ヤクザとマフィアと探偵のニセコイ物語   作:七草空斗

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どうも投稿者です。
本作品をクリックして頂き誠にありがとうございます。
一応あらすじの方にも書かせていただきましたが、この作品には未成年の飲酒、喫煙の場面があります。もしこの事に嫌悪感、不快感を示される方がいらっしゃいましたらこの作品を読まないことをオススメ致します。
本作品の説明は以上となります。下に書いてあることは当たり障りない雑談ですので興味がない方は飛ばしてください。

さて、話は270°変わりますが他の作品から来られた方々、お久しぶりです。他の作品であんだけいろんな作品の名前を出しておきながら結果名前が上がってないニセコイになりました。取り敢えずメジャーは設定の方をガチっていましてもう少しかかった後(何時になるかは未定)に投稿したいと思ってます。
前書きが長くなってしまいました。
それでは、どうぞ。


第1話 オトズレ

「はい、こちら冴島探偵事務所」

 

いつも言われているように声を2オクターブ程下げて事務所の受話器をとる。この1本の電話を受けてから俺の人生は大きな転機を迎える

 

「おう、テツか?俺だ俺」

 

「昼間から呑みに行って今頃電話ですかお父さん」

 

皮肉らしく応対する電話の相手は我が父である冴島遼介、学生の週に二日しかない休みに事務所を任せて呑みに行くような典型的なダメ親父、昨日の昼間っから昔の知り合いに会いに行くだかぬかして息子に事務所を任して呑みに行っているところだ

 

「おう今からこっち来れるか?」

 

「ばーか、日付と時間を見てからそういう事を言うんだな」

 

現在 月曜日の朝7:30いきなり来れるかと言われても学校で勉学に励むという大切な仕事がある

 

「何言ってんだ。そんなの休んで来れば良いだろ、場所は広尾3丁目5-3」

 

学生の本分は勉強という言葉を真っ向から斬り捨ててくる親父。仕方なく今自分が通っている都立の高校に欠席の連絡を入れる。そして着ていた制服を脱ぎジーパンにヨットパーカー、そしてフルフェイスヘルメットを被り愛車であるZZR250に跨り目的の場所まで走り抜ける

 

 

「よう、早かったじゃねえか」

 

伝えられたのは事務所を出て30分ほどの距離にある喫茶店。そこにはうちの親父と大柄な外人そして小柄な初老の男がコーヒーを啜って談笑している

 

「なんだよ、急に呼び出して」

 

俺が不機嫌そうに親父に聞くと親父は目の前のコーヒーを啜る

 

「うちに依頼が舞い込んで来てな。お前にも協力してもらうぞ」

 

「協力するかはその依頼の内容次第。こっちも学生の身分でして、勉強もしないといけないのでね」

 

「親に似ず真面目に育っているね遼介。マスターこの子にもウィンナーコーヒーを1杯」

 

大柄な外人の男性がマスターにコーヒーを頼むと俺を親父の横の席へと招き入れる

 

「勉強なら心配せんとも大丈夫だぞ、なんせ仕事は学校でもやって貰うからな」

 

学校で仕事と言われてもピンと来ず少し考えていると横にいる小柄な初老の男性が依頼の内容を話し始める

 

「まあ、いきなりで訳が分からんだろうから俺から少し説明しておくわ、まあ君にはボディガードみたいな事して貰いてえんだ」

 

学校でボディガード?訳が分からず困惑した表情でいると

 

「実はね僕はギャング、彼はヤクザのトップの者なんだよね」

 

「は?ギャング?ヤクザ?」

 

まあ当然ながら今の今までヤクザやギャングなんかには殆ど関わりが無い高校生がいきなりギャングとヤクザのトップに会ってるんだ驚きもする。だけどそれ以上に

 

「おい親父。学生にギャングとヤクザの手伝いしろって?本気か?後、何でこんな大物と知り合いなんだよ」

 

前の仕事を聞いたら貿易商だかビジネスマンだか警官なんて適当な事ばっかり言って挙句の果てには行商人だ。どうせ言えない様な裏の仕事でもしていたのだろうと考えていたが流石にこんな知り合いが出てきたらこっちとしては本当に真っ黒な裏の人間なのではと真面目に考えてしまう

 

「もう少し話を聞け、これからが本題だ」

 

そんな息子を前にして淡白な反応を示す親父対して多少の怒りも覚えたがそれをぐっと堪えて話を聞き直す

 

「それで僕達が頼みたいのは私の娘と彼の息子の事なんだ。まあ早い話2人を守って欲しいって事」

 

「うちとそことの組同士で小競り合いをしてる訳、それでこれから組同士で抗争になるかも知れねえわけよ」

 

「まあそうならないようにある案を考えて実行しようとしてる訳なんだけど」

 

「その案って?」

 

「そこの2人の子供をくっつけるって話よ、これなら(やっこ)さんらは手を出せんだろうしな」

 

うちの親父らが冷静に自情を説明する、説明が終わると同時にコーヒーが出てくる。出てきたコーヒーを啜り考え状況を飲み込む

 

「なるほど、それじゃあ俺は何をすればいい」

 

「最初に言った通りだよ、2人を守り抜けば良いんだよ」

 

「でも、2人は恋人同士でそれを構成員に話せば一件落着ならそれで終わりじゃねえの?」

 

「それがね、この事を2人ともまだ知らなくて。実はこの2人偽物の恋人なんだよね」

 

「そこでお前の出番ってわけよ、もし2人がこの事を了承して付き合う振りをしても何処かでボロは出る。それをお前が何とかするんだ、それが今回のお前の仕事」

 

「つまりは2人の秘密を守るってことね」

 

「そういう事」

 

そう言い残してうちの親父はコーヒーを啜り席を立ちタバコを吹かしに行く。それについて行くように後を追う

 

「何でそんな事を親父に頼むんよ?」

 

「だから言っただろ、知り合いに会いに行くって。こんな事頼める知り合いは殆ど見つかんないだろうしな、って事で頼んだぜ」

 

「はいはい、アルバイトの頭金として一本貰うぜ」

 

セブンスターのBOXから1本拝借して火を付ける

 

「朝っぱらからいいご身分だな非行少年」

 

「週初めから勉強熱心な学生に学校を休ませた親父が何を言うか」

 

煙と共に溜息にならない息を空を見上げて吹き上げる




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