「やっぱりこの学校の生徒会の選抜基準は良くないと思うの」
それが気を取り戻したくりむちゃんの第一声だった。
「どういうことなんですか?」
「そうだね。僕も先生達による指名制だと思ってたし」
「ああ、それはね」
僕と真冬ちゃんの疑問に紅葉さんが答えてくれた。
この学校の生徒会メンバーの選抜基準は前年度の生徒が人気投票を行い、その上位5人が生徒会のメンバーに選ばれる。
所謂、人気投票らしい。
それに男子はイケメンだと女子には人気は出るが男には嫌われる存在。
しかし女子はかわいいというだけで男女問わず人気を得られる。
それじゃ人気投票とゆうよりミスコンみたいな感じになってしまっているという事に関してはツッコミを入れないでもらいたいらしい。
理由としてはカリスマ性がある人物が引っ張ってゆくって感じなんだろうけど、容姿が良い=実績が良いとは限らない。
そのために作られた案が優良枠らしい。
優良枠とは毎年成績トップの生徒が生徒会のメンバーになれるというものである。
しかし勉強を頑張っている生徒はそんなハーレム何かに興味は無いわけで、有って無いような物だったらしい。
けど、今年は例外がいた。
それが、杉崎さんである。
「成績の有無だけじゃなくて、性格面も考慮すべきなのよ。そうでないと杉崎みたいなのが入って来ちゃうんだよ」
「頭が良いのは事実ですよ、会長」
「お前の場合動機が不純なんだよ」
先輩の言う通りだ。
女性メンバーいる所に進んで入る男なんてそうそういるわけ無いしね。
「真冬、時々杉崎先輩が大きく見えます」
「「真冬(ちゃん)、それは見間違いだ(よ)」」
あ、先輩とハモった。
「でも真冬ちゃんや愛はどうしたんですか?。新入生じゃ優良枠も無いでしょうし」
杉崎さんの疑問が生徒会の先輩方がう~んと唸っている。
「実はさ、真冬ちゃんもそうなんだけど愛って投票枠なのよ」
「そうなんですか!?」
杉崎さんがびっくりしていた。
「真冬ちゃんの場合は、アカちゃんが深夏から妹が入学するって話を聞いて、嫉妬して選挙ポスターにそれっぽい事を書いたことが原因だしね」
「そうなんですか」
真冬ちゃんがびっくりしていたけど、当然の反応だよね。僕も先生に言われてびっくりしたもん。
「愛の場合は、3月の学校案内の時にあたしが案内したんだけど、その時に女の子に間違われたらしくてさ」
「その結果、ラブちゃんは人気投票で51%の支持率を得ちゃったのよ」
「でも、1年生を会長にするのは早いかなって事で去年も生徒会をやっていた私達3人が選ばれたの」
「でも、同級生がいないのはやっぱりきついだろうから同じ1年生で同じく人気投票でランクインしてた真冬が撰ばれたわけ」
「なるほどね」
そう言うと杉崎さんは急に立ち上がり。
「ハーレム王に俺はなる」
「いや、突然ル●ィみたいな事を言われても困るんだが」
「だってそうだろ。愛みたいなのが生徒会に入っているけど、それが俺の目標だし」
僕はため息を吐きながら、
「皆好きです。超好きです。皆付き合って。絶対、幸せにしてやるから。ってやつですか?」
「それだよ。俺にとって一番怖いのは今日会長が言った事なんだよ」
「どうゆうこと?」
「ハーレムを結成しながらも、あぁ、女に飽きたなって言えるレベルまでにならないようになるのが一番怖いって事です」
「なるほど。日常を退屈って思ったら終わりって事ですか」
「そういうこと」
「なるほどね、行けるところまで行ってみようって考えね」
「そういうスタンスは嫌いじゃないんだけどな」
「でもそれが杉崎さんらしいというか」
と評価する僕達。
因みにくりむちゃんは、「あんまり頑張るのは疲れるよ~」とダメ人間になっていた。
因みに紅葉さんのおやつを完食していた。
さてと、僕達の作業を始めますか。
知弦side
「で、あの2人はまた残って作業してるのか」
校舎外から生徒会室を眺めながら深夏が呟いていた。
「真冬達と喋るためだけに2人だけで大丈夫ですかね」
確かに本来6人でやる作業を2人だけでやっている。作業ペースでいえば一人で3人分の作業をしている事になる。
「別にいいんじゃない。本人達がやるって言ってるんだし」
アカちゃんがそう呟く。
「でも、あの2人が優秀な事は認めるべきじゃないかしら。2人で何事もなかった感じにしてんだから」
「2人で一人の仮面ラ●ダーみたいに最高のパートナーって感じだよな」
「ま、真冬は、あの2人、好きですよ」
真冬ちゃんの言葉にその場にいた全員がため息を吐いていた。
「あの2人をホントに嫌いな奴なんて一人もいないわよ。愛はともかく、杉崎はハーレムなんて言い出さなければ彼女なんて簡単に作れそうなのにね」
アカちゃんが代表してそんな事を言っている。
「アカちゃん、やっぱりキー君やラブちゃんの事を」
するとアカちゃんは顔が真っ赤になっていた。
「そ、そんなわけないじゃない」
そんなアカちゃんを見て思わず私達3人は笑っていた。
「ハーレムとか言うだけあって、彼は私達の大黒柱なのかもね」
私の言葉に他の3人がきょとんとしている。
「今更なんだけど、私達全員がどこかちょっと複雑な過去みたいなのがあるでしょう。
全員の表情が曇ってしまった。
現にお互い、話したこともないし、キー君やラブちゃんも詳しくは知らないはず。
「でも、生徒会室で喋っている間は、とても救われている。楽しいだけでいられる。擬似的だけど、家族の食卓のような温もりがある。それを作っているのは間違いなく、あの二人なのよ。だからキー君は大黒柱。生徒会の大黒柱ということはこの学校の大黒柱ってことでもあるけど」
その意見に深夏が意見を出してきた。
「それなら天馬はさしずめ縁の下の力持ちかもな」
「そうね」
アカちゃんが同意を示していた。
「天馬だったら『貴方が世界の全てを支えるのなら、僕は世界ごと貴方を支えますよ』なんて言いそうだし」
「お姉ちゃん、それなんてテイ●ズ」
真冬ちゃんは苦笑しているけど満更でもなさそう。
アカちゃんが生徒会室を見上げながら、一言呟いていた。
「つまらない人間も悪く無いのかもね」
それはその通りかも知れない。
私立碧陽学園生徒会。
そこでは、明日も、明後日も、未来永劫、つまらない人間達が楽しい会話を繰り広げるのかもしれない。
ようやく、駄弁る生徒会が終わりました。
次回はちょっとした日常的な事を書こうと思っています。