「大好男さん!もうすぐで街ですよ!」
「あぁ!そうだな!」
俺の名前は将棋 大好男、将棋オリンピック大会に出場していたら色々あって異世界転移してきた。そして、俺はIQ300ある頭脳で黒幕がアガセ博士だと見抜いたのだ。
それがこれまでのあらすじだ
「大好男さん!はやくはやく!」
「あぁ、今行くぞ!」
そして、さっきから叫んでてうるさいこの女は将棋 大好子、この世界で知り合い、名前が気に入ったから弟子にした俺の弟子だ。
「大好男さん!見て下さい!街が燃えてらぁw」
「あぁ!そうだな!」
大好子はとてもはしゃぎながら街を指さし言った。
確かに燃えている。激しく燃えている。自分の泊まっていた宿まで燃えていた。だがむしろ嬉しいぐらいだ、あそこの宿主はあまり好きではなかった。
「大好男さん!大好男さん!」
「おう!どうした!」
なにやら大好子が見つけたらしい。とてもはしゃいでいるが、少し焦っているようでもある。
「将棋盤も燃えてらぁw」
「HAHAHA!…何ぃ!」
確かに燃えていた、これはもう助からない。
確かに将棋が好きすぎて、どんな状況でも1分以内で将棋盤を作れるようになったといえど、これは酷すぎる。
必ずこいつの仇は撃たねばならない、たとえ何があろうと
大好男は瞬時に脳をフル回転させ犯人を特定する。
そして大好子の方を向くと
「大好子!犯人を特定した!行くぞ!」
「すいません!大好男さん!足が燃えてらぁ!」
確かに燃えていた、だが彼女には回復魔法がある。直ぐに治るだろう。
だがこの状況では治すのに時間はかかってしまうと大好男は瞬時に判断する。
「くそが!使えないヤツめ!」
「ありがとうございます!」
大好男は大好子を置いてさっそうと森の中に入っていくのだった。
***
「ふぅ…ここまで来れば捕まらないだろ」
「街を放火させ、警備の薄くなった城に侵入し、金庫を盗む、いやぁこんなこと思いつくなんて…やっぱり放火男さんは天才ですよ!」
放火男と呼ばれる大柄な男は盗んできた金庫を眺めとても満足そうな顔をする。
そして放火男の部下と思われる小柄な男もその金庫を眺め、目を輝かせていた。
「いやぁそれにしても、これで俺たち大金持ちですよ!」
「いや油断しちゃいけねぇ、いくら森の奥だろうが人がいるかもしれねぇ、さっさとズラかるぞ」
「さっすが放火男さん!まったく詰めが甘くねぇや!」
そう言うと放火男は金庫を持ち自分の家へ戻ろうとする。
しかし、それを部下が「ちょっと待ってください」と引き止める。
「なんだ!はやくズラかるぞ!」
「すいません…でも、なんか聞こえませんか?」
確かに耳を澄ますと微かに聞こえる。
しかしその音は徐々に大きくなっていく。そしてついに放火男は気づくことになる。
「まさか…こっちに近づいてきている!?」
そう放火男が言ったとき森の茂みからこの世界のものとは思えない服装をした男が飛び出てくる。
二人は唐突な出来事に状況が理解出来ていなかった。
だが、そんな二人を完全に無視し、飛び出てきた男は二人に詰め寄ってくる。
「おい…てめぇらぁ…」
明らかに怒っているような声で話す男に、二人は思わず「ヒイッ!」と声が出てしまう。
「てめぇらなぁ…俺の将棋盤を燃やしてんじゃねぇ!」
…は?
いきなり出てきてわけのわからないことを話す男に二人は思わず点になってしまう。
だが確実にまずい状況だということは理解出来た。ならばやることはひとつだけだ。
「あんた…城の人間か!?頼む!金庫は返すから!命だけはご勘弁を!」
放火男は瞬時に正座し、手を合わせ、命乞いをする。それを見た部下はハッとしたように同じように命乞いをする。
「…あ?俺は城の人間じゃねぇよ…俺は将棋 大好男、ただの異世界人だ!」
異世界というまたわけのわからない言葉に、さらに二人は理解が追いつかなくなる。だが、城の人間じゃないということにホッとし、命の保証はされたと考える。
「じゃあ…取り引きしないか?この金庫の中身の3割…いや、4割でいい!お前にやるから!見逃してくれないか?」
放火男は城の人間にバレることだけは避けたいと考え、交渉を仕掛ける。
だが、それを裏切るように大好男は言う。
「は?金庫なんかどうでもいいんだよ…!てめぇらは俺の大事なもんを傷つけた…」
「ヒイッ!…も、もしかして…しょうぎばん?のことか?!あれに関してはすまなかった!まさかそんなに大切なものとは…」
「問答無用!」
大好男は必死に謝罪している放火男の話を聞こうともせず将棋盤で殴りつける
「おま、それ大切なものじゃなかったの…」
大切なものと言った将棋盤で殴りつける大好男を見て思わずツッコミを入れてしまう。
そして、そのまま放火男は気絶してしまった。
***
「大好男さん!見て下さい!あの二人見事に捕まってますよ!」
「あぁ…そうだな」
城に侵入した罪と金庫を盗んだ罪、そして放火の罪で男二人は御用になっていた。
「じゃあ大好男さん、とりあえず今日泊まる宿を探しに行きましょうか。」
「あぁ、そうだな」
大好子は将棋盤を「よっこらせ」と持ち上げ、歩き始める。そしてそれに続き、大好男も歩き始めようとする。
ふと振り返り、捕まった男二人を見て言葉が思い浮かぶ。
大好男はくるりと振り返ると思い浮かんだ言葉を言い放つ。
「まるで将棋だな」
完