今回の怪談は本来の生徒会の一存で語られていた怪談ではなく、作者が学生時代に聞いたり、本で見たりした物です。
それでは今回も楽しんでください。
今、僕たちは生徒会室のカーテンを閉めきり、蛍光灯も消して畳の上に蝋燭を一本だけ点けている。
生徒会室のカーテンは遮光カーテンだったので外の光も全く入ってこない
「さっそく始めるわよ」
紅葉さんの言葉に反応したのか蝋燭の火がゆらりと揺れた。
「これはね、私の中学1年の時の担任の先生から聞いたお話よ。その先生、学生時代は登山部だったらしいの。ただ、在籍していたのは1年だけだったらしいけどね」
「1年だけで止めるなんて、根性の無い先生だね」
くりむちゃんはまだ余裕ぽいね。
「それは仕方ない話なのよ。だってね、雪山を登山した時に部員が1人、亡くなっているんだから」
紅葉さん以外の皆が一斉にごくりと唾を飲む。
「でも、それは直接は関係無いのよ。話にはまだ続きがあってね、その亡くなった人がいるから下山することにしたんだけど途中で吹雪に見舞われたの。生き残った先生たち4人は偶然にも山小屋を発見するのだけど、その山小屋には誰もいなくて薪も全くない状態だったの。仕方ないので1番広い部屋で吹雪が収まるのを待つことにしたんだけど途中で眠気に教われる部員もいたそうよ。そこで部員の1人が1つの提案をするの。部屋の隅に1人ずつ座り部屋を壁伝いに肩たたきリレーをすることにしたのよ。そうすれば、自分の番が来るまで少しは眠れるし、他の人に伝えるという使命感から頑張れると考えてね。そうして先生たちは亡くなった部員を部屋の中心に寝かせ、その肩たたきリレーを4人で朝まで繰り返したそうよ。そして、夜が明けた時に救助隊が助けに来てくれたそうよ。それで先生たちは無事に下山することができたの」
「それのどこが怖いお話なの?」
くりむちゃんが紅葉さんに質問している。
「話は最後まで聞くものよ、アカちゃん。先生は気づいてしまったのよ。その不自然な肩たたきリレーについてね。その肩たたきリレーは4人では成立しないってことに」
くりむちゃんが唸っている。どうもこの意味が解っていないみたいだ。
「仕方ないわね。アカちゃん以外の皆は解っているけど解説してあげるわ」
紅葉さんは少し水分補給をしてから解説を始めた。
「例えば、部屋の中心にキー君を寝かせ、部屋の隅に深夏、私、真冬ちゃん、そしてアカちゃんの4人でいるとすると不自然な事になるの」
「俺、死体役、
落ち込んでいる杉崎さんは放っておいて解説は続く。
「図で現すとこんな感じね」
図1
深 → 知
↑ 鍵 ↓
く ← 真
この説明をするために1度部屋の明かりを生徒会室の明かりをつけて、紅葉さんが黒板に図(図1)を書いた。
「この図のような時にアカちゃんは誰の肩を叩くの?」
紅葉さんの質問にくりむちゃんは「そんなの深夏に」と言いかけ、気づいてしまったらしい。
この図の通りに肩たたきリレーをすると、不自然な事になるってことに。
図2
→ 深
↑ 鍵 ↓
く
真 ← 知
そう。この肩たたきリレーをすると4人目は誰の肩も叩けない。
しかし、肩たたきリレーは朝まで続いた。
この事に気づいてくりむちゃんはムンクの叫びのような顔をしていた。
個人的には紅葉さんの怪談よりくりむちゃんの顔の方が怖かった。