ハイスクールD×D 〜主人公にはなれない男〜   作:酔生夢死太郎
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私生活の忙しさとネタ切れにより大幅に遅れてしまいましたがやめるつもりはありませんのでご了承ください。


閑話 仮面の戦士のRe Start!!

「……ここは……」

 

気がついたら真っ暗な空間にいた。ズキズキと痛む頭を抑えて記憶を辿る。

 

「…そうだ、ハザードトリガーを使ってコカビエルに突っ込んで…その後は…!!」

 

瞬間、暴走中の記憶が頭に流れ込んでくる。

何の躊躇いも無く嬲り、手足を、翼を、そしてその頭蓋を踏み砕くあの感触。次はお前らだと言わんばかりに仲間を殺そうとした事実…

 

「…何がヒーローだよ…本当ダッセェ…」

 

「気が着きましたか」

 

激しい後悔と自嘲の念に苛まれていると不意に後ろから声をかけられる。

 

「アンタは…女神様?俺は死んだのか?」

 

俺を転生させた女神様が立っていた。しかし、あの時の慈愛に満ちた微笑みは消えて目尻が赤くなっている。

 

「貴方は死んではいません。仮死状態のまま3日経っています。」

 

「死んではいなかったか…ならどうしt」

 

バシン。言葉を言い切る間も無く視界が横を向き、左頬にジンジンとした焼けるような痛みを覚える。感覚から頬を平手打ちされたのだと察した。

視界を戻すと彼女は目からとめどなく涙を零してその美貌を歪めていた。

 

「どうして…あんなことをしたのですか!アレがどんなに負担のかかるものかはわからない筈はないでしょう!

私があと少し気付くのが遅かったら貴方はその手を友の血で濡らすことになっていたのですよ!

…そして貴方のことです。大方、セーフティとしてその前に自らを仮死状態にするようにプログラムしていたのでしょう…?」

 

「参った、降参だ。まさかそこまで全部お見通しだとは…ね」

 

そうだ。もし自分が暴走してしまった時のためにドライバーに埋め込んだプログラム。正常な脳波が途絶えた場合強制的に脳を仮死状態にさせる防衛プログラムを施していた。アンデットの特性から死ぬよりも仮死状態の方が安全性が高いと見越してのことだ。

 

「貴方は愚かです。仲間を守ろうとしておきながら、守るべき対象に〝自分〟を入れることはない。

生前死んだ時も何の躊躇いもなく私を庇った。いわば『自己中心的な自己犠牲』です。」

 

「自己中心による自己犠牲か…ハハッ、守ろうとした行為が悉く裏目にでるとは…ホント無様だなァ…なぁ女神様?」

 

「…決して無様ではありません。しかしその自己犠牲は貴方の周囲の人々を悲しませます。勿論私もその1人です。

貴方は間違ってなんかいない。しかし間違っていないだけで正しいわけではない。貴方ならわかりますね?」

 

「…悪りぃ。本当に心配かけちまったな。」

 

「それを言うのは私ではなくあの子達でしょう?ほら、行って来なさい。いっぱい怒られて、いっぱい謝って、また笑顔を私に見せてください。」

 

「ああ、ありがとう。行ってくるよ。それと」

 

言いながら俺は彼女の涙を指で拭う。

 

「アンタも笑顔でいてくれよ。俺はアンタの笑顔も好きだ」

 

「……なっ…!?」

 

顔を真っ赤にした女神様を最後に俺の意識は再び暗転した。

 

 

 

 

 

再び目を開けるとそこは自室のベッドの上だった。窓から差し込む明かりから朝ごろと推測する。

 

「ここは…俺の部屋か」

 

ガチャリ、とドアが開いてイッセーが入ってきた。

 

「よお、つっても起きてるワ……ケ……」

 

「えーっと…よお?」

 

口をあんぐりと開けたまま2、3秒ほどの沈黙。そのあと翻筋斗打って転がりながら階段を下り、下でぎゃあぎゃあと騒いでる。

 

その後ドタドタと階段を駆け上がる音と共に

 

「「「「「「鏡也(くん、先輩、さん)!!」」」」」」

 

みんなが飛び込んできた。

 

「本当に…本当に…もう目を覚まさないんじゃないかって…」

 

飛びついてきて泣きだす小猫。

 

「本当よ…!心配したんだから…!」

 

抱きしめながら語るリアス先輩。

 

「バッキャロー!!テメェ心配かけてんじゃねえよ!」

 

怒鳴りながらも男泣きしているイッセー。

 

「うう…よかった…癒しても癒しても目を覚まさくて…ダメかと思いましたぁ…」

 

床に座り込み釣られて泣きだすアーシア。

 

「よかった…本当に無事でよかったよ…鏡也くん」

 

心の底から安堵した笑みを浮かべる木場。

 

「君には大きな借りがある。まだ死なれては困る」

 

ホッとしたように胸をなでおろすゼノヴィア…て、え?

 

「え?何でお前が?」

 

「あぁ、それはかくかくしかじかで…」

 

話を聞くに信仰する対象の死を知った彼女はそれを教会に問い詰め、異分子に。ならば破れかぶれと悪魔に転生したとのこと。

オイオイ…思い切り良すぎないか?

 

「まぁ何はともあれ…本当に済まなかった。」

 

みんなの前で頭を下げる。あのまま殺してしまったのかもしれないんだ。

謝って済むことではないとはわかってるが心からの謝罪を、どんな罰でも甘んじて受けよう。

 

「おう、なら今から遊びに行くぞ、早く準備しろ。」

 

あっけらかんと返された。

 

「…え?お前ら軽すぎないか?俺は」

 

「あーもうめんどくせぇな!悪いと思ってんならこの後の飯とかその他諸々奢りってコトで!ボウリングとかカラオケとかみんな行くとこは山程あるんだ。

…って事で今日はトコトン付き合ってもらうぜ、相棒?」

 

「……早く行きましょう。先輩」

 

「…あぁ、直ぐに準備する。」

 

…本当に底なしのお人好しばかりだよ…

だからこそもっと強くなろう。もう2度と、大事な仲間を傷つけないように。

 

今一度強い決意を抱いて歩きだす。ドアを開けると暑いくらいの陽射しが眩く俺たちを照らしていた…

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜…

 

真夜中の街をカツ、カツ、カツとブーツの足音を響かせ、この季節には酷く不相応なロングコートに身を包んだ少女が歩いていた。

 

年は10台半ば頃だろうか、アルビノを思わせる白い肌。

透き通るように白い髪を腰の辺りまで伸ばしている。

その少女を狙う異形の影が…

 

「よし…今日のエモノはアイツで決まりダナア…キヒヒ…」

 

路地裏に入った頃を見計らって彼は少女に襲いかかった——

 

 

 

 

 

 

 

 

—————「また首席?本当に凄いね!××××兄は!」

 

「ヘヘーン!何てったって俺ちゃんは天才だからねぇ!」

 

「私もなれるかなぁ…××××兄みたいに…」

 

「きっとなれるさ。何てったって×××××は俺ッチの自慢の…————

 

 

 

「……必ず見つけだす。そしてこの手で……」

 

 

ロケットペンダントを握りしめながら少女は路地裏を後にする。

その背後には膾切りにされなかった部位さえも蜂の巣にされたナニカの肉片が惨たらしく散らばるのみだった……

 

 

水面下で蠢いていた運命はまた新たに大きな波紋を起こそうとしていた…




後書きに書くほどのこともないなぁ…
本調子を取り戻したい。






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