生徒会の一存 if   作:天導 優

10 / 12
今更ながらあけましておめでとうございます。
本年も楽しくのんびり書かせてもらいます。


怪談する生徒会④

「こ、これは私が体験した、話なんだけどね」

くりむちゃんが傍目で見ても分かる位にガタガタ震えていた。

「きょ、去年の話なんだけど私が、学校から帰るのが遅くなった日に体験したんだ。トイレから歌声が聞こえてきたんだよ。私も最初は他にも残ってた合唱部の人達かななんて思ってたんだけど、トイレには誰も居なかったんだよ。物凄く、怖かったんだから」

くりむちゃんが話終えるとくりむちゃん以外みんなキョトンとしていた。

確かにトイレから声が聞こえたのは怖いんだろうけど、その手の話はよくある話だし、何より本人が一番怖がってるから怖さが伝わってこない。

つまりぶっちゃけて怖くない。

「それじゃ次はあたしの番だな」

そういうと先輩は一息吐くと語り始めた。

「これは人伝に聞いた話なんだけど、10年以上前に聞いた話なんだけど、駅で沢山の自殺者が出たって話だ。これだけならよくある話だがこの話の被害者には全員共通点が有ったんだよ。共通点は2つ有って1つは全員深夜帰りだったこと、もう1つは全員、携帯電話を持ってなかったんだよ」

「グッ」

何だろ、この記憶は。

「ただ、携帯は駅のホームで壊された状態で発見されてるんだよ。死ぬ前に携帯の中身を見られたくなくて自分で壊したとも考えられるんだが、事件の被害者の中には生きてた女の人がいて警察が話を聞いたら、謎の子供から電話が掛かって着たそうだ」

(逃げろ、●●)

この金髪の女の子は誰?

「その電話の相手は、まるであの怪談のメリーさんのようにだんだんと近づいて来る感じで話をしたらしく、その被害者は怖くなって携帯を電源を切ったんだと。それでも携帯は何故か着信をし、最終的にその携帯を壊したんだと。でも、何故か着信音が聞こえ、周りを見渡したとき、その声の主は言ったんだと。『今、お姉さんの中に居るの』って」

先輩が話終えると僕は汗をかいていた。

僕が凄い汗をかいていた事に気付いた先輩達は、僕を心配していた。

でも、先輩が話している時に見えた光景。

あれはなんだったんだろうか?

僕が水分補給と、着替えを済ませると、最後に真冬ちゃんが話を始めた。

「これは真冬が通っていた女子中学に伝わる怪談です。真冬の通っていた中学は全寮制の学校だったんですけど、不思議な夢を見た女の子の話なんです。その女の子は何故か階段の前に立っていて傍には謎の人形がいたそうですよ。すると人形から『一段目』と声が聞こえたそうです。女の子は登りたくないと思いつつも足が勝手に動いて一段目を登ってしまったそうなんです。その日は階段を一段登ったところで目を覚ましたんですけどその翌日も似たような夢を見たそうです」

「ま、真冬ちゃん。それって階段と怪談を掛けてるの?」

くりむちゃんがそんな発言をしていた。

「そんなわけないです。偶然です。話を続けますよ」

話の腰を折られたが真冬ちゃんが話を続ける。

「そんな感じで七日目には階段の終わりが見えてきたそうです。その階段の終わりには結んだ縄が宙から垂れ下がっていて、女の子もそれが絞首台と気づくもその日も足が勝手に動いて一段登ってしまうんです。そして夢を見初めて十三日目、女の子は遂に十三段目に登ってしまい、怖くなって人形を見たそうですよ。女の子は人形に首を吊らなくていいのか聞くと人形は首を横に降ったそうですよ。女の子がほっとしたのも束の間、人形に『壊れなさい』と言って突き落とされたそうですよ。気づくと女の子は目を覚ましたそうなんですけど学校が怖くなって止めたそうですよ。後日女の子が家に帰ると夢で見た人形そっくりの人形が家に有ったそうですよ。その女の子の母親の話だとその女の子が小さい頃遊んでいた人形で、その女の子が夢を見初めた時期に女の子の母親が倉庫の2階で発見するんですけど、階段から落としてしまったそうです。ここからは女の子の母親の視点の話なんですけど、その女の子が人形を抱き締めると人形の手が動いて女の子の服の裾を掴んでいたそうですよ」

多分、今までの中で一番怖かった階段、いや怪談だった。

現にくりむちゃんは気を失っていた。

くりむちゃんが気を取り戻した後、皆で生徒会室の片付けをした。

「やっぱり一番怖いのは人間なんだよ」

生徒会室の片付けを終えるとくりむちゃんがそんな発言をしていた。

「怖い話を作り出すのは何時だって人間なんだから」

「それもそうね」

「でも、人ってどうして怖い話をしたがるんでしょう」

「怖いもの見たさって所じゃないかな?。ジェットコースターなんかと同じでスリルを感じたいんだよ」

真冬ちゃんの意見に僕が答える。

「でも、怖いのが苦手な人もいるんだからそういうのは控えてやってもらいたいよ」

「つまり会長は皆が怖い話をしなくなれば良いんですか?」

杉崎さんの意見にくりむちゃんはというと。

「ううん。そうじゃなくて、怖いのが好きな人は好きな人でやってくれって話。それこそサークルみたいに」

杉崎さんはなるほど、と言ったところで今日は解散となった。

数日後、あれほど騒がれていた七不思議は全く聞かなくなった。

それもその筈、僕と杉崎さんで新しい七不思議を作って流出させたこと原因だ。

その七不思議とは『七つ目以降を知ると知っている七不思議を体験する』という怪談だ。

これが効果覿面だったのかは分からないけど、怪談をする人はいなくなった。

でも、先輩の話の時に見えたあの光景はなんだったんだろう?

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。