも続くはずの血液の滝は、一秒もせずに止まった。

 

「それ……」

 

その光景を簪は前にも見たことがあった。皮膚が輝きを帯びて傷がまるで無かったかのように、元の色へと戻る。統夜にとってはそれが普通な事である。しかし今の統夜はその光景を、まるでおぞましい何かを見るかの様な嫌悪の目で睨みつけていた。

 

「何で一夏なんだよ……何で俺じゃないんだよ。俺だったらいくらでもいい……こうやって治るんだから」

 

泣いているかのように、言葉の合間合間に嗚咽が入る。統夜が作り出す重苦しい雰囲気に、簪は息を潜めて聞き手に徹する事しか出来なかった。

 

「でも一夏は普通の人間なんだよ……女の子の相手はからっきしだけど、気配りも出来て、いつも笑ってて。化物の俺なんかとは違う……本当にいい奴なんだよ」

 

「……」

 

「何で一夏が傷つかなきゃいけないんだよ、何で俺じゃないんだよ。何で……何で……」

 

その先の言葉が統夜の口から放たれる事は無かった。全身を脱力させて壁に寄りかかる統夜の姿は儚くも、何処か弱々しく簪の目には写った。

 

「俺のせいなんだ。一夏が傷つくのも、簪やのほほんさん達が危険に晒されるのも、みんなみんな、俺のせいなんだ……」

 

「統夜、それは……」

 

隣に跪いて、肩に手を起きながら声をかける簪。しかし彼女にはどんな言葉をかけていいか分からなかった。止まった言葉の先を、統夜が強い口調で続ける。

 

「全部俺のせいなんだろ!俺みたいな化物が一夏や簪の傍にいようとしたから、バチが当たったんだ!全部俺に降りかかるならまだいい、俺が耐えればそれですむ。俺はこんな体なんだから幾らでも耐えられるさ。でも、皆が傷つくのは耐えられない!!」

 

激情のまま統夜の口から言葉の濁流が流れ出す。その言葉の数々を否定する言葉を、簪は持ち合わせていなかった。見ている事だけしか出来ない簪の横で、統夜は更なる加速を重ねる。

 

「俺が全部悪いんだ!俺がここにいる限り、皆に迷惑がかかる!いっその事、俺なんていなくなれば──」

 

「やめてっ!!」

 

最初の声とは比較にならない大声が部屋に響く。半ば錯乱状態にあった統夜もぎょっとして、驚きの目で簪を見つめた。

 

「そんな……そんな事言わないで、統夜」

 

「でも、俺のせいで一夏や篠ノ之さんが襲われたのは事実だ……襲ってきた敵が言ってたんだ。俺を誘い出す為に一夏達を襲った、って」

 

「……それでも、統夜が消えていい理由にはならない」

 

「だったらなんだって言うんだ……俺がこんな体だっていう事実はいくら叫んでも変わらない。俺がここにいる限り、またあんな敵が襲ってくる。そうなれば、また誰かが傷つく。俺はそれが嫌なんだ」

 

「統夜……」

 

「なあ、簪。教えてくれよ……俺は、何なんだ?」

 

太陽が水平線へと近づいていく昼下がり。誰も答えを持ち合わせていない質問を、統夜は目の前の少女に投げかけた。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。