「世の中がつまらないんじゃないの。貴方がつまらない人間になったのよ」
くりむちゃんがいつものように胸を張って何かの本の受け売りのような事を言ってる。
確かに初めてほど楽しいことはない。
僕は去年の事を思い出していた。
春はみんなして遠足やなんだで惜しみながらもあっという間に過ぎていった。
夏にはみんな受験勉強を頑張っていた。
夏を制するもの受験を制す、てな感じで。
だから僕の受験の幕は夏に始まっていたと思う。
秋には修学旅行が合って皆でホテルに泊まったのが楽しかったな。
小学校の頃は興奮しすぎて熱を出して行けなかったし。
でもあれで皆のいろんな事を分かってきたんだよね。
冬には碧陽学園の受験を受けたんだよね。
僕以外にも何人か受けた人がいたけど合格したのは僕だけだったんだよね。
受かった時は何か失った気分になってたんだよね。
そう考えると……。
「ガラクタの山からあの日の夢を探しても良いってことかな?」
「何でそう言う発言が出てくるかな?……」
くりむちゃんは僕の意見に呆れながらもお茶を飲んでいた。
「じゃ、童貞も悪くないって事ですか?」
「ぶっ!」
お茶を吹き出すくりむちゃんと椅子からずり落ちる僕。
「私の言葉から、どうしてそういう返しが来るわけ?」
くりむちゃんが長机をティッシュで拭きながら杉崎さんを睨み付けてる。
「甘いですね会長。俺の思考回路はまずそっち方面に直結します!」
「何を誇らしげに語ってるのよ。杉崎はもうちょっと副会長としての自覚をねぇ……」
「ありますよ、自覚。この生徒会は俺のハーレムだという自覚なら十分」
「ごめん。副会長の自覚はいいからそっちの自覚から捨てる事から始めようね」
くりむちゃんが真意にツッコンでいた。
「というより、その思考回路はショート寸前なんじゃないですか?」
次の瞬間杉崎さんがなんか唸ってたけど無視しといて正解かもね。
杉崎さんは傷ついてるけどすぐに立ち直るから。
「会長ぉ」
「何よ」
あ、くりむちゃんが僕の近くのごみ箱狙ってる。
「好きです、付き合ってください」
「にゃわ!」
ティッシュは狙いを外して僕の頭に当たり、床に落ちた。
「杉崎は、どうしてそう軽薄に告白ができるのよ」
「本気だからです」
「嘘だ!」
あれ、今は春なのにひぐらしの鳴き声が聞こえた気が。
「杉崎、この生徒会に初めて顔だしした時の、第一声を忘れたとは言わせないわよ!」
あー、あれかな?
「『俺に構わず先に行け』でしたっけ?」
「初っ離からどんな状況なのよ、生徒会」
「あれ?、それじゃあ……『ただの人間に興味ありません。宇宙人、未来人』」
「危険よ、杉崎。色んな意味で!」
「大丈夫です。原作派ですから」
「なんの保証!?」
「まったく、自分の発言くらい覚えといてくださいよ」
見かねた僕が言うことにする。
「『殺せると良いですねぇ、卒業までに』ですよね」
僕がそう言うと杉崎さんは。
「何でだよ。俺、マッハ20で動ける黄色いタコじゃ無いから」
あれ、違った?
「それじゃあー、『少女の為に、世界を壊す覚悟はあるか』でしたっけ?」
「全然ちげーよ。愛は俺の事をどう思ってんだよ」
杉崎さんの事か。
「しいて言うなら『タイトーのアイボー』ですかね」
「止めてくれ、俺は冤罪だ」
「どうしたの杉崎!?」
杉崎さんが突然慌てていた。
「愛の一言ですげー借金をした感覚になりました」
面白いし、もうちょっとからかっちゃおう。
「大丈夫『ル●ガー』」
「頼むからその名前を出さないでくれ」
「はーい。それで思い出しましたか」
「ああ、確か。皆好きです。超好きです。皆付き合って。絶対、幸せにしてやるから」
どうやら思い出したみたいだ。
僕はくりむちゃんと杉崎さんが話してる間にくりむちゃんが外したティッシュを捨てにいった。
「愛って気が利くっていうか優しいわよね、無意識に」
「なんか言ったくりむちゃん?」
「ううん、何でもない」
何を言ってたんだろ?。
後、杉崎さんが。
「何で愛の好感度が上がるんだよ~」
とか叫んでたけど、うるさいね。
すると生徒会室に黒いロングヘアーの女性が入ってきた。